【完結】戦姫絶唱シンフォギア ~キミに決めた!~   作:カンさん

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ごめんなさい遅れました
獣の装者キャロル編最終話です


第十七話「世界を識るための歌」

♪ 逆襲ノ歌ヲ……  蓋世ノ歌ヲ……!♪ 

 

 キャロルの発するフォニックゲインが響たちを包み込む。

 

♪ 矜持なる旋律を聴け♪

 

 それによりギアが再稼動し、ギアが修復されていく。

 

「これなら……!」

「──行ける」

 

♪ 叡智と数美の交響曲♪ 

 

 翼が高速で空を翔け、黒騎士に斬りかかる。

 受け止めた黒騎士は、ガクンと力負けし膝を地に着ける。

 

♪ 破壊、破砕、全反転し、闇よ光を識れ♪

 

 そこにキャロルとクリスの炎のレーザーが直撃し、吹き飛ばされる。

 

「!?!?!?」

 

 先ほどと違って簡単に防御を抜かれて、黒騎士は焦る。

 焦った彼は、ノエルに攻撃を指示。

 

♪ 0と1に鎮座した 音楽の源とは♪

 

 しかし、そんなノエルにセレナのリボンを巻き付けた響が組みつく。

 

「そう長く持ちません!」

「一瞬で十分!」

 

 セレナの忠告にそう返し、響は拳を叩き込む。

 ノエルの体に衝撃が走り、彼女はそのまま空へぶん投げた。

 

♪ 二元論、始祖と終極♪

 

 ノエルは何とか体勢を整え、糸を走らせるが──キャロルの風の錬金術で簡単に切られる。

 

♪ 「世界を識る……」その言葉通りだ♪

 

「──!?」

 

 さらに、ノエルの身に水が叩き付けられ──氷へと変化し、その身を拘束される。

 

♪ Swear song 心が分かり合うためにも♪

 

 さらに、空から巨大な金属──否、コインがノエルの氷を砕きながら地面に叩き付けられる。

 

♪ 万象、万物を読み解こう♪

 

「セレナ!」

「響!」

『──!』

 

 翼がセレナを呼び、クリスが響を呼ぶ。

 それで彼女たちの意図を察した二人は、黒騎士に向かう。

 

♪ 血肉を焼かれても守り紡ぐ♪

 

 黒騎士が向かってくる響に向かって剣を振り下ろすが、セレナのリボンが腕に巻き付き軌道をズラす。

 

♪ 愛が託した命題を♪

 

 拳を一発腹部に叩き付け、拝んだ隙に背負い投げで黒騎士を投げ飛ばした。

 

♪ さあ……宇宙が傾く歌に爆ぜよ♪

 

 そして、黒騎士が飛んで行った先は──ノエルの居る場所で、既にキャロルは術式を起動させていた。

 

「やめろ……やめろおおおお!!」

 

 黒騎士が最後の足掻きに、叫びながら斬撃を飛ばすが──。

 

♪ ……Check mate♪ 

 

 キャロルの火、水、雷、世界を反転させる衝撃が二人を包み込み──。

 

──エレメンタルユニオン

 

 ノエルとエルフナインを、ネフィリムの呪いから引き離した。

 

 

 ◆

 

 

【……!】

 

 倒れ伏す黒騎士の前に、気絶しているエルフナインとノエルが居た。

 二人からは、己が施した呪いの気配が全くしなかった。

 分解したというのか──闇を、怒りを、呪いを。

 認める事ができなかった。認めたら、此処まで生き永らえてきた自分は──何だったのか。

 

【──っ!】

 

 黒騎士は、限界を超えた身体を動かしてノエルに向かって駆け出した。

 再びあのホムンクルスを吸収し、憎しみを増幅すれば──。

 

 しかし、空から降ってきたある人物の拳によって地に沈められた。

 

「──言ったでしょう。仲間を助ける為なら、わたしは不死鳥の如く蘇ってみせるって。この子を助けてみせるって」

「姉さん!」

 

 戻って来たマリアに、セレナが喜びの声を上げる。

 

「マリアが来たって事は──」

「遅くなったな、翼」

「奏!」

 

「ただいまデス!」

「酷い目にあった……」

「切ちゃん! 調!」

 

 シャトー潜入組が戻って来た頃により、ますますネフィリムの勝ち目が無くなった。

 それが許せなくて──彼は、もう全てを壊す事を決めた。

 

【──!】

「おっと」

 

 マリアを振り払い、その際片腕が捥げたが構わない。

 黒騎士は装者たちから離れると──大量のテレポートジェムを取り出し、ありったけのアルカノイズを召喚した。

 

「今更ノイズ!」

「観念しろネフィリム! お前はここで終わりだ!」

 

 セレナとマリアが叫び──しかし、次に彼が取り出したものを見て顔色を変える。

 ネフィリムが取り出したのは──ソロモンの杖だった。

 

「何故それを!?」

「隠し持っていたのデスか!」

 

 ネフィリムは、その取り出した杖を──自分に突き刺した。そして、大量のノイズを呼び出し、その身に吸収を始める。さらに、呼び出したアルカノイズすら吸収し、その身を宿るアカシアのデータを元に──ある存在へと姿を変えた。

 

 それは、ある世界で災厄と呼ばれるモノの成り損ない。

 その存在感も、力も、大きさもオリジナルとは程遠いが──溢れ出る呪いは、世界を壊すだけの力を持っていた。

 

 黒騎士? ネフィリム? ──否、ブラックナイト。

 ブラックナイトは、巨大な禍々しい手のような姿で、掌にある目で地上を見た。

 

「──バビロニアの宝物庫で何か喰ったか」

 

 赤黒い呪いを撒き散らすブラックナイト。見上げ、睨み付けながら、キャロルは呟いた。

 このまま放っておけば、世界は呪いに包まれ──父との命題を果たせなくなる。そして、家族との想い出を失ってしまう。

 しかし、キャロルのラピスだけではあの特大な呪いを払う事は難しい。

 

 あともう一つ必要だ。

 そしてそのもう一つは、既に此処にある。

 

「立花響!」

「──なに?」

「──お前が可能性だ」

 

 キャロルは──ずっと彼女を見ていた。

 

「本来なら記憶を失い転生を繰り返すアカシアを繋ぎ止めた唯一の存在」

 

 取引でガリィをヒトデナシに貸し、回収した想い出を見て──胸糞悪い想いをした。

 

「これを奇跡と言わず、何という」

 

 しかし──立花響は闇に堕ちずに此処にいる。

 

「ノエルがお前のガングニールには器しか無いと言ったな──ならば好都合」

 

 故に、彼女は立花響に可能性を感じた。

 そんな彼女をこの世に顕現させたのは──立花洸である。

 

 キャロルには、彼に借りがある。

 だからこそ、彼女は洸を保護した。

 

「手を繋げ──お前の大切な者と! そして咲かせてみせろ──お前たちの勇気という花を!」

 

 響は、キャロルの言っている事が分からなかった。

 だが──コマチと手を繋ぐのは好きだった。

 

「──コマチ!」

「ブイ!」

 

 響の肩の上にコマチが乗る。

 それは、いつもの光景だった。

 正直、キャロルの言う可能性や奇跡よりも──これが自分たちらしいと思った。

 

「キャロル、オレ達にできる事は無いのか?」

「アカシアの力を使って結界を張って欲しい」

 

 アカシアは、どんな姿になっても誰かを守る為の力は何時だって使えた。

 アカシアの力を取り入れた翼達のギアなら、必ずその力が使えるとキャロルは言った。

 

「むしろ、奴を倒した後が気掛かりだ──頼めるか?」

 

 もし、キャロルが独りなら──ここで終わっていたのかもしれない。

 しかし、彼女は──もう一人じゃない。

 

『──任せろ!』

 

 装者達は威風堂々にそう言うと、手を天に掲げる。すると、それぞれが力光となりてブラックナイトを包み込み──虹色の光球が出来上がった。

 

「あそこがラストステージだ──着いて来れるか?」

 

 キャロルの問いに、響は──コマチと共に強く頷く。

 そして。

 

「この戦いが終わったら──聞かせて欲しい。君の家族の事を」

「ブイブイ!」

 

 終ぞアカシア・クローンと戦わなかった響は、キャロルの家族を……コマチの友達の事を知りたいと思い、真っ直ぐな目で彼女を見る。

 その言葉に、その眼にキャロルは──嬉しそうに笑った。

 

「一晩では足らん──オレ達の想い出はな」

「ブイブイ!」

 

 だったらそのガールズトークの為にも、世界を救わないとね! 

 と、コマチが言い、響は普段と変わらない日陰に呆れながらも笑い、その光景を見てキャロルはあの日の事を想い出し──必ず守り通すと決意を新たにする。

 

「──行くぞ!」

 

 キャロルが飛び、響はコマチのサイコキネシスで彼女の後に続き──結界の中に入る。

 

 最後の戦いが、始まる。

 

 

 第十七話「世界を識るための歌」

 

 

【キャロル……タチバナヒビキ……そして、アカシア……!】

 

 結界内に入ると同時に、氾濫する呪いが響達を襲い、頭の中に直接怨嗟の声が響く。アカシアの力でテレパシーを使っているのだろうか。

 コマチはすぐ様力を使ってシャットダウンし──響とキャロルは、敵を見据える。

 

「デカい……」

「それだけではない──来るぞ」

 

 キャロルの言葉と共に現れたのは、ブラックナイトの欠片。

 骨だけで作られた竜の形のソレは──視界を埋め尽くす程に、それこそ無限大と言っても過言では無い程に現れた。

 

「っ……」

「ブイ……」

「──臆するな! オレに続け!」

 

 二人を叱咤し、キャロルが前に飛び出す。そしてすれ違い様にラピスの輝きでブラックナイトの欠片の一体を倒す。

 響も続き、ブラックナイトの欠片の一体と戦闘を行うが──。

 

「こいつ、無駄にタフ!」

 

 殴った感触から、かつてレックウザとなったコマチと同程度の力を有しているように思えた。

 それが視界を埋め尽くす程に存在し──彼女は思わず叫ぶ。

 

「ねえ、他の皆は──」

「奴らでは無理だ!」

 

 しかしキャロルが一刀両断する。

 

「呪いに満ち溢れたこの空間に入れるのはラピスを持ち浄化できるオレと、耐性のあるお前とアカシアのみ! 他の装者では破壊衝動に呑まれ暴走する!」

 

 見れば、コマチはサイコキネシスで響を浮かしながら、しんぴのひかりで彼女を守っていた。

 

「それに、この空間を維持するのには相当の力を有する──七人の装者だからこそ、できた事だ」

「……? それってどういう──」

 

 響の言葉は続かなかった。ブラックナイトが光線を放ち、咄嗟に防ぐも弾かれてしまった為に。

 

「ぐ──」

「ちっ」

 

 キャロルが援護に回ろうとするが──その行手をブラックナイトの欠片達が阻む。

 

 下に堕ちて行く響だったが、コマチの力で体勢を整える事に成功。

 

「ありがとう」

「ブイ」

 

 礼を一言述べ、キャロルの元に戻ろうとして──。

 

「──どうして?」

「……え?」

 

 ふと、聞き慣れた声がし、そちらに視線を向けると──そこには、響がいた。

 

「──わたし?」

「ブイ!?」

 

 響とコマチが戸惑う中、目の前の響は言う。

 

「なんで世界を救おうとするの? 壊れても良いじゃん──わたしを苦しめた世界なんて」

「──」

 

 響は理解した。これは、ブラックナイトの呪いが見せる幻影だ。

 そして、それと同時に──過去の自分。

 彼女は、目の前の自分と向き合う。

 

「辛かったよね? 苦しかったよね? 悲しかったよね? それでも生きていこうと思って──わたしは耐えられなかった」

「学校でわたしを虐める奴らが憎い。家に石を投げる奴が憎い。家族を傷付ける奴らが憎い」

 

 次第に、響の憎しみは増大して行く。

 

「助けてくれない世界が憎い。わたしを地獄に落としたキッカケを作ったツヴァイウィングが憎い。──逃げ出したお父さんが、憎い」

「……」

「ねえ、そうでしょ? アナタもそう思うでしょ? だからお父さんにあんな酷い事言えたんだ!」

「そうだね。酷い事言ったね」

「でもこんなんじゃ、足りない! もっともっともっと──」

 

 

「──でも、お父さんはわたしを助けてくれた」

 

 増大する響の憎しみは──響の言葉であっさり止まった。

 響は、全てを憎んでいる響は訳がわからないと叫ぶ。

 

「そんなの、ただの咄嗟の行動で、どうせまたわたしを捨てる!」

「そうかもしれない。……今まで逃げていたから」

「だったら!」

「──それでも、わたしのお父さんだから」

 

 響は、洸に助けられた時嬉しかった。

 気を失った父を見て胸が騒ついた。

 ──彼女はやはり、なんだかんだ言っても、逃げ出した事を許せなくても、家庭をぐちゃぐちゃにしてしまった負い目を感じても──立花洸の事を、父の事を愛している。

 

「──そんなの」

「……」

「そんなの一時の気の迷いだ! アンタだって、アイツの事を憎んで……!」

「……」

「また裏切られるかもしれない! それでも平気なの!?」

 

 目の前の自分の叫びを聞いて、響は過去を思い出す。

 何故奏の言葉を忘れずに居られたのかを、その源を──彼女が忘れ、そして今再び得た最強の言葉を口にする。

 

「──へいき、へっちゃら」

「──」

「今はコイツが、未来が──皆が居る」

「──」

「だからアナタも──生きるのを諦めないで」

 

 そうして響は、目の前の、呪いに犯された──死にたいと思っていた時の自分に微笑みかけた。

 それに目の前の響は──。

 

「──へいき、へっちゃら……か」

 

 その言葉を胸に──最後は笑顔を浮かべて光となり、呪いは祝福へと転じた。

 キラキラと輝くそれに響が触れた途端、彼女の頬に涙が伝う。

 

「ブイ」

「ん……何でもない。ただ──」

 

 こうやってわたしは誰かにへいきへっちゃらって言って欲しくて。

 でも自分が気付いていないところで助けられたのだと、今理解した。

 ただ、それだけだった。

 

「ねぇ、コマチ」

「ブイ?」

「わたし、コマチの力で戦うのが怖い」

 

 響は──アカシアの力とシンフォギアのデュオレリックシステムが苦手だ。

 まるでコマチを兵器のように扱うそれに。実際は翼達は想い出を胸に立ち上がり、明日へと向かう力へと昇華させたが──響は違う。

 かつて、紫電の力を憎きノイズを倒す為に酷使していた時のことを思い出す。

 あの時確かに響は戦う為の力として使っていた。

 だから──ノエルに、自分のガングニールにはアカシアの力が無いと言われた時、ホッとしてしまった。

 

 ──だが、今は違う。

 

「コマチ、わたしと一緒に戦って」

「……」

「アイツを倒す為じゃない。アンタと過ごす、この心地良い世界を守る為に」

 

 響の言葉に、コマチは──。

 

「ブイ!」

 

 笑顔で、当然だと答えた。

 

 ──彼女達の気持ちが一つになった時、祝福が二人を包み込み、奇跡が起きる。

 

 コマチの体が光り輝く。

 そして、呪いを照らす八つの光が彼にさらなる力を与える。

 

 それは、コマチに感謝したアカシア・クローン達が授けた彼らの力。

 その力はコマチと共鳴し、彼の潜在能力を全て上げる。

 

 ──ナインエボルブースト。

 

 彼のとっておきの中のとっておき。

 コマチは、その身に宿す力を──響へと。

 

 しかし、託すのではない。バトンタッチするのではない。

 一緒に戦うのだと。一緒に守るのだと。一緒に明日へ向かって歩くのだと決めた決意は──二人を一つにする。

 

 響が右手を翳し、日陰がしっかりと握る。

 

「──融合!」

「ブイ!」

 

 そして、反対の手を翳し、託された力が宿る。

 

「──進化!」

『ヴイ!』

 

 彼女の胸の歌が──溶け合って、さらなる旋律を奏でる。

 

「この手に花咲く勇気を!」

 

 響は、その名を叫んだ。

 何時だってコマチと共に走り抜けた──その撃槍の名を。

 

「──ガングニィィィイイイイイル!!!」

 

 光が闇を照らし、呪いを祝福へと変える。

 

 ──ガングニール・アカシッククロニクル。

 ──タイプ・ラストシンフォニー。

 

 

 ◆

 

 

 虹色に輝くマフラーが靡き、純白のギアを纏った響が、拳を握り締め、そして──。

 

 ──リッくん先輩のコメットパンチ! 

 

 響の横に、波導の勇者が現れ──そのまま共に技を繰り出した。

 それを結界の外で感じ取っていたマリアは思わず呟いた。

 

「──リッくん先輩?」

 

 彼女が戸惑うのも無理はない。

 シャトーで出会ったマリアの中にあるリッくん先輩ではなく、正真正銘のあの時のリッくん先輩の波導を感じたのだ。

 

【なんだ、それは──なんだ、その力は!!】

 

 ──アカシッククロニクル。つまり、アカシアの記憶。

 響は、響とコマチのこの力は、かつてアカシアが辿ってきた奇跡の記憶を歌と共に再現する力を持つ。

 その力は──彼の歩んできた記憶は、無限大程度では受け止めきれない! 

 

 ──コマチのシャドーボール! 

 ──アカシアのサイコキネシス! 

 ──アカシアのはかいこうせん! 

 

 かつて神と時間を共にしたアカシアが、その力を振るいブラックナイトの欠片達を落としていく。

 

 ──イグニスのだいもんじ! 

 ──インベルのぼうふう! 

 ──セレニィのむしのさざめき! 

 

 人と時間を過ごし、悔やみながらも、だとしてもと前に突き進んだアカシアの力が、敵を吹き飛ばしていく。

 

 ──アミのハイドロポンプ! 

 ──モビーのなみのり! 

 ──エールのあまごい! からのウェザーボール! 

 

 冒険の日々の中、刻まれたアカシアの記憶が全てをなぎ払う。

 

 ──インフィルノのねっぷう! 

 ──ヤンインのかまいたち! 

 ──ヒューのみずのはどう! 

 

 人と過ごさず、ひっそりと離れる時もあった。しかし結局人を助け、その尊さを胸に今日まで生きてきた。

 

 ──ぷーちゃんのうたう! 

 ──マサルのさいみんじゅつ! 

 

 共に歌った日もあった。

 共に騒いだ日もあった。

 全て、忘れてはいけない記憶ばかりだった。

 

 ──オヤジのメガトンパンチ! 

 ──ゴローのストーンエッジ! 

 

 しかし、それを忘れてでも──彼は人を助けたかった。

 

 ──ルーちゃんのアクセルロック! 

 ──イルのつじぎり! 

 ──シールのあくのはどう! 

 

 そして、彼は姿を変え、記憶を失って此処にいる。

 

 ──スラちゃんのへんしん! 

 ──スラちゃんのダイマックス砲! 

 

 彼はその事を後悔しない──そして、その隣を立花響は歩んでいく。

 

 ──リッくん先輩のはどうだん! 

 ──ぺろぺろまるのスパーク! 

 ──からの。

 ──光彦のボルテッカー!! 

 

 稲妻を身に纏った響はブラックナイトの欠片を蹴散らして行き──全てを倒した。

 

 それを見たブラックナイトは吠える。

 

【何故だ! 貴様らは良く知っている筈だ!】

 

 彼は、よく知っていた。彼女達の怒りを、呪いを、憎しみを。

 故に理解できない。自分の前に立ち塞がる事が。

 

【また戻るかもしれないんだぞ! 貴様らが苦しんだ世界に! それでも良いのか!!??】

 

 ブラックナイトが全てを破壊する呪いの光線を二人に放つ。

 しかし、二人はそれを受け止め──そのまま勢いよく突っ込んだ。

 そして──。

 

【良い訳ない! 我を倒しても世界が良くなる保証は──】

『だとしてもおおおおおおおおお!!』

 

 二人の浄化する力が、呪いを打ち消し──彼女達の拳がブラックナイトを貫いた。

 

「この奇跡で──」

「この花咲く勇気で──」

『オレ/わたしは、未来(あした)を掴み取る』

 

 ──ネフィリムは、奇跡の力によりその心臓を基底状態にし。

 ──そして、蓄積された呪いは全て浄化され。

 ──アカシアから学んだ初めての感情『憎悪』を失い。

 ──二度と起動する事は無かった。

 

 世界を識るための歌。それを鎮魂歌に──。

 




次回後日談で書き残してる事書きます。
ちなみに「融合!」は完全に作者の趣味です。
たのちぃ!

今まで出てきたグループでどれが好き?

  • 雷光のフリューゲル(奏翼光彦)
  • 翳り寄り添う日陰(響コマチ)
  • 先史文明期コンビ(フィーネアカシア)
  • 愛娘に挟まる陰獣(クリスキリカコマチ)
  • 波導と姉妹(リッくん先輩マリアセレナ)
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