【完結】戦姫絶唱シンフォギア ~キミに決めた!~   作:カンさん

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第十話「Acacia」

「コマチ、何を言って──」

『返して貰うよ、僕自身を』

 

 アカシアがそう言うと、突然ヒビキの体が光り出し──ロストソングの力が解除される。そして彼女と融合していたイーブイはそのままアカシアの元へと飛んでいき、吸収される。

 

「ぁ──」

『さぁ、キミ達も帰っておいで』

 

 その言葉と共に、彼方から一つの光がアカシアの元へ飛来する。

 それはSONG本部で隔離保護されている筈のピカチュウだった。

 そのピカチュウすらアカシアは吸収し──マリア達が負けた際に解放されたルカリオの分も含めて、彼は全ての力を取り戻した。

 

 だからだろうか。彼が力を取り戻した事で、ノイズ達はアカシアの存在を強く感じ取り、相手取っていた錬金術師達を無視して飛来し、彼に襲い掛かった。

 

『無駄だ』

 

 しかし彼が一睨みすると、ノイズ達は何もできずに煤になり消え失せた。アルカ・ノイズも、カルマ・ノイズも。

 その光景を見てシェム・ハは気付いた。

 

「アカシア……貴様まさか!」

『うん、そうだよ──さっきまで響ちゃんが座っていた席に、今居るのは僕だ』

 

 つまり、彼はこの世界で全てを操る事ができる。

 そして、彼の目的は一つだ。

 

『──僕はこの命を使って、世界を、未来を救う』

 

 アルセウスによる歴史の修正を行うつもりだ。

 それを知ったヒビキ達は顔を真っ青にさせて止めようとする。

 

「やめてコマチ! そんな事をしたらアンタが!」

『そんな事は分かっている。でも今しか無いんだ』

 

 そしてヒビキから響へと視線を向けるアカシア。

 

『そして立花さん──キミの言う他の手段を探す時間はない』

「──え」

『この世界は同じ時間を繰り返し過ぎた──その因果が呪いに上乗せされている』

 

 そしてこのまま世界を解放してしまえば、当初の危惧通りに滅びの歌が並行世界に浸透し──人間は全員死んでしまうだろう。

 それを聞いたヒビキは──。

 

「そんな……わたしのせいって事……?」

『──違うよ。僕があの歌を唄った事が始まりだ』

 

 だから。

 

『歴史を修正して、全てを無かった事にする』

 

 もうそれしか──アカシア以外を救うにはそれしか無かった。

 当然、装者達が認める筈もなく、彼女たちは必死になって彼を説得しようとした。

 自分自身とぶつかり、彼と未来に歩みたいと思ったからこそ──彼女たちは夢ではなく、現実の世界で彼と生きようとする。

 

「光彦、生きるのを諦めるな! あたしは絶対に許さないぞ!」

『ごめん奏ちゃん。僕はそれ以上に皆がこのまま死んでいく事が諦められないんだ。だから許してくれ』

 

「ふざけるなよ光彦! お前、それでオレ達が納得できると思っているのか!?」

『思っていないよ。でも仕方ないんだ。だって、このまま皆が死ぬ方が納得できないから』

 

「やめて、コマチ……! お願い……!」

『ごめんクリスちゃん。もうキミを慰める事もできない。恨んでくれても憎んでくれても構わないから、だから』

 

「アンタがそんなんじゃあ、アイツの頑張りは……!」

『大丈夫だよ調ちゃん。歴史を修正すればウェルも蘇る。だからその世界で、未来で仲良くしてね』

 

「それじゃあ意味が無いですよ! 博士だって!」

『……うん、そうだね。でもこのままという訳にも行かないんだ。だから分かっておくれ」

 

「リッくん先輩! そんなの優しさじゃないです! だからどうか……どうか……!」

『……ごめんセレナ。優しいだけでは無理だったみたいだ。でもキミはどうかそのまま……』

 

「いやよ……いやいやいや……! わたし、まだリッくん先輩と一緒に居たい! 消えるなんて、そんなの……!」

『マリア──ありがとう、そう言ってくれると嬉しいよ』

 

「駄目だよコマチ──それじゃあ、わたし達は何の為に!」

『……ごめん未来ちゃん。響ちゃんをよろしく』

 

 ──皆の言葉はアカシアに届かない。

 彼はも決めたと、自分を消して世界を、未来を取り戻すことを選んだ。

 

「──なんで」

 

 ヒビキが、届かない場所に居るアカシアに手を伸ばす。

 

「コマチ……なんで──」

『ありがとう響ちゃん──大好きだよ』

 

 アカシアは笑顔と共にそう言って──アルセウスに向き直る。

 それを見たヒビキ達はギアを、ファウストローブを構えた。

 言葉で止まらないなら──力ずくで止める。

 それだけの覚悟があった。

 

 しかし。

 

『──僕はもう失敗しない』

 

 そう言ってアカシアは──自分に纏わる力全てを封印した。

 するとヒビキ達のファウストローブも、シンフォギアも解除されてしまい、彼女たちは戦う力を奪われる。

 

「何で……!?」

『流石に皆と、それも立花さん達も居るんじゃあ勝ち目が無いからね──皆が止めようとする事は分かっていた』

 

 故に、彼は自分の力でヒビキ達のギアを使えない様にした。

 唯一マリアのギアだけはアカシアの力と関係ないが……ガングニールの力だけでは彼女はアカシアを止められない。

 

 ──くそ、アカシアの力で蘇ったのが仇になったか……! 

 

「シェム・ハさん!?」

『神の力も使わせないよ。未来ちゃんのファウストローブも元々はイグニス達の命で循環作動している──神獣鏡も使わせない』

 

 これで、もうこの世界の皆はアカシアを邪魔する事はできない。

 しかし懸念事項はある。

 並行世界の響達だ。

 彼女たちだけは戦う事が、止める事ができる。

 だから説得しなくてはならない。

 

『立花さん。みんな。どうか、見逃してくれ』

「──ううん。無理だよ」

 

 アカシアは響の答えに驚かなかった。

 彼女がそう言うと分かっていたからだ。

 

「でも、止めるのはわたし達じゃない」

『──なんだって?』

 

 しかし、続けて紡がれたその言葉は予想外だった。

 響はギアを解除して、首にかけたペンダントを持つと──ヒビキに渡した。

 

「これを使ってわたし!」

 

 響が渡したのは──ガングニールのシンフォギア。

 

「このまま何も言えず、何も伝えられず、何もできず──お別れなんて悲しいよ! だからこれで……思いっきり喧嘩してきて!」

「……!」

 

 そして、自分自身にギアを渡すのは響だけでは無かった。

 

「おい、行ってこいあたし」

 

 ギアを解いた奏が乱暴にカナデにガングニールのペンダントを押し付ける。

 

「お前……」

「弟や妹の我がままを聞くのも悪くないが、たまにはガツンと言ってやれ!」

 

 自分にはできなかった事をもう一人の自分に託す奏。

 カナデは──力強く頷いてペンダントを受け取った。

 

「もう一人のわたし。どうかこの剣を──翼を受け取ってくれ」

 

 アメノハバキリのギアをもう一人の自分に差し出す翼。

 

「わたし達はいつだって間に合わず後悔する。だが、そうならないように──身命を賭して戦う。それが防人……いや風鳴翼だろう?」

「──はっ! 言われるまでもねぇ!」

 

 パシッと乱暴にギアを掴むツバサは、何処までも羽撃く為の剣を、翼を胸に抱く。

 

「なぁあたし。もうその気持ち抑え込む必要ないぜ」

 

 クルクルと指先に引っ掛けたペンダントを振り回し、「バァン」の一言と共に飛ばして渡されるクリスのイチイバル。

 

「全部乗せてぶちかまして来いよ! お前の想い!」

「──うん。分かった」

 

 銃爪に引っ掛けた指で夢を、愛を撃ち抜く為の覚悟という弾丸を装填する。

 

「わたしもあなたに……だから!」

 

 純粋な心で、調は想いを突き立てる為の牙を渡す。

 

「自分の気持ちに嘘を吐かないで」

「……あまり恥ずかしい事言わないで。解剖するよ? でも、ありがとう」

 

 調は月の様に優しい微笑みに照れながらもしっかりとギアを受け取った。

 

「何も言わずに受け取ってください!」

 

 バチンッと音が鳴るほどに強くペンダントを持った手を重ね、握らせる切歌。

 

「お気楽に! 元気に! それがアタシデス!」

「……そう、デスね!」

 

 太陽の様に強く、輝いた笑顔を浮かべる二人。

 

「大切な人を助ける為の力を、あなたに!」

 

 セレナも自分のギアをもう一人の自分に渡した。

 

「優しさを忘れないで! そして──」

「ええ、分かっています──ありがとう」

 

 腕に包まれた優しさを落とさない様に、セレナはペンダントを握りしめた。

 

「わたし。あなたにこれを」

「それは……」

 

 マリアが渡すのはガングニールのギアではなく、アガートラームのギア。

 

「アカシアの力とガングニールのギアを同時に使いこなせていたあなたなら出来る筈」

 

 それは、紡がれる魂。

 

「常に波導と共に在った拳と、わたしの想いを込めた白銀の拳──それで、生意気な先輩の横っ面に一発叩き込んで来なさい!」

「──感謝するわ。わたし」

 

 アガートラーム(はがね)のギアを受け取り、今まで共に戦って来たガングニール(かくとう)のギアを握りしめて、波導の力が無くとも、勇者(リッくん先輩)の様に強く、凛々しくアカシアを見据える。

 

「ねぇ、わたし。ヒビキの隣に居たいよね?」

 

 ミクの沸き立つ想いを感じていた未来が神獣鏡のギアを差し出す。

 

「お日様と一緒に未来を見たいよね? 歩きたいよね? 前に進みたいよね? だったら──」

「──こんな所で立ち止まっていられない!」

 

 花咲く勇気で助けられた少女は、今度は自分がと一歩踏み出す。

 

 そして、ヒビキは

 

「──分かった」

 

 皆がギアを受け取ると同時に、ガングニールを握りしめた響の手と繋ぎ、受け止めた。

 

 響の無言の視線に、彼女は頷いて応え、ヒビキは、装者達は──。

 

「──胸の歌を、信じて!」

 

 歌を、唄った。 

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Killter Ichaival tron」

 

「Granzizel bilfen gungnir zizzl」(Seilien coffin airget-lamh tron)

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

「Various shul shagana tron」

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

「Rei shen shou jing rei zizzl」

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

 ヒビキ達がギアを纏う。自分から託されたギアを。

 

『──みんな』

 

 そんな彼女たちを見て、アカシアは。

 

『本気なんだね』

 

 覚悟を決めた。

 

『分かった──だったら、もう少しだけ付き合って貰う、僕の我がままに!』

 

 アカシアは空を飛び、アルセウスの頭上に降り立った。

 

『力を貸して、アルセウス!』

『──良いのだな?』

『うん──これが、最後だから』

『──心得た』

 

 アカシアとアルセウスが融合し──黄金色へと変わったアルセウスがヒビキ達を見下ろす。

 

『行くよ──みんな!』

 

 彼女たちの、最後の戦いが──否。

 

 最後の十重奏(デクテット)が始まる。

 

 

 第十話「Acacia」

 

 

♪ 透明よりも綺麗な あの輝きを確かめにいこう♪ 

 

 かつてアカシアは滅びの歌を唄い、それが原因で唄えなくなった。

 彼の魂が、唄うことでまた人を殺してしまうと思ったから。

 

♪ そうやって始まったんだよ たまに忘れるほど強い理由♪ 

 

 しかしそんな彼に、歌が好きだと思わせたのは彼女達だった。

 

♪ 冷たい雨に濡れる時は 足音比べ 騒ぎながらいこう♪ 

 

 アカシアは──本当は彼女達と一緒に居たい。

 

♪ 太陽の代わりに唄を 君と僕と世界の声で♪ 

 

 彼女達は──本当は夢ではなく現実で一緒に居たい。

 

♪ いつか君を見つけた時に♪ 

 

 でもお互いに譲れないから、彼は、彼女達は、力で、歌で、繋がって戦う。

 

♪ 君に僕も見つけてもらったんだな 今♪ 

 

 アカシアが重力を操作し、ヒビキ達を抑えつけようとする。

 

♪ 目が合えば笑うだけさ 言葉の外側で♪ 

 

 しかし全員上から掛かる圧力を殴って吹き飛ばすと、そのまま跳躍する。

 

♪ ゴールはきっとまだだけど♪ 

 

 そしてそのままアカシアへと手を伸ばし。

 

♪ もう死ぬまでいたい場所にいる♪ 

 

 アカシアの貼った障壁で阻まれ、竜巻により吹き飛ばされる。

 

♪ 隣で  隣で♪ 

 

 しかし彼女達は諦めずすぐに立ち上がり。

 

♪ 君の側で♪ 

 

 アカシアも全力で応えるべく、裁きの礫を解き放ち。

 

♪ 魂がここだよって叫ぶ♪ 

 

 響達の歌とアカシアの歌が、彼女達のギアの力とアカシアの力がぶつかり合う。

 

♪ 泣いたり笑ったりする時♪ 

 

 まるでこれまでの想い出を思い出す様に。

 

♪ 君の命が揺れる時♪ 

 

 まるでこれからの未来を夢見て思う様に。

 

♪ 誰より 近くで♪ 

 

 それでもアカシアは一緒に居てはいけないと歌い続け。

 

♪ 特等席で♪ 

 

 想いとは裏腹のその歌に響達は歌で包み込み。

 

♪ 僕も同じように 息をしていたい♪ 

 

 早く素直になれと叱る様に叩き付ける。

 

「同じ歌を唄っている……戦っているのに」

 

 クリスの呆然とした言葉に響が答える。

 

「敵じゃないから。家族だから」

 

 響達はいつだって、自分達の意思を貫き通す時は歌と共にあった。

 そしてそれはこの世界のヒビキ達も、アカシアも同じなのだろう。

 

「だから自然と同じ歌を唄えるんだ」

 

 何故なら彼、彼女達の想いは同じで──それを歌にするのだから。

 だからアカシアとヒビキ達は手を繋いで歌い続け──それはとても優しい戦いだった。

 

 

♪ 君の一歩は僕より遠い 間違いなく君の凄いところ♪ 

 

 カナデの槍の一撃が、裁きの礫の一つを砕く。

 

♪ 足跡は僕の方が多い 間違いなく僕の凄いところ♪ 

 

 ツバサの剣の一閃が裁きの礫の一つを両断する。

 

♪ 真っ暗闇が怖い時は 怖さを比べ ふざけながらいこう♪ 

 

 クリスの放つ弾丸が裁きの礫の一つを撃ち抜く。

 

♪ 太陽がなくたって歩ける 君と照らす世界が見える♪ 

 

 未来の光が裁きの礫の一つを消し去る。

 

♪ 言えない事 聞かないままで♪ 

 

 マリアの黒と白銀の拳が裁きの礫を10個ぶち壊す。

 

♪ 消えない傷の意味 知らないままで でも♪ 

 

 セレナの短剣が裁きの礫の一つを打ち落とす。

 

♪ 目が合えば笑えるのさ♪ 

 

 調の砲撃が裁きの礫の一つを消滅させる。

 

♪ 涙を挟んでも♪ 

 

 切歌の鎌が裁きの礫の一つを両断する。

 

♪ 転んだら手を貸してもらうよりも♪ 

 

『くっ……!』

 

 降り注ぐ裁きの礫の雨を突破した装者達に焦りの表情を浮かべるアカシア。

 

♪ 優しい言葉選んでもらうよりも♪ 

 

 でも負ける訳にはいかない。

 

♪ 隣で 隣で♪ 

 

 彼女達を助ける為には──。

 

♪ 信じて欲しいんだ♪ 

 

「──コマチィイイイイイイイ!!」

『──!?』

 

♪ どこまでも一緒にいけると♪ 

 

 しかしそんな彼にヒビキが叫びながら突っ込み、彼の障壁を突破する。

 

♪ ついに辿り着くその時♪ 

 

 そして彼女は神殺しの拳を振り上げ。

 

♪ 夢の正体に触れる時♪ 

 

 それを目の前のアカシアに向かって思いっきり振り下ろす。

 

♪ 必ず 近くで

 

 しかしアカシアは神殺しの拳で殴られる事はなく──温かい掌がそっと彼の頬に触れた。

 

一番側で♪ 

 

「コマチ!」

 

 至近距離でヒビキが叫ぶ。

 

♪ 君の目に映る 景色にいたい♪ 

 

「一緒に居よう!」

 

 彼女は神殺しの拳ではなく、ただ繋がりたいという、共に居たいという我が儘でアカシアを捉えた。

 

♪ あの輝きを♪ 

 

「わたしはアンタの事が大好き──」

 

 それはヒビキの本音。

 

♪ 君に会えたから見えた♪ 

 

「アンタが居たからわたしはここまで来れたんだ!」

 

 故に彼女はアカシアと──コマチと一緒に居たいと叫ぶ。

 

♪ あの輝きを♪ 

 

『──僕も……俺も響ちゃんが大好きだよ』

 

 それはコマチの本音。

 

♪ 確かめにいこう♪ 

 

『でも一緒に居たら、みんな前に進めないんだ!』

 

 故にコマチはヒビキと──響と一緒に居られないと叫ぶ。

 

「この、頑固者!」

『そっちこそ!』

 

 コマチがサイコキネシスで響を引き離し、しかしその背中をツバサとカナデ──翼と奏が受け止め、さらにクリス、未来、マリア、セレナ、調、切歌が押し出す。

 

 ──コマチも、彼女達も一歩も譲らなかった。

 

♪ どんな最後が待っていようと♪ 

 

『俺だって本当は嫌だよ! でも!』

「だったらこっちに来い光彦!」

「絶対になんとかするから、だから!」

 

♪ もう離せない手を繋いだよ♪ 

 

『でもどうやって! もう時間が無いんだ!』

「それでもわたし達は諦められません!」

「わたし達はリッくん先輩に救われた。だから今度はこっちが!」

 

♪ 隣で 隣で♪ 

 

『……っ』

 

♪ 君の側で♪ 

 

『でも──でもでもでも!』

 

♪ 魂がここがいいと叫ぶ♪ 

 

『それでも俺は!』

 

♪ そして理由が光る時♪ 

 

『君達には生きて、未来に進んで、幸せで居て欲しいんだ!』

「そんなのわたし達も、響も同じだよ!」

「コマチ、帰ってきて……お願い……!」

 

♪ 僕らを理由が抱きしめる時♪ 

 

『──それができないから苦しいんだ! 悲しいんだ! けど!』

「少しでも可能性があるなら諦めない。実験と同じ!」

「アタシ達が諦め悪いの知っているデスよね!」

 

♪ 誰より 近くで♪ 

 

「コマチ」

 

♪ 特等席で♪ 

 

「一緒に行こう」

 

♪ 僕の見た君を 君に伝えたい♪ 

 

「まだアンタに見せたい景色が、伝えたい想いがあるんだ」

 

♪ 君がいる事を 君に伝えたい♪ 

 

「だから」

 

♪ そうやって始まったんだよ♪ 

 

「──帰って来て、コマチ」

『──響ちゃん。みんな……』

 

♪ そうやって始まったんだよ♪ 

 

 響達の差し伸ばした手を、アカシアは……コマチは──。

 

──Acacia

 

 思わず手を伸ばして──温かく、優しく……握り締められた。

 

 




次回、LAST SONG編最終回。
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