タメシ×ノ×モン
イルミのせいで実家に帰ってしまったキルア。4人はキルアの実家、ゾルディック家があるパドキア共和国に来ていた。まずは情報収集として地元の人に聞くとだ。
「ククルーマウンテン?ゾルディック家の観光かい?山景巡りの定期バスが日に1本ガイド付きで出てるよ」
まさか暗殺一家の隠れ家が観光地になっていたのだ。とりあえず助言通りに観光バスに乗ることにした。
「えー、皆様、左手をご覧下さいませ。あちらが悪名高いゾルディック家の住むククルーマウンテンです。樹海に囲まれた標高3722mの死火山のどこかに彼らの屋敷があると言われていますが、誰も見た者はいません。」
バスガイドの説明を聞きながらククルーマウンテンを見る。バスガイド曰く曾祖父、祖父、祖母、父、母の下に5人兄弟がいるそうだ。さらにククルーマウンテンに近づくバス。そして大きな門の前に止まった。
「おお、こりゃすげーな」
「えー、ここが正門です。別名黄泉への扉と呼ばれております。入ったら最後、生きて戻れないとの理由からです」
「ん?」
「どうしたカオル」
疑問符を浮かべるカオルにクラピカが聞く。
「お姐さんが黄泉への門って言ったでしょ?装飾に数字っているのかな」
「ああ。7まであるな」
正門には1から7までの数字がある。一体何の意味があるのか。一方、ゴンはいつも通りの様子で「中に入るにはどうしたらいいの?」と聞いていた。当然バスガイドは「中に入れば2度と生きて出られません。」と言い聞かせていた。するとガラの悪い男2人組が現れる。
「ウワサだけが一人歩きして伝説となり、実際は全く大したことがねェってのがオチよ」
そう言って守衛から鍵を奪い、隣の小さな扉から入っていった。
(あの人門番じゃない。弱すぎる)
カオルの言う通り守衛は弱すぎる。暗殺一家の門を守る守衛ならとても強いはずなのにだ。するとゴゴゴゴと音を出して扉が開いた。出てきたのは巨大な獣の手。先ほどの男たちの白骨死体だった。
「時間外の食事はダンナ様に堅く止められてるのになー。ミケー!!太っても知らないよ―――!!」
「ミケ!?」
ジャポンではミケとは猫の名前。まさか巨大化け猫を思い浮かべてしまったカオル。守衛は先程の獣?に向かって言ってる一方、観光バスは大急ぎで逃げる準備をする。
「あんたら何してんだ早く乗って!」
「あ、行っていいですよ。オレ達ここに残ります」
「私達、此処に来るために乗ってきただけなので」
観光バスが逃げていったあと、守衛・ゼブロは驚いた様子でゴン達に話しかけてきた。
「君達なんで逃げないんだい?普通だったらああして逃げるはずなのに」
「キルアの友達です!」
「キルアに会いに来ました!」
笑顔で言うゴンとカオル。その言葉に更に驚くゼブロ。とりあえずゼブロは4人を守衛室に案内した。
「いやー、嬉しいねェ、わざわざ訪ねてくれるなんて。20年勤めていて友人として来てくれたのはあんた達が初めてだ」
キルアはまだ子供。だから同い年の友達ができて、さらにわざわざ来たのがゼブロにとって嬉しいことだった。
「しかし、君らを庭内に入れるわけにはいかんです。」
キルアに初めて出来た友達を先ほどの番犬・ミケの餌にしたくないのだ。ゼブロは実際は守衛ではない。ミケが食い殺した者達を片付ける掃除夫。そして門は鍵がかかっていない。レオリオが試しに開けようとするが開かない。
「単純に力が足りないんですよ」
「アホかー!!全力でやってるってんだよ!!」
「えーそこまで重いの?」
カオルの問いにレオリオは「メチャクチャ重い!」と答える。
「ふーん」
カオルは試しに押してみると確かに重い。
「ホントに重い?」
ゴンの問いにカオルは「確かに重い」と答える。
「あ、でも」
「「「「でも?」」」」
ゴオオオオオ…
「え?これ前にあった…」
「なんだ?」
「燃える音?」
「え?火事でもないのに!?」
以前、ゴンとキルアが聞いた燃える音。その音にゴン達は驚く。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「う~ん」
「「「「え!?」」」」
1の門が開き始めたのだ。ゴンたちは開いた口が塞がらない。この門を良く知っているゼブロも驚きだ。
「こりゃたまげた!この門さえ開けられないような輩は、ゾルディック家に入る資格なしってことなのに!」
そうしている内に扉の向こうが見えてきた。
「よし!もう一息!」
しかしだ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
「あー!閉じる!閉じる!!」
少し力を抜いただけで閉じてきたのだ。こうしてカオルは門の向こうへ行けなかった。
「ご覧の通り扉は自動的に閉まるから、開いたらすぐ中に入ることだね。年々これがしんどくなってきてねェ……」
ゼブロは「1の扉は片方2トンあります」と言う。この門は1から7までの大きさがある。押す者の力に応じて1から7までの大きい扉が開く仕組みになっており、数が増えるごとに重さが倍になっていく。そしてキルアは3の門を開けたらしい。
「3…ってことは12トン!!」
「……16トンだよゴン」
ゴンの計算間違いにクラピカが訂正する。
「おわかりかね?敷地内に入るだけでこの調子なんだ。住む世界が全く違うんですよ」