凡矢理高校の不良くん   作:icy tail

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第10話

鶫が転校してきた翌日。

橙が登校してくると…

 

「お、お嬢…なぜ私がこんな格好を…」

 

「何言ってるのよ!女の子なんだからそれらしい格好しないと!」

 

どうやら鶫が千棘に女子の制服を着させられたようだ。

 

「おーす。…お?」

 

「と、時藤橙…!」

 

「ふーん…」

 

「な、なんだ…?///」

 

鶫は顔を赤くして恥じらいながら橙の様子をうかがっている。

橙は制服姿の鶫を頭から足まで見ると一言。

 

「なんつーか…エロいな」

 

「エロっ!!?///ううっ…お嬢~!」

 

橙のセクハラ染みた発言に鶫はたまらず千棘に泣きついた。

橙はそれを見て笑っている。

千棘は困ったように橙に非難の視線を向けた。

 

「つぐみ!?ちょっ、もう!橙!」

 

「あっはっは!冗談だ!似合ってんぞ?かわいいぜ、鶫」

 

「かわっ…!///お嬢~!」

 

「だ~い~!!!」

 

「今のは俺悪くねぇだろ!?」

 

次のシンプルな感想も鶫は恥ずかしかったらしくさらに千棘に泣きついている。

千棘は鶫を慰めながら橙への非難の視線を強めた。

それに加え…

 

「なぁ、るりさんや」

 

「何かしら?橙君」

 

「さっきから無言でスネを蹴るのをやめてはくれんかね?」

 

「あら?ごめんなさいね。丁度いいところにあったものだからつい」

 

「なんだそりゃ…。小野寺もこーゆう時は止めて良いんだからな?」

 

「え、えっと…るりちゃんそろそろ…」

 

なぜか、るりが橙のスネを攻撃していて、それを止めるか止めないかで小野寺があたふたしている。

こんな感じでなかなかおかしなことになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに翌日。

結局、鶫が女と分かってからもクラスの皆の反応は変わることはなくすぐに馴染めたようでなによりだ。

 

「うーす。はよー、鶫」

 

「む、時藤橙か。おはよう」

 

橙は登校した際に教室の前で鶫と鉢合わせた。

自然と挨拶を交わし何の気なしに話を始める。

 

「ありゃ?男子の制服に戻したんだな」

 

「ああ。あんなヒラヒラしたものではいざと言う時にお嬢を守れないからな」

 

「そーか。…ってかよ、フルネームで呼ぶのやめね?結構俺の名前って呼びづらいだろ?」

 

「ふむ…しかしなんと呼べば…」

 

「橙でいいぞ。俺達はダチだからな」

 

「それもそうか。…んんっ、だ……だ…ぃ///」

 

「乙女かオメーは!こっちまで恥ずかしくなるわ!」

 

「う、うるさい!仕方がないだろう!ゆ、友人など初めてなのだ!」

 

こんな話をしながら2人で教室に入る。

教室に入ると、千棘が振り向き様に鶫に声をかけた。

 

「つぐみ、遅かったじゃない!」

 

「すみません、お嬢。少し…だ、橙と話しておりまして」

 

「おーす、千棘」

 

鶫の返事に次いで橙が挨拶をする。

それに普通に返した千棘だったが何か違和感を感じたようだ。

 

「そーいうことね!おはよー!…って橙?いつの間にそんなに仲良くなったのよ!?」

 

「あっ、いえ…これには色々と事情がありまして…」

 

千棘の質問に対し、少し言いよどむ鶫。

橙は冷静にあったことを話せば良いと言っているが…

 

「なーに照れてんだよ。んなの隠す必要ねぇだろ」

 

「そ、そうだな。実は橙と2人で話をした時に…」

 

ここでまさかの爆弾投下。

それも核爆弾レベルの…

 

「俺から告白してな?付き合うことになったんだよ~!」

 

「そ、そうなんですよ!…へ?」

 

とっさの事で鶫は流れのままに肯定してしまう。

これがトドメとなり教室は一瞬の無音の後に爆発的に絶叫が響き渡った。

 

『はぁぁぁぁぁぁ!!!?』

 

『えぇぇぇぇぇぇ!!!?』

 

この状況で笑っているのは橙だけだ。

様々な反応がある中で特に動揺しているのが3人。

1人は鶫だ。これはもちろん、目の前で巻き込まれた張本人だけあって顔を真っ赤にして橙に詰め寄っている。

 

「な…ななななな!///何を言っているのだ貴様はぁ!?」

 

「あっはっは!ちょっとした冗談じゃねーか!」

 

「ど、どうすれば…!ってお、お嬢!?しっかりしてください!」

 

「橙とつぐみが…橙とつぐみ…」

 

「お嬢~!!」

 

鶫がこの状況をどうにかするべく、頭を悩ませていると真顔になりぶつぶつと何かを呟いている千棘の姿が。

鶫が揺すっても戻ってこない。

さらにもう1人…

 

「へぇ~。お似合いだね、あの2人」

 

「…」

 

「るりちゃん?」

 

「…」

 

「あ、あれ…?るりちゃん?おーい!……き、気絶?ど、どどどどうしよう…」

 

少し離れたところにいたるりと小野寺。

小野寺が普通に素敵だと思い、るりに話しかけたが反応が返ってこない。

不思議に思った小野寺がるりの顔の前で手を振ってもなにも反応がなかった。

るりは、どんな感情でかは分からないが立ったまま気絶しているようだ。

そこから数分後、ようやく落ち着いてきたのを確認して橙がネタバラシをして一応は終息したのであった。

 

「はぁ~!面白かったぜ!」

 

「勘弁してくれ…」

 

正気に戻った千棘とるりから一撃ずつもらったのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。

飼育係の仕事で飼育小屋に来ている。

 

「なぁ、千棘。そろそろ機嫌なおしてくれよー」

 

「ふんっ!」

 

「お前らいつまでやってんだよ…」

 

千棘は先程の一件でご立腹だ。

朝からずっとご機嫌取りに追われている橙である。

だが、ここで秘策を使うようだ。

 

「あーあ。映画誘おうと思ってたのになぁ…千棘が口聞いてくれないからるりか鶫でも誘って…」

 

「行くっ!私が行く!」

 

「でも千棘怒ってるしなぁ…」

 

「何言ってるのよ!私が怒るはずないじゃない!」

 

「ホントか?良かったぜ」

 

(ふっ…チョロいな)

 

単純な千棘は素直に喜んでいるようで橙の思惑通りのようだ。

そんなやり取りをしていると楽が気の抜けた声で言った。

 

「堂々と浮気かよ、ハニー」

 

「はんっ!あんたみたいな甲斐性なしは用済みよ!しっしっ!」

 

「こんのゴリラ女が!こっちから願い下げじゃボケェ!」

 

「くくっ。仲良いなぁお前ら!」

 

「「良くない!」」

 

こうして、茶番が終わり作業に入ると…

 

「うん?…まじか…」

 

「どうしたのよ?」

 

「エサが今日の分しかない…」

 

まさかのエサがないと言う事態に。

簡単に言うと楽が忘れていたらしい。

 

「しっかりしてくれよ、委員長」

 

「わ、悪ぃ」

 

「ホントに使えないわねー!どうする?注文するの?」

 

「いや、こんだけ珍しい動物がいるからな。買いに行くしかねぇだろ」

 

「めんどくさーい。ダーリン1人で行ってよね」

 

「いや…持てねーよ」

 

千棘は面倒くさいみたいで、楽1人に押し付けようとしているが世話焼きの橙が行かないはずがない訳で…

 

「しゃーねぇ。俺も行く」

 

「えっ?なら私も…」

 

それに千棘が乗っかろうとしたところでうしろの草むらから声が聞こえた。

 

「お待ちくださいお嬢!」

 

「え?」

 

「ん?」

 

キョロキョロと回りを見渡しても鶫の姿は見当たらない。

千棘と楽が首をかしげていると、草むらから鶫が登場してきた。

実は、橙は最初から気づいていたりする。

 

「「どわあ!!」」

 

「お嬢!そのような買い出しならこの私が!!お嬢にそのような雑事をさせるわけにはいきません!…行くぞ!橙!」

 

急に参戦してきた鶫は、橙がどうこう等は関係なしに100%善意でこの提案をしている。

だが、これに千棘はたまらず抗議しようとした。

 

「ん?鶫が一緒に行くのか?」

 

「はぁ!?ちょっ!私が…」

 

「いえ!お嬢は是非恋人とお2人で」

 

「ぐっ…」

 

だが、恋人のフリを知らない鶫にこう言われてしまうと下手に言い訳もできない。

結局、買い物は橙と鶫で行く事になったのであった。

 

 

 




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