ボーボボ達が急いで向かっていた町、そこはすでに毛狩り隊の襲撃が終わろうとしていた。
「よし、ノルマはもうすぐだ。」
「ったく、てこずらせやがって。」
「う、うぅ…。」
逃げ遅れた一人を捕獲している二人の隊員。
周りには同じ格好をしている者が多くいることから、彼らは一般隊員なのだろう。
だがその毛狩り隊はこれまでの毛狩り隊とはどこか異様な点があった。
いくつかの特殊部隊を除き、毛狩り隊の一般隊員は皆スキンヘッドとボディアーマーというのが基本的な格好である。
だが彼らはそのスキンヘッドを露出させつつも目には機械のパーツが付いた黒のサングラス、体は全身タイツのような黒のインナーの上に銀の機械のアーマーを着込んでおり、インナーには電子回路のような線が引かれている。
そして隊員の一人が手に持った電飾のように刀身が光る剣を一振りした瞬間、捕まった一般人の髪がすべて無くなってしまった。
「便利だよなこの毛狩りソード。おかげで毛狩りがはかどるはかどる。」
「狩った毛は確か
「しっかし、狩った後の毛なんて一体どうするつもりなのかねえ。」
「知らねーや。でも毛を回収する代わりにこのKGスーツをただで使えるんだから、俺たちはラッキーだな、っと!」
再び他の逃げ遅れた一般人に対して剣を振るう。残酷な所業を何の感慨もなく行うそれはもはや襲撃というより
それと同時に襲撃を行っていた隊員たちが次々と帰路につき始める。
「よーし今日のノルマおわり!基地帰って一杯やるか!」
「確かこのKGスーツ、まだ試作品なんだろ?完成品はどんだけすげー性能なんだろうな?」
「このスーツの完成品がありゃ、あのボボボーボ・ボーボボ達の毛も刈れちまうんじゃねーか?」
「そりゃいい!それができりゃ俺たちは基地隊長、いや下手したら四天王と同等の地位まで行けちまうかもな!」
「近頃やられてる情けない四天王様方の時代はおわり、これからは俺たちの時代ってわけだ!」
「「ははははははははははははは!!」」
与えられた力に酔いしれ、下種な会話を繰り広げる隊員たち。だが彼らに罰が下されようとしていた。
ふと彼らのサングラスに何かしらの反応が表示される。
「おい、何かがこの町に近づいているぞ。」
「ひょっとしてボーボボか?だとしたらボーナスチャンスだ!」
表示された方向を見遣り、剣を構えていると…。
「ぬおおおおおおおおおおお!!ししゃもであれ!ししゃもであれ!」
なんかでかい「ぬ」をひきずった少女らしき謎生物がこちらに爆走していた。
「いやなんだあいつは!?」
「なんでもいい!毛をさっさと狩っちまえ!」
そうして毛狩りソードを振るおうとするが____
「到着&激突!!!!」
「「「「「「「「ぎゃあああああああああああっ!!!!!!!!」」」」」」」」
迎え撃とうとした毛狩り隊を勢いのまま吹っ飛ばしたと同時、その少女は停止した。
「着きましたよ首領パッチさん、天の助様! …あ、え?」
ココが後ろを振り返ると同時、凄惨な光景が広がっていた。
体全体(主に顔面)がひどく傷ついた首領パッチと天の助の姿がそこにあった。
「そんな、二人とも!いったい誰に!」
ココが後ろの彼らに駆け寄ると__
二人は息も絶え絶えにココを無言で指さした。
するとココは振り返って毛狩り隊の面々を見る
「そうか…、あなたたちですね!!」
(ええええええええええええっ!?)
「許しません、二人を傷つけたあなたたちは絶対に!」
(いや傷つけたのおまえ!!)
理不尽な主張に思わずツッコんでしまう毛狩り隊。
「あなた達はこの私が倒します!」
今ここに、ココ(と首領パッチと天の助)と毛狩り隊の戦いの火蓋が切って落とされた!
#
「このガキ、毛狩りソードをくらえ!」
隊員の一人が剣を振るうが、それをココはジャンプして躱すと同時に上空に構えると、そのラプンツェルヘアー状の触手の先にある白色の立方体を動かす。
「
すると立方体の面から角が増えて棘付き鉄球のようになり、毛狩り隊に向かって衝突していった!
「「「「「「「「ぎゃあああっ!!」」」」」」」」
ココが首を振ってチェーンハンマーのように立方体を操り、次々と毛狩り隊にブチ当てていった!
「「ぎゃあああああああああああっ!!」」
ついでに虫の息だった首領パッチと天の助にもブチ当てていった!!
「終わりですか。変な格好してましたけど、まあ一般隊員じゃこの程度ですよね。」
一面に倒れ伏した毛狩り隊たちを見遣るココ。
「今のうちに二人を!って、そんな…!」
二人はさらにひどい有様となっていた。(ココのせいだが)
さらに次の瞬間、倒れていた毛狩り隊たちが次々に起き上った!
「そんな!よくも二人を!!食らいなさい、硬派プルプル真拳、プルービッグ・キューブ!」
「いやだから傷つけたのお前!!だが好都合、髪をこっちにむけてくれるとはなぁ!!」
毛狩り隊の一人がココが差し向けた立方体__正確にはそれにつながっている触手__に剣を振るうと__
「なぁっ、切れた!?」
「ハッハァ!思った通り!」
ココの触手と立方体が切断されていた。
「見たところテメーは真拳使い、そしてその真拳はその髪を操るようだなぁ!最初は油断していたが、それを切っちまえばこっちのモン!」
「この毛狩りソードはどんな毛でも簡単に狩ってくれるのさ!!」
「ぐぅっ…。」
「このガキ、よくもやってくれたなぁ!」
「毛を狩るだけじゃ済まさねぇ!甚振ってやるから覚悟しろ!」
「やっちまえぇぇぇぇぇ!!」
形勢逆転。毛狩り隊たちはココに襲い掛かった!
「針千本!!」
「プルプル真拳奥義、球砕弾!!」
「「「「「「「「ぐあああっ!!」」」」」」」」
だが彼らを相手にしているのはココだけではない!
毛狩り隊を狩ってきた勇士たち二人が復活し、反撃を行った!
「首領パッチさん、天の助様!!ご無事だったんですね!!」
二人に駆け寄るココ、そんな彼女に微笑む二人。
すると天の助は立方体を拾って彼女に渡すと、彼女をいわゆるお姫様抱っこした!
「きゃっ!天の助様!?そんな、周りに人がいるのに大胆ですっ!」
一方首領パッチは立方体が取れてしまった彼女の髪の毛の先端を持つ。
「あの、お二人とも、怪我の方は大丈夫ですか?私はまだ戦えるので、お休みになられては?」
そんなことをいうココに対し、二人は微笑み____
「「テメーのせいじゃぁぁぁっ!!」」
「きゃぁぁぁぁぁっ!!」
「「「「「「「「ぐわぁぁぁぁぁっ!!」」」」」」」」
ココの体をミサイルのように毛狩り隊に投げつけた!!
「やっとついた…って、二人とも何やってんの!?」
追いついて早々、現状にツッコむビュティであった。
#
「苦戦しているようだな、ココ。」
「うぅっ…、面目ありません。」
ボーボボ達がついてすぐ行ったのは、ココへの反省会であった。
「この問題においては微分積分という現実的アプローチではなく帰納法による空想的アプローチをすべきだったな。」
「はい、勉強になります!」
「いやなんで数学の授業やってんの!?」
(セーラー服でツッコむビュティさんも素敵だ…。)
教師の格好をしたボーボボと学生服に着替えたココとビュティとヘッポコ丸が野外学習を行っていた。
「こらビュティ!さっさと問題に答えるザマス!!」
「へっくんも答えなきゃ、今日の晩御飯のところてんステーキ抜きよ!?」
その後ろではケバい格好をしたバカ二人がビュティとヘッポコ丸に怒鳴っていた。
「保護者の方はお静かに願います!!」
「「ぎゃあああああああああああっ!!」」
そしてバカ二人にチョークをつかんだ鼻毛が炸裂した。
「おいテメー、ひょっとしてボーボボか!」
すると倒れていた毛狩り隊たちが次々に起き上がった!
「嘘だろ、さっき結構な一撃をくれてやったのに!」
「ハッ、その秘密はこのパワードスーツにあるのさ!こいつは特別製でな、ちょっとやそっとの攻撃は通さないのよ!」
一行がボーボボと気付いた故か、隊員たちがさらに熱狂する!
「ボーボボ達が来るとは超ラッキー!これで俺たちのボーナス確定だ!」
「そこの女のピンクの髪いいなぁ!俺が狩るぜ!」
「ついでに裏切りモンのところてん野郎と田楽ヤローも始末すりゃあ、特別ボーナスが出るかもなぁ!」
「ボーボボ、この毛狩り隊たち、格好といいこの様子といい、なんかヘンだよ!」
「確かにこの様子は少し妙だ、隊長クラスならともかく一般隊員が俺たちのことを知っても焦る様子がまるでないとは。」
ソフトンもまたその違和感を感じ取り口にすると___
「教えてやるぜ、それは俺たちが選ばれた存在だからよ。」
「選ばれた存在?」
「俺たちは『毛狩り隊特殊機構戦隊』、他の雑兵とは格が違う!」
「俺たちは狩った毛と引き換えに毛狩り隊の技術開発基地における最新装備を提供されているのさ!」
「俺たちはこのまま最新装備で強くなり、いずれ四天王も跪く存在になるのさ!」
「こいつら、自分の上司である四天王すら見下してやがる…。」
戦慄しながらもそう口にするヘッポコ丸。
「借り物の力に溺れし哀れな愚者達、というわけか。」
ソフトンは哀れみの感情すら浮かべ彼らを見る。
「仲間を見下すとは、毛狩り隊は愚か人間の風上にも置けんやつだ。」
そう発したボーボボだが、何かメモのようなものを落とした。
そこには_____
ボーボボ:主役
ビュティ・ヘッポコ丸・ソフトン:仲間
ココ(NEW!):新入り
首領パッチ・天の助:使い捨てシールド
と書かれていた。
「「テメーも見下してんじゃねーか!!」」
「ぐばぁーーーーーー!!」
「はっ、強がりはやめたらどうだボーボボ!お前の鼻毛真拳もこの毛狩りソードの前じゃあ何の役にも立ちはしねえのさ!」
「よっしゃあああ!ボーボボを狩るのは俺だぁ!」
「おいこら抜け駆けしてんじゃねぇ!」
すると毛狩り隊の大半がボーボボに向かって殺到していく!
「鼻毛真拳奥義、極楽スパ大作戦!!」
するとボーボボは♨マークがついた暖簾がたなびく鼻毛を毛狩り隊たちに振るった!
その量は毛狩り隊たちの視界を埋め尽くすほどである!
「しゃらくせぇ!こんなもん、毛狩りソードの敵じゃねえ!」
だが隊員たちは剣を使って次々と鼻毛を切り裂いていく。
そうして鼻毛を切り裂いていった毛狩り隊たちを待ち受けていたのは____
「温泉宿になってるーーーー!?」
「ボボボスパ」と看板に書かれた温泉宿であった。
「この中に隠れやがったか!」「探せ探せぇ!」
自身の力への過信故か、隊員たちは次々と温泉宿に入っていく。
「おい、このサウナ室に入っていくのが見えたぞ!」「よっしゃあ、追い詰めたぜ!」
「くそ、見つかんねぇ!つかあっちぃ!」
「あーくそ、服なんて着てられねぇ!脱ぐぞ脱ぐぞ!」
数分後_______
「「「「「「「ハァ~、極楽極楽。」」」」」」」
そこにはスーツという繭を脱ぎ去り、蝶のように羽を伸ばす毛狩り隊員たちがいた。
するとサウナの出入り口の扉が開き、温泉宿の女将のような恰好をしたボーボボがいた。
「皆さま、サウナを楽しんでいただけたようで何よりです。」
「あっ、てめぇボーボボ!」
「風呂上がりの皆様には冷たいものをご用意しております。」
「ほう、気が利くじゃねーか」「殺すのはそれ食ってからにしてやる。」
「ああ、たっぷり食らいやがれ。」
そう言ってボーボボが下がると、超巨大な扇風機が頭を向けていた。
「奥義!北風と太陽アタック!!」
「「「「「「うぎゃあああああああっ!!」」」」」」」
回転する巨大扇風機から流れる冷気をまとった暴風が隊員たちを凍り付かせると同時に、温泉宿の壁を破って外に吹き飛ばした!!
「道具に頼って慢心しているような奴は、かき氷になって出直してきやがれ。」
そしてボーボボが残りの隊員を見遣ると__
「欲におぼれた哀れな羽虫たちよ、バビロンの裁きにより懺悔の旅路に出よ。」
「どうやらそのスーツ、俺のオナラ真拳の前じゃ意味ないみたいだな。」
ソフトンたちの方に言っていた毛狩り隊たちもソフトンやヘッポコ丸に軒並み倒されたようだ。
(すごい…。私が苦戦した相手をこうも容易く…。それに比べて、私は…。)
己の不甲斐なさから拳を握りしめるココ。
「よっしゃあ、残りはあと一人だな!」
そして残りの一人、先程ココの触手を切った男は、他の隊員達よりも上級らしきスーツを身に着けていた。
「その恰好、貴様は隊長格のようだな。」
「その通り、俺は特殊機構戦隊隊長、アーマーD。貴様らを倒し出世するとしよう。」
「上等だ!だったらこっちはテメーを倒して出世してやる!」
「いや出世してどうすんの!?ボーボボサラリーマンじゃないじゃん!?」
「ブリになります。」
「いや魚になってどうすんのさ!」
「うおおおおブリ・チェーンジ!!」
おめでとう!ボーボボは出世してブリになった!
「それブリじゃなくてブルドッグじゃん!」
「からの奥義!ブルドッグ☆パーンチ!」
「ぐわぁぁぁっ!!」
「メリケンサックつけてタコ殴りしたーーーーーーー!?」
そのまま攻撃を続けていくボーボボ。だが___
「えぇい、離れろぉ!」
スーツが高性能だからか、ボーボボの攻撃をくらっても大したダメージがなさそうである。
「そんな…。ボーボボの攻撃が効いてないなんて…。」
ビュティがそのスーツの強さに戦慄していると___
「私にやらせてください。」
「ココさん?」
「私はさっき自身の慢心により敗れました…。このままじゃ皆さんの旅に同行する資格はありません…。どうか私に、もう一度チャンスをください!この男を一人で倒し、ケジメをつけます!」
そういってボーボボに頭を下げるココ。
それに対しボーボボは____
「…そろそろキュウリ教の『スタンプラリーの儀』の時間だ。終わるまでに片付けて見せろ。」
「っ、ありがとうございます!」
「ココ、やつはちょっとやそっとの攻撃じゃあ意味がない。全身全霊の一撃で終わらせるんだ。」
「ソフトンさん、ありがとうございます!」
そうするとココは隊長と対峙する。
「はっ、誰かと思えばさっき俺にやられた小娘じゃねえか。おまけに髪を切られて真拳を使えねえてめぇがどうやって俺に勝つっていうんだ?」
そういわれたココは、立方体を胸に押し付ける。
「硬派プルプル真拳奥義、
すると立方体が吸収され、切られた触手が再生すると同時に再び立方体を先端に実らせた!
「なにぃ!」
「元に戻った!」
「___さて、あなたに切られた傷はこうして元に戻りました。やられた、というには私はピンピンしてますよ?」
「___上等だぁ!てめぇが復活できねぇくらいバラバラにしてやる!」
その応酬を皮切りに、ココのリベンジマッチが幕を上げた!
#
「オラオラさっきの威勢はどうした!避けてばっかじゃねえか!」
「くっ…!」
隊長の斬撃を紙一重でよけ続けるココ。
(ココさん、大丈夫かな…。ううん、ボーボボ達が信じて任せたんだもん、私もココさんを信じよう!)
心配になるビュティだが、ボーボボが彼女を信頼して任せたという事実、そして彼女の
そして当のボーボボであるが____
「うおおよっしゃぁぁぁ!『キュウリ教最大神・カッパヤード3世』がでたぁ!」
「うわぁマジスゲー!俺の『怪魔ヒーヤチューカ』と交換してくんねぇ!?」
「いやなにやってんだよ!?」
某ビッ〇リマン的カードの封を開けていた。
「何を言っているんだビュティ。これぞキュウリ教『スタンプラリーの儀』だ。」
「ただのカード開封の儀じゃん!!」
「安心しろビュティ、そろそろ決着がつく。」「え?」
その言葉にビュティはココの方を見ると____
「ハァ、ハァ…。いい加減当たりやがれ…。」「…。」
隊長の方は疲労からか動きが鈍くなっているが、ココの方はまだ余裕そうである。
「やつは自分のスーツの性能を過信するあまり、持久力を頭に入れてなかったんだな。」
「おまけに無駄な動きも多い。どんな優れた武器であっても使い手が未熟ではあの通りだ。」
「この、当たりやがれぇ!!」
隊長が大きく振るった剣をジャンプして躱し、そのまま上空に身を置く。
(はっ、さっきとおんなじ技を使う気か?今度はその体ごと髪の毛切り裂いてやる!)
隊長はその触手を切ろうと剣を構える。
実は先程彼女の触手が切れたのは、サングラスに搭載されたセンサーから動きを予測し、最適な行動をスーツがとった結果である。
よって隊長は自身が彼女の技を打ち破れることを疑いもしないのである!
「私が出せる最大の一撃…、食らいなさい!
(なんだ?立方体がでかく___、いや、
視界を覆いつくすほどに超巨大化した白色の立方体が、隊長めがけて落ちてきた!
「ち、畜生!ぶった切ってやるぅぅぅぅっ!」
苦し紛れに立方体めがけて剣を振るうが、それは何の意味もなく____
「
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
立方体は轟音を立て、隊長を押しつぶした!
ココは着地すると同時に立方体を元の大きさに戻し、隊長の方を見る。
そこには
スーツごと全身を破壊されて白目をむいた隊長の姿があった。
「やったっ、勝ったぁぁぁぁぁっ!!!」
そうしてココはボーボボ達にvサインする。
その笑顔はとてもまぶしいものだった。
「…ひどくない?」
※田楽マンも潰されていた。
というわけで、だいぶ遅くなりましたが第三話です。
普段のタイトル考えるのが大変です。
そして読者の皆様に質問です。
これからこの小説を書いていく上での形式についての質問が活動報告にありますので、よろしければ活動報告にてお答えしていただけると幸いです。