とある佐天の裏技遊戯(ニューゲーム) 作:RB_Broader
私、
用件は、最近能力者狩りを繰り返している
応対してくれたのは、固法先輩のルームメイト・
彼女は黒妻について知っているらしく、固法先輩が昔、ビッグスパイダーの一員だった事など、色々教えてくれたのだ。
……
レベルが一つ上がるごとに、出力は指数関数的に高くなるからなあ。
180万学生のうち6割弱が無能力者で、残り4割強に
このうち超能力者はたったの7人しかおらず、一つ下の
まあ、今の先輩は強能力者らしいから、壁は超えたんだろう。
御坂さんは、固法先輩が過去に引き摺られ今の立場を疎かにしてる事に怒ってるみたいだけど、たとえ今の立場が全く違うものだとしても、そう簡単に『今の私はあなたとは違うんです』と切り捨てられるものじゃありませんよ。
過去は過去だと言うけれど、その『過去』には『人との絆』も含まれるんですから。
『あの子は
まあ、スキルアウトが碌でもない輩ばかりなのは事実だし、その『碌でもなさ』がどれだけ酷いものなのかを身を以て知ってる人間からすれば、差別したくなるのも道理ですが。
兎に角、この件に関して、あたしができる事はもう無さそう。
究極的には、固法先輩が自分で選んで決める事だし、そんな先輩の選択が危うくて不安だから、後輩が
強いて挙げるなら、初春が危険に巻き込まれないようあたしがサポートするくらいなものか。
唯一の不安要素はキャパシティ・ダウンだけど、御坂さんと白井さんの事だから、同じ轍は踏まないだろうし。
そもそも、あたし風紀委員ですら無いし、超能力者みたいな『特権』も無いからなあ。
大っぴらに『魔術』の技能をひけらかす訳にもいかないから、
そう考え、私は足早に学生寮へ帰るのだった。
風紀委員177支部にて。
初春飾利は定位置に着いてパソコンを操作していた。
『──
『……残り4回もイェザレルの
彼女の左耳には無線通信用インカムが装着されているが、それとは別に、右耳にイヤホンが装着されており、そこから同年代の女の子らしき声が漏れ出てくる。
パソコン画面には衛星からの監視映像とGPSの位置情報が表示され、それらは同僚の白井黒子の居場所を捉えている。
左耳のインカムからは彼女の音声が流れてきて、その主な内容は仕事の達成報告。
初春はそれに応答を繰り返しつつ、時折指示を飛ばす。
その一方で、彼女が片手で操作する小型端末の
それ
しかも、複数機同時に、である。
(ヴェフエル、VHV、ヴァウ・ヘー・ヴァウ……)
風紀委員のパソコンで白井をサポートする業務に従事すると同時に、佐天の部屋を監視。
(イェザレル、IZL、ヨッド・ザイン・ラメド……)
話し声を盗聴しつつ、発した言葉に含まれる未知の単語について、その意味を即座に調べ。
(
自分専用のデータベースに蓄積していく離れ業を、誰にも気付かれない形でこなしているのだ。
(出エジプト記……シェム・ハ・メフォラシュ……明白なる
しかも、小型端末はハッキングにより学園都市外のネットワークに直接繋いでおり、学園都市による監視の目と情報統制をすり抜け、『生の情報』を直接仕入れる事ができるのだ。
(
その可憐な見た目とは裏腹に、『
それが初春飾利である。
彼女には『死に戻り』も『強くてニューゲーム』も必要ない。
たった一度の人生で、その頭脳は『
私は第十学区、通称『ストレンジ』と呼ばれるスキルアウトの溜まり場を彷徨っていた。
ビッグスパイダーの本拠地を探し出すためだ。
もちろん、途中でスキルアウトに出くわして襲われたりしないよう『
これに魔力1回分使用したため、イェザレルの新たな充填は4枚だけに減らした。
よって、現在は魔力を使えない。
手持ちカードはイェザレル5枚のみ。紛失や奪われる危険性も考え、残りは家に置いてきた。
あとは、愛用の金属バット『ゲイ・ボルグ』。これはいざという時に振り回すための『工具』としての役目の他、属性魔術のための
ちなみに今の私は制服ではなく、動きやすく目立ち辛いパーカーとデニムのハーフパンツの私服姿だ。髪は顔に掛からないようアップのポニーテールにしてる。
ビッグスパイダーによる能力者狩りは、今なお続いている。
それはつまり、司令塔からの命令を受けた部下達が出撃を繰り返していることを意味する。
その『人の流れ』を彼らのAIM拡散力場のニオイを辿ることで把握し、一箇所に留まり続け、人の流れの『
──見付けた! 黒妻のニセモノで、巣穴でコソコソ命令出すだけの『穴熊野郎』!
一応、スマホの電源を確認する。
土壇場でいきなり着信音やバイブ音が鳴り出すとかいうお約束なポカはマジ勘弁願いたいので。
……よし、電源はキチンと切れている。
私は周囲に人がいないのを確認し、ビッグスパイダーの本拠地へ侵入を試みる。
打ちっぱなしのコンクリート建築の廃墟の中に、その男は一人で佇んでいた。
照明はあるが十分ではなく、採光目的でガラスの無い窓がいくつもポッカリと開いている。
真正面の出入口の他、それらの窓のうちどこからでも入れるが、どこから入ろうが部屋の中央に座しているボスに分かるようになっている。
しかも、狙撃対策か、外からは完全な死角になるように絶妙な位置取り。
……かなり用心深いボスだなあ。
まあ、神隠しで気配を断っているあたしには関係ないんだけどね。
念のため、気付かれないようボスの背後を取りやすい一番奥側の窓から入るか。
気配は断っていても目には見えるし、足音も聞こえるからね。
って、窓のそばにガラス片が沢山散らばってんじゃん。危ない危ない。
侵入者対策、抜け目ないなあ。
普段、皆は正面の出入口を通り、窓の周辺は誰も足を踏み入れない。
だから、誰にも踏まれないままのガラス片は綺麗に残っているという訳か。
その一方で、出入口付近は細かい砂埃くらいしか残ってないから、足音を立てにくい。
……仕方ない、正面の出入口を通るか。
そう考え、私はボスの真正面にある出入口から入ろうとした、その時。
「! 誰だ!」
うわっ!! やばっ! 見付かった!?
慌てて出入口から離れ、陰に隠れながら、ゆっくりと向こうを覗くと……。
リーゼントで人相最悪の大男が銃口を出入口のほうに向けて威嚇している。
だが、気配を断っている効果のおかげか、こちらには気付いていない様子。
『○~○~~○○~○~○~~○~♪』
ここでいきなり、ボスの携帯から
……見た目に似合わず、
「チッ……誰だよこんな時に」
ボスは軽く舌打ちし、携帯の画面を確認した途端『うっ』と呻き声を上げ、それまでとは打って変わって若干畏まった態度で電話に出る。相手はどうやらコイツより『偉い人間』らしい。
上がいるのか。
「……あ? キャパシティ・ダウン? ああ、ちゃんと使ってるぜ」
!!
相手はキャパシティ・ダウンの提供者!?
使ってるか確認? ……使用テスト……実験?
「うっせーな! こっちもゴタゴタしてんだよ! 今は能力者狩りどころじゃね……何だと?」
ん?
能力者狩りどころじゃない? ……じゃあ、今何やってんの?
アンタの手下どもが大勢ここから出発してるの確認してるんだよ。
それじゃあ、狙いは……本物の黒妻!?
ニセモノがバレそうになった時、身を守るために一番やりそうなのは、本物を消すことだろう。
でも、話に聞く限り、本物の黒妻は強い。
そりゃいくらなんでも、大勢に囲まれて銃を向けられれば危ないかも知れないけど、今のところ彼が真正面から負けることは無いと言っていい。
彼が負けたのはたったの一度──子分を人質に取られて罠に掛けられ『爆殺』された時だけだ。
つまり、誰かが人質になった時、本物の黒妻が危ない。
彼にとって人質になりそうなのは……固法先輩か。
他には、面識がある女の子なら全員危ないだろう。御坂さんや白井さんでさえも。
あとは……ここにノコノコやってきたあたしか。
さて。どうするか。
コイツにキャパシティ・ダウンを流してる
それに成功すれば、能力者狩りは止むだろうし、本物の黒妻が狙われることもなくなり、彼の知り合いが人質として狙われることもなくなるから、一石二鳥どころじゃない。
でも、失敗してあたしが捕まれば、まずあたしの命が危ないだけじゃなく、人質にされて皆に迷惑が掛かる。
チャンスとリスクを天秤に掛けるのは打算的な行為で気が引けるけど、『負けたら終わり』なんだから、贅沢は言ってられない。
まず、現状で引き出せた情報だけでもかなりの価値がある。これを持って帰るべきか。
それに、どうやらコイツは
明日、ストレンジに一斉摘発が入るらしく、その情報は既にこうして漏れている。
兎も角、相手の研究者は完全にクロな上に、捜査情報まで入手できる地位にいる人物か。
魔力が残っていれば、新たなルーンを刻むなり、呪詛を飛ばすなり、色々やりようはあるけど、現状では戦術が限られるし、イェザレルの術式とゲイ・ボルグのみで拳銃相手は危険だ。
しかも、相手の武器はそれだけじゃない。
ナイフを持ち出すかも知れないし、まず、タイマンじゃとても敵わない。
それに、子分達が帰ってきたら、数の上でも圧倒的不利になる。
……欲を掻いたら駄目だ。ここは退くのが正解か。
忘れちゃいけない。あたしは『弱い』。そして、弱いには弱いなりの戦い方がある事を。
第十学区のストレンジを脱出し第七学区に帰ってきた私は、誰にも後を付けられてないのを確認した上でスマホの電源を入れ、初春に電話を掛け、これまでに得た情報を伝える。
『何でそんな所に行ったんですか!? 佐天さん!!』
……怒られた。てへっ。
とりあえず、伝えるべき情報は全て伝えたので、一旦スマホの電源を切ってどこかに隠れよう。
と、思ったら、いつの間にか隣に白井さんがいて、私の目の前の景色が変わる。
はぁ。捕まっちゃった。
どうやら、スマホの通話中にGPSから位置情報を捕捉されていて、近くに白井さんが待機していたようだ。
神隠しがあっても、GPSからは逃げられないし、目で捕捉されてたら意味無いからなあ。
風紀委員177支部に問答無用で連行された私は、白井さんにガッチリ脇を固められた上で、初春から睨まれる。
……ん? 初春の目線が変わった。何かに気付いた様子。
でも、何に気付いたのか、あたしには分からない。
まさか、神隠しの影響にでも気付いたの? ……いやいや、ありえない。
初春達にはあたしのやってる事を『手品』としか伝えておらず、『魔術』なんて知る由もない。
そして、神隠しは無意識を誘導する術式のため、気配を断ち、自分から注意を逸らす事以外に術者が細かく考える必要はなく、それすなわち、術者の意図とは関係なく、術式発動に伴い自動的・無意識的に行われるという事。
それに対し、初春は意識的に視線を釘付けにし続けようと必死に粘ってるように見える。
……ってか、何でそんな事ができるの?
瞬きするたびにあたしから視線が外れそうになるのを、『何らかの方法』であたしがいる正確な位置に補正した上で視線を合わせることの繰り返しをやってる?
って、そうか!
あたしの隣には白井さんが脇をガッチリ固めている。つまり、白井さんの隣に必ずあたしがいるから、白井さんの位置さえ捕捉できれば、それを基準にあたしに視線を合わせられるという事。
正直、なんでここまで初春が拘るのか、あたしには分からない。
けど、それだけ心配してるって事なのかな。
ただ、『いつもの』初春らしくない、とも思う。
「……佐天さん。今、
……へ?
な、何の事かなー?
「とぼけても無駄です。まあ、答えたくないなら無理にとは言いませんけど」
え? 何その言い方。何か全部見抜かれてるみたいで不安になるんですけど。
「佐天さんの事は、事件捜査の
ここで、初春は別の話に切り替えた。一体何が始まるんだろう。
「……警備員のほうから、佐天さんの身辺保護の要請が来ました。現時刻を以て、佐天さんの身柄を風紀委員177支部預かりとし、明朝10時までの間、こちらの仮眠室にいて貰います」
へ? ……マジ?
あたしこれからずっとおウチに帰れないの? やだー!
「せめて、おウチに帰らせて……」
「私もそう思ったんで聞いてみたんですけど、今は佐天さんの身辺警護に割ける人員がいないそうなので、自宅軟禁という形は難しいんです。風紀委員のほうで対処するにしても、白井さんを付きっきりにする訳にもいきませんし、代わりに私がそばにいたとしても、佐天さんの事だから力づくで逃げちゃうかも知れませんし」
ええ……。いつの間にか、あたしの信用そこまで地に落ちてたの?
いくら何でも初春に酷い事なんかしませんよ。腐っても友達思いの佐天さんは。
「シャワーとトイレくらいは認めるので、シャワーの時だけは
「……ええ。構いませんわ」
白井さんもしぶしぶと言った様子で了承する。
って、そこまで無理して付き合ってくれなくてもいいのに。
こっちもわざわざ自分から危険な場所に突っ込んで行くほど、おバカじゃありませんよ。
「佐天さん、隠し事や考え事が多い割には全部顔に出ちゃってますよ。佐天さんはハッキリ言って馬鹿だと思います。自分から危険な場所にホイホイ突っ込んで行くばかりか、わざわざ突っ込まなくても向こうから危険がホイホイ突っ込んでくる程度には。『
……へ? あたしそんなに顔に出てる?
って、何でそこまでズケズケと内心を見透かしたような事ばかり言ってくるの?
初春、アンタには遠慮の心ってものが無いの? 親友として悲しいですよ、佐天さんは!
その後、風紀委員177支部の仮眠室で身辺警護という名の軟禁状態となった私は。
……何もする事が無かった。
ちなみに、神隠しのルーンは解除してある。もう必要ないし。
「……あ。炊飯器とレンジ、まだ買ってない。御坂さんに早く買って貰わなきゃ」
思わずそんな事を一人ボヤいてしまうも、本人に伝わる訳も無く、詮無い事と言えよう。
ここんところ朝昼晩ずっと素麺ばかりだったため、こうなりゃヤケだとばかりに、小麦粉製品とめんつゆのみの体内調節魔術にでも挑戦しようかと思い、ざるうどんの出前かコンビニの素麺でも頼もうかと考えてたが、流石に思い留まり、栄養バランスの取れた普通の幕の内弁当を頼んだ。
あんまり肉なし野菜なし麺と汁のみの食生活だと『体液バランス』が崩れて『
動物性タンパク質とビタミン・鉄分も適度に取って、血液増やしとかないとね。
夕食を済ませ、スマホで都市伝説サイト巡りでもして暇を潰していたちょうどその時、外側から施錠されていたはずの仮眠室のドアが突然開けられる。
「……佐天涙子か。お邪魔するじゃん」
え? いきなり何なんですか? 黄泉川先生。ってか、何でここにいるの?
「話は聞いた。お前の情報のおかげで、ウチら警備員の捜査情報が何者かの手で事前に漏らされてるのが判明した。お手柄じゃん」
はあ。それはどうも。
「単身ストレンジに乗り込んだのは感心しないが、ビッグスパイダーのボスを目の前にして、ある程度の重要情報を引き出せた段階で、突っ走らずに思い留まったのは英断じゃん。褒めてやるよ」
ええ……そんなに褒められた事ないから、何だかこそばゆい気分になりますね。
「そんなお前さんの冷静な判断力を見込んで、あたしらから一つ耳寄りな情報を提供するじゃん」
……? 何だろう。
「
……
カタログか何か? 本を保護してる? どういうこと?
「ん? ああ。すまない。インデックスは、シスターちゃんの名前じゃん」
私が頭に“はてな”を浮かべてるのに気付いたのか、黄泉川先生は慌ててそう補足する。
なるほど。シスターちゃんはそう呼ばれてるのか。
てか、人の名前じゃないですよね、それ。
……イギリス清教。
逃げた修道女に『
おそらく、逃げたシスターちゃんは何か魔術関連の秘密の情報を数多く握った『索引』的な存在として、長らく秘匿・管理されていたのだろう。
逃げた彼女が敵対組織とか他の魔術結社に渡らないよう、取り戻しに来たのか。
そして何より、彼女が『逃げた』事が
本みたいな名前で呼ばれ管理されてたんだ。
「……ッ」
いつの間にか、目の前が真っ赤になり、私の周囲が『静かな怒気』に包まれていた。
それに当てられたのか、黄泉川先生が冷や汗を掻きつつ、ゴクリと生唾を飲み込む。
ふと冷静になり、先生のほうを見ると『教えたのは失敗だったじゃん』と顔に書かれていた。
「……大丈夫ですよ。もう落ち着きました」
私は努めて気を鎮め、冷静さをアピールする。
そうだ。怒ってどうにかなる相手じゃないのは、いつぞやの逃走劇で身に沁みて理解してる。
「そうか。それじゃあ一度彼らに会ってみるか。ついでにお前さんのアドバイスも欲しいじゃん」
そんな黄泉川先生の誘いに、私は二つ返事でOKした。
初春飾利は監視カメラ越しに、蛻の殻となった仮眠室の映像を無言で見詰めていた。
そして今度は、記録された映像の時間を巻き戻していく。
「……! ここだ」
そう呟いて、素早くキーボードを連打していく。
再生に戻った映像が徐々にスローになり、ある一点で止まった。
一時停止した映像の中には、俯瞰視点からの佐天涙子の後ろ姿と、テーブルに置かれた一枚のカードが映っている。
それを拡大コマンドで倍率を1600%に変更した後、ドラッグ&ドロップでフォーカスを変更し、カードの拡大映像を映し出す。
そこに印刷されている図形は──。
「“Ansuz”……“Gebō”……『神』、『贈り物』……」
そこに書かれている『ルーン』と呼ばれる古代文字を初春は瞬時に解読してみせる。
(『神』は『ロキ神』を意味し、『贈り物』は神から臣下への贈り物、あるいは『フレイヤ女神』を意味する。ロキとフレイヤと贈り物。これらにまつわる説話は『ブリーシンガメンの首飾り』に関連していくつか伝えられている……その中の一つ『ソルリの話』)
さらに、関連する知識を頭の中から、それで足りなければネット情報の海から瞬時に探し出し、文字の意味と紐付けていく。
(アース神族の王オーディンは側室フレイヤを溺愛していた。しかし、王宮近くの岩の奥に住む小人達が作った首飾りをフレイヤは気に入り、買い取る条件として彼らとそれぞれ一夜を共にした。ロキからその事を告げ口されたオーディンは激怒し、ロキにフレイヤの首飾りを
さらにそこから──
(神と贈り物から『ロキがフレイヤの首飾りを盗み出す』事、そこから『ロキが首飾りを盗む際、
──ルーンの術式の意味にまでも辿り着くのだった。
次に、別の映像を再生し始める。
そこには、佐天が自宅の部屋の中で、先程の映像に映っていたのと同じカードを手にし、何かを『呟いている』様子が映し出されている。今日、出掛ける前の映像か。
初春はそのシーンのみ音声のボリュームを上げる事で、佐天が何と喋っているのかを正確に聞き取っていく。
(
そう考え、初春は即興で覚えたばかりの『
「すぅ~~~~……すぅ~~~~…………ゲホッ! ゲホッ!」
だが、無理して息を吸い込んだ上、無理に息を止めようとしたため、噎せてしまう。
「もう一回……すぅ~~~~……すぅ~~~~………………はぁぁぁぁ~~~~……」
それでも諦めずに深呼吸を繰り返すことで、徐々に落ち着いてくる。
この呼吸を保ったまま、テーブルの上に一枚の紙を置き、サインペンを使って文字を書く。
ただし、紙はテープで固定し、ペンは口に咥え、両手は頭を
この状態で、紙に文字を書いていくに従い、初春の体に震えが走り、全身の血管が浮き上がり、プチプチと千切れる音を立てる。ただし、彼女が両手で包み込んでる頭のみを除いて。
「……ゲホッ!!」
そして、とうとう堪えきれずに、口から血を吐いて崩折れるように倒れるのだった。
「うっ……すごく……痛い……でも、頭は無事……!」
掠れた声でそう呟きながら、初春は『勝ち誇った笑み』を浮かべる。
(私の能力……『
一旦洗面所で一通り血を吐いた後、部屋に戻ってきた彼女は、呼吸を整えた後、文字が書かれたカードを透明のネームプレート入れに収め、首から提げる。
カードには、先程佐天が使ったルーンと同じ『
「これに成功すれば、もう……二度と……『忘れたりしない』……」
(佐天さんとの思い出を……!)
「その……足掛かりにするための、
初春飾利は、そう、震える声で途切れ途切れに呟いた後──
(イギリス清教……“魔導書図書館”……“
──意を決した表情で、両手で頭を抱えた姿勢のまま“呪文”を唱え始めるのだった。
私、佐天涙子は、黄泉川先生に連れられ、小萌先生の家を訪れていた。
正確には、上条当麻とインデックスがいる場所へ。
そこで私が見たものは──。
床に臥せ、目も開けられないまま苦しみ続ける白くて小さな修道女と、まるでお通夜のような顔をして項垂れる一人の少年の姿だった。
私は自己紹介も忘れ……いや、とてもそんな雰囲気では無かったので、ただ黙って座っていた。
「……一体何があったんじゃん」
ようやく、黄泉川先生が口を開き、そのように尋ねる。
すると、俯いていたツンツン頭の少年、上条当麻は重い口を開き始めた。
その衝撃的すぎる内容に、私は
曰く、インデックスは『完全記憶能力』の持ち主で、幼い頃からその能力を利用され世界各地にある持ち出し禁止の『邪本悪書』の類の内容を全て頭に叩き込まれ、
曰く、彼女の脳は10万3000冊の魔導書の内容に85%もの領域を圧迫されているせいで、残り15%しか使える領域が無く、そこに1年分記憶すれば脳がパンクして死んでしまうらしい。
そこで、一年周期で記憶消去魔術を行使して記憶を消す事で延命し続けているとの事。
そして、彼女をずっと追い回していた魔術師達は元々は彼女の
…………。
何だろう。もう、どこから手を付ければいいのか全く分からない。
こんな『悲劇』ってあるんだろうか。いや、『喜劇』かも知れない。
あたし、あの魔術師達に何て言葉を掛ければいいんだろう。
もう既に、インデックスは何度も記憶を消され続けたせいで、1年前くらいから前の記憶が無くなってて、自分がどこで生まれ、誰と過ごしたのかも、『知識』としてしか覚えていないらしい。
そんな彼女から敵として怯えられ、拒絶され続けながら、泣き言一つ言わず敵を演じ続け、相手のためと思い心を鬼にして、彼女や行きずりの少年をその魔術や刀で傷付け、あるいは邪魔者を殺し続け、正しいと信じて、彼女の記憶を『殺し続ける』報われない魔術師達。
しかも、『記憶を消さなければ死んでしまう』とかいう話は『完全なデタラメ』なのに。
……10万3000冊の魔導書の知識がどれ程のものなのか、あたしには分からない。
いや、なまじ魔術についての知識があるばかりに、魔導書図書館の容量が人間の脳の85%も占めるという話には妙に真実味を覚えてしまう。
魔導書とはどれもまともな人間の精神では読むのに堪えられない危険な代物ばかりで、それらの内容を仮にデジタルデータに換算したとするなら、もしかしたら、たった1冊だけで数ギガバイトに上ると言われても、一概に否定はできない。
電子書籍でも雑誌や写真集のような画像データの多いものは1冊あたり最大300メガバイトくらいだし、映像として記憶するなら分厚い魔導書の容量はギガくらい余裕で超えるだろう。
人間の脳の容量は1ペタ(=250)バイトあるなんて話を聞いた事あるけど、1冊10ギガバイトの魔導書なんかがあれば、それを10万冊以上も記憶したら容量いっぱいになっちゃうし。
だから、85%も占めるというのは彼女の脳の記憶領域を実際に計測した結果なのかも知れない。
ただ、仮にそれが本当だとしても『残り15%が1年分の記憶でパンクする』はありえないけど。
こんなの小学生で掛け算と割り算覚えたくらいになれば、誰でもウソと分かるっしょ。
もし完全記憶能力の持ち主が1年間で15%も記憶で脳を圧迫したら、7歳も生きられないよ。
ちょっとでも科学の知識があって、あとは文学とか芸能、あるいは科学の歴史を齧っていれば、完全記憶能力者で大人まで生きた、あるいは長生きした人なんてゴロゴロ見付かるでしょうに。
例えば、
例えば、
ゲーテ、戯曲『ファウスト』を著した詩人・作家、82歳没。
フォン=ノイマン、ノイマン型コンピュータを発明した有名な数学者・科学者、53歳没。
イギリス清教・
確か、一番偉い人って
あの変装ババア、ドライアイスや液化ガスを使って
……ったく、性格最悪過ぎるでしょ。科学オンチの馬鹿な部下を騙して心弄んで、反乱防止のためだろうけど、仲間に仲間の記憶を消させ続けるとか……一体どんな神経してるんだか……あたしには分からないよ。
おそらく、インデックスが一年周期で記憶を消すまで苦しむのも、上司である“じご××”が仕掛けた魔術のせいだろう。
言うなれば、『
こいつを外す事ができれば、これ以上こんな『茶番』を続けなくてもよくなるのだろうか。
私はふと、そばで俯いてる少年のほうを見る。
そう言えば──。
「あの……前にどこかで会いましたよね?」
「ああ、あんた、確かあの時の……」
「あたし、佐天涙子っていいます。御坂さんの友人です。この前は助けていただきありがとうございました」
「ああ……俺は、上条当麻だ。よろしく」
そう、挨拶を交わす。
正直、あの時あたしは初春と小さな女の子を守るために術式を発動するのに夢中で、周りをよく見てなかった。
なので、
話に聞いた限りでは、御坂さんが
……おそらく、上条さんの『右手』がなにがしかの働きをしたんだろう。
何であたしにそれが分かるのか。
この街のどんな学生からも、その能力レベルに関わらず、AIM拡散力場のニオイは感じられる。
なのに、上条さんからはそのニオイはほとんど感じられない。というか、右手を中心に、ニオイがどんどん『吸い取られていく』ような不思議な流れが感じ取れてしまうんだよねえ。
何なんですかぁ? その右手。
あたしに言わせれば、それって『
でも、能力でも無さそうだし、かと言って『魔術』って感じでもない。
そういえば、都市伝説の中に『どんな能力も効かない能力を持つ男』なんてのがあったような。
もしかして本人? 脱ぎ女が実在したくらいだから、そうなのかも知れない。
ただ、もしどんな能力も消してしまうようなものなら、仮に自分の能力が別にあったとしても、それまで消してしまう訳だから、能力を消す以外何の力も持たない事になる。
それって、ただの無能力者よりも不便だなあと思う。
だって、あたしですら、魔術の副作用を抑えたりする事で、何とか魔術が使えるようになれた。
なのに、その選択肢すら奪われ、ただ能力とかを消す事しかできないんじゃあ、あの聖人相手に一方的にボコボコにされるのも当然の帰結だろう。
…………。
あれ? もう
魔術に効くかは分からないけど……。
いや、上条さんが交差点の真ん中で聖人にボコられたのは24日の夜。
その時、炎剣使いの魔術師が人払いのルーンを張って、戦いの邪魔が入らないようにしてた。
上条さんがインデックスを小萌先生の家まで運び込んだのはそれより数日前らしい。
つまり、その前にも魔術師達から襲撃を受けたという事。
あたしの見立てでは、炎剣使いより聖人のほうが万倍強いと思う。
そして、上条さんの右手との相性も考えるなら、炎剣使いに比べ、聖人のほうは最悪に近い。
でも、そういった相性の悪い相手をぶつけるには、前段階として小手調べが必要になると思う。
もし事前に上条さんの力を知らなければ、あたしが上司なら聖人を切り札とし、まずは炎剣使いを斥候として向かわせるだろう。
そこで上条さんは右手の力を存分に振るうことで、炎剣使いに痛手を負わせたはずだ。
いや、何となく、あの炎剣使いからは『負け癖』みたいなニオイを感じてしまうんだよね。
まあそれは兎も角、あの魔術師達の攻撃から生き延びてることを考えると、上条さんの右手は魔術にも有効なのだろう。
それを使って、インデックスに付けられた『首輪』を外す事ができれば──。
私は、黄泉川先生に自身の見解を伝えた。
すると、先生のほうも薄々分かってたようで、眉を顰めながらも首肯するのだった。
あとは上条さんにも伝えようかと思った矢先……。
家の固定電話のベルが鳴った。
ここは小萌先生の家。同僚の黄泉川先生がいる中、学生が勝手に受話器を取るのは気が引けるけど……あたしが一番近くにいるんだよねえ。
そう思い、私は受話器を取ってすぐに黄泉川先生にパスする。
てか、今の御時世、黒電話なんですね。しかも学園都市なのに、レトロ過ぎる。
ナンバーディスプレイも無いんじゃ、どこから掛かってきたのかも分からなくて不便じゃ?
すると、黄泉川先生は一言二言交わした後、すぐに上条さんに取り次いだ。
どうやら、電話相手は上条さんをご指名らしい。
横から聞き耳を立ててみると、若い女の人の声がする。
……って、あのパンクな刀女の聖人じゃん!
上条さんは『学園都市の力を借りれば記憶を消さずに彼女を救う方法があるはず』って一生懸命食い下がってるみたいだけど、相手は取り付く島もない様子。
微かに聞こえた範囲だと、彼らには『彼女の命を助けてきた
……はぁ。
科学技術が発達する以前、不老不死のため『水銀』を服用し続けて早死した古代王朝の皇帝とかじゃあるまいし。
衛生観念の乏しかった中世ヨーロッパで、『体を水で濡らすと毒が侵入して危険だから体を洗わないほうがいい』なんて迷信に囚われ、不潔なままペストとかで亡くなった人じゃあるまいし。
一生懸命科学の勉強して、低温脆性対策に『面心立方構造の“オーステナイト系ステンレス鋼”』なんてものを用意できるくらいの頭持ってる癖に、何でこんな単純なウソも見抜けないかなあ。
それとも、最大教主から言われた事を疑いもせず素直に信じちゃうお人好しなのかな?
上条さんも上条さんだよ。
科学の街に住んでる癖に、科学オンチの魔術師一人を説き伏せられるだけの科学的知識の一つも披露できないなんて。
中学一年のあたしですら分かる事なのに、もしかしておバカさん?
いい加減、見てられないので、あたしが代わりますね。
「上条さん、ちょっと電話代わっていいですか?」
「? あ……」
返事を待つまでもなく、私は強引に受話器をぶん取り、上条さんの代わりに電話に出る。
『? 誰ですか? あなたは』
「はじめまして。あたし、佐天涙子です。……いや、
『あなたは……その声、どこかで……』
「アンタに液体ヘリウムとかぶっ掛けて風で吹き飛ばした『
『……!! ……何の用でしょう』
よし。相手は喰いついた。この前のをかなり根に持ってる様子。声がピクピク震えてる。
「単刀直入に言います。完全記憶能力の持ち主はたった一年で脳の15%も使ったりしません」
『……え』
「さんすうの計算ができれば誰でも分かる事です。お姉さんだって小学校くらい出てるでしょ?」
『……』
「ウソだと思うなら、あなたの上司にでも聞いてみたらどうです? まあ正直に答えてくれるかは分かりませんけど」
『……だまりなさい』
「お気持ちはお察しします。あなたはあなたが最も大事にしてる友人の記憶を
『……ッ』
「これから、あたし達はあたし達のやり方で勝手にこの子の命と
『!? ……ちょ』
ガチャン。
よっし。言ったった。
あ、ついでに電話勝手に切っちゃったけど、まあいっか。
まあホントは“×けしゃん”(馬鹿という意味の差別語)だの“じゃ×んべえ”(田舎者という意味の蔑称)だの罵詈雑言浴びせてやりたかったんだけど、そこは最後までグッとこらえる事ができた。
偉いぞ、あたし。
「佐天お前、何してんじゃんよ」
「佐天さん……そんな啖呵切っちゃってどうするんです?」
え、あたし何かやっちゃいました?
その後、私は上条さんに自分の考えを伝え、インデックスに掛けられている『首輪』と呼ぶべき魔術を解くため、彼女の体を探り始めた。
その間、上条さんには見張りも兼ねて、向こうを向いていて貰う。
相手はまだ幼いとはいえ、女の子だからね。
まずは私と黄泉川先生の二人掛かりで、インデックスの全身を隈なく探し、魔術が掛けられていると思われる場所の特定を急ぐ。
魔術師達が邪魔しに来ないとも限らない……いや、確実に邪魔しに来るだろうから。
体のどこにも、術を掛けられた痕跡らしきものは見当たらない。
残るは体内か……耳か目か鼻の穴か、それとも口の中?
魔力のニオイはほとんど無いが、どこからか微かに匂ってくるのは感じ取れる。
……寝息からか?
鼻か……いや、口が開いてるから、口のほうかな。
手で唇をゆっくり開けて、中を覗いてみると……あった。
占星術で使われる『惑星記号』を使った『
おそらく、これが彼女を苦しめている魔術の正体。
「上条さん! ありました!」
「! ……おう!」
すぐに上条さんを呼んで、インデックスの口の中を開けて見せる。
口蓋の奥のほうに、図形が刻まれているのが確認できる。
「あとはお願いします」
そう言って、私はそばを離れ、後ろへ下がる。
あのじごんす最大教主が仕掛けた難解な術式だ。正直言って、あたしの手に余る。
印形の意味は『木星』。そして木星はトートタロットの『運命』のアテュに対応する。
そしてそれは、その名の通り『流転する運命』を意味する。
また、木星は公転周期がほぼ12年のため、古代中国の天文学では『十二次』を司る『歳星』と呼ばれ、木星の天球上の位置によって12年周期で年を記す『歳星紀年法』に使われた。
つまり、『一年周期で記憶を消さないと死んでしまう』術式の効果と関係あるのだろう。
詳しい仕組みは全く分からないけど。
ただ、分からないなら、完全に消してしまえばそれで話は済むのだ。
そう考え、私は全てを上条さんへと託す。
上条さんがインデックスの口の中に指を入れる間際、外からドタドタと足音が聞こえた。
魔術師達が駆け付けて来たのか。もう遅いけど。
「……ひゃい!?」
ドサッ!
ん? 今、
……まさかね。
飴玉を転がすような声だから、時々子供の声と聞き間違える事あるし、もしかしたら小萌先生が帰ってきたのかな。
おおかた、魔術師とぶつかって転んだのだろう。地面か何かに尻餅を付く音も聞こえたし。
──バチィィッッッ!!!
その時、上条さんの指が『スパーク』した。
刹那、宙に浮くように起き上がったインデックスの体から閃光とともにものすごい『圧』が発せられ、上条さんとあたしは後ろにいた黄泉川先生を巻き込んで、盛大に吹き飛ばされたのだった。
部屋の入口のドアも飛ばされ、すぐ後に、魔術師達が何事かといった感じで外から覗き込む。
「──警告。第3章第2節。第1から第3までの全結界の貫通を確認。再生準備──失敗。自動再生は不可能。現状10万3000冊の書庫の保護のため、侵入者の迎撃を優先します──」
無表情なインデックスの口から機械的な声が発せられる。
ただし、声や表情とは裏腹に、その目からは『
「──書庫内の10万3000冊により、結界を貫通した魔術の術式を逆算──失敗。該当する魔術は発見できず。術式の構成を暴き、対侵入者用の
彼女が発する言葉の意味は、大体『警備システムのメッセージ』みたいなものか。
『首輪』を破壊した上条さんをセキュリティ上の脅威と認識し、排除しようと言うのか。
……って、めちゃくちゃヤバいじゃん!!
「──侵入者個人に対して、最も有効な魔術の組み合わせに成功しました──」
……ブゥゥゥン!!
突如、彼女の瞳に浮かんでいた幾何学図形が目の外に大きく広がると同時に、二つ重なり合い、空中に大きな『魔法陣』を描き始める。
「──これより
ピシィィィィ!!!
彼女と上条さんとの間を隔てるように浮かぶ魔法陣を中心に、空中に黒い亀裂が走る。
加えて、黒い亀裂からは『深淵』に繋がる奥行きとともに、嗅いだこともない『獣』のニオイが感じられ、
言うなれば、『深淵の向こうに潜む
それはまるで、
おそらくそれで間違いないのだろう。
向こうの『警備システム』が人工知能みたいなものだとするなら、上条さんの右手で触れられれば『一巻の終わり』だというのも承知しているはずだから。
絶対に触れられないよう距離を取り、強固な壁を作り、絶対の安全圏を確保した上で、向こう側から上条さんを一方的に撃ち沈めるための何かしらの『攻撃』を仕掛けてくるはず。
……やってしまいましたなあ。
どう見ても、あたしの手に負える相手じゃないです。ありがとうございました。
後ろを確認すると、私のクッションになった黄泉川先生は、壁に体をしこたま打ち付けたせいで伸びていた。
これじゃあたし、足手まといもいいとこじゃん。黄泉川先生ホントごめんなさい……。
そして、前を見ると、上条さんは右拳を握りしめ、覚悟を決めた表情となっていた。
……やる気なのか。
…………。
仕方ない。あたしも腹を括るか。
ここで尻尾を巻いて逃げ出すようなら、『超能力者』なんて夢のまた夢だ。
あたしの『
上条さんの右手をあのシスターちゃんの元へ送り届けるため、精一杯援護させて貰いますよ。
──よし。
がんばるぞー!!
解説1:
“粘液質”、“黒胆汁質”は、『四体液説』に基づく『気質』のいくつかのパターン。
古代インドやギリシャで唱えられた、人体が四種類の基本体液で構成されるとする考え方。
それによると人体は『血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁』で構成され、これらの調和が崩れると病気になりやすくなるとされる。
また、気質にも影響し、体液のバランスにより四種類の気質に分類できる。
解説2:
“ロキ神”、“フレイヤ女神”、“アース神族”、“オーディン”、“ブリーシンガメンの首飾り”、“ソルリの話”は、全て『北欧神話』関連。
解説3:
“人間の脳の容量が1ペタバイトある”という話の元ネタ。
10倍も大きかった人間の脳の記憶容量 - trendswatcher.net
参照URL:https://www.trendswatcher.net/latest/science/10倍も大きかった人間の脳の記憶容量/
“電子書籍の雑誌の容量が1冊あたり最大300メガバイト”という話のソース。
電子書籍の容量(ファイルサイズ)は?|漫画、ラノベ、小説、雑誌などのサイズまとめ
参照URL:https://ebook-trend.com/ebook-capacity/
佐天が『完全記憶能力』の持ち主として例に挙げた著名人は、正確には『映像記憶』の持ち主とされている。
解説4:
“×けしゃん”、“じゃ×んべ”は、ともに熊本弁の罵倒語。
特に、前者のほうは差別語なので絶対に使ってはいけない。