【完結】戦姫絶唱シンフォギア ~キミに決めた!~ 作:カンさん
「……」
響の手甲から緑色の光刃が伸び、それを振るいコマチとプレラーティを斬り刻まんと襲い掛かる。
それに対抗するように、プレラーティはファウストローブを身に纏い、巨大なケン玉状のスペルキャスターで受け止める。
「ジル!」
「ダネ!」
その隙にジルがはっぱカッターを放ち、響を牽制。響はプレラーティから離れ、刃でそれを斬り落とすと斬撃を放つ。
「──ブイ!」
それを、コマチが間に入ってまもるで受け止める。
そしてそのまま叫んだ。
「ブイ! ブイブイブイ!」
もうやめてくれと。響ちゃんにこれ以上酷い事しないでくれと。響を操っている黒幕に、アダムに対して悲痛な叫びを上げた。
「──例え、操られていたとしても」
だが──状況は最悪だった。
コマチの背後から、怒りに満ちた声が響く。
「もうコイツの手は血に染まっている──取り返しのつかない所まで来ているワケだ!!」
プレラーティは──響を許せそうに無かった。
長年連れ添った同志であるカリオストロを目の前で殺されてしまった為に。
ジルもまた、悲しそうにしながらも戦闘態勢を取っている。カリオストロがやられた際,近くに彼女の相棒は居なかった。
つまり、カメちゃんも──。
「ブイ! ブイブイ!」
「どけアカシア! もうソイツは救えないワケだ!」
響を庇うようにして立ち叫ぶコマチ。
待ってくれと。彼女は悪く無いのだと。
しかしプレラーティは聞く耳を持たず、そして。
「この際はっきりと言わせて貰う──その言葉を、居なくなった仲間にも言えるのか!?」
「──」
「悪気は無かった。操られていただけ──だからお前達は死んだが許してくれと!」
「ブ、ブイ……」
それは、コマチが、装者達が、SONGの皆が目を逸らし続けていた事。
コマチはプレラーティの慟哭に応える事ができず、そのまま──。
「──! アカシア、後ろだ!」
そして、動揺したコマチは背後で響が草刃を掲げている事に気づかず。
気づいたプレラーティが警告するも時既に遅く。彼が振り返った時は既に刃が振り下ろされており──。
「──はぁ!!」
「──ッ……!」
その間に、ファウストローブを纏ったサンジェルマンとシンフォギアを纏った調が入り、刃を弾き返した。
そしてその隙にイグニスがコマチを抱えて響から距離を離す。
「……」
響は、構えを取りまだ戦闘の意志を向け、調達も応対の姿勢を取る。
「……響」
調の響を見る目は──鋭かった。
やはり切歌を失った事が相当堪えている様子で、アカシアの力を発現する事もできない。
つまり、怒りに呑まれている。
調が一歩前に出る──その前に、周囲を冷気が包み込む。
「──これは」
サンジェルマンは、この冷気に身に覚えがあった。
──取り逃がした伝説の力。
そして、それを操るのは……。
「響さん、ノルマはもう達成したのだから撤退しますよ」
「──バカ助手……!」
調が痛みに耐えるような痛々しい表情を浮かべ、それを見たウェルは心底呆れた様にため息を吐く。
「まったく──何を期待しているのですか?」
「……!」
「もう僕がそちらに戻る事はありません。縋るのも無しです。さっさと僕の事は忘れるべきですよ」
さもないと。
「──死にますよ? 調さん」
「あ──」
その言葉を最後に、ウェルは響とキュレムと共にその場を立ち去った。
第十二話「凍結世界」
「……」
発令室にて、弦十郎が腕を組んで瞠目していた。
クリスが死んだ。遺体も運び出されたが──ほとんど焼けて、潰れて、本当に彼女の物か分からない。肉の塊をそのまま置かれたと言っても良いほどに面影がない。
また、逃げ遅れたと思われるクリスと会っていたバルベルデの姉弟の遺体が見つかっていない。
現在も捜索中だが──時期に引き継ぎが行われ、そして取り止めになるだろう。
弦十郎は、失った仲間への言及をせず──次の行動に移る為の報告を緒川から受ける。
「神社本庁より得た情報ですが──」
神出づる門。
それが、八紘が提供され緒川へと繋いだ──パヴァリアが狙う神の力に関する情報であった。
緒川が運転の元、神出づる門の伝承を伝え残している調神社に向かっていた。
そこは埼玉県にあるらしく……。
「元々、多くの神社はレイライン上にあります。そこに加えて神出づる門の伝承がある調神社となると……」
「そこから神の力について調べ、あの男に対する逆転の一手を打てるワケだ」
今回、同行しているエルフナインの言葉に、プレラーティが理解を示す。
ここまで後手に回り、敵に好き勝手され──仲間を殺されたからか、彼女はやる気に満ちていた。
しかし、逆に気を落としている者も居た。
「……」
外を眺めて、流れていく景色を見つめている調の表情は、いつにも増して変化がなく、しかし明らかに悲しそうにしていた。
それを隣の席で見ているコマチは、心配そうに鳴く。
「ブイ……」
「……ありがとう」
それに気付いた調がコマチの頭を優しく撫でる。
しかしコマチは嬉しくなかった。
だって、辛いはずなのに自分を気遣うその姿が──とても痛々しい。
「……」
それをサンジェルマンがこっそりと見ていた。
「ウサギがこんなにたくさん……!」
調神社は、狛犬ではなく狛兎が置かれていた。
それを見たエルフナインが思わず呟き、皆も物珍しそうに見ている。サンジェルマン達、国外の人間は尚更に。
しかし──調は何処か既視感を覚えていた。
「いやはや、遠い所からお疲れ様です」
そんな彼女達に、初老の男性が現れる。
メガネを掛けた穏やかな顔つきをしているこの神社の宮司だ。
「話は伺っていましたが──若い女性、男性を見ると亡き娘夫婦と、そして」
彼の視線が調へと向く。
「その孫娘を思い出します」
「……?」
彼の視線と言葉に、調は何か感じるものがあったのか首を傾げる。
しかし答えは出ずに気の所為かと、すぐに忘れた。
「ではこちらへどうぞ──あなた方が求める物はそこに」
◆
「アダム! 私人間になりたい!」
「──ほう」
ティキと巨大な浴槽に入っているアダムは、彼女の言葉に強い反応を示した。
対して、無理矢理同行された響は視線を向ける事なく虚空を見つめていた。ここ最近の彼女は何かに関心を見せる事ができず、裸体をアダムに見られても恥ずかしがる事すら無かった。
ティキは、そんな響を嫉妬で染まった目で見ながら言葉を紡ぐ。
「うん! アダムのお嫁さんになって、子どもをたくさん作りたいんだ! その為にはアダムと同じ人間にならないと!」
そう言って人形の体をグイッとアダムに擦り寄せるティキ。まるで、響に見せつけるように。お前には負けないと言わんばかりに。
「──ふっ、僕が人間か、ゾッとするな」
「アダム?」
「ティキ覚えておくと良い──僕に好かれたいなら」
そう言ってアダムは優しくティキの頭を撫で──そのまま思いっきり掴むと浴槽の底に叩きつけた。
「!?!?!?」
「僕が人間だと? 巫山戯るな! 一緒にしないで貰おうか、端末風情と!」
アダムは──ティキの事を神の力を手に入れる為の道具として見ておらず、彼女が自分に向ける感情すら利用していた。
その為ならティキの望む男を演じる事だってできた。
だが、先程の彼女の発言は許せない物だった。
アダムは、ティキを何度も何度も叩きつけながら叫び続ける。
「あんな悪魔どもと同じにするな、この僕を! 奇跡に縋り、僕の親友を殺したアイツらと! 走るぞ虫唾が!」
「──」
機能が停止したのか、ティキは沈黙した。
それを確認したアダムは、肩で息をしながら持ち上げて浴槽の外に捨てる。
そんな彼女を控えていた錬金術師達が恐る恐るといった様子で回収をしていく。
「いつものように頼むよ、記録はね」
「は! 先ほどの記録は消去します!」
そう言って彼らは立ち去り──入れ違いでウェルが入ってくる。
「やれやれ、またですか」
アダムがティキに乱暴をするのは今回が初めてでは無いのか、呆れた様子を見せるウェル。彼は自分が着ていた白衣を響に羽織らせた後、浴槽の縁に腰掛ける。
「あまり無茶していると、いざという時足元を掬われますよ?」
「その時は代用して貰うさ、英雄様に。その為に準備してきたのだから、長い間」
そう言ってアダムが響を見て──。
「響さんを部屋で休ませてあげてください。次の戦いがありますからね」
「は、はい」
しかしそれを遮るようにして、ウェルが響の元クラスメイト達に命じる。
早くこの場から、アダムの元から離れたかったのか、彼女達は響を連れ添って出て行った。
アダムは肩をすくめてウェルに言う。
「惚れているのかい、彼女に? だったらアレは諦めてほしいな、僕のだから」
「いいえ、違いますよ。彼女は貴方の物ではない」
──ウェルの言葉に力が入る。
「彼女の体は、心は──他ならぬ立花響のもの。……アダム、勘違い程恥ずかしい事はありませんよ?」
「──確かにそうだね、君の言う通り。どうやら興奮していたようだ、少しね」
「そうですか」
話は終わりなのか、ウェルはひらひらと手を振りながらその場を後にし。
「──囀っていろ、不完全な端末風情が」
呪詛の如き言葉が、響く。
◆
「……」
神出づる門についての調査は夜にまで進み、パヴァリアの次の行動が予測できるくらいの情報を手に入れる事ができた。
今は就寝時間だが──調は一人、外で月を見ていた。
「……」
目を閉じると、どうしても思い出してしまう切歌の顔を。
同時に浮かび上がるのは響の姿。
──そして、湧き上がる激情。
だが。
「っ……」
調は、彼女を許せないと思うと同時に別の感情も抱いていた。
昔なら……切歌を取り戻すと必死になっていたあの時なら、響に対して抱く感情は恨みのみだったはず。
でも、今は──。
「月見ですか?」
「──別に。アンタには関係ない」
「ほっほっほっほっ。これは手厳しい」
素っ気なく突き放すような物言いをする調に対し、宮司は気にした様子も無く笑っていた。
「何か悩んでいる様子。どうでしょう? 出会ったばかりで遠慮する必要の無い、この老いぼれに一つ話してみては?」
「……」
なんだこいつ、と調は怪訝な表情を浮かべるが──吐き出したいとは思っていたので申し出を受ける事にした。
「アンタ、確か娘夫婦と孫を亡くしたって言ってたよね?」
「……ええ、そうです」
少しだけ表情を暗くする宮司。
それに少し心を痛めながらも調が問いかける。
「もし、その人達を……車を運転していたのが友達だったら、アンタは許せる?」
「それは、また難しい話ですな」
「わたしは──自分でも分からない。昔だったら絶対に許せず復讐をしていた──でも」
調は思い出す。
フロンティア事変でコマチを失い、自分達に復讐しようとして──まだ目覚めていない切歌を狙った。
その時、彼女は恐ろしく感じた。助かった後は許せないと思った。そして、事件を終えて共に戦うようになり、日々を過ごすようになり──響にとってのコマチが、自分にとっての切歌だと気付いた。
だからあの時の事を、響の行動に納得してしまい、そして感情のままに暴れた姿の悲壮を改めて知り──。
今、切歌を殺された調は、響の事を許せないと思いつつ、助けたいと思っている。
そんな自分に戸惑い、切歌の無念はどうすれば良いのかと悩み……答えが出ない。
「わたしは──」
「──私なら、その人を許します」
宮司が答える。
その答えを聞いた調は言葉に詰まり──。
「とは、言い切れませんね」
「え……?」
「人の感情はそう容易くありませんからな。来たる時に、その時にならないと分からない──ただ」
宮司が、少し嬉しそうに調を見る。
「アナタはどうやら、優しい子に育ってくれたようだ」
「え……?」
「既にアナタの中に答えはあるようだ」
「……」
「その答えに従うのか、それとも抗うのか。どちらかは分かりませんが──どうか、後悔しないように」
彼はそれだけ伝えると、己の寝室へと向かった。
「──後悔」
彼の言葉を復唱し──調は覚悟を決める。
◆
睡眠を取っていたコマチ達だったがSONGからの通信により叩き起こされる。
どうやらアルカ・ノイズの反応を検知したらしい。代わりにガングニールの反応やアカシア・クローンの反応は無いらしい。おそらく弦十郎の存在を危惧しての事だろう。
アルカ・ノイズは街に広く散る動きを見せているようで、このまま放置すれば人的被害が図り知れないとの事。
故に分断する必要があるのだが──。
「狙いは月読調、お前なワケだ。どうするサンジェルマン」
「……」
現在、こちらの戦力はコマチ、サンジェルマン、プレラーティ、アカシア・クローン二体、調だ。しかしそのうちの調を一人にしては相手の思う壺。
「プレラーティとアカシアは月読調と行動を共にするんだ。それ以外は散開してノイズの処理だ」
「ブイ!」
「了解なワケだ」
全員異論はなく、各自SONGのオペレートに従い移動する。
「さて、私達の相手はノイズだけでは無いのは分かり切っていると思うが──」
「……」
「……」
プレラーティの視線を受けて調とコマチが押し黙る。
彼女は言葉にはしなかったが、目が雄弁に語っていた。
次、響と相対した時には──情けをかけるな。そう言っているのだろう。
「お前が殺されれば、アダムの目的は完遂するワケだ」
「分かってる」
表情を暗くしたまま調が答え──。
「──掌握」
そんな彼女達の耳に、声がする。
「──変化」
今では死神の足跡に等しい彼女の声。
それを聞いたプレラーティ達は各々構えて備える。
──レーダーには反応が無い。しかし声はする。一体何処から?
「──この手に永遠なる眠りを」
ふとプレラーティは寒気を覚え──視線を下に向ける。
「──下だ!」
『!?』
しかし、気付いた時には既に遅く──マンホールから飛び出して来た響がテレポートジェムを砕き、空間を隔離するアルカ・ノイズを呼び出し──三人を捕らえる。
異空間に引き摺り込まれたプレラーティ達は、直ぐに響から距離を取る。
「何故レーダーに反応が無いワケだ!」
「多分、バカ助手の仕業」
プレラーティの疑問に答えたのは調。
「アイツなら、SONGのレーダーを掻い潜る事もできる筈。今までして来なかったのも、多分こういう時の為」
「ちっ。厄介な奴だ!」
プレラーティが苦言を漏らすと同時に──氷の槍を従える響が突撃して来た。
◆
──寒い。
凍えるように、寒い。
多分使わされているのは、ブリザードロック。
その力で最後に残っている調を殺させようとしているのかな。
まぁ、もうどうでもいいや。
わたしの手は血に濡れている。
したくないけど、体が勝手に動いて殺す。
今回はどうやって殺すのかな。
マリアの時みたいに心臓を貫くのかな。氷の鋭さならできそうだ。
奏さんの時みたいに、力に物を言わせて殺すのかな。ブリザードロックなら天候も変える事ができるから、多分できるな。
それとも、セレナの首みたいに跳ね飛ばすのかな? ちょっと……嫌だな。
「──き」
翼さんの時みたいに一撃なら、気が楽なのかもしれない。殺した実感が一番無いから。
切歌みたいに魂を殺すのは──少し優しいかもと思った。だって、私の手でメチャクチャにしなくて良いから。
……そう。クリスの時みたいに、無理矢理滅多撃ちにさせられるくらいなら、いっそ。
「──響」
──え?
「ここは……?」
目を開けたら、そこは……SONG本部だった。
目の前には調が居て、こちらをジトッとした目で見ていた。
「何しているの? そんな所で」
「え……っと」
自分の両手を見る。自由に動かす事ができた。ファウストローブに包まれて拘束されていた筈なのに、どうして……。
「しっかりして。怠いけどノイズが出たらわたし達で対処しないといけないんだから」
「……」
これは、夢なのだろうか?
呆然としていると、調がため息を吐く。
「まったく、意外と抜けているんだから」
「……ごめん」
何だか無性に申し訳なくなって謝ると、調は強い口調で言った。
「謝らないでよ、仲間でしょ?」
「え……?」
「確かに過去には色々とあった。でも、今はアナタのことを知っているから」
他に誰も居ないからか、調はいつもより口数が多い。
「だから、切歌ちゃんの次には大切に思っている──何かあれば絶対に助ける」
「──」
「だから──泣かないで」
調は、不器用な笑顔を浮かべてそっと響の頬に触れ──氷漬けになった。
「──え?」
そして、周りの風景にヒビが入り割れると──そこにあったのは地獄だった。
「──ブ、イ……」
バイザーが地に落ちる。どうやら不具合で外れたらしい。戦場では必ず付け、それ越しに見て来た仲間の死。
しかし今回は──直接見せられるようだ。
「あ──」
視界の隅に、体の半分を氷漬けにし動けないコマチ。
そして目の前には──悲しそうな顔をし、こちらにそっと手を伸ばす調と、奥には怒りの表情を浮かべたまま動かないプレラーティの氷像があった。
「し、しら──」
響が目の前の調に触れた瞬間──粉々に砕け散った。
「あ──」
空間ごと調を凍らせていたのか、周りの氷も連鎖して砕けていく。
プレラーティも砕ける。
コマチは体の芯までは凍らなかったようだが、砕けると同時に血を撒き散らして倒れ伏した。
「あ、あああ……!」
アルカ・ノイズも共に倒されたのだろう。異空間が解かれ──駆け付けたであろうサンジェルマンが悲痛の表情を浮かべて──響に徹底的な言葉を聞かせた。
「──プレラーティ……! 月読調……!」
──二人とも、死んだ。
「ブイ……」
コマチの、響を悲しそうな目で見ているのが、彼女に現実を突き付ける。
「──ああああああああああ!!」
響の心が砕ける音が鳴り響き、暴走した力が世界を包み込もうとし──。
「キュレム! こごえるせかい!」
──その前に、響の力を抑え込むようにして氷結の力が真っ向から衝突し、打ち消した。
さらに街に散ったアルカ・ノイズも全て凍らせ砕いていく。
「まったく──勝手な事をする」
それを為した男──ウェルはキュレムの背中に乗って現れると、ダイレクトフィードバックシステムを操作し響を気絶させる。
そして彼女をキュレムに乗せ──。
「──」
チラリと調だった氷の欠片を見て──すぐに視線を外してその場を去る。
「待て!」
「ゴギュウアアア!!」
サンジェルマンは、リザードンへと進化させたイグニスの背に乗りウェルを追う。
しかし追いつけないだろう。それでも彼女は追う。
対して、コマチは──。
「……!」
傷付いた体をそのままに地面に横たわり……。
(──響、ちゃん)
静かに涙を流し──そのまま意識を失った。
喪失のカウントダウン終了。
シュルシャガナの反応消失。
装者──全滅。
◆
「ククク──はーっはっはっはははははは!!」
響の感覚越しに全てを見ていたアダムは、歓喜の声を上げる。
「完成だ──神殺英雄戦姫、ヴァルキュリアの!」
アダムの操作により、響は己の心に蓄積された呪いで夢を見た。
そしてそれを自らの手で壊し──今の彼女に、アダムが植え付けた呪いに打ち勝つ事はできない。
「これでようやく為せる──僕の千年計画が! あはははははははは!!」
ひたすら、アダムの笑い声が響き続けた。
心底嬉しそうに。悲願が叶うと嬉しそうに。
「──響」
そして、そんな悪魔を見た一人の男──立花洸は覚悟を決める。
それは響の母と祖母も同様であり。
「もう……終わりにしよう」
「……ええ、そうね」
彼らの想いは一つだった。
「──響を自由にさせてあげよう。その為なら」
──命は、惜しくない。
子を想う愛が……非情な選択を選ばせる。
今まで出てきたグループでどれが好き?
-
雷光のフリューゲル(奏翼光彦)
-
翳り寄り添う日陰(響コマチ)
-
先史文明期コンビ(フィーネアカシア)
-
愛娘に挟まる陰獣(クリスキリカコマチ)
-
波導と姉妹(リッくん先輩マリアセレナ)