3人は手に入れた品をオークションハウスに持っていったのだが…
「申し訳ございませんが…当ハウスではオークションに出品する目録を半年前には完成させております。今すでに来年の目録に載せる品物を検討している最中です。」
目録の品物は責任をもって本物と断定し、鑑定書を付してある逸品であるからだそうな。担当者は「業者市に出展するという方法がありますよ」と3人に教える。業者市というのは競売品の仲介を生業としている専門家のみが集う競売市だが、参加には許可証があれば良いので一般人が参加することも多いのだそう。さっそく3人はその業者市へ持っていくことにした。
「業者市か…プロがいっぱい参加するんだから本物だったら高く売れるよね!」
「うん。軍資金増えるね!」
「うん、できれば普通の競売に出したいけど仕方ねーだろ」
すると3人はふと思い浮かんだ。この手に入れた品は全部でいくらになるか気になる。なのでまず骨董品店で見てもらうことにした。
「うーーん、どれもいい品だよ!例えばこれ。ムカトリーニの50枚限定リトグラフ。作者の直筆サイン入り。この人は気に入った作品にしかサインをしないので有名なんだ、しかも番号が若い。まぁ15万はするだろうね」
「「「おお~~っ」」」
思わず声を上げてしまう。
「全て手造りの素晴らしいアンティーク人形だよ、本体の状態もいいし箱と備品が無傷で残っているのが価値をあげるんだ。これも30万はするね」
「「「うお~~!」」」
人形も高額だ。
「この花瓶もまた見事な物だ。色合いや形からして…40万だね」
「「「うお~~!」」」
カオルが落札した花瓶も40万。3人は興奮する。最後の一つを木像を見る。ただし結果は「残念ながらたいしたものじゃないね」。
大したものじゃないだ。オーラはちゃんとある。いったいどういうことなのか
「まずね、箱と像の年代が明らかに違うんだ。箱は最近作られたもの。おそらく像の持ち主が裸じゃかわいそうだからって作ったんだろうね。像自体も彫りが荒くて統一性に欠けるし何より作者の名前もない」
しかしこの木自体が実は知る人ぞ知る値打ちものらしい。「これほどの古木なら10万で買ってくれる人をボクは知ってる」
ただし曰く「市に出してもこの価値を知ってる人はプロでも少ないね。」だ。
「もしこっちのふたつを42万で売ってくれたら、この木も8万で買い取ってあげるよ?」
その提案に3人は考える。
「誓ってもいいけどこの2つはどこの店や業者市に持っていっても50万は出さないよ。45万以上出したら自分の儲けがなくなるからね。」
ちょっとこの木の年代調べてみていいかい?と店主はその木を手に奥へ入ろうとしている。その時だ。
「待ちな!!!その木像そこに置け!!」
現れたのは太い眉毛が特徴的な男性だ。
「誰?」
「知らね」
「わからない」
「なんだキミいきなり!ボクはウソなんかついてないぞ」
「そうかァ?その木に8万も出す古美術商はいねーだろ。お前が欲しいのは……その木像の内容!!」
実はこの木像は木造蔵といい、昔流行った税金逃れの隠し金庫だった。この店主は中身をすり替えようとしていたのだ。
「ええ!?」
「すり替えってことは…」
「盗もうとしてたんだ」
3人はじと―――……と店主を冷たい目で見る。
「ぐ…くそ!」
こうして3人は大事な軍資金になる品を奪われずに済んだ。骨董店を出た後3人は男に言う。
「オジさんなにもんなの?」
「かなり詳しいよね?」
「おじさんも骨董品を扱ってるんですか?」
キルア、ゴン、カオルの言葉に男性は言った。
「おじさんおじさん言うな!名前だけだったら分かるだろ!俺がゼパイルだ!!」
「「「え?」」」
3人は固まる。この男性が例のゼパイルだったのだ。その後、お昼を食べながらゼパイルは言う。実は3人は他の値打ち物には全然目が向かなかったことに興味を持ち、自分が作った贋作(変な壺)に値段をつけてくれたのが嬉しかったそうだ。
「お前ら見てて目利きとしてのオレがささやくんだ。“こいつらと仕事がしたい”ってな。それが答えだ。そっちの答えは?」
微笑みを浮かべた3人は揃って頷く。こうしてゼパイルと行動することになった。ゼパイルの宿で木造蔵の中を確認する。木造蔵の中はたくさんの宝石で一杯。安く見積もっても3億だそうだ。まずゼパイルの助言でカタログに間に合わなかった品をお披露目する下見市に行く。しかし木造蔵のことでイチャモンを付けられてしまった。
贋作師が玄人の鑑定師をだます手口・殺し技というものがある。特に木造蔵は本物であっても中身がすり替えられている“ヌキ”をされている可能性がある。例えば
①全て偽物の宝と入れ替えておく
②本物を少しだけ残しておく
③見せる時には本物の宝を見せて、売る直前に偽物とすり替える
④偽物ではないが最近の安物とすり替えておく
⑤偽物ではないが当時の安物とすり替えておく
それゆえ木造蔵は目利き泣かせと呼ばれてしまうのだ。下見市には目が利きそうな業者がいたので本番でもいてくれると助かる。公園でそんな話をしているとだ。
「殺し技には他にどんなのがあるの?」
「あ、私も気になる!」
ゴンとカオルが興味を示した。ゼパイルはガチャポンを使ってどんな殺し技があるのかを教える。その時だ。
「旅団が!?」
レオリオから連絡が来た。とうとう目撃情報が来たのだ。ゴン、キルア、カオルはさっそくレオリオが教えてくれた場所へ向かおうとする。
「おい!!競売はどーする気だよ!?」
慌てて聞くゼパイルにゴンは「任せる!」と即答。ゴンに続いてカオルとキルアも言う。
「ゼパイルさんお願いします!」
「なるべく高く売ってよ!!」
そう言って走る3人。そんな3人に驚きつつもくゼパイルはしっかり答えた。
「よっしゃ任しとけ!!!」
子供3人が自分を信じて任せてくれた。ゼパイルがキルアの希望通り、高く売ることにするのだった。