凡矢理高校の不良くん   作:icy tail

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第16話

橙が千棘を連れて戻った後、皆に心配されながらも無事に終わり、そのまま林間学校も終了した。

翌日から、学校では衣替えの季節のためちらほらと夏服が見受けられる。

そんなある日の学校で、橙と楽とるりと小野寺の4人で廊下で話していると、鶫が教室からでてきた。

 

「橙、お嬢を見なかったか?」

 

「おう、鶫。千棘は…」

 

「ん?ハニーならさっき理科準備室に向かってったぞ」

 

「そうか。それは都合が良いな…皆さん少し宜しいですか?ちょうどお揃いのようですし」

 

どうやら、千棘には内緒で話があるらしく話を始めた。

 

「実は、今日は千棘お嬢様のお誕生日なのです!なので私、お嬢を楽しませて差し上げたくサプライズパーティーを計画中でして…ぜひ皆さんをご招待したいのです」

 

「おー!いいねぇ!行くぜ!」

 

「私も行くよ!もちろん!!」

 

「ふーん…じゃあプレゼントとか用意しなきゃな」

 

話を聞いてみると、今日が千棘の誕生日のようでパーティーに参加してほしいとの事だ。

断る理由もないため、4人とも参加となった。

 

「よし。なら放課後に小咲と一条君でプレゼント選んできなよ」

 

「そーだな。2人で行ってこいよ」

 

「「えっ…!?」」

 

すると、急にるりが楽と小野寺の2人でプレゼント選びに行くように提案した。

橙も取り敢えず乗っかることに。

 

「るるる、るりちゃん!?」

 

「橙まで!?」

 

2人は顔を真っ赤にしながら慌てだす。

 

「楽、ちょっち来い」

 

「うおっ!?」

 

すると、橙が楽の肩を組み少し離れたところに連れていった。

 

(せっかくのチャンスなんだからよ。ここは男を見せろっての)

 

(で、でもよぉ…)

 

(いいか?小野寺みたいな大人しめな子は引っ張ってくれるような人にときめくと見た。ってことは…分かるよな?)

 

(っ!…行ってくる!)

 

小声で作戦会議?というか、助言をする橙。

楽はそれを聞いて決心したのか小野寺のもとに向かった。

 

「お、小野寺!プレゼント選び一緒に行かねーか…?」

 

「えっ…!?えっと……う、うん///」

 

上手く誘えたようで、楽は小さくガッツポーズをしていた。

橙が2人を眺めていると、いつの間にか近くに来ていたるりが話しかけてきた。

 

「橙君」

 

「ん?どした?」

 

「…この前のプールの時に保留してたお願い…使っていい?」

 

こちらもこちらで動きがありそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校が終わった後、橙は私服に着替えて近くの商業施設に向かうことになった。

 

「るりも律儀な奴だよな。誘ってくれりゃ普通に行くのによ」

 

先程のお願いは、一緒に千棘のプレゼントを選びに行くことだった。

るりは、普通に誘えば来てくれるのを分かっていながらお願いとして橙を誘ったのだ。

 

「取り敢えず着替えて早く行かねぇとな。待たせちゃ悪い」

 

橙はパッと準備を済ませて家を出た。

待ち合わせ場所に到着すると、まだるりは来ていないみたいだ。

 

「ちと早かったか…本でも読むかね」

 

橙はそう言って眼鏡を取り出して小説を読み始めた。

るりはと言うと…

 

「ふぅ…緊張するわね…」

 

ちょうど待ち合わせ場所にむかって歩いていた。

 

「人を好きになるって不思議ね…もう、小咲のことからかえないわ」

 

そんなことを考えながら歩き、待ち合わせ場所に到着したるり。

橙を探そうと視線を巡らせると、木陰で立ったまま本を読んでいる橙を見つけた。

 

「…っ」

 

いつもとは違う雰囲気の橙に息を飲むが、数回深呼吸をして心を落ち着かせて橙の元へと向かった。

本に集中している橙にるりは声をかける。

 

「橙君。お待たせ」

 

「…ん?おう、るり」

 

橙は本をしまい、るりの方に視線をやる。

できる男として褒めるのを忘れない。

 

「おー!服おしゃれだな!かわいいぜ」

 

「ありがと///…橙君もかっこいいわよ。とっても」

 

「だろ?気合いいれたからよ」

 

るりは少し顔を赤くしたが、すぐに持ち直して返す。

橙は誕生日パーティーと言うことで、革靴にパンツにジャケットと軽い正装のような格好だ。

さらに、今日はカチューシャもはずして髪はワックスでセットしている。

もう、橙の纏う雰囲気と格好が相まって高校生には見えない。

 

「ふふっ…あら?カチューシャはずしたの?」

 

「ああ。この格好でカチューシャは似合わんだろ」

 

「それもそうね。それじゃ行きましょ」

 

そうして、2人は話もそこそこに歩き出した。

そこまで時間がないため、目的の品だけ見繕うことに。

 

「るりは渡すもん決まってんのか?」

 

「ええ。おすすめの小説」

 

「ほーん。るりらしいな」

 

「橙君は?」

 

「俺も決まってるぞ。そしたら…先に俺の方行っていいか?受け取りまでに時間空いちまうからよ」

 

「分かった。行きましょ」

 

お互いにプレゼントするものは決まっているとのことで、効率よく回るために橙の方から行く事になった。

そして、店に到着する。

 

「ここだな」

 

「…フォトフレームかしら?」

 

到着したのは写真屋だった。

 

「正解。急だったから昼休みに携帯で調べたんだよ」

 

「へー。すごいわね…こんな事もしてくれるんだ」

 

「普通の雑貨屋だと手を加えられないからな。ま、取り敢えず会計してくるから適当に見ててくれ」

 

「はーい」

 

そうして、橙はあとは受け取りのみになり、次はるりのお目当ての物を探しに本屋に向かった。

 

「えーっと…これと、あとは…」

 

「…ふむ」

 

橙は色々と物色しているるりを眺めながら考える。

そして、店内に視線を巡らせると…どうやらなにか思い付いたようで、るりの元へと向かった。

 

「いざ選ぶとなると迷うわね…」

 

「るり。迷ってんならよ、本は1冊にしてこれとセットにってのはどうだ?」

 

「ブックカバー?」

 

「おう。千棘は初心者だろうし、何冊も渡すよりかはいいんじゃねーか?」

 

「…たしかにそうね。そうするわ」

 

こうして、るりもプレゼントを購入し、目的は達成した。

取り敢えず2人は本屋を出る。

 

「受け取りまで少し時間あるな…るり、ちょっとそこのカフェで休憩しよーぜ。奢るからよ」

 

「いいの?」

 

「おう。行こーぜ」

 

「それじゃお言葉に甘えるわね」

 

橙のプレゼントの受け取りまで少し時間があると言うことで、近くにあるカフェで休憩することに。

席について手早く注文を済ませた2人は、どちらともなく話し始めた。

 

「今日はありがとう。プレゼント選びに付き合ってもらっちゃって」

 

「礼なんていらねーよ。むしろ助かったぜ」

 

「ふふっ。それでも、ありがとうよ」

 

「ははっ。相変わらず律儀なこって」

 

こんなやり取りをしながら話し、時間になったためカフェを出る。

2人は橙のプレゼントを受け取り、千棘の家に向けて移動を始めた。

 

 

 




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