私が魔理沙と一緒に魔理沙家に戻ろうとしている最中、私たちはチルノ、大妖精を含む集団に遭遇した。
「ティナー!!一緒に遊ぼうよー!」
チルノが無邪気な笑顔で呼びかけてくる。魔理沙は以前のことがあってか、げんなりした表情をしていた。
「お前ら……なんでこんなとこにいるんだ……?」
チルノは得意げにこう言った。
「そりゃもちろん、ティナと遊ぶためさ!」
「そう言っておきながらチルノちゃん物覚えが曖昧だから魔法の森の入り口でさっそく迷子になったのが本当だよね」
大妖精は自信たっぷりに言うチルノにすかさずツッコミを入れた。
「そんなことは最強のあたいには関係ないの!それよりティナ、あたいの友達だよ!」
チルノはそう言ってほか三人を紹介した。
「まずこっちの鳥さんがみすちー!」
「ミスティア・ローレライよ~♪夜雀の力、たっぷり見せてあげる!」
紫色の髪、両肩に翼を生やした少女が歌いながら紹介した。
「次にこっちのホタルさんがリグル!」
「リグル・ナイトバグだよ、虫の力たっぷり見せてあげるよ」
緑の髪の短髪の少女が紹介した。
「最後にルーミア」
「ルーミアだよ、闇を操るよー」
赤いリボンをした金髪の少女がふわふわと飛びながら紹介した。
「ありがとう、ティナ・ブランフォードです。よろしくね」
私も彼女たちと同じように挨拶をした。
「それじゃ私はここいらでお邪魔するゼッ!?」
私はこっそり逃げようとしている魔理沙の首根っこを掴む。
「げほっ、げほっ…あにすんだよ!?」
魔理沙は涙目になりむせながら私に文句を言ってくる。そんな魔理沙をスルーし、「今日は何をして遊ぶの?」と彼女たちに聞いた。
「今日はかくれんぼをしよう!」
盛り上がる私たちの後ろで魔理沙が「ママ怖いぜ」と言っていたが、私は気にせず彼女もゲームに参加させた。
ルールはこの魔法の森全体が隠れる範囲だ。鬼である私と魔理沙が30分以内に全員見つけ、攻撃を一回でも命中させることができたら私たちの勝ち、そうでなければ負けという単純ルールだ。なお捕まえた者は今いる場所に必ず来なければいけない。また、再度逃げ出すことはできない。
「もちろん、どんな能力も使っていいからねっ、じゃあ1分したら追ってきてちょうだい!」
チルノの合図に他の4人も一斉に隠れ始める。
「ティナー…どうしてまたこんなことを…」
魔理沙が面倒そうにこぼす。
「あの子たちからまた魔法が得られるかもしれないし、私はこういうこと好きよ?」
「ま、そうだよな…一回だけだぜ?」
魔理沙は諦めて私と参加することにした。
さて、かくれんぼだが、私はすでにかくれんぼのチート能力であろう魔法をすでに3妖精から得ている。
相手が追っていることを気付かせないバニシュ、そして相手の位置を探ることができるサイトロ。残念ながらルナから覚醒したサイレスは今回活用できないが、実質この二つさえあればどこにいようと楽に違いない。
私は魔理沙にバニシュをかける。
「うおっ!やっぱり透明人間になるんだな、すげーぜ!」
魔理沙が感動している。私は自分にもバニシュをかけた後、サイトロで周囲を眺め見る。
「魔理沙はここから北西方向、私はその反対を行くわ」
「おう、確保したら一度戻ってこようぜ」
(5分後)
「やっぱり捕まっちゃいましたか…」
「あー、もう悔しい!」
私たちの手により捕まったチルノと大妖精が肩を落とす。チルノに至っては見つけてブリザドで攻撃したにもかかわらずそのまま逃げだし弾幕まで撃ってくるので、スロウをかけて、ファイアの魔法で脅し、なんとか捕まえたという形である。
「好きな割に容赦ないな」
「目には目をってやつよ、さて次を探しましょう」
新たにサイトロを発動し、魔理沙にターゲットを絞らせ私たちは次の捜索を開始する。残る3人は意外なことに一緒に動いているようで、お互いの100mも距離が離れていない。私たちは挟み撃ちをする作戦をとった。2,3分歩いた頃だろうか。どこからともなく歌が聞こえてきた。
「夜の鳥ぃ、夜の歌ぁ♪人は暗夜に灯を消せぇ♪」
おそらくミスティアが歌っているのだろう。
(こんなにわざとらしく歌っているのには何か理由があるのかしら…)
私はその声を頼りに森の奥へ奥へと進んでいった。だが次々と姿を現すのは鬱蒼と茂る木々のみで誰も見つからない。そのまま声が聞こえる方向に進むと、なぜかチルノ達がいるエリアへと戻ってきてしまった。
(もう一度…サイトロ!)
私は再度探索を行った……。
ゲームを始めて20分が経過した。ずっとサイトロを使って探している。どうにも見つかるが、移動する前に逃げられてしまう。その理由としては私の移動速度が飛べない分遅いことが挙げられるのだが、私と魔理沙の行動がなぜかばれている。姿を隠していてもばれているようだ。魔理沙も結局発見できずに終わっている。
「残り10分しかないのにどうすりゃいいんだ…」
「ふふふ、くっ、あはははははははは!」
私と魔理沙が悩んでいた時にチルノが突然笑い始めた。
「ねぇ、ティナ、魔理沙。私たちを見くびっていない?私たちがわざと捕まったことにも気づいてないかな?」
「何…だと…!?」
魔理沙が驚愕する。
「私たちが楽に捕まれば、きっと簡単に次も見つかるだろうって算段だろうけど、私たちはそう甘くないってのを教えてあげるよ!」
チルノは見たかとばかりどや顔である。捕まっているのに鼻高々のようだ。私たちはもう一度作戦の練り直しを迫られた。それも短時間で。
「魔理沙の方はリグルを追っていたのよね、どうだった?」
「目的地を丹念に調べたが虫ばっかだったぜ…」
「それはその子の能力?」
「かもしれんな、だとしたらティナがサイトロを使いながら探すのが一番いいかもしれんな」
「ところでミスティアの歌らしきものが聞こえたのだけど、それには何か意味が?」
「判断を鈍らせる効果があったようななかったような…あんまり覚えてないぜ」
「そう…最後にルーミアは?」
「あいつは闇を操る能力だろ?もともとこの森の中は薄暗いから目立ちにくいのかもしれんな」
私は残る3人の能力を魔理沙から聞き出す。以上のことから推理すること数分、何とか作戦を思いついた。
「魔理沙、あなたの力を借りるわ」
「いい考えがあるんだな、いいぜ。やろう!」
残りは6分。3人は果たして見つかるのだろうか。
チルノが馬鹿じゃない!?(カルテットも同様に)カルテットたちの作戦並びにティナの作戦は次回明らかになります。