【完結】戦姫絶唱シンフォギア ~キミに決めた!~ 作:カンさん
「あー! 楽しかったデス誕生日会!」
「切ちゃんずっとテンション高かったね……」
響を取り戻したSONGは、錬金術師協会の三人も巻き込んで誕生日会&祝杯を上げた。料理が得意な藤尭を筆頭にスタッフ達が食事を用意し、弦十郎とマリアのスパーリング(特殊な訓練にて衝撃波を無くしてます)、ツヴァイウィングのライブ、コマチの芸等々……楽しい時間を過ごした。
そして今は広い部屋にて、装者達と未来がパジャマパーティを開いている。それぞれギアのイメージカラーと同じ色のパジャマを着ている。未来は紫色だ。
「楽しかったけど、何でパジャマパーティ?」
コマチの代わりのように枕を抱えて疑問を口にする響。
いつもの様にコマチと寝ようと部屋に戻ろうとした所、装者達に捕まり、コマチはイグニス達に連れて行かれた。
そして、こうしてパジャマに着替えさせられて現在に至る。
「ふっ……決まっているだろう響」
ゆるりと響に近づき、そっと顎に触れる翼。
「──共に長い夜を語り明かしたいのさ」
甘い言葉を投げかけウインクする翼──だが。
「はい」
「え?」
「よいしょよいしょ」
クリスと未来が連携し、翼が反応する前に敷布団で簀巻きにし、部屋の隅へと追いやった。
あまりにも流れるように拘束された為、理解が遅れた翼は、ハッとしてクリスと未来に抗議する。
「ちょ、何だよこれ!?」
「いやー、久しぶりでびっくりしたね」
「でもなんだか、帰ってきたって感じがする」
「何日常感じてたんだよ!? 未来! クリス!」
じたばたと芋虫のように暴れる翼だが、ぎっちりと拘束されてしまい脱出できず。
そんな彼女を無視して、クリスがそっと響の手を握った。
「響を取り戻したら、こうやって遊びたかったの」
「クリス……」
「いや、かな?」
このパジャマパーティを発案したのはクリスである。
特別な日に特別な事をしたい。
そう思っていたができなかったので──今回実行に移した訳である。
不安そうに見つめるクリスに、響は頬を赤らめ視線を逸らしながら。
「……別に、嫌じゃ──」
そこまで言いかけて、頭を振り。
「ううん。うれしい。ありがとうクリス」
「──響!」
その言葉が嬉しかったのか、響に抱き着くクリス。
柔らかい感触が響の体に伝わり、さらに顔を赤くする響。あと風呂上りという事もあり、いい匂いがした。
「響……」
「ちが、未来、これは!」
「──わたしも!」
嫉妬の視線を送っていた未来だったが、響が慌てている様子を見ると自分も抱き着いた。
二人に抱き着かれ、響があわわと動揺する。
それを離れたところで眺めるマリア、セレナ、奏。
「仲良いなー」
「……良すぎると思うのだけれど」
「眼福ですね!」
何処からか持ち出したのか、カメラでパシャパシャと写真を撮り続けるセレナ。
この後響に破壊される事も知らずに。
その後、雰囲気が落ち着いた為、翼を解放後トランプゲームをすることに。
女の子らしくキャッキャっと騒ぎながら遊んでいる中、ふと切歌が響に問うた。
「そういえば、響さんはいつもコマチと寝ているんデスよね?」
「うん。そうだけど……」
「抱き心地はどうなのデスか?」
「──最高」
響もテンションが上がっているのか、普段は言わない言葉をしない語調で語る。
「ふわふわさらさらでしかもいい匂いがしていつの間にか寝ているの。そして夢の中でコマチの能力かどうか分からないけど夢に出てきて楽しい時間を過ごして起きたら疲れが吹き飛び──」
「わ、わ、わかったデスよ! ……これは藪蛇でしたね」
早口で捲くし立てられ、タラリと冷や汗を流す切歌。他の装者達も苦笑していた。
しかし、ふとクリスと未来が零す。
「でも、確かに響の言う通りかも」
「わたしも一緒に寝たときそんな感じだった」
「──!?」
響が衝撃を受けた顔を浮かべる。
実はこの二人、コマチと寝たことがある。
クリスはかつて拉致した時に。未来は響がアダムに囚われていた時に。
その時の事を思い出したのか、ポヤポヤとした顔を浮かべる二人。
「あたし達も以前の光彦と寝ていたなー」
その時は大変だったと奏は語る。
起きたら静電気で彼女のボリュームある髪の毛が爆発しているのである。
それを光彦が笑い、奏がくすぐりの刑に処したのも遠い記憶。
「オレもあるな……あまり寝てくれなかったけど」
「まず部屋を片付けろお前は」
しょぼんとした顔を浮かべる翼。
光彦や緒川が掃除をしても何度も汚すその所業は神に等しいとかなんとか。
「懐かしいですね。あの時のリッくん先輩は小さくて可愛かったな……」
「……」
セレナも昔のことを思い出し、幸せそうな顔を浮かべる。大好きな二人と一緒に寝るあの時間が、彼女は好きだった。
一方マリアは何か思い出したのか顔を赤くしている。
詳しくは語らないが、恋する乙女は成長が早い、という事だろう。
「ほへー、みんなあの子と寝たんデスね。コマチ、手が多いデス!」
言い方。
「もし人間なら女の敵」
ぐうの音も出ない。
「もし人間なら……?」
セレナの頭にコマチ人間態が思い浮かべられる。
茶髪の幼い子どもでイーブイを模した服を着ている……そんな姿を。
そんな状態のコマチが普段と同じように皆と接している光景を思い浮かべる。
例えば頬ずりしたり、ペロリと舐められたり、頭を撫でられ嬉しそうにしていたり。
「──じゅるり」
「セレナ?」
「……ウェルさんならそういう薬も」
「セレナ?????」
妹が何かアブナイ妄想をしているのを感知し、不安になるマリア。
そんな彼女を放っておき、ふと響が零す。
「あいつ、今頃何してんだろ」
思い浮かべるのは──イグニス達に連れ去られたコマチの事。
仲良くしているだろうか、と思うのは果たして過保護か。それとも……。
◆
「感謝するよ、協力にね」
『ふん……抜かしおる』
錬金術師協会。
その局長室にて、二代目は風鳴訃堂と連絡を取り合っていた。
──今回の騒動にて、二代目はまず訃堂に手を出さないで欲しいと嘆願した。
異国の人間が日本で活動している事に憤慨を思う彼が、そう簡単に了承する筈もなく。
当初は難色を示していた訃堂だったが、とある交換条件を元に首を縦に振った。それは……。
『神の力──しかと目に焼き付けた。提示された情報に嘘がない事も、な』
「……」
『感謝するぞ錬金術師──これで完全なる護国が為せる』
その言葉を最後に通信は途切れ、二代目は深く息を吐く。
アダムを相手に響を救うには、訃堂の存在は邪魔だった。風鳴機関の消滅やアメリカの反応兵器の使用には度肝を抜いたが──あの反応から察するに分かっていたのかもしれない。
「局長、よろしかったのですか?」
同席していたサンジェルマンが問いかけると、二代目は肩を竦める。
「仕方ないさ、立花響を救うためには。それに何れ知っていただろうね、神の力の手に入れ方について」
本来、原罪を背負っている人間に神の力は宿らない。
しかし響は神獣鏡の光によりその原罪を払われた。おそらくアダムが狙っていたのだろう。彼女に神の力を付与する為に。
その結論に至ると二代目は確信していた──SONGの小さな錬金術師が既に至っている為に。
故に備える必要がある。彼の欲する神の力は近い内にこの世界に顕現する。
そしてその容れ物の候補は──二つある。
「局長、一つ質問するぞ」
「なんだいプレラーティ。私に質問って」
「──アカシアについてだ」
プレラーティは思い出す。響と共にありたいと思いながら──たくさんの人が死ぬと分かると全てを投げ出し、犠牲になって日本を守る事に躊躇しなかったあの姿を。
「サンジェルマンには悪いが──あれは異常だ」
「……」
「どうみても本心ではない──理性とか本能とか、その辺りとは別の所から来る行動だった。局長」
あれは、なんだ?
プレラーティの問いに二代目は答えることができず──。
「あれが【アカシア】だよ、本来のね」
ただそれだけしか言わなかった。
明らかに何かを知っている。
それでも答えないのは──知ってはならない事だからだろうか?
二代目のその態度にサンジェルマンは──心の奥底にシコリを覚えた。
◆
ウェル「こんな事もあろうかと!!! 翻訳機を作って置いたのさ!」
※これから先は自動翻訳により、コマチ達が普通に話します。イメージが損なわれると思いの方は我慢してください。ちなみに別にウェルは作ってない。作れそうだけど。
◆
コマチ達は、用意された部屋で白熱していた。ある話題で。
「奏さん、クリスちゃん、セレナが大きいね。翼さんは壁」
「おー……! 見てて思ってたけど、やっぱりその三人が大きいのか」
「響ちゃんも中々の持ち主だけどね」
猥談だった。この会話を響とサンジェルマンが聞けばコマチとイグニスはそれぞれお仕置きされるだろう。
その光景をジルとカメちゃんが呆れて見ていた。
「全く信じられませんよ。ねぇカメちゃん殿」
「まったくよ。女はおっぱいで決められない──」
「やはりお尻だ」
「脚ね」
『……』
二匹の間で火花が散る。
「相変わらずの変態ですね。脚なんて飾りでしょう。プレ殿のお尻を知らないからそんな事を言えるのです。ああ、乗られた時のあの感触……素晴らしいっ!」
「きんも〜。カリオストロの美脚見てないの? あの脚で踏まれたらもうそんな事言えないわよ?」
「でもアイツら元男じゃん」
『だからなんだ!?』
「え? そうなの?」
イグニスの一言で言い争っていた二匹がブチ切れ、コマチが意外そうに呟く。
「完全なる肉体って女の体だからね。ファウストローブも女性錬金術師じゃないと纏えない」
「へー……」
それが良いんだよ! とジルとカメちゃんがさらに白熱して語り出す。
その辺りは同志なのか、二匹は肩を組んで笑顔を浮かべた。
「そういえば気になってたんだけど」
「うん?」
「何でサンジェルマンさんは、響ちゃんを助けようとしてくれたの?」
「──」
コマチの言葉を聞き、イグニスは目を細める。
サンジェルマンが響を助けようとしたのは──彼女がコマチの、アカシアにとっての特別だったから。
自分では届かなかった世界。失ってしまった世界。それを取り戻したいと、失わせたくないと強く思い──響に手を差し伸ばした。
その事を伝えるのは簡単だが。
「内緒」
「えー」
勝手に言えば怒られるので、イグニスは笑ってそう言った。
コマチは納得しなかったがそれ以上追求せず、ならばと別の質問をする。
「ねぇ、何で俺と仲良くしてくれるの?」
「……? どういう事?」
「あー、えっと」
コマチの脳裏に浮かび上がるのは、キャロルの家族であるアカシア・クローン達。
彼らはコマチに嫉妬し終始友好的な姿勢を示さず──しかし最期には力と想いを託して逝った。
故に気になり尋ねたのだが。
「──? 友達になりたいのに理由がいるの?」
「──」
「変なのー」
そう言ってイグニスは笑い、コマチは心をポカポカさせながら笑顔を浮かべた。
その後も普段のサンジェルマン達の様子や、一緒に寝てる時の寝顔が可愛いとか。
負けずと響の可愛さについてコマチも語り出し。
そこにカメちゃんとジルも参戦し、いつの間にか四匹で盛り上がり──。
翌朝、迎えに来たサンジェルマン達と響を赤面させるまで語り続けた。
今まで出てきたグループでどれが好き?パート2
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博士と最高傑作(ウェルキリカ)
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死を灯す永遠の輝き(錬金術師組と相棒達)
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雪解けの太陽(響クリス)