剣士×は×ハンター   作:WATAHUWA

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サイショ×ノ×シュギョウ

ビスケの実力はカオルが思っていた通り本物だった。後から狙っていた男を見事な拳法で倒したのだから。

 

(あの動き……師匠といい勝負)

 

実力はカオルの師匠といい勝負だ。

 

「もしあいつがゲームのキャラなら、あいつをカード化してゲット出来てるわけだけど、 その時の入手難度はDってとこだわね」

 

危険極まりない男がまだ弱い方のDランク。そのことに3人は驚く。

 

「この運がいつまでも続くかしらね?」

 

これまでの状況からして3人は必ずゲームオーバーだ。するとふと疑問が出る。

 

「ビスケはなんでグリードアイランドに来たの?」

「ゴン。バッテラさんの選考会に参加したなら懸賞金目当てでしょ?」

 

カオルが言うとビスケは説明する。

 

「それももちろん。でも1番の目的は宝石よ」

 

彼女曰くグリードアイダンドの指定ポケットカードNo.81にあるブループラネットという月のように美しい宝石を狙っているそうだ。

 

「あ、オレ達もゲームクリアだけど。実はこのゲームオレの親父とその仲間が作ったものなんだけど」

 

ゴンはジンたちが作ったゲームだったと説明する。ジンのことはビスケも知っていた。ジンはかなりの有名人だそうだ。

 

「……もしも、宝石を探すって目的を後廻しにしてもいいならオレ達に念を教えてください!」

 

お願いするゴン。当然、ビスケは了承する。

 

「ただし、あたしはウイングみたく甘くないわよ。覚悟はある?」

(絶対師匠と同じだ)

 

確実に体育系だと分かったカオルだ。ビスケの問いにゴンは「はい!!」としっかりと答える。

 

「そっちは?」

 

キルアも「大丈夫」と答える。カオルはビスケに耳打ちをする。

 

「私たちの仲を壊さなければ別にいいよ」

「……わ、わかっただわさ」

 

3人の言葉を聞いたビスケは先程倒した男を起し、本にしまってあるカードを出させ、没収する。

 

「2週間!!あの3人の攻撃をかわすこと。それが出来たら見逃してやる。もしも決定打を浴びて悶絶したり立ち上がれなくなったらやっぱりあんたを殺す。」

 

そしてルールがひとつだけ。岩壁に囲まれたこの空間。ここから出ないこと。破れば失格。その場合も殺すだ。

 

「オレ達は?」

「あんた達もここから出てはダメ。ここから出たり2週間以内にあいつを倒せなければ、あんた達には罰を与える。」

「私達やらないよね」

「うん」

 

ビスケは「あんたビノールトだわね?」と男に確認する。実はこの男・ビノールトは賞金首ハンターなのに第一級殺人犯でもあるのだ(好物は「22歳の女性の肉」)。

 

「始め!!」

 

ビノールトは開始の合図とともに膝をついて絶状態になった。

 

「何ボサっと見てるんだい?傷んだ箇所の回復をはかってるんだわよ!やらせといていいの?」

 

ビスケの指示にカオルは走る。

 

ゴオ

 

「「「「「!」」」」」

 

鉄刀が燃えたことに驚くゴン達。ビノールトは最初は驚いたがすぐに落ち着き、カオルに攻撃を仕掛ける。ただし

 

『幻日虹』

 

幻日虹によってカオルは回避する。更に

 

『火車』

 

ビノールトの真上を飛んで背後に周って斬り込む。しかしビノールトは気づき、何とか避けた。

 

(あの動き……鬼滅日ノ神流。あいつの弟子ね)

 

ビスケは考える一方、キルアはカオルが作ってくれた隙をつき、飛びかかるが、攻撃させまいとビノールトはハサミを振る。キルアはギリギリ避けたため、頬を切られていた。するとビノールトは咳き込む。攻撃のチャンスとゴンも地面を蹴るがハサミを構えられまともに近寄ることが出来なかった。しかしカオルは一気に間合いを詰める

 

『炎舞』

 

ビノールトはギリギリ一撃目を避ける。

 

(今!)

 

カオルを突き刺そうとするビノールト。しかし

 

ガキィン

 

「な!?」

 

二撃目が弾いた。

 

「ゴン!!カオル!!持久戦で行くぞ!」

 

それを聞いたカオルはビノールトから離れた。6時間交代で投石攻撃をするのだ。その様子にゴンは思いついたのか岩を破壊する。ガラガラと崩れた岩の一部を持ち上げ、ゴンはビノールトに突撃していくのだ。

 

「なるほど。あれだけ大きかったら避けないといけない」

 

ゴンが攻撃を仕掛けてはキルアとカオルが岩を投げつける。こうして半日。ゴン達によって岩の密林が出来上がった。3人は一旦ビノールトから離れた。

 

 

「大分隠れるところが出来上がったね」

「うん。罠を仕掛けることが出来る」

「それじゃあカオルが石を投げて隙を作る。んでもってゴンがパンチで石つぶて(?)を飛ばして怯んだすきにオレが捕まえるってことで」

「「了解!」」

 

こうして最後と言わんばかりに作戦を実行する3人。

 

 

「ゲームオーバーだぜ、おっさん」

「だめだ!!!キルア!!!」

 

ゴンがなぜか待ったをかけた。

 

「まだまだ時間はある!一対一であいつを圧倒出来るようになるまで続けようよ!」

 

今やめるの勿体ないよ!と笑うゴンに開いた口が塞がらない。ビノールトからすればゴンの行動はバカだ。

 

「今度はこっちから攻めてやる!ミンチにしてやるぜ!!」

 

ビノールトが言うが…

 

「うん。でも明日からにしようよ。おじさんも体を休めた方がいい。大分動きが鈍くなってるよ」

 

確かに今のビノールトに勝っても嬉しくない。調子のいい状態で1対1で勝たないとこれから現れるだろう敵に対抗することができないだろう。キルアとカオルも納得してくれた。

 

 

10日後

 

 

キルアとカオルが一人ずつ調子のいいビノールトを倒す。そしてゴンも倒すことに成功。寸止めで倒したその優しさを感じたビノールトは「……もういい。オレに勝ち目はない。殺せ……!」と言う。しかしゴンの答えは…

 

「ビノールトさんありがとう!おかげでオレ達すごく上達しました!!」

 

ビノールトへの感謝だった。ビノールトは震える声でグリードアイランドを出たら自首する、と顔を上げた。

 

「…それで見逃してくれるか?」

 

ビスケは「……行きなさい」と言ってくれた。こうしてビノールトは去っていき、3人は合格した

 

 

 


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