この辺りからちょっとした独自設定が含まれていますので、タグの方にも独自設定を入れておきました。
「…どうやら部隊がボーボボ達にやられたようだのう。」
___その男は暗闇の中で佇んでいた。
その空間は元々小学校の体育館程度の広さはあったが、コンピューター関連の機器や何かの研究に使う実験器具、そして二つの巨大な装置がその半分を占めている。
そんな空間にいる男は当然であるが研究者であり、この部屋の主であった。
研究者の特徴の一つでもある白衣に身を包み、苦渋からその異形の顔をゆがめている。
「ボーボボめ、また私の邪魔をしおって。今私がこんなことになっているのもあいつらのせいじゃ…!」
改めて自身の姿を振り返る。
かつても若いとは言えない姿であったが、現在は実際の年齢以上に老け込んでしまっている。
ボーボボを倒すことが出来なかった自分は4世さまに始末されそうになった。
何とか自身の
「あの連中も使えん。雑魚狩りをするばかりで力の強い毛が集まらん。
実に滑稽な連中だ、と心底嘲るようにつぶやいた。
「まあ
元々毛狩り隊の中でも平隊員にもなれん落ちこぼれ中の落ちこぼれを過度な薬物投与と自分が作成したスーツで
投与した薬物により身体能力の強化と恐怖の感情の排除ができたが、やはり無理があったのか寿命が大幅に縮んでしまった。
もってあと数時間だろう。
にも関わらずボーボボに傷さえ与えられないとは、こうも期待外れだと悲しみさえ覚える。
だが、と呟くとその顔には喜悦が浮かぶ。
「偶然にも二つの目的が同時に達成できるとは、私にも運が回ってきたようじゃ。」
一つ、ボーボボ達の現在の居場所が確認できたこと。
一つ、
戦闘データも取れたがあの連中には無意味だ、とどこか自嘲を浮かべた顔でその男はつぶやいた。
その時、数あるパソコンの内一つがその画面に何らかのデータを映し出す。
そしてそれを見た瞬間____
「は、は、
ははははははははははははは!!!」
男は歓喜の声を上げた。
「やはり私の仮説は間違っておらんかった!!ボーボボの操る鼻毛の魂エネルギー値は、常人の毛髪全てに含まれるそれを遥かに超えている!」
「それにこの女の魂エネルギー…、やはり、やはり私は正しかった!!この女は
「よし、奴らを此処に招待しよう。」
興奮から帰ってきたその男は、次の作戦に取り掛かる。
実験器具の一つである巨大な
それは巨大なガラス瓶のようであった。
中は赤透明な液体で満たされており、中にはクラゲや蛇のような物体が漂っている。
______それは
クラゲのようなものは人の頭から丸ごと取った毛髪の塊であり、蛇のようなものは常人より太い黒の毛____正確には
「目標エネルギーにはまだまだ足りん。それにもう一つの目的の為にも、奴らには此処に来てもらわねば。」
「お主等も準備をせい!歓迎の準備じゃ!」
そう言い放つと同時、この部屋の外___この部屋が存在する施設の別の場所で二つの存在が目を覚まし、動き始める。
「くくく、準備は上々…。」
「ボーボボよ、光栄に思え。お前の鼻毛はワシの力になる…!」
そう言うと男は、部屋の中に存在する巨大なもう一つのリング状の装置を見上げる。
「そしてお前たちは、この世界から追放されるのだぁ!!永遠になぁ!!」
ははははははははははははは!!
男は笑い続ける。
闇に包まれた空間の中、響くのは男の哄笑だけであった。
#
そんな展開はさておき、現在のボーボボ一行はというと_______
「ヒャッハー!さっさとスーツ寄越しやがれ!!」
「渡さねぇと吊るすぞコラァ!!」
カツアゲを行っていた。
某世紀末の様に肩パットをつけたり不良のごとくメンチを切ったりしながら毛狩り隊たちからスーツを回収しつつ縄で縛りあげていった。
最後の一人を縛り上げたソフトンが一息つく。
「よし、これでこいつらは暴れられんだろう。ボーボボ、スーツの始末を任せていいか。」
「ああ。こんなふざけたスーツは_____
天日干しをしまーーーーーす♪」
「いや破棄しようよ!?」
「う、うぅ…、あっ、ボーボボ!俺のスーツを返せ!」
そこへ起きた隊員の一人がボーボボに噛み付く。
「テメーらの品のないスーツは干してやったぜ。これからはもっとましなモンを着るんだな。」
「具体的にはこの『ぬ』のスーツ一式とか」
「フン!!」ビリィッ!!
「ああっ、『ぬ』のスーツ~~~~~~~~!?」
「ふざけんな!スーツを返せ!!縄を解け!!」
その声を皮切りに他の隊員も目を覚ますが、同様にスーツを返せ、と言い始める。
白目をむいて必死に叫ぶその様子は、まさに狂っているといえた。
「こいつらスーツに固執しすぎだろ…」
「怖い…」
「テメーらのスーツの呪縛を解いてやる。」
そうボーボボが告げると同時、物干し竿に干してあるスーツにあるものを向ける。
「さーヤッくん♪大きくなるためにも日光浴をしまちょーねー♪」
「奥義!ニュートン式天日干し術!!」
巨大な虫眼鏡を向けると同時に太陽光がスーツに集まり、一斉に燃え出した!
「あぁー!?ヤッくんが燃えたー!?てかオレも燃えてるー!?」
ついでにバカも燃えた!
そうすると一斉に隊員たちは頭が垂れ、ブツブツと呟き始める。
「コイツらもう、普通の生活は送れないかもしれませんね…。」
「なんかさ、かわいそうだね…。」
「まぁ自業自得、ってやつですね。」
「愚者達よ、その裁きの果てにバビロン神の慈悲があらんことを。」
そんな反応を見せるボーボボ一行。
だが次の瞬間、隊員たちは一斉に苦しみ始めると同時に体がドロドロと溶け出した!
「ひぃっ!?何、何なの!?」
「体が、溶けてる…。」
「「そして俺たちも溶けてるーーーー!?」」
「いやアンタ達まで!?」
体がどんどん溶けていく隊員達(と首領パッチと天の助)。
「一体、何が…。」
ボーボボが驚いていると______
『それはのう、彼らがそろそろ寿命だからじゃよ。』
空に声が響いた。
その声にボーボボ達が空を見上げると、巨大な人型のシルエットが浮かび上がった!
「なんだあいつ!?牛乳一杯飲んだのか!?」
「いや違う!多分マジメにやってきたからだ!!」
「なんだお前は。」
ボーボボのその問に対し、影はくっくっくっと笑い声をあげると
『初めまして…いや久しぶりというべきじゃな?』
「俺はテメーみたいな日焼けした大男は知らねーぜ。」
「ボーボボさん!あれはシルエットです!実際に黒かったりあんな大きいわけではありません!」
「え、そーなの!?」
『ふん、相も変わらずふざけたやつよ。私はそのスーツの製作者であり、そこの雑魚どもがそうなっている原因でもあるのじゃよ。』
「何!?」
『使い物にならんかったそいつらに薬を入れての、体と心を強化した上で、スーツを提供してやったのよ。まーその副作用で今死んどるわけじゃが。』
所詮雑魚は雑魚じゃったのー、と呟く影にボーボボ達は怒りを見せる。
「あいつらが俺たちを恐れなかったのはそのせいか…。」
「ひどい…。」
「まさしく外道ってやつですね…。」
「貴様のような下種はいずれバビロンの裁きを受けることになる…!」
「ねぇねぇ俺たち溶けるの止まらないんだけどー!?」
「ぎゃぁぁっ!このままじゃ俺たち小学生の自由研究のスライムになっちゃうーーー!?」
「首領パッチさん!?天の助様と溶けて混ざり合えるなんて、なんて羨ましい!!」
「いやアンタ何言ってんの!?」
「テメーのような外道は、この俺が絶対にぶっ潰す!!」
ボーボボはそう叫ぶと、
溶けた首領パッチと天の助をバケツに入れ、シルエットに向かってぶん投げた!!
「「ボーボボテメーーーーーーー!!!!」」
「天の助様--------!!」
『ははは、無駄じゃよ。ワシの体は此処にはない。』
バケツはそのままシルエットをすり抜け、正面のビルの壁に激突した!!
「「ぐばぁっ!!」」
『じゃが安心せい、すぐに会える。私のいる基地の正門へのゲートを開こう。そこを通ればワシのいる場所にたどり着ける。』
そういうとシルエットの表面に巨大なゲートが現われた!!
股間の部分に。
「最悪の場所に出たーーーーーーー!?」
「上等だ!今すぐ乗り込んでやる!!」
「待てボーボボ!!明らかに罠だ!!」
ゲートを通ろうとするボーボボをソフトンが止める。
「奴はお前を自分の有利な場所に誘い込もうとしている!それに奴があのゲートの向こうにいるとも限らないんだぞ!?」
『じゃが乗り込むしかない。それしか私につながる手掛かりがないからの。』
そう告げるシルエットにソフトンが怒りの表情を向ける。
「ソフトン、悔しいが奴の言う通りだ、それに罠だってんならそのまま罠ごとぶっ潰せばいいだけだ。」
「…」
「ソフトン、俺たちはこれまでと同じように毛狩り隊をぶっ潰す。それだけだ!」
「…ああ、そうだな。」
「「ボーボボ後で絶対ぶっ潰す…。」」
「あ、二人とも。元に戻ったんだ。」
『話し合いは終わったかのー。じゃあ案内するぞい。』
そうシルエットが告げると、ゲートがボーボボ達を吸い込み始める。
「上等だ!首を洗って待ってやがれ!みんな、行くぞ!!」
「「おう!!」」
「「「はい!!」」」
「ああ!!」
「あー僕は此処で留守番を~って吸い込まれる~~~~~~~~!?」
そういうとボーボボ達はゲートに飛び込んでいく(田楽マンは吸い込まれていく)。
今、ボーボボ達と謎の男との戦いが始まろうとしていた!!
そしてこれが、次元を超えた私たちの長い旅の始まりに過ぎないことを、今の私たちは知る由もなかったんだ…。
というわけで今日はここまでです。
なんかオリ主の影が薄いですね…。
あと原作部分の「多重クロス」ですが、他の作品が出始めてからタグにその作品名を入れていきたいと思います。
今回も読んでいただきありがとうございました。