メガテン3 リメイク発売記念に 作:肉まんが死んで僕が生まれた
「おいおいおい! コイツァ笑えるぜ! なんだてめぇは、追い剥ぎにでもあったのか?」
「「「ぎゃあはははははは!!!」」」
「…………」
ここ
「可哀想な刺青のヒューマン。その身なりで金がねぇ事はわかっている。だから……ちょ──と、内臓を売ってくれや。断ったら、殺してから奪うがな」
そう言う、三人の異界存在。それぞれ赤、緑、青の肌色と人間の倍近い体格をしており、それぞれ強靭な爪、牙、拳を備えている。彼らはカツアゲ集団の中でも臓器をぶん取る、人間からしたら最悪な相手であった、が。
運が悪かったのだ。
「おい、てめぇ、何ずっと黙ってんだ?!」
「ビビって声でねぇんだろうよ、つうか、もうバラしてよくね?」
「それもそうだな。お前も運がねぇな、ま、早々に臓器を手放しとけば命まで取らなかったってのに、早く答えねぇお前の自業自得って奴だ」
「……取り敢えず、お前ら黙れ」
絡んだ相手が人修羅でなければ、彼らも無事で済んだだろうに。
「取り敢えず、パーカーは
幾らHLであっても、半裸は目立ってしまう。その為、人修羅は得意の
「なあ、お前ら。ここいらで何か異変とか起きてないか?」
「「「へ、へぇ!」」」
人修羅の質問に答えるのは先程の異界存在。それぞれ爪を割られ、牙をへし折られ、拳を砕かれた彼らは、人修羅の前で正座で座っている。真っ先に声を発したのは人修羅に服を剥がれた奴だった。
「い、異変と申しましても、ここHLでは異変が日常茶飯事といいいますか……」
「うーん。ま、だろうな。じゃあアレだ、コイツは強い、ヤバイって奴いるか?」
人修羅の経験上、こういったチンピラが知っている人物と言うのは大抵大物であると言う事が多い。彼も昔、ボルテクス界で、そこら辺の悪魔から強い悪魔の情報を聞いて回ったものだ。
「そ、それでしたら。ザップ・レンフロつうヒューマンがいますかね」
「ザップ・レンフロ?」
ザップ・レンフロ。彼を知る人から、度し難い人間のグズ、
「……ま、取り敢えず、情報はそれだけでいいや。コレは貰ってくぞ?」
「「「え、俺たちの財布……」」」
「命よりは、安いよな?」
「「「どうぞ、持っていって下さい」」」
路地裏に背を向け街中へと向かおうとする人修羅、しかしその背後にいる三人が、人修羅の視線が離れた事を確認した瞬間にそれぞれの身体がドロドロの液状に変化し始めた。
それぞれが混ざり合い、一つの異界人へと変貌する。白い肌を持ち、その体格はゆうに10メートル程にまで膨れ上がった。
『油断しやがって、しいいいいいいねぇえええええ!!!』
無防備に背を向けている人修羅に対して、拳を振り下ろした、何度も。その威力はコンクリートを粉砕し、ただの人間が食らえばミンチになってしまうだろう。
だが、重ねて言うように相手は人修羅である。もう一度述べるが、彼らの不運は、絡んだ相手が人修羅だった事である。
拳は人修羅に直撃した、それは間違いない。
『は、はははははは!!! 死ね、シネ、sineeeeeee!!!』
瞬間、白く強靭で巨大な異界人は、逃れられない死を自覚した。
「……一度目は、服と情報、後、金で手を打った。打ってやった」
ゆっくりと振り向く人修羅、その両の手には煮えたぎる炎が存在した。
「俺は、交渉する時に騙すってやり方が大っ嫌いなんだよ。
人修羅の刺青が青く光り輝き、その滾る生命力を極大の炎を宿す魔力へと変えていく。
「そう言った手合いの相手は何があろうとぶちのめすって決めている」
「だから……」
両手を頭上へ、そして重ね合わせ万象を燃やす炎が生まれ、白い異界人へと放つ!
「消え失せろ」
それは、火山の爆発。全てを飲み込み焼き尽くすマグマの如く放出される。その技の名は『マグマ・アクシス』
異界人を焼き滅ぼすだけに留まらず、その炎は路地裏そのものを融解させ大通りと言っていいほど広くしてしまった。そして何より……
「……あ」
人修羅が異界人から奪い取った服も、金も燃やしてしまったのだ。
「……あーどうすっかな。人、集まって来るよな?」
むむむ、と腕を組み悩み、うーん? と唸りながら辺り見回す人修羅。辺りは融解し熱を放つ壁や道路だったものだけである。
「取り敢えず、ここから離れとこう」
人修羅は逃走を選択した。
「んで、陰毛頭……ここが事故が起こったつう現場か?」
白いジャケットを着こなした褐色の男……ザップ・レンフロ。
「誰が陰毛頭だ! たく、なんでこの人と一緒に調査しないといけないんだよ」
ザップに対してツッコミを入れる男、名前はレオナルド・ウォッチ。
彼らは、秘密結社ライブラの一員であり、とある調査をライブラのスカーフェイスことスティーブン・A・スターフェイズに
『少年に頼みたいのは、その目で事件現場を確認して欲しい。なんでもありのHLとは言え、単純な熱による建物の融解と言うのは珍しい。もしかしたら何か大きな事件、例えば兵器の密売みたいな物の先触れかも知れない。なに、ザップも護衛につけるから安心したまえ』
『は!? なんで俺がそんな面倒を『ザップ?』行かせて頂きます、オラいくぞ陰毛頭!』
こんなやりとりがあったとか無かったとか。
「いやーにしてもヒデェなコリャ、どうやったらこうなんだ?」
「何がですか、ザップさん?」
現場を見て口を開いたザップにレオナルドは問いかける。
「単純に火で焼いたなら焦げ跡が残る、それがねぇから熱で溶けたっつうのは本当だ、もし熱の発生源が火だった場合……ししょっ!」
説明の途中で、辺りを見回すザップ。額からは滝の様な汗が噴き出ておりとてつもない焦りを醸し出していた。
ザップの唐突な鬼の形相にピクッと身体を固まらせるレオナルド。
「……し、師匠並の火力が必要だろうな、とは言え俺も全力出せばこれくらいはできるが」
「そうですか……もしこれが起きた原因が兵器なら、ザップさん並の火力が出せるって事ですね」
「勘違いすんじゃねえ! 熱だけでこの現場作るんならっうだけだ」
ボカッとレオナルドの頭を殴るザップ、レオナルドはそれに対して「イテテ」と言いながら、現場をその目で見る。
神々の義眼、凡人であるレオナルドが超人だらけの秘密結社ライブラに居られる、超ド級の眼である。音速で動く猿を捉える動体視力、僅かな痕跡を見逃さない天体望遠鏡よりも優れた解像度、そして何よりも驚くべきはその目で見えぬ物は無い事、本来知る術の無い
「……ザップさん、この現場作るのには全力が必要って言ってましたよね。もし、その全力を出したらザップさんどうなりますか」
「だーかーら! 似た様な現場だったら本気出さなくとも……」
ザップはレオナルドの表情見て、またも振り上げた拳を下げた。レオナルドが表情に浮かべた真剣さ、何より焦りがそうさせたのだ。
「……ここら一帯が熱で融解する程の火力を出せば、一週間は疲労で禄に動けねぇ」
「なら、もしですけど、そんな事を個人で行っといて、鼻歌混じりで歩いていく事ができる人ってどんな人ですか?」
「……そんなん、師匠くらいのもんだ」
レオナルドはその場に残ったエネルギーの残影を見ながら、口を開く。
「ヤバいのが今この街にいます、もしかしたら
血界の眷属と人修羅って超上位存在に改造されたって点で似てるよねって話を友人としたい(友人は存在しない)