東方遊戯王〜満足決闘ケモナーと公式空気さん〜   作:満足タウン

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第二話噛ませ犬と紫と幻想郷

場所は移り、紫の保有する屋敷の庭園にて。

「先行は譲ろうか。空気さん?」

鬼龍は対戦相手である三沢に対して皮肉を込めて言った。

「俺は空気でもエアーマンでもない!三沢大地だ!ならば先行は頂こう!」

そう言い、手札からカードを切る三沢。

「俺はフィールド魔法『伝説の都アトランティス』を発動!」

三沢手札5→4

その瞬間フィールドが変化し、海の底に人知れず…しかし魚族を初めとした種族が繁栄を極めた神殿が静かに佇んだ。

「このカードの効果は知っているな?そして俺は手札から儀式魔法『影霊衣の万華鏡』を発動!」

「いきなり儀式魔法だと!?」

驚き、息を飲む鬼龍。

それを後目に現れた4つの水晶を眺める三沢。

「俺はエクストラデッキから氷結界の龍ブリューナクを生贄にフィールド魔法によってレベルが下がったこのカードをを儀式召喚する!禁断の氷結界の血を受け継ぎし巫女よ!今再び龍の影霊衣を纏い顕現せよ!」

四つの水晶の真ん中にブリューナクが現れ、その体を光に散らしながら水晶から現れた一人の少女に光が帯び始める。

「儀式召喚!現れよ!『グングニールの影霊衣』!」

言い終わると同時に役目を終えた水晶が砕け散り、中から氷結界のマークをあしらった杖を持つ赤い長髪の巫女、グングニールの影霊衣が現れる。

三沢4→2

「まだ終わらんよ!俺は『暗黒界の取引』を発動しお互いに手札交換を行う!」

三沢2→1

鬼龍5→4→5

「更に『命削りの宝札』を発動し3枚ドロー!」

「ラスト1枚でドローソースとか…運命力ありすぎだろ…」

三沢1→0→3

鬼龍はその手腕に呆れ顔になる。

下手をすればフィールドはグングニールの影霊衣のみになるとこであったのである。

「モンスターを一体伏せ、カードを2枚セット!エンドフェイズ命削りの宝札の効果によって全ての手札を捨てるが手札はない。よってこのままターンエンドだ。」

三沢3→0

フィールドグングニールの影霊衣セットモンスター伏せカード2枚

「全く…いきなり驚かせてくれるな…まぁいい…俺のターンだ!ドロー!」

鬼龍手札5→6

「悪いが速攻で終わらせてもらうぞ!俺は手札から『サイバードラゴン・コア』を召喚し効果発動!」

フィールドに外装が外され様々なコードが繋がっている文字通りサイバードラゴンのコアとなる機械龍が出現する。

そして機械龍はそのコードに繋がっているコンピューターから1枚のカードを生み出す。

「召喚成功時『サイバー』又は『サイバネティック』と名の付いた魔法罠カードを手札に加える!俺は『エマージェンシーサイバー』を手札に加える!」

「何!?ヘルカイザーのモンスターと似ている!?いやそれよりそんなカードの情報はなかったぞ!」

対する三沢は機械龍を見て動揺していた。

…それも仕方ないことである。どうやって俺の『バスターデッキ』の情報を手に入れたのかは分からないが俺のデッキは一つだけではないのだから。

「そして俺は手札から『エマージェンシーサイバー』を発動し、デッキからサイバードラゴンを手札に加える!」

その瞬間天空へ一機の戦闘機が特攻するがの如く飛翔していったと思ったら空から1枚のカード、『サイバードラゴン』を残していった。

…ヤムチャしやがって。

「そして俺は手札から『融合』を発動!サイバードラゴン扱いのフィールドのコアと手札のサイバードラゴンで融合召喚する!」

鬼龍手札5→3

「サイバードラゴンが2体…まさか!?」

三沢少し考え込み、ハッとした顔になる。

何か思いつくモンスターでもいるようだが想像しているものとは違うのである。

「現れいでよ!『キメラティックランページドラゴン!』」

コアの周りに渦が発生し、手札のサイバードラゴンも巻き込んでいく。

渦が収縮し光の中から現れたのはとあるモンスターの外殻をコピーし、その劣化版となる黒い機械に身を包むサイバードラゴンであった。

「なに!?サイバードラゴン二体でサイバーツインドラゴンでは無いのか!?」

三沢が更に動揺し、勝鬨る。

「俺のデッキにはサイバーエンドやツイン以外にもまだ様々な『サイバードラゴン』の発展形がいる…このランページドラゴンはまだサイバー四天王の中でも最弱なのだ。そして!ランページドラゴンの召喚成功時効果発動!融合素材となったサイバードラゴン一体につき1枚フィールドの魔法罠カードを破壊できる!素材は2体!よってフィールド魔法以外の伏せカードを破壊だァ!」

「くっ…それにチェーンしてダメージダイエットを発動!」

キメラティックランページドラゴンが伏せカードを破壊しようと首を上げた瞬間伏せカードの1枚が発動され、ランページドラゴンから稲妻が走り跡形もなく三沢の魔法罠ゾーンが破壊される。

動揺から立ち直れない三沢はまだ何とか持ちこたえようと希望的観測を言う。

「だがそのサイバードラゴンは攻撃力2100!おれのグングニールの影霊衣は2500だ!それにダメージダイエットによって戦闘ダメージは半分になっている!このターンでは倒せまい!」

その時鬼龍はすごくいい笑顔だったのだろう。

三沢にとっては死刑宣告に等しいものだったが…

「それはどうかな?このターンにケリを付けると言っただろう?」

そう言い…指示を待つ機械龍に声をかける。

「最初にランページドラゴンの効果発動!デッキから機械族・光属性モンスターを墓地に送り追加攻撃を墓地に送った分可能にする!これにより『サイバードラゴンフィーア』と『サイバードラゴンドライ』を送る!」

三沢の表情が徐々に崩れていく。

「更に俺は手札から3枚の魔法カードを発動する!まず、速攻魔法『サイバネティックフュージョンサポート』を発動しライフを半分支払い、墓地からも融合することができるようになる!」

鬼龍ライフ4000→2000

「そして『パワーボンド』を発動!これにより墓地にある先程の融合素材とサイバードラゴンフィーアを除外!白銀の装甲を纏う三体の機械龍!その身を合体させ圧倒的火力で敵を殲滅せよ!融合召喚!現れいでよ!『サイバーエンドドラゴン』!」

鬼龍手札3→2→1

墓地に送っていた姿形がそれぞれ違うサイバードラゴンが現れ、逆巻く渦に飲み込まれていく。

そして出現したのは皆がよく知る圧倒的火力を持つ三対の頭を持ち、白銀の装甲の翼をもつサイバードラゴンであった。

「なに!?サイバーエンドドラゴンだと!?…待て。パワーボンドということは…」

三沢は先程使ったカードを知っているらしく、虚無感漂う顔になる。

「そうだ!このカードで融合召喚したモンスターは攻撃力が2倍になる!」

サイバーエンドドラゴンATK4000→8000

―――ちなみに強力な効果を持つカードには例外はあれどデメリットが付き物だ。このターンで終わらせてしまえば意味を成さないものではあるものの…

「ここまで…か。勿体ぶらずに最後の魔法カードも使えよ…俺が想像するに機械族専用カードだろう?」

力なく吐き捨てる三沢。

そこまで言うなら仕方ない。実力を見せる意味もある。このカードを使うとしよう。

「だったら見せてやろうか?もっと面白いもんをよォ!最後のカードの『リミッター解除』を発動!これにより更に攻撃力は倍だァ!サイバーエンド!ランページドラゴン!コード『トランザム』だ!」

その号令を機に二体の機械龍達は装甲を赤く発光させ始める。

キメラティックランページドラゴンATK2100→4200

サイバーエンドドラゴンATK8000→16000

「バトルフェイズ!サイバーエンドドラゴン!キメラティックランページドラゴン!敵を殲滅せよ!フルエターナルエボリューションバースト!合わせてヨンレンダァ!」

二体の機械龍がそれこそ全開の攻撃により三沢のモンスター達は吹き飛ばされ、それの余波により三沢は吹き飛ばされる。

「イワァァァァァァァァァァァァァク!」

三沢ライフ4000→-22100

「満足…したぜ…」

 

鬼龍WIN

 

 

鬼龍は三沢を圧倒的火力で退け、満足感を感じていたが束の間の満足を打ち破るものがいた。

「お見事です…鬼龍遊樹さん。」

そう、八雲紫である。

「実力は申し分ありませんね。これならあの子の代役も務まるでしょうね。」

「はい、紫様。しかしながら博麗の巫女と完全に変わる事は出来ないでしょう…」

こちらにはよく分からない事を言いながらこちらへ近づいてくる管理者とその従者。

「…おい。俺は元の世界に帰りたいんだが?なぁに勝手に色々と決めてるんですかね?せめて説明ぐらい最初にして欲しいものだが。」

満足感に浸っていたのを途中で止められた鬼龍は不機嫌そうに言う。

「あら、ごめんなさいね。とりあえず中でお茶でも飲みながら今回連れてきた目的について話すわ。藍、茶菓子の用意をお願いね?」

「かしこまりました紫様。」

そう言うと、屋敷の中へ戻っていく藍。

三沢のことには触れない紫に怪訝な顔をしながら鬼龍は聞いた。

「あいつ…えっと確か三沢だったか?あいつはいいのか?」

そう言うとどこか嬉しそうな顔を一瞬したと思ったら、扇で顔を隠す紫。

「いいのよ…放っておけばそのうち来るでしょ。」

そう答える紫の声にはどことなく寒気を覚えた。

―――こやつ…ドSじゃったか…

まぁ当然の事ながらそんなことは言えず、どう答えたものか、と悩んでいると藍が屋敷から出てきた。

「お茶菓子の準備出来ましたので皆さんどうぞ。」

「ほら藍もこういってるわよ。行きましょ。」

紫に促され仕方なく同意として頷き、三沢をチラッと見てその場を後にした。

少し忍び無いが今回三沢には尊い犠牲ということにしておこう。

…後でケアが大変だろうな。

 

 

「すると?ここは俺のいた世界とは結界によって隔離されていて?なおかつ侵入することも脱出することも出来ないと?」

紫からこの幻想郷の大まかな事を聞き終えた鬼龍はどこか諦めたような顔をしながら質問をしていた。

「ええ。つまりはそういう事ね。」

紫の回答に盛大なため息を零す鬼龍。

鬼龍は今まで普通の生活をしていた。少なくとも今までもこれからも普通の生活を送るものだと思っていた。しかし現実は非情である。目の前には幻想郷の管理者(笑)が居て、鬼龍の隣には現実離れしているがケモ耳の美女元い管理者(笑)の従者がいるのだから…

「その事についてはよく分かったよ…強制的に協力してくれって言ってるようなものじゃねぇか…」

茶菓子の煎餅を取りながら鬼龍は言う。

うん…醤油ベースの煎餅はやはり美味い。

…と現実逃避しても結果が変わる訳では無いのだが。

「それで?そこまでして俺に協力を求める目的は?」

その言葉を聞いた他二人が少し表情が固くなる。

一呼吸おいて、紫がぽつぽつと話し始める。

「この幻想郷は妖怪達にとって最後の楽園。妖怪と人間が手を取り合う…ってのは少し難しいのかもしれないけれども、共存共栄を目指したの。その関係を守ってきたのが博麗の巫女。」

そう話す紫は、すごく悲しい表情…今にも目頭から涙を零しそうな顔をしていた。

その表情には嘘偽りなど存在しないものだった。

「博麗の巫女によって妖怪と人間の関係を保ってきた。だけど博麗の巫女…博麗霊夢と呼ばれる子が謎の失踪をして幻想郷のパワーバランスが崩れ始めたの。」

対する藍はどこか悔しげな顔をしていた。

…大方、何も出来なかった自分を責めているのだろう。

「今まで共存共栄してきた幻想郷がこのままだと壊れてしまうの…」

紫はそこで言葉を切ってしまった。

否、言えないのだろう…その言葉は鬼龍を縛るものだろうから。

自分が大切にしていた物を―――自分の命より大切なものを―――壊される気持ちを知っていた鬼龍は二人を安心させるように言葉を紡ぐ。

「そんな辛気臭い顔すんなって…ほら綺麗な顔が台無しになっちまうぜ?」

それを聞く紫はそっぽを向いてしまった。

…あれ?俺なんかまたやっちまいました?

だが鬼龍は話を止めない。

「つまり…だ。俺に博麗の巫女代行をしてくれってことだろ?幻想郷が壊れる、その前に。」

「いいの?最悪の場合生きている間ずっとかもしれないのよ?それに貴方私のことを信用出来ないと思ったでしょ?」

そう言う紫は無断で連れてきた申し訳ない気持ちと不安でごちゃ混ぜになった得も言われぬ顔をしていた。

「そんなことは日常茶飯事!大丈夫だって。」

 

――嘘だ。

 

「妖怪?そんなもんデュエルでぶっ飛ばせば万事解決だろ!上等だよ!」

 

――鬼龍の日常生活でそんな破天荒な人生は歩んでないし、妖怪なんて物も存在しなかった。

 

「博麗の巫女様はどこに行ったのかは知らん!そんなことは俺の管轄外だ。」

 

――正直元の世界に帰れるなら帰りたい。

 

「…だけどな。」

 

――だけど。

 

――だけど誰が他人のために自らを犠牲にしてまで守ろうとするか弱い女性を放っておけるだろうか?

 

「女の涙ほど信用できるもんはねぇよ。しかも自分のためならいざ知らず。」

 

――否、できるはずがない。

 

「気が変わった。」

 

――できるわけがないじゃないか。

 

「え?」

紫は少し驚く、鬼龍が放った言葉に。

 

「やってやろうじゃん…博麗の巫女代行。ついでに幻想郷を守る手伝いをな!」

 

――俺には関係ないことかもしれない。

 

「本当にいいの?貴方の身の危険も当然あるのよ?」

紫の瞳は、揺れる。光を灯しながら。

 

「私は一向に構わん。元の世界に帰るのはそれからでもよかろうて。」

 

――だが、紫が守ってきた人間と妖怪が共存共栄している幻想郷というものを守りたくなった。

 

「ありがとう…」

紫は眼を閉じ、お礼を言う。

 

――ただ、それだけだ。

 

 

その後、とりあえず紫の屋敷で休むことになった鬼龍はデッキの調整をしていた。

「やっぱりこのカードは外せないよなぁ。」

そう言い、手に持つボロボロになっている1枚のカードを見る。

 

『九尾の狐』

 

このカードは鬼龍にとってかけがえのないものであった。

どこへ行くにもこのカードと一緒であり、人間の相棒が柊俊だとするならばカードの相棒はこれであった。

――そう、あれは数年前のこと…

と、思い出に耽ろうとしたその瞬間紫に案内された部屋の扉が勢いよく開く。

「おい!温泉行こうぜ!」

「おいおい…体は大丈夫なのか?」

パンプアップしたサイバーエンドドラゴンの攻撃を受けて吹き飛ばされていた三沢が大吟醸「獺祭」を持ってそこにいた。

「あんなもの決闘者ならいつもの事だろ?」

なんてことのないというように三沢は言う。

「いや普通じゃねぇから…てか温泉?紫の屋敷にはなんでもあるな…」

決闘者の体が頑丈というまるで意味が分からん理論を冷静にツッコミを入れるが、温泉があるとは知らなかった。

「ほら、ぼさっとしてないでさっさと行くぞ!酒と温泉が俺たちを待ってるぞ!」

「ハイハイ…今行きますよっと。」

カードをデッキにしまい、風呂に行く準備をする。

 

――季節は冬。

 

静かだった外にからっ風が凪いだ。

 

さも、何も無い空間に波紋を広げるように…




書くことないんで登場したお酒でも書いておきます(人はそれを尺稼ぎという)
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分
メロンやバナナなどのフルーティな果実の香りが立ち、香味バランスが絶妙。
口に含むと米の旨みがゆっくりと広がり、やわらかな酸味と渋みが後を追いかける。
良質な米が持つ重厚感も感じられ、よくまとめ上げられている。
コストパフォーマンスもよく、白ワインのように晩酌にでき、獺祭の魅力を楽しめる酒。
幻想郷では一般的な日本酒はこれを指す。
人里の屋台などではよくこれが飲まれることが多い。

例によって続かないかも。

唐突ですが一応取ります。三沢大地にウォータードラゴン関係のオリカを追加しても良いか否か

  • いいぞもっとやれ
  • 原作基準で…
  • そんなことより主人公は?
  • イラスト描け
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