必要悪と彼は呪霊を嘲笑う   作:青い灰

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プロフィール

樋口 天弦 男 18歳
元皇高校3年3組。元弓道部所属。
紫髪のポニテ。隈のある黒目三白眼。
得意なことは弓術、国語と数学、短剣術。
苦手なことは睡眠、英語、科学。

能力
・千里眼(呪)
・アンリマユとの契約




呪霊を嘲笑う者たち 1

 

 

 

 

時は2012年。

 

鹿児島県にある皇高校3年3組、

卒業間近の樋口(ひぐち) 天弦(てんげん)にはとある力があった。

 

それは、不可視のモノを視る力、

ついでに人間を越えた膂力。

 

 

〝この世界〟で言うならば、呪術師としての才能。

 

この世界には〝呪い〟というものがある。

それは何処の世界でも違うモノ。

呪いは負の感情だ。

 

時にそれは具現化し、『呪霊』となって人を襲う。

呪いは不可視だ。

人間は一部の〝呪術師〟と呼ばれる者たちでしか

対抗が出来ないのである。

 

 

だが彼は『呪い』を視ることが出来た。

 

そしてそれを取り込み、無意識に力としていた。

それが彼の人間を越えた膂力の正体だった。

 

 

 

 

それ故に、彼は常に呪力を纏っている幼い頃から

呪霊たちからすれば格好の餌だった。

 

11で呪霊の撃退に成功するも、

それは家族も全員呪霊に殺された後だった。

 

それからは力の存在に気付き、

呪力のコントロール、隠蔽に成功。

呪霊に襲われる人間を陰から助けながら

生活保護の元、高校に通い出した。

 

 

そして卒業式の前日。

人々の集まる卒業式には呪霊も当然寄ってくる。

真夜中の体育館で呪霊退治の途中、

彼は現れた特級レベルの呪霊に殺された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってワケだ。

 俺を殺した奴はいなくなってるけど」

 

 

俺は体育館の入口の扉から中を覗き見る。

手には呪力を纏わせて武器とした十徳ナイフがあり

途中まで体育館の中の化物たちを斬っていたため

何本かの刃に黒い血のようなものが付着している。

 

俺はそれを振って払い、

横にいる真っ黒なソイツに言った。

その姿は認識が出来ない。

俺の眼を使って視て言うのであれば、

その姿は()()()()。視ることが出来ない。

 

だから俺は眼を使わず、認識を諦めている。

その真っ黒な彼は───アヴェンジャー、と。

そう名乗った。

 

 

「ふぅん。成る程ね。

 だがまぁ、オレ弱いぜ?なにせ最弱だからな」

 

「化物の中に小さいのがいるだろ?

 ソイツも面倒なんだ、素早くてな」

 

 

蝿のように飛び回る奴を顎で示して言う。

それにアヴェンジャーはニヤリと笑った。

 

 

「おぉ、ならオレの出番だな。

 疾さにならちっとは自信があるからな」

 

 

そう言うアヴェンジャーの手には

奇妙な形の2振りの短剣があった。

なんとか視認出来るその形は、

まるで牙のようで、鋏のように割れていた。

俺はそれを見て戦えることを確認し、頷く。

 

 

「俺は中型を殺るから小型は任せる。

 万が一、人型の奴が出たら逃げるからな」

 

「了解、任せときなマスター」

 

 

その呼ばれ方に少し困惑するが、

契約したのなら間違ってはいないか、

と俺は無理矢理納得する。

 

そして入口を少し開け、

俺はアヴェンジャーと共に内部へと突入した。

異形の怪物たちがこちらを捉える。

 

 

「ヒッ、ハハハァ!!」

 

 

アヴェンジャーが短剣を振り回して

手前にいる小型の異形たちを蹴散らしていく。

それは雄叫びのような声も相まって

獣としか形容できない。

 

俺はその横を抜け、

腕を振ってナイフの刃を出して

一番手前の異形の能天へと突き刺し、引き裂いた。

 

 

「一匹残らず滅してやるよ」

 

 

2匹の人の形をした獣が、

異形を嘲笑うように蹂躙していく。

 

 

 

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