やはり東方の青春ラブコメはまちがっている。 作:セブンアップ
中間試験。
それは、学生であれば誰でも通る道の一つ。その名の通り、学期の真ん中辺りに試験を行うのだ。
そしてその試験には必ず、試験期間というものが設けられる。期間は1週間だ。その1週間に、中間試験に必要な知識を詰めなければならない。普段からコツコツと勉強している者に関しては、大してやることは変わらないだろうけど。
「早く中間試験終わらねーかなぁ…。勉強は嫌いだぜ」
「魔理沙は究極の脳筋だしね。理知的な魔理沙とか私なら吐くわね」
「そこまで言わなくったっていいだろ!私だって勉強は出来るんだぜ?な、アリス?」
「…さぁ?」
「えぇー!?じゃあ八幡!私って頭悪そうに見えるか?」
「俺に振るなよ…」
と、試験期間でも変わらない日常を送っている。
ただ頭に少しチラつくのが、試験前日になれば、俺の紅魔館の従者としての役目を終え、新たに命蓮寺で従者となるという約束を交わしてしまったこと。
封獣がいるから、紅魔館よりある意味厄介な場所と言える。落ち着いて過ごせるか不安である。あいつのことだから、夜這いする可能性は決して低くない。
「今日さ、サイゼで勉強しないか?勉強会的なやつ」
「そういうのって、大体雑談で終わりそうなパターンだけど?」
「アリスもいるんだし、大丈夫だろ!アリスも来るよな?」
「…本当に勉強するのなら、構わないわ」
「じゃあ決まりな!今日の放課後に、サイゼで勉強だ!」
どうやらこのいつメン達は、サイゼでお勉強するようだ。博麗の言うように、雑談だけで終わるという可能性は高い。
「…言っとくけど、八幡も来るのよ?」
「え」
博麗さんは何を言っているんだろう。私は誘われていないし、そもそも行くとも言ってない。
「八幡、放課後に生徒会ないのか?」
「いや、無いけど……。つかさっきの博麗の言い方だと、生徒会が休みってことを知ってたみたいじゃねぇか」
「今日登校する時にたまたま聞こえてきたのよ。あんたのとこの生徒会長とそのお付きのやつの話からね」
ソースは四季先輩と小野塚先輩からか。
彼女の言う通り、この試験期間は生徒会は休みとなる。生徒会の仕事も大事ではあるが、勉学が疎かになってはいけない。部活動や委員会もまた然り、だ。
「じゃあ八幡も行こうぜっ!八幡、生徒会あるから中々放課後に遊びに行けないしさ!」
「俺まだ行くとか言ってないんだけど……」
「行くの。あんたも来るのよ」
博麗は鬼みたいな形相でそう詰め寄る。やっべ今のでちょっとちびっちゃったかも。俺の周りにいる女子って怖い人ばっかだなおい。
「……分かったよ。ただ、先に封獣を命蓮寺に連れて行かなきゃならん。だから先に行っててくれ。どこのサイゼにするかとかは、また連絡してくれると助かる」
「そういえば、八幡っていつもあいつを送ってるよな」
「そりゃあれでしょ。彼女でもないのに彼女面してるあいつに付き合わされてるだけでしょ。前にも言ったけど、あまり中途半端なことはしない方がいいわよ。なんなら私から言ってやろうか?」
「いや、いい」
これで封獣が大人しくなるのなら、それでいい。
「…大丈夫?」
マーガトロイドが心配そうにこちらを覗き見る。
「…なんでもねぇよ」
封獣の狂気にはもう慣れてしまった。あれだけずっと一緒にいれば、多少なりとも耐性は付く。
慣れって、やっぱり怖いな。
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放課後。
いつものように封獣を命蓮寺に送った後、サイゼへと向かった。博麗から場所が送られてきたが、どうやらこの間行ったららぽーとのサイゼだったようだ。
絶対ららぽーとで買い物する気だろ。もしくは遊ぶ気か。主に霧雨が。
そう考えた理由は簡単だ。ららぽーとじゃなくてもサイゼはある。むしろ、学校からららぽーと少し距離がある。ららぽーとに行くまでに、サイゼの一軒や二軒はあるはずだ。にも関わらず、ららぽーとのサイゼを選んだ理由。
さては遊ぶ気やなあいつ。
そう勝手に仮説を立てながら、ららぽーとへと向かった。ららぽーとに到着すると、真っ先にサイゼへと向かう。そしてサイゼに着き、中へ入っていくと、テーブル席で博麗達が勉強している様子が見えた。
しかし、その中には一人だけ、見知らぬ人物が座っていた。黒髪のボブで、赤い目を持つ女の子。何故か頭には頭襟を被っている。
「あや?噂の比企谷八幡さん、ですか?」
噂のって何?えっ俺なんか噂されてるの?
「…とりあえず座りなさい」
「お、おう」
俺は博麗の隣が空いていたので、その席に腰掛ける。霧雨、マーガトロイド、そして謎の頭襟少女が向かいに座っている。
「…八幡はまだ知らなかったわよね、これのこと」
「人をこれ扱いするのやめてくださいね?初めまして!私、C組の清く正しい
射命丸と名乗るこの女の子は、丁寧にお辞儀をする。
「ご丁寧にどうも。噂された比企谷八幡です」
「比企谷、では呼びにくいから八幡さんとお呼びします!」
もう女子から名前で呼ばれることに慣れてしまった。比企谷やヒキタニと呼ばれたあの頃が懐かしい。
「ららぽーとに行く途中に会ってね…。ナチュラルに着いて来やがったの」
「まぁまぁ、私と霊夢さん達の仲じゃないですか」
「そんな仲良くないでしょうが」
「酷いです!八幡さん、どう思いますか!?」
「俺に振るなよ」
何かあったら俺に振るスタンス流行ってるの?こちとら反応に困るんだけど。
「なんでもいいけど、早く勉強しない?ただ雑談するだけなら帰るわよ」
「まぁ待てってアリス。お前には私に勉強を教える義務があるんだからさ」
「魔理沙さん、もしかして赤点取りそうなんですか?」
「いやー、授業中ずっと寝ちまってさ。ノートとか一切取ってないんだよ」
「八幡も授業中寝てる時あるけど、大丈夫なわけ?」
「文系は余裕だ。理系は知らん」
これから生きる上に証明問題とかいらんだろ。素数ってなんだよ。問題文とか式にxとかyを入れてくんなよ。多すぎて一周回って英語かよ。
「文系なら私もどちらかっていうと得意なんですよ?なんせ、私新聞を作成したことがありますので」
「こいつ、新聞部の部員なのよ。けどこいつが作る新聞の内容って嘘しかないのよ。ゴシップとか、そういう娯楽重視の新聞よ」
「そうね。中学の頃、どれだけ迷惑したか…」
「そーこまで言いますか!?私の新聞を待っている人は必ずいるんです!」
「そうだな。燃えやすいから寒い時期は焚き火とかするのに便利だよなぁ。芋を焼く時とか」
「使い方が違いますよっ!?」
なるほど。博麗やマーガトロイド、霧雨からの当たりは厳しいが、結構仲が良い様子は窺える。
「あっそうだ。八幡さんもぜひ、私の新聞読んでくれませんか?最新作です!」
射命丸は鞄からサッと新聞らしき紙の媒体を取り出した。内容はまだ読んでいないのだが、作り自体ははかなり凝っているのが見て取れる。
では、肝心の内容を読んでみるとしよう。
俺は家でラノベや漫画を読むが、新聞を読むこともたまにある。結構な読み手だと自負は出来るくらいだ。
とはいえ、そこまでガチじゃないだろうし、博麗曰く嘘だらけのゴシップまみれの新聞だそうだし、面白半分で読むとしよう。
「…まずは生徒会の話か。生徒会書記の風見幽香は、一年生の比企谷八幡と付き合っている………おいこれなんだ?」
「え?見たまんまですけど」
「そうじゃねぇ。俺が言ってんのは、風見先輩と付き合ってるっていう内容だよ」
しかもご丁寧に、俺と風見先輩が二人でいる時に撮っている。これ、確か構内の見回りの時のやつだろ。
つか、盗撮じゃねぇか。
「…だから言ったでしょ。文は碌でもない嘘ついて新聞をばら撒くの」
「私からすれば、これはもうお付き合いに見えたんですよ。いやぁラブラブですねぇ」
「見えないだろ。たかだか男女二人が廊下にいるだけで付き合ってるって判断するとか、小学生かよ」
小学生は、男女二人がその場にいるだけで、周りから「お前そいつのこと好きなのか」的な揶揄いが始まる。射命丸のこれは、その揶揄いと同レベルと言っていい。
「…ただまぁ、あれだな。記事の内容云々はさておいて、読み手が楽しく読めるように工夫しているようには見えるな」
内容が嘘なのはさっきので分かった。だが読み手が楽しく、そして読みやすいように、今風の言葉を織り交ぜながら文を作成している。
他にも、写真がとても鮮明に見える。ブレ一つもないのは、おそらく彼女の写真を撮る技術だろう。カメラも、おそらく安いやつではない。
「わ、分かりますか!?」
「あんた本気?ただでさえ目が腐ってんのにそれ以上目腐らせてどうすんのよ。セルフでゾンビになろうとすんじゃないわよ」
「してねぇ」
本当こいつ巫女かよ。一般人に対して吐くセリフじゃないだろ。……なんて言えたらどれだけ良かったか。今めちゃくちゃ睨まれてる。
「…内容は博麗達の言う通りだ。だが読者が読みやすく、そして楽しませようとする工夫は見て取れた。あんまり学校のことは知らんが、暇潰しぐらいには読んでもいい」
「め、めっちゃいい人じゃないですかこの人!」
「貴方、文に惚れたの?」
「違ぇよ。単純に読んだ感想だ」
ちょっと褒めただけでなんでそうなる。俺が人を褒めることがそんなおかしいことか。…そういえば褒める人なんて俺の周りにいないんだった。テヘペロ。
「八幡さん、連絡先交換しましょう!」
「え、いやなんで?別にいらなくね?」
「八幡さんには最速で私の新聞を読んで欲しいんです!感想とか色々聞きたいですし!」
「お、おう…そうか」
射命丸は強い勢いのまま、俺に連絡先を強請る。そんな勢いに押されたまま、俺は射命丸にケータイを渡す。
「あやや、私がやるんですか?」
「連絡先交換なんてやり方知らんからな。別に見られても困るもんはないし」
「そうなんですか…」
射命丸は素早い操作で連絡先を交換し始める。女子って、なんでこんなにケータイの扱いに優れてるのだろうか。もはや特殊能力の一種だろ。
「はい!連絡先交換が完了しました!」
操作を終えると、射命丸は俺にケータイを返す。高校に入ってから、異常に女子の連絡先が増えてんだよなぁ。
「…知らないわよ。後から鬱陶しくなっても私は擁護しないから」
「霊夢さんは私のことなんちゅう扱いしてるんですか?」
「うざったいやつ」
「酷いですね本当」
そんな会話を横目に、俺は鞄から教材を取り出して、勉強を始めようとする。
「八幡さんって苦手な科目あります?」
「理系は無理だな。なんだよxとかyって」
「私、教えてあげましょうか?これでも私、中学時代では学年順位では結構上だったんですよ?」
「そうなのよね。こいつ無駄に頭良いのよね」
「私、何回か負けたことあるし……」
射命丸は結構、頭の良い人物らしい。博麗やマーガトロイドが言うくらいだ。
「まぁ、私の足元には及ばないけどね」
「そうなんですよ!霊夢さん、ずっと学年一位か二位しか取らないんですよ!」
えっ嘘だろ。こんな悪役のセリフしか持ち合わせていないような巫女が学年一位か二位…?いつかこの学校が博麗に支配されそうで怖い。
「…八幡、結構顔に出やすいからそろそろ一発入れてもいいかしら?」
「ちょ、暴力はノーだろ」
「あんたに限ってはイエスよ」
何度言葉を交わしても横暴過ぎるよこの巫女。すっごい笑顔なのは俺を退治するからですかそうですか。
「仲良いですねぇ」
「なんだかんだで、霊夢って結構八幡のこと気に入ってるよな」
「な訳ないでしょ頭ん中に花でも咲かせてるの?」
「そうだぞ。あんま不用意なこと言うと博麗が…」
「私が、何?」
「なんでもございません」
大人しく勉強してよう。地雷踏みそうで怖ぇや。
国語や英語、社会系などは赤点を取らない自信はあるが、理科や数学は赤点取りかねない。中学の頃も、40点そこそこだったし。
「テスト終わったら次の日って土曜日だったよな?どっか遊びに行こうぜ!」
「嫌よ面倒くさい。ていうかこの間のゴールデンウィーク遊んだじゃない」
「あれはあれ、これはこれだぜ!」
「いいですねいいですね!遊びに行きましょうよみなさんで!」
「ナチュラルに何あんたも来ることになってんのよ。ていうか私は行かないし」
俺は関係ない俺は関係ない俺は関係ない。他人のフリをしよう、うんそうしよう。
「アリスも来るよな?」
「…まぁ、土曜日くらいなら別に構わないわ」
「よしこれで三人!後は霊夢と八幡だぜ?」
「断ってんの分からないの?あんたの耳は八幡の目と同じで腐ってるのかしら?」
「いいだろいいだろっ、な?」
霧雨が両手を合わせて博麗に頼み込む。しかし、彼女の考えは変わらないのか、それを断る。
「言ったでしょ?面倒なわけ。来て欲しけりゃ賽銭箱に最低300円入れることね。したら考えてやってもいいわよ」
清々しいほどにクズいなこの巫女。一般人に金を強請る巫女とか見たくねぇ。
「そう言わずにさ、頼むって!なんならその日の飯代、私が奢ってやってもいいぜ?」
「それを早く言いなさい」
さっきまで頑なに断っていた博麗は何処へ。博麗を丸め込み、残るは俺だけとなった。
「…な?」
「な?じゃねぇよ」
俺は断固として行かねぇ。
行きたくない理由は一つ。単純に面倒なのです。ガールズ達は勝手にキャッキャウフフしとけって話だ。この間のゴールデンウィークの時、博麗達と、生徒会の面々で出かけはしたが、男子が俺だけという状況は肩身が狭い。
最近色々あり過ぎるんだ。一日くらいゆっくりしたいんだよ。
「…私が行くのにあんたが行かないとかいい度胸じゃない」
「いや、お前が勝手に折れたんでしょうが。俺知らんし」
「私が折れてやったんだからあんたも折れなさい。何一人だけ逃げようとしてんのこら」
「場所が場所だとお前干されるぞ。そろそろ」
そんな軽口を博麗と交わしていると、射命丸が徐にカメラを取り出して、撮影を始めた。
「見出しは、"博麗の巫女と一般人が痴話喧嘩勃発!"とかどうでしょう?」
「よくないわよ消しなさい。じゃないとあんたの嫌いな鶏肉をぶち込むわよ」
「あーあ八幡。よくないぜそういうのはよ」
「違うだろ」
射命丸に便乗するように霧雨も揶揄う。痴話喧嘩じゃないしそもそもこいつとそんなに仲良くねぇよ。
「ほうほう、八幡さんはツンデレ属性をお持ちなのですか?」
「男のツンデレとか需要ないだろ」
「BLなら間違いなく需要ありますけどね。例えば八幡さんと霖之助さんとか。八幡さんが受けで、霖之助さんが優しく攻める、みたいな」
お前怖いこと言ってんじゃねぇよ。霖之助さんが誰だか知らんが、勝手にカップリングしないでくれる?
「き、キマシタワー!」
「ちょ、海老名擬態しろし!」
…なんか思いっきり鼻血出してるけど大丈夫だろうか、あのメガネの人。隣の人すっごいオカンじゃん。
「…それでどうするの?行くのか行かないのか」
マーガトロイドが俺に尋ねる。このまま断っても、霧雨のことだからゴリ押しで来そうな気がする。それは面倒くさい。なら、ここで抵抗を止める方が合理的か。
「…空いてたらな」
「よっし!やっぱ素直じゃないよな、八幡と霊夢は」
「私はいつだって素直なんだけど?」
結局、俺に休みの日は存在しないのだ。新たに射命丸という女の子が加わって、余計に面倒なことが起きそうで仕方がない。しかし、これが青春ラブコメの醍醐味というものなのだろうか。
面倒なことこの上ない。帰って寝たい。そろそろ小町に会いたいよう。
そんな欲望に馳せながら、俺はペンを取って、ノートに視線を移した。
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ららぽーとの外に出ると、空は既に暗くなっていた。あらかじめ、帰るのが少し遅くなるということを十六夜には話しているが、早く帰らんとフランドールが怒りそうで怖いな。
「八幡さん!」
「ん?…うぉっ」
射命丸は強引に俺の腕を抱きしめて、自撮りの構えでツーショットを撮ろうとする。
あのですね、そういう行動がですね、多くの男性を勘違いさせ、結果死地へ送り込むことになるんですよ。分かったら今後、ボディータッチはしない、休み時間男子の席に座らない、忘れた教科書を借りない、徹底してくださいね。
もうなんか柔らかいのがむにむに当たって気になるんですよ。
撮り終えたのか、射命丸は離れる。
「お近づきの写真です!では、今度はみなさんで撮りましょう!」
「おっ、いいなそれ!」
「…仕方ないわね」
「面倒ね……」
再び射命丸は自撮りの構えを取る。しかし、このケータイ一つでみんなが入るのだろうか。
すると。
「撮りましょうか?」
「いいんですか?ありがとうございます」
通りすがりの女性は親切にそう言った。しかし、少し奇抜な姿と俺は感じた。
獣耳かと見紛うほど2つに尖った肌色の髪に、「和」という文字が入った耳当てをしているのだ。
「では撮りますよ」
真ん中には射命丸と霧雨。霧雨の隣にはマーガトロイドで、射命丸の隣は博麗。博麗の横は怖いので、マーガトロイドの隣に立つ。
「はい、チーズ」
2、3枚程度撮ってもらい、女性は射命丸にケータイを返す。
「いい写真ですよ」
「あや、そうですか?ありがとうございます」
「では、私はこれで」
そうして、その女性は俺達の前から去っていく。
「…そろそろいい時間だし、帰りましょうか」
「そうだなぁ。今日は勉強して疲れたぜ」
「あんた大半は雑談ばっかりだったでしょうが」
「でも楽しかったですね!私としては、噂の八幡さんとお近づきになれましたし」
俺達はそうして、ららぽーとで解散した。
俺は今日の勉強会を通して、少し気がかりなことがある。
あの射命丸という人物は、どこか胡散臭い人間だ。根拠はまるでないのだが、何かを隠している。単なる勘だ。
その何かが分からないのだが、俺にはそんな風に見えたのだ。
そんな射命丸のことを考えながら、俺は我が家に、ではなく紅魔館へと歩き始めた。