翌朝
「キルア!カオル!これ見て」
「「?」」
朝起きるとゴンが興奮気味にキルアとカオルにある物を見せる。ゴンが見せたのは黒光りする小さな箱だった。
「何なのこれ?」
「実はジン、ミトさんに俺がハンターになったら渡してほしいって預けた物があったんだ!」
「なるほど。んで、それがその箱な」
キルアはその箱を見る。しかしいろいろ試したのだが開かないらしい。
「開かないかー。蓋は確かにない。表面も動かないから秘密箱でもないな」
カオルは箱に触れながら確認する。するとキルアが「ちょっと力入れていいか?」とゴンに確認する。許可をもらった後、キルアは勢いよく力を入れたのだが……
「っだめだな、フツーの箱じゃねーよ。ただの鉄箱だったら溶接されてたってねじ開けられるのに」
かなり丈夫に作られているようだ。試しに振ってみても音がしない。
「(ハンターになったら渡せって何かあるのかな?ハンターになって手に入るもの……)あ。」
カオルはあることを思いついた。それは念。キルアも「ハンターになったら渡せ」という言葉で同じことを思いつく。
「ハンターになった今、なる前には持ってなかったものがあるだろ?」
「そう考えればわかるよね?」
キルアとカオルの問いにゴンも思いついた。
「あ!!そっか、ハンター証!!」
・・・・・・・・ちがいます(汗)
「「念だよ念!!」」
「あ」
ゴンは念を流し込んでみる。すると
ガラガラ
箱は真っ白な光を放ち、箱はバラバラの鉄きれに分解された。
「また箱?」
現れたのはまた箱。ちなみに最初の板には複雑な模様があった。念を流し込めば壊れる仕組みだったようだ。
「その箱は開きそう?」
「もしかしたらここにカード差し込むのかも」
カオルの問いにゴンはハンター証を差し込む。今度は簡単に開いた。箱に入っていたのはこの三つ。
「指輪と」
「テープと」
「ROMカード」
しかも指輪の裏には板と似たような模様があった。なにか怪しい。とりあえずカセットテープをダビングをしながら聞いてみることにした。
ボタンを押すと、ジー、という音とともにテープが再生され始める。
《……よぉ、ゴン。やっぱりお前もハンターになっちまったか》
男性の声が聞こえてきた。恐らくジンだろう。ジンは続ける。
《それで一つ聞きたいことがある。お前、オレに会いたいか?》
会う気があるならこのまま聞いて……その気がないなら、停止ボタンを押せと吹き込まれていた。ゴンはそのままにするがジンは《できれば会いたいって程度の気持ちならここでテープを切っといた方がいい》と録音されていた。
(会うの嫌なのかな)
しばらくすると実際ご本人も《オレはお前に会いたくない》と言った。曰くどのツラ下げて会えばいいのかわからないそうだ。
(確かに会いづらいよね)
カオルは納得する。
《それでも会いたきゃ探してくれ。だが、さっきも言ったがオレはお前とは会いたくねェ。近づくのが分かったらトンズラかますぜ。捕まえてみろよ
お前もハンターなんだろ?》
こうしてジンのメッセージは終わった。
「ふふん。お前の親父も一筋縄じゃいきそーもねーな」
「トンズラかますって言ってたしね」
「うん」
キルアがテープを止めようとすると、ゴンはそれを制する。
「ジンはまだそこにいる」
《…………あー、一つ言い忘れたぜ。お前の母親についてだ。知りたければこのまま聞いてくれ。別にいいなら》
カチ
これは即止めた。だってゴンにとって母はミトだから。
「ゴハン食べよ!」
そうゴンが部屋の扉を開けた瞬間のことだった。ラジカセのボタンがひとりでに押され、キュルキュルと音を立て始めたのだ。
「ゴン!機械がおかしい!」
「止めたテープが勝手に動き出したぞ!」
3人は目にオーラを集める。念がテープを巻き戻していくのだ。さらに驚くのはこれだけじゃない。
「今度は録音……!そーか!!消す気だ!自分の音声を!!」
カオルは壁に立てかけていた鉄刀を掴む。
「ゴンごめん壊す!!」
「俺も!!」
弁償覚悟でカオルとキルアは壊そうとしたがオーラがガードしているため壊れない。ラジカセは録音までの工程を終えると、何事もなかったかのように動かなくなった。試しにダビングテープを聞いても慌てる自分たちの声とラジカセを壊そうとする音だけだった。