「待って下さい!」
目的地をマサドラに決めたゴン、キルア、カオル。マサドラへの情報を聞き、「いざマサドラへ!」と思った時、同年代でツインテールの少女が話しかけてきた。間違いなく選考会やハメ組に誘われた時広場にいた子だった。
「あ、確かあの時一緒にいた……」
「選考会にもいたよね?」
カオルの問いに「はい」と答える少女。少女は真剣な様子でお願いする。
「あの…私を仲間に入れてください!」
「あーごめん」
キルアの言葉にショックを受けたのか「ど、どうしてですか!?」と聞く。理由はこれ。
「ジャマだから」
ただ邪魔だからだ。少女が心の中で怒り狂っている一方、3人は今の内にと進もうとした。
「あ!待ってお嬢さん!お嬢さんもお願いします!」
同姓であるカオルだったら聞いてくれるかもしれない。少女はカオルに言うが
「どうして?初心者だけどかなりの実力者でしょ?」
「え?」
小声で言われた少女。カオルは小声で続ける。
「G・Iは死者が出るゲーム。普通の女の子だったら確実にやりたくない。なのにあなたは選考会に参加し、合格もした。さらにハメ組に誘われていた。でも一人でいる。実力があるから出来る行動だよ。なので私たちの信頼関係を壊すために近づいてきた可能性大」
(ぐわ~~当たってるだわさ―――!!実際、少しだけオメーらの関係かき回してやろーと思ってたし!)
思わず心の中で本当の口調が出てしまう。
「それではさようなら。」
「まっ、待って下さーい、足でまといにならない様に頑張りますからっ!ちょっと…待って…コノ待ちやが……って下さ――い!」
少女は慌てて3人を追いかけるのだった。
***
情報によると北へ真っ直ぐ行けば目的地、そして途中山賊に気をつけろとあった。それを話終わった後
「で、どうする?」
まだ例の少女が追いかけているのだ。
「ほっとけほっとけ。山賊が出たらドサクサでまけばいいよ」
キルアの言う通りに行動することになった。しばらく山道を走っていくが、少女はかなりの速さで着いてくる。
「思ったより着いてくんなァ……」
「うん、オレ達結構飛ばしてるよね」
「なんかサトツさんを思いだすよね!あの人物凄い速さで
「「あー」」
確かにカオルの言う通りあの人は歩いていた。なのに物凄いスピードだったのをゴンとキルアは思い出した。
そう話していると気配を感じ取った。山賊の登場だ。
「「助けてください!!お願いします!!」」
・・・・・・なぜか見事な土下座を決める山賊。とりあえず敵意は無いようなので事情を聞いてみることにする。
*
ログハウスがいくつか並ぶうちのひとつに上がらせてもらうと、そこには小さな男の子が寝かせられていた。山賊たちは島の風土病にかかり、この男の子は一番重かったのだ。
「なんとかお金を恵んで頂くことは出来ないでしょうか!」
薬代を恵んでほしいとお願いする山賊たち。ちなみにゲーム語に訳すと金を恵んでくれたらお礼としてお得なアイテムか情報を渡すだ。しかし薬代を渡しても男の子が「寒いよ寒いよ」と言うから3人は上着を渡しても情報はもらえなかった。
身ぐるみ剥がされた3人は森を進んでいく。少女はいつの間にかいなくなっていた。しばらくしてそのかわりと言わんばかりに視界は開け、見渡す限りの岩石地帯が現れた。そろそろ怪物が現れるようだ。
「行くぜ!」
「「おー!!」」
気合を入れる3人。ただし現れたのは崖よりも更に大きい1つ目の巨人(しかも複数)。ドコからどう見てもラスボスレベルだった。しかし暫くすると目が弱点と分かってきた。
「しかもこいつら攻撃パターンが2通りしかないよ!」
「ならまだ戦いやすいね!」
カオルはジャンプしながら巨人の体を登っていく
『円舞』
ザシュ!!
こうしてカオルに倒された巨人。ただし
「・・・・・・G」
巨人はまだ弱いGランクだった。確かに攻撃パターンが二通り。目が弱点と分かりやすいから仕方がない。
「でもいけるぜ……!怪物にちゃんと弱点とクセがある。こっちが冷静に理詰めで対処すれば正解に辿り着けるよう設定されてる。山賊の時はかなり不安になったけど」
確かにキルアの言う通り、冷静に対処すればちゃんと倒せると分かった。
「ジンが作ったゲームだもん、まっとーに決まってるよ!」
ゴンも真っ当だと言う。その様子にキルアとカオルは苦笑いだ。
「よーし!この調子でマサドラ目指すぜ!」
「「オー!!」」
気合を入れる3人。ただし先程の巨人何体分……と数えるのも億劫になりそうな巨大トカゲに気合を壊された。
「たまたま1つ目巨人にはあっただけかもな。難易度Gだし。恐らく今のトカゲはランクAとみた」
3人はとにかく倒せそうなら攻撃。やばそうだったら即バックレでマサドラを目指そう、ということになったがそれからも大変だった。スゴイ速さのまっくろ〇ろすけ、当たったら音と衝撃が凄いシャボン玉を作る馬など、トカゲと比べれば弱そうなのだが3人を翻弄するモンスターが出てくるのだ。
「お」
「今度は手強そうだね」
「凝!!!」
「「「!!」」」
先ほどまでのか弱い様子を取り払い、少女は本来の様子で話す。
「凝だよ!!出来るの!?出来ないの!?」
3人が凝で鎧の騎士を見ると、オーラがどこか別の場所へ伸びているのが分かった。
「見えただろ?その騎士は傀儡でいくら攻撃しても効かないよ」
こうしたらかなり簡単だ。カオルとキルアは騎士の気を引く。その隙にゴンはダッシュする。陰になっているオーラの先。その先には小さなネズミがいた。ネズミはビクッ!と体を震わせると気絶してカード化したのだった。
「カードゲット!」
少女が崖の上からストンと降り立つ。
「何で言われるまでやらなかったの?ずっと見てたけど1度も使ってないよね?」
「いや……まぁ…な」
「うん」
「習ったばっかだったからね」
3人の様子でやらなかった理由が分かった少女だった。少女は人差し指を出す。一体どういうことだ。
「何ボサっとしてんだよ凝!!!!」
慌ててみると数字の1が出た。
「いいこと?これからは私が指を1本立てたらすかさず凝!!そして何が見えたか大声で言うこと!!それ以外にも何か怪しい雰囲気を感じたら凝!!いいね!?」
教え方がかなり的確だった。
「これからは私がコーチしてやるからね、特別にタダでいいよ。その代わりビシビシ鍛えるからそのつもりでね!」
コーチする。その言葉にキルアが「寝呆けんなよ」と言った時、彼女は指を出した。
(凝)
カオルはすぐに凝をする。見えたのは数字の5だ。
「「数字の5!!」」
ゴンもすぐに凝をしたのか同時だった。彼女は正解と言う。そして遅れたキルアに「お前、腕立て200回」と言った。
「ああ!?ふざけんな誰がっぶへっ!!」
「「わ―――!?!?」」
遠くへブッ飛ばされた。的確な指示。キルアをぶっ飛ばすほどの実力。本当に何者なのか。
「あなた私たちと変わらない歳なのに」
カオルが聞くと少女は一言。
「ん?私は57才だわよ」
「57才!?」
「ババアじゃん!!」
「ウソつくならせめて20歳にしなよ」
当然キルアはぶっ飛ばされ、カオルはチョップを喰らった(でも師匠の頭突きと比べればあまり痛くない)。
「念を覚えて約40年!あんた達より随分先行ってるし、コーチしてやるって言ってんだから有難く受ければいいだわさ」
こっちの意向は無視だ。
「だいたいアンタ何者だよ!!」
キルアの問いに「自己紹介がまだだったわね」と彼女は答える。
「あたしはビスケット=クルーガー。プロハンター!よろしく!!堅苦しいのは苦手だから呼ぶ時はビスケでいいわよ。その代わり教えを乞う身としてあたしの言いつけは絶対守ること!」
謎の少女・ビスケはなぜか3人に教えることに決定していた。しかし3人にはウイングがいる。そのことを話すとだ。
「もしかしてひよっこウイング?メガネをかけた寝グセボウヤでしょ?服の着方をいくら注意しても直らない、あの」
実はウイングはビスケの弟子だった。