やはり東方の青春ラブコメはまちがっている。   作:セブンアップ

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どこに行っても、アホの子は存在するものである。

 自由とはどこにあるのだろうかと、思う時がある。

 

 今の俺は、あらゆるところから縛られている。スカーレット家がいる紅魔館、およびに生徒会長の四季先輩から束縛されている。

 紅魔館に至ってはレミリアお嬢様の趣味嗜好だろうが、四季先輩は自身の正義感が歪な形となって俺を縛るのだ。

 

 昔、彼女に何があったのかは分からない。だが、俺一人更生するために躍起になって執着するのはいささか妙だ。正義感や責任感が強い故、なのかも知れないが、それでも妙だ。

 

 とはいえ、四季先輩は現状、何か変になっているわけでもなく、普段通りに振る舞っている。昨日のことが嘘みたいだ。

 

「3時間目って体育があったのよね。めんどくさ」

 

「いいじゃないか体育!唯一楽しい授業だぜ!」

 

 今日は体育がある日だ。今の体育の授業内容は、バレーボール。漢字に変換すると排球。ハイキュー。

 

 ただ、女子達と混ざって体育をするのは非常にやりにくいし心臓に悪い。動くのも好きじゃないのも一つの理由だが、俺以外女子という肩身が狭い状況なので、あまり体育はしたくないのだ。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 そんなわけで。

 俺達のクラスは広い体育館でバレーボールを行なっていた。みんなが試合をしている間に、俺は一人、オーバーハンドパスの練習をしている。

 俺のクラスは32人いる。そのうちの一人は、入学式からずっと学校に来ていない人物である。名前は知らんけど。

 つまるところ、実質31人である。しかし、バレーの出場人数は6人だ。31人ということは、チームを5チームに分けようと思えば、一人余るということ。

 

 俺はすかさず、体育の教師である星熊勇儀(ほしぐまゆうぎ)先生に、こう伝えた。

 

「体調があまり良くないんで、一人でオーバーハンドの練習してていいですか?迷惑かけると思うんで」

 

 この決まり文句がそこそこ効くのだ。星熊先生にはかなり心配されるが、俺的には女子達と交えてバレーするメンタルを持ち合わせていない。

 やる気があることをさりげなく伝えるのがミソだ。もしかすれば、保健室で寝ることも可能になるかも知れない。

 

 オーバーハンドパスの練習を一旦止めると、博麗達のチームが試合をしている。博麗を含め、霧雨、マーガトロイド、十六夜。後の二人の名前忘れた。

 

「バレーは、パワーだぜッ!」

 

 霧雨が相手陣営に強烈なスパイクを決めた。あいつの運動神経は天性のようなものだ。

 

「貴方は参加しないの?」

 

「へ?」

 

 試合を観覧していると、隣から聞き覚えのある声が俺に話しかける。それが誰かと分かった瞬間、無視を決め込んだ。何故ならこの人物は、この学校を支配する長であり、魔王。

 

 八雲紫本人なのだから。

 

「無視するとは酷いわね。あの部屋で、私と貴方と藍の3人で、あんな濃密な時間を過ごしたのに」

 

「そういう変な言い方やめません?単に俺が呼び出しをくらっただけじゃないですか」

 

「あらツレない」

 

「何しに来たんですか」

 

 わざわざ校長がこの授業に出向いた理由。何か、大きな理由があるのだろうか。

 

「ん?暇だったから?」

 

 なめとんのかこの人は。暇なら校長室でお茶啜ってろよ。なに観に来ちゃってんだよ。

 

「まぁ、生徒達がしっかり授業を受けているかどうかを見るのも、校長としての役割の一つよね」

 

「見え透いた嘘を…」

 

 この人のあらゆるところが胡散臭い。今俺に見せている表情も、彼女が言った言葉も、何もかもが。読めない人、というか食えない人だ。

 

「それで、何してるの?仲間外れにでもされたのかしら?」

 

「仲間外れされるような仲間がいないんで」

 

「じゃあサボってるの?」

 

「練習ですよ。オーバーハンドパスの練習」

 

「真面目ねぇ」

 

 俺は校長を無視して、オーバーハンドの練習を再開した。ボールを上にあげて、落ちてきたボールを両手で三角を作るような感じで、再びボールを弾いて上にあげる。

 その繰り返しをしているのだが。

 

「……」

 

 校長ずっとこっちを見てるんだよなぁ。授業を観に来たんじゃねぇのかよ。

 

「…あんまり人のことじろじろ見ないでくれません?」

 

「試合を観るよりこっちの方が面白そうだからね。私はいない者と思ってくれて構わないわ」

 

「や、無理なんですけど。目立ちますし」

 

 ただでさえ目立つ見た目なのに、校長と話しているってだけで余計に目立つ。

 練習を中断した俺は、再び試合の方を観戦し始めた。ボールがふわりと浮き、そこへ彼女が走る。足元にまで届きそうなほどの紫色の髪に、レミリアお嬢様のような紅い瞳を備えた女の子。

 

 ボールに向かって、彼女は大きく跳んだ。人一人の頭を越す高さを見せる跳躍。そして。

 

「せやぁッ!」

 

 高い打点から、博麗達の陣営に叩き落とされる。

 

「漫画かよ…」

 

 トランポリンや踏み台を使わずに、ずば抜けた跳躍力を魅せた彼女に対して、俺はそう呟いた。

 

「流石、永琳の弟子ね」

 

「…有名人なんですか?」

 

「自分のクラスメイトくらい覚えておきなさいな。…彼女は鈴仙。鈴仙・優曇華院(れいせん うどんげいん)・イナバ」

 

「キラキラネームにも程があるでしょ……」

 

 四季先輩の名前も大概だったけど。

 

「彼女は八意永琳(やごころえいりん)の弟子。保健の先生の」

 

「あぁ……」

 

 確か、銀髪の人だったはずだよな。一回だけ保健室を利用したことがあったけど、あの人の弟子があの鈴仙というやつなのか。

 

「永琳とは知り合いでね。別に仲が良いわけではないけれど、それでも彼女が作る薬はそこらの薬学者をも群を抜く。保健室で埋もれる才能ではないわね」

 

「はぁ…」

 

「永琳と関わることで、鈴仙を始めとした永遠亭(えいえんてい)の連中とも関わることになったの。感覚的には命蓮寺や紅魔館のような感じね」

 

 ということは、永遠亭というところも命蓮寺や紅魔館のように、シェアハウス的な感じで過ごしているということか。

 

「で、鈴仙のことだけれど。彼女の運動神経は見ての通り。特に、体操系が得意のようね。先の跳躍力も、彼女の強み」

 

「…よく知ってますね。生徒のこと」

 

「私はこの学院の校長よ?全校生徒の名前は勿論、何が得意だなんてことも知り尽くしているわ」

 

 記憶力化け物かよ。全校生徒の名前を覚えるのも難しいのに、一人一人の得意なことまで覚えているとは。

 

「貴方のことも、知っているわよ?」

 

 すると校長は突然、俺の耳元で囁いた。暖かい吐息と混ざりながら囁かれたため、身体が反応してしまう。

 

「近いんですけど…」

 

「これも生徒と交流を深めるスキンシップよ」

 

 本当、この人の相手は疲れる。大体、一生徒に校長が絡んでくる時点で既におかしいんだよな。あの時、さっさと素通りして帰っておけば良かった。したらこんな人に目を付けられずに済んだものを。

 

「あ、紫様!」

 

「?あら、藍じゃない」

 

 体育館に入ってきたのは、校長の秘書である八雲藍先生だ。

 

「私が目を離した隙に……。何をしてるんですか?」

 

「んー?この子とイチャラブしてたの」

 

「してません。だる絡みしてきただけです」

 

「そろそろ、お姉さんに優しくしてもいいのではないかしら?」

 

「お姉さんって歳じゃ…」

 

 俺は思わず、そう呟いてしまった。その言葉に校長は過剰に反応し、携帯していた扇子を俺の喉に優しく当てる。

 

「何か、言ったかしら?お姉さんに」

 

「ひっ」

 

 校長の表情は満面の笑みだが、逆にそれが恐ろしかった。秘書の先生も、「お前やったな」みたいな顔で見てる。もしかして、年齢の話は地雷だった?

 

「もう一度聞くわよ?何か、言ったかしら?お姉さんに」

 

 めっちゃお姉さんって単語を強調してる。大事なことだから二回言ったのかこの人は。

 

「い、いえっ、にゃにみょっ!」

 

 何もって言おうとしたら思いっきり噛んだよちくしょう。

 

「…ならよろしいのよ。では、頑張りなさい」

 

 扇子を俺から離して、秘書の先生と共に体育館から去って行った。魔王の片鱗を垣間見たぜ……ちょっとちびりそうだったよ。

 

「おーい、八幡!」

 

 そんなミニ恐怖に陥りかけたところに、博麗達トリオと、十六夜がやってきた。

 

「あんた、校長に目をつけられてんの?」

 

「何もしてないんだけどな。…それより、マーガトロイドどうした」

 

 マーガトロイドは、肩で息をし、霧雨の肩を借りてなんとか立っている様子だった。

 

「…私、運動が得意なわけではないのよ。いくら6人でやるとはいえ………疲れるわ」

 

「…お疲れさん」

 

 マーガトロイドは端っこに座り、疲労した体力を取り戻そうとし始めた。

 

「今日も生徒会かしら?」

 

 十六夜が俺の隣に立ち、話しかけてくる。

 

「そうだな」

 

「フランお嬢様が早く帰って来て欲しいって言っていたわよ。相当懐いたのね、貴方に」

 

「そのうちお前にも懐くだろ。俺に懐くくらいだし」

 

 フランドールは元来、誰に対しても優しく、元気な子だ。時間が経てば、十六夜にだって懐く可能性は十分ある。何も俺だけというわけではないのだ。

 

「それにパチュリー様も、貴方のことを良く思っているわよね」

 

「読者同士のやりとりをしているだけだ。別にそこまで仲良くはないだろ」

 

 ノーレッジ先輩も、おそらくそう思っている。というのも、あの人の人格から考えると、あまり他人と関わらないタイプだと思う。他人と関わるより、本を読んでいたいから。

 それでも、レミリアお嬢様と親友というところは少し驚いたが。

 

「あ、危ない!」

 

「え?」

 

 バレーコートからそんな呼びかけが聞こえた。そっちに振り向くと、既に目の前にはバレーボールが。

 

「ぐぇっ」

 

「は、八幡!?」

 

 顔面にバレーボールが直撃。そのまま後ろへと転倒してしまう。

 

「い、いってぇ……」

 

「八幡、大丈夫!?」

 

 顔面に直撃したと言ったが、実質一番ダメージが大きいのは鼻である。なんせ、顔面では一番先に当たる部分だからな。

 

「あんた、大丈夫かい!?ほら、お空も早く謝りな!」

 

「え、えっと……アイムソーリー髭そーりー?」

 

「普通に謝らんかいこのすっとこどっこい!」

 

 そんな目の前でショート漫才を見せられても困るんだけど。俺は鼻を押さえつつ、立ち上がる。

 

「だ、大丈夫だ…」

 

 コートから少し距離があったからまだマシだろうけど。やっぱバレーボールって当たると痛ぇわ。

 

「大体お空!バレーボールだってのに蹴りをかます奴があるか!」

 

「えー?だって、ハイキューの小さい人達は脚使ってたよー?」

 

「あれは最終手段!あんたの場合、飛んできた瞬間いきなり蹴っ飛ばしたでしょうが!サッカーじゃないんだよ!」

 

 長い黒髪に大きな緑のリボンを付けた長身の女の子と、もう一人は深紅の髪を両サイドで三つ編みにして、根元と先を黒いリボンで結んでいる女の子が、また漫才をしてる。仲良いなこの子ら。

 

「比企谷、大丈夫かい?」

 

 星熊先生が様子を見兼ねてやってくる。

 

「まぁ、大丈夫です。ちょっと鼻が痛いだけで……」

 

 すると、中から何か液体が徐々に流れてくるのが伝わる。それはぽとぽとと、体育館の床に落ちる。

 

「は、八幡!鼻血出てんぞ!」

 

「うぉっ…」

 

 俺は慌てて、再び鼻を押さえる。それでも、鼻血が止まってくれない。

 

「本当ごめん!もう一回謝りなさいお空!」

 

「ご、ごめんね?」

 

「…まぁ、不運なだけだ。気にするなよ。……ちょっと保健室行って来ていいですかね」

 

「あぁ。永琳に診てもらいな」

 

「お空じゃ務まらないから、あたいが連れて行くよ」

 

「いや、いい。一人でいける。気にすんな」

 

 俺は鼻を押さえながら、体育館を後にして、保健室へと向かって行った。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 保健室の前に到着し、ノックをする。

 

「はーい、どうぞ」

 

 と、返されたので、保健室のドアを開ける。すると、一気に周囲の温度が変わる。保健室の中に入った瞬間、真冬すら思わせる低温であった。

 

「いらっしゃい。今日はどうしたの?」

 

 長い銀髪を後ろで三つ編みのように結んでいる女性が、こちらに声をかける。

 

「すいません、鼻血が出てしまって……」

 

「あら、それは大変。とりあえず、そこの空きベッドに座って。何が起きたかはそれから聞くわ」

 

「はい…」

 

 俺は空きベッドに腰を掛ける。

 それにしてもここ。

 

「寒い…」

 

「ごめんね。隣で寝ている子、今の時期の温度に耐えられないらしいの、体質的に。秋からそこそこ動けるようで、冬にはしっかり動けるそうだけど」

 

「だからこの温度か……」

 

 にしても、温度が低い程動ける限定的な体質を持っているとは。雪国育ちにしても、そんな極端だったか?

 

「そういえば、貴方の名前とクラスを聞いてないわね」

 

「1年F組の比企谷八幡です」

 

「F組?隣で寝ている子も、F組だったわね」

 

 どうやら謎の雪国育ちさんは俺と同じクラスだったようです。一人ずっと学校に来ていないと思ったら、保健室登校か。

 

「とりあえず、ティッシュで鼻の周りを拭きなさい。その後、軽く口呼吸よ」

 

「うっす」

 

 保健室の先生の指示の下、俺は鼻血を対処し始める。鼻の付け根を押さえることで、鼻血は強制的に止まる。

 

「それで、鼻血の原因は何?」

 

「顔にバレーボール当たったんで」

 

「そういうこと…。まぁ、鼻血が止まるまで休んで行きなさい。もし寒ければ、毛布も出すわ。ぶっちゃけ私も寒い」

 

 保健室は北海道か何かか?夏であれば、涼しいのかも知れない。しかし、まだゴールデンウィークを明けてばかりだ。そんな時期に、極寒の空間。凍死するっつの。

 

 俺は鼻血が止まるまで、ベッドで虚空を見つめていた。することが特にないので、単純にボーっとしている。

 

「そういえばF組といえば、優曇華がいるクラスね。あの子、クラスではどうかしら?」

 

「…さっき名前と顔が一致したくらいのレベルなんで、知りません」

 

「同じクラスの人間くらい覚えておきなさいよ」

 

 よく言われるセリフランキング10位以内のセリフ。他人と関わらないから、同じクラスの人間であっても知らないものは知らないのである。

 

 その後、先生と話しているとチャイムが鳴る。

 

「3時間目終わったか……」

 

 鼻血もちょうど止まったようだし、とっとと更衣室に行って着替えよう。

 

「じゃ、ありがとうございました」

 

「はい、お大事に」

 

 俺は保健室のドアを開けると、先程の二人が保健室の前にいた。

 

「っと、びっくりした…」

 

「びっくりさせて悪いね。体育が終わったから、保健室に顔を出したんだけど……どうやら無事みたいだね」

 

「ん、まぁな。それよか、さっさと更衣室に行って良かったんだぞ?」

 

「顔面に当てたまんまってのは、気が引けるから。良かったら、一緒に行こうよ。どうせ隣なんだし」

 

「お、おう」

 

 俺達は保健室を後にして、更衣室に向かった。道中、彼女らと話を交えた。

 

「改めて自己紹介するよ。あたいは火焔猫燐(かえんびょうりん)。あんま苗字で呼ばれるのは好きじゃないからさ、燐かお燐って呼んでよ。あたいも八幡って呼ぶし」

 

「…俺名乗ったっけ」

 

「あんたの名前は覚えてるよ。F組唯一の男子なんだし、逆に覚えないやつの方がいないよ」

 

 全然知らんかった。ていうか、さらりと名前を呼べるあたりこいつのコミュニケーション能力の高さが窺える。

 

「お空!あんたも自己紹介!ほら!」

 

「あ、うん!私はお空だよ!」

 

「あんた、いきなりあだ名で自己紹介するやつがあるか!ちゃんと本名を名乗りな!」

 

「えっと、霊夢はウミウシ?」

 

 え、急にどうした。この子博麗に恨みでもあるの?自己紹介なのに急に博麗を罵倒し始めたんだけど。

 

「違うって!霊烏路空(れいうじうつほ)!ほらリピートアフターミー!霊烏路空!」

 

「あ、霊烏路空だ!自分の名前すーぐ忘れるんだよねー。何でだろうね?」

 

「この鳥頭め……」

 

 鳥頭にしても限度があるだろ。自分の名前を忘れるどころか、それを博麗への罵倒にナチュラルに変換したんだから。

 

「ま、まぁ悪いやつではないんだ。ただ………バカなんだ。飛び抜けて」

 

「そ、そうか……」

 

「君の名前知ってるよ!轢き殺してタイマン、だよね?」

 

「比企谷八幡だよッ!なんだいその物騒な名前は!」

 

 俺の名前まで変換されてしまった。つうか轢き殺されてからタイマンとかヤベェよ。死んだ相手とタイマンはダメだろ。追い討ちじゃねぇか。

 

「じゃあヒッキーだ!」

 

「おいやめろ」

 

 ヒッキーって呼ぶなバカ。原作じゃあお前とキャラが駄々被りのやつに呼ばれてるんだよ。…原作ってなんだよ。

 

「普通に八幡って呼べばいいだろ?」

 

「あ、そっか!流石お燐!八幡っ、八幡!」

 

 バカでアホの子なんだけれども、なんだろう。このほわわんとした感じは。見た目は大人、頭脳は子供というべきだろうか。というか見た目はすっげぇ大人。どこがとは言わんけどめっちゃ成長してる。どこがとは言わんけど。

 

「…まぁこれも何かの縁だ。これから一年間、よろしく頼むよ」

 

「よろしくー!」

 

「…おう」

 

 そうして紹介し合っていると、更衣室前に到着した。

 

「じゃあ、また後でね」

 

「じゃあねー」

 

 彼女達は女子更衣室に入って行き、俺も男子更衣室に入って行く。

 

 火焔猫燐に霊烏路空。

 謎の凸凹コンビと話してしまった。最初から最後まで、漫才を見ているようだった。

 

 …うちのクラスってまともなやついないな。

 

 

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