3人はさっそくバッテラに会いに行く。しかしだ。
半年で5回グリードアイランドと現実世界を行き来しているプロハンター・ツェズゲラから「プレイしても死ぬだけです逃げ回ったあげく死ぬのがオチ」と言われたのだ。9月10日に選考審査がある。なのでキルアは”発”。つまり必殺技を作ろうと提案した。ゴン達は各々部屋に戻って考える。
(私は強化系。自分の体や武器を強くする。天空闘技場で頭舞いをやったらゴン達はオーラが龍の形になっていたって言ってたよね。ウイングさんも性質や形状を変える変化系も得意そうって言っていたし、それだったら変化系のオーラを鉄刀に纏わせてやったらいけるかも)
そう考えたカオルは部屋を壊さないために外へ出た。
(あの時の様にオーラを鉄刀に……集める!)
ずずずずず
(そして…)
ゴオオオオォォォォ
『円舞』
『碧羅の天』
『烈日紅鏡』
『灼骨炎陽』
『陽華突』
『日暈の龍・頭舞い』
『斜陽転身』
『飛輪陽炎』
『輝輝恩光』
『火車』
『幻日虹』
『炎舞』
鬼滅日ノ神流剣術・12の技すべてをひたすらやった。
こうして選考会当日
「それではこれよりG・Iプレイヤー選考会を始めたいと思います。今回バッテラ氏が落札した6本のゲームがプレイ対象となります。」
とうとう選考会が始まった。選ばれる人数は32名だ。
「ゴン、カオル、先に行くぜ」
「がんばって!」
「いってらっしゃい」
キルアがカーテンの中へ入る。
「キルアだったら余裕だね」
「うん。キルアはどんな技にしたんだろうね」
次はゴンだ。
「それじゃ行ってくるね!」
「がんばってね」
ゴンがカーテンに入って少しした時だ。
ドォン
『!!?』
物凄い音が聞こえた。
「な、なんだ!?」
「あの小僧なにしやがったんだ!?」
(ゴンのことだから思いっきりやっちゃったな)
そう思いながらカオルも進んだ。
「どうぞ」
カーテンの中へ入るとやっぱり壁が壊れていた。
「ゴンがすみません」
「いや、別にいい。やれって言ったのは俺の方だからな」
ツェズゲラは「それじゃあやってみろ」とカオルに言う。カオルは鉄刀を抜いた。すると
ゴオオオオォォォォ
鉄刀が赤々と燃えたのだ。
「どうでしょう?」
「あ、ああ。合格だ」
「やった!」
カオルは喜び、鉄刀を元の姿に戻した。
「な、なぜ炎を出せるんだ!?」
ツェズゲラは慌てて聞く。
「炎には慣れているんです。それでは」
カオルはキルアとゴンがいるだろう部屋へ向かった。
「ゴン!キルア!」
「「カオル!」」
その後も合格者が現れる。22名のところで終わってしまったのかツェズゲラが現れた。
「さて、とりあえずおめでとうと言っておこう。君たち22名にG・Iをプレイする権利を与える。ゲームをクリアした場合に限りバッテラ氏から500億ジェニーの報酬が出る。詳細は契約書にあるので目を通しておいてくれ」
契約書が配布され、各々それに目を通す。
「午後5時にヨークシンを出発する。それまでに契約書を読みサインを済ませ、プレイの準備を終えてターセトル駅の中央口に集合してくれ」
こうして選考会は3人合格。レオリオとクラピカとはまたしばらくお別れになった。ヨークシンを出発したプレイヤーは古城のある部屋に案内される。パソコンだらけだ。一人ずつジンが残した指輪をはめてオーラを流し込む。それがゲーム内に入る方法だ。合格者は1人ずつゲームに入った。
***
「G・Iへようこそ。これよりゲームの説明を致します。説明をききますか?」
「はい」
この女性はゲーム内の案内係のようだ。カオルは頷く。
「このゲームでは指輪をはめていれば誰でも使える魔法があります。ブックとゲインです。」
「指輪」
カオルは指にはめた指輪を見る。
「これですか?」
「はい。その手を前に出し「ブック」と唱えてください」
カオルは言われた通り「ブック」と言う。
ボン!
ぶ厚い本が現れた。本を開くとカードポケットに番号が振ってあるページと、何も書いていないページがある。
「番号が振ってあるポケットには同じ番号のカードしか入れることができません。これを指定ポケットといいます。何も書いていないのはフリーポケットです。指定ポケットは000番から099までの100個。フリーポケットは45個です」
ゲームクリアの条件は指定ポケットカードを全て埋めること。
(簡単な事なのにどうして帰れないんだろう)
ルール自体は簡単。なのになぜクリアした人物が出ないのか気になる。
ゲイン、というのはゲーム内での魔法でカードから使えるアイテムにすることが出来るがそれも1回きり。カード化限度枚数」がMAXになっている場合、カード化もできないそうだ。
「そして最後に最も重要な注意点を。もしもプレイヤーが死んでしまった場合、本と指輪は破壊され、中のカードは全て消滅しますのでご注意ください」
「はい」
「この説明も最低限の情報ですので、詳しいことはゲームを進めながら御自分で入手してください。それではご健闘をお祈りいたします。そちらの階段からどうぞ」
女性に言われ、カオルは階段を降りていく。辺り一面、草原が広がる所に出たのだった。