ノイズに恐怖で固まるという感情があるのか、それは誰にも分からない。だがここにいるノイズ達は今目の前にいる存在に対して蛇に睨まれた蛙のように固まっていた。
突然現れた身長10メートル、赤眼、そして胸になんらかの赤い宝石のようなものを埋め込んだ漆黒の巨人は指をゴキゴキっと鳴らしながら表情のない顔でノイズを見下ろしていた。
「アアアアァァァァ…」
口から呻き声のようにも聞こえる声を出しながら漆黒の巨人はノイズと当たりを見回し、そして自分の手を顔の前に持っていき見た。そして自分の体を見回していった。
第三者から見たらその光景は、まるで巨人が自分の姿を確かめているような光景だった。
「キュキュキュキュ!!」
先に動いたのは1匹のノイズだった。そのノイズは巨人に怯むことなく。突撃していき飛びかかる。巨人はそれを煩わしそうに見た。
バシッ!!
巨人は両手でまるで人間が蚊を潰すように両手でノイズを押しつぶしノイズは体を炭状にさせ崩壊した。肩をすくめながら巨人がしばらくノイズを潰した手を見た。
数秒後、手を勢いよく振り下ろし顔を天に向け口に当たる部分が開き鋭い牙を見せながら凄まじい絶叫にも聞こえる雄叫びを叫んだ。
「ヴワァァァァァ〝ァ〝ァ〝ァ〝ァ〝ァ〝ァ〝ァ〝ァア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝!!!!!!!!!!」
叫んだ巨人がノイズに突進しそのまま体で大量のノイズに向かってジャンプし腹から突っ込みノイズを押しつぶす。そしてすぐに四つん這いの状況に起き上がると腕で周辺を薙ぎ払い、巨大な拳で叩き潰していく。攻撃に巻き込まれた近くのノイズを吹き飛ばし、ノイズは上半身が千切れるかそのまま吹き飛ばされて壁に激突しそのまま崩壊した。
先程まで人間をなぶるように追いかけていたノイズが一方的に嬲り殺しにされていく。その光景はまるで人間の子供が蟻の巣を破壊し蟻を引きちぎっている光景に見えた。
「ア〝ア〝ア〝ア〝!!」
巨人が近くにいた最後のノイズを足で何度も踏み潰し最後にゴリゴリと足を動かし念入りに踏み潰す。
周囲のノイズを全て倒した巨人がある方向に向きそのまま歩き出そうとするのと同時に巨人の胸の宝石が突然ドクンドクンとなりだし点滅を始めた。
巨人は急に弱りだし再び四つん這いになる。
息を切らした状態で這いながらその方向に向かうが最後に手を伸ばしそのまま体を横たわらせ、うつ伏せに倒れてしまうのだった。
そして巨人の体がボロボロと黒い影となり崩れていきそこにいたのは先程まで巨人が横たわっていた場所で横たわってている1人の少年…十六夜 真の姿だけだった。
風鳴 翼side
先程の唸り声は一体?
特異災害対策機動部二課の本部でノイズ発生…そして、2年前に損失した筈の奏のガングニールの反応を察知し、叔父様の指令を受け現場のノイズを殲滅している最中、私は獣のような唸り声を聞いた。
少し遠くの方でまるで何かが暴れているような音がしたけどノイズが暴れているのだろうか?
先ずは現場のノイズを倒し安全を確認するとその場所に向かった。
「これは…一体何が?」
地面は何かを叩きつけたかのようにひび割れ、近くのタンクははしゃげて曲がっておりそして当たり一面には無数のノイズが倒された後が残っている光景だった。
(まるで、何か大きな生き物が暴れた後にも見える。だとしたらその生き物は何処?」
注意深く探すと1人の男がうつ伏せで倒れていた。
駆け寄って脈を確かめると生きていた。私はその男を仰向けにするとまだ私と歳が変わらなそうな少年だった。
見たところ外傷はなさそうだ。
「しっかりしてください、大丈夫ですか?」
声をかけると呻き声を上げながら目を開けた。意識はあるみたいなのでここで何があったのかを聞いてみる。
「ここで何かあったのかを覚えていますか?」
「…………あの、響と女の子は無事ですか?」
「えっ?誰?」
少年が喋った第一声は誰かの心配だった。響という人物と女の子の心配をしている。ひょっとしてさっき私が助けたガングニールらしきシンフォギアを纏った少女とその近くにいた女の子かしら?確信した私は少年を安心させるため無事を伝える事にする。
「ええ、大丈夫。2人とも無事です。安心してください」
「ああ、そうです…か…よかった……」
私の言葉を聞いて安心したのかまた気絶してしまった。これでは聞き出せない。私は仕方ないと思いそのまま少年をここに放っておく訳にはいかないのでこちらに向かってくる救護班に渡すべく担ぎ上げ運ぶのだった。
風鳴 翼side out
「知らない天井だ」
気がつくと先ず思わずネタを言ってしまった、気がつくと何処かの病室で寝ていた。誰か知らないけど自分を助けてくれたようだ。
目覚めたらすぐに検査をされ、自分は2日間眠っていたとお医者さんに教えてもらった。体に大きな問題はなかったので後1日様子を見たら退院していいと言われた。
その後、黒服を着た優男…緒川さんが自分があの工場に何故いたのか、そしてあそこで何を見たのかを聞かれた。
実際の所自分にもさっぱりわからなかった。謎の声に助けられながら逃げてきたとか絶対信じて貰えないだろうし、第一ノイズに囲まれてしまった後自分の記憶はなかったのだ。
…意識がない中、夢の中で自分がノイズを引き裂いていた感覚はあったけど。
自分は謎の声云々は置いておいて何もわかりませんと答えたら、じっと自分を見た後にこやかに笑うと「そうですか、ご協力ありがとうございました。お大事に」と言って病室から出て行ってしまった。
初見の人を悪く言いたくないけどなんだか緒川さんは、なんだか油断ならない雰囲気をしていたと思った。
「ま、響とあの子が無事でよかったけど」
響とは緒川さんと話が終わった後に連絡が取れた。どうやって助かったのかと聞いたら、なんだかぼかした感じでなんやかんやで助かったと言っていた。
あんまり詮索しない方が良さそうなので詳しくは聞かなかった。
「とりあえず明日は退院、寝よ」
今日1日の回想を終えた自分は寝る事に決めたのでごろんと横になった。
ゴロリとしふと、あの謎の声を思い出す。あの声は一体誰だったんだろう。あの時の状況を考えると響には聴こえていなかったのには間違いない。あれは自分の"頭"の中に聞こえていた。
もしかしたらその謎の声の人物が自分がノイズに囲まれていた時に助けてくれたのだろうか?
「もしかして…自分の体の中に誰かいるとか?」
一瞬そう考えてしまった。だとしたら二重人格とかなのだろうか?まあそんな事は明日考えればいいやと思った……。
『勘がいいな、お前の考えている通りだ』
………………えっ?
「この声は、誰?、誰かいるんですか!?」
当たりに誰かいるのかと思い人を探す。だが誰もいる気配ない。誰かを探す自分に再び謎の声が聞こえた。
『内心わかっているのだろう。俺はお前の中にいるのだ』
この声が聞こえたのと同時に自分は暗闇の中立っていた。さっきまで病室でベッドに寝転んでいたのにいつの間にこんな場所に?キョロキョロと当たりを見回していると、ハッと気配がして目の前を向く。するとそこには人の形をした…影がいた。
『直接会うのは初めてだな、十六夜 真』
「どなたですか?後、ここは何処ですか?」
ビックリしたのが一周回ってしまい、思わず出た言葉に影がやや呆れたように自分を見た。正直自分もどうかとちょっと思ってしまった。
『ホウ、思ったより驚いていないようだな。まあそのほうが話しやすい俺は…ザギ、ダークザギだ』
「…………」
『どうした?何故黙る、まさか今になって恐怖で緊張したのか?』
影が急に黙った自分に聞く。いや…あの。
「何故"ダーク"がついているんですか?」
「……………………………………………なんだと?」
少し無言になった後、影…ザギさんが喋った。
「何故、自分にダークをつけてるんですか?というか本当にダークザギが本名なんですか?」
名前について質問をするとザギさんが固まってしまった。
『……長い時間を生きていたが、俺の名前に疑問を持つ者はいなかったぞ。お前、ひょっとして馬鹿なのか?それとも大物なのか?』
なんとも言えない空気になってしまった。自分のせいですね……その、色々ごめんなさい。
ちょっとした設定
ダーグザギ アンファス
身長10メートル 体重3トン
外見はウルトラマン・ザ・ネクストアンファスに似ている。
色は漆黒、見た目が刺々しく口が開閉する。
ネクストのアンファスと同じように光線技はそうそう使えないためもっぱら野獣のような肉弾戦で戦う。
自分のイメージとしてはブラックゲッターに近いかなと思います。