ライダーとバーサーカーの戦闘は参加者の多くが観察していた。
[ランサー陣営]
ランサーは興味深そうにアリシアの使い魔が映し出すライダーとバーサーカーの戦闘を見ていた。
「ねぇ、ランサー。コイツらに勝てそう?」
「無理…ではないが基本的に私は強くない。
故に今は観察し、どの程度の能力なのか判断する時だな。」
「コイツ…微妙に不安を煽るわね…まぁ頑張りましょう。」とアリシアはランサーの一言に顔を引きつらせるのであった。
[アーチャー陣営]
ランサー陣営と同じく使い魔の目を通して観察している。
「マスターは凄いな。コウモリを使役し、このように観察するとは…私もその技術が有ればもっと簡単に情報が…」アーチャーは昔のことを思い出したのか渋い顔である。
「アーチャー褒めるな。恥ずかしいであろう!まぁ…他の者達がどのように出るか、それを注意せねば。」
「あぁ…その通りだ。出来る限り戦闘は避けたい所だ。」
アーチャーとランサー陣営は傍観に徹するようだ。
[アサシン陣営]
「おぉ!ヤベェぜお嬢!アイツらおっぱじめやがった!」
「シッ!静かにしなさい!」
アサシンとマスターである六花は高校の屋上にて事の成り行きを確認している。
「俺も殴り込みてぇ…お嬢、ダメか?」
アサシンは目を輝かせる。
「ーーダメよ。アサシンが強いのはわかってるけど私達の仕事は町を守ること。」
「そうだよなぁ…マ、お嬢の爺様に頼まれたし、基本的にはお嬢優先だかな!」とアサシンは大笑した。
[キャスター陣営]
「お、ライダーが動いたか。」ハンスはニヤリと笑い、荷造りを始める。
「む?ライダーとバーサーカーか派手に始めたな。」とキャスターは地下墓地の壁に映し出された映像を一瞥し、己の作業へと戻っていく。
「キャスター。どうだい?出来たかい?。」
ハンスは荷造りを終えたのか葉巻を咥えながらキャスターの元へと歩いてくる。
「あぁ、そら、コイツだ。」
キャスターはハンスに向かって赤紫の薬を3本試験管に入れた状態で渡した。
「コイツは床にでも叩きつけると煙が出る、それで魔術式が一時的にだが狂うだろうよ。突貫で作ったから3本だけだ、これからの仕事を考えると多く作り出せる時間が足りん。」
「チャフか…助かるぜキャスター。そっちを見といてくれよ。」とハンスは言うと地下墓地から出て行った。
「やれやれ、僕は僕で大変だと言うのに…まぁ、僕とハンス氏相性がいいようだ。」
「だが、早速ライダーのマスターを殺すとは…中々気が早いもんだね。」とキャスターはクスリと笑うと仕事を再開した。
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さて、ライダーとバーサーカーの戦闘は均衡を保っていた。
バーサーカーはライダーへと踊りかかり、ライダーはそれを避け、弾を放つ。
バーサーカーはそれを受け、血を流しても立ち止まることなかライダーに襲いかかる。
(力任せ、とは言い難い。何かの武道か?)
ライダーに襲い掛かるバーサーカーは力任せに腕を振るうのではなく、音を立てずにライダーに狙いを定め放ってくる。
《ライダー!何をしている!バーサーカーだろう!早く倒してしまえ!》
遠くからこの戦闘を見ているであろうヴィクターが苛立たし気に念話をしてきた。
ライダーはヴィクターの言うことなど気にも止めずバーサーカーの分析へと意識を回していた。
先程のバーサーカーの動きは演舞を思わせるかの様に美しく洗練されていた。
(未だ底は見えず…か。)
《バーサーカー、術の使用を許可する!さっさと目の前のサーヴァントを潰しちまえ!》
バーサーカーは背中に背負った瓢箪を持ち上げ、グビグビと飲み始めた。
突然、バーサーカーは瓢箪から口を話すと火の玉を吐いてきた。
「何⁈」ライダーは突然の火の玉を避けるために地面を転がっていく。
地面に転がるライダーをバーサーカーが見逃すはずもなく蹴りを入れるために摺り足で音もなく高速で近付いてくる。
「チッ…マズい!」
避けれないと悟ったライダーは受け身の態勢を取る。そしてバーサーカーによって弾丸のような速さで蹴り出された。
「グッ…相棒!」
吹き飛ばされたライダーを白馬が受け止めた。白馬がライダーの襟首を持ち上げ、バーサーカーに向けて彼を投げた。
「お返し、だ!」
バーサーカーは避けれずライダーのドロップキックを直撃し、校舎の方へと吹き飛ばされた。
「・・・マズい、アサシン用意して!」六花がバーサーカーが吹き飛ばされた方を見て言った。
「どうした、お嬢、唐突だな。」
「西棟の方には宿直室があって、もしかしたら先生が…」
「・・・ソイツぁ、マズいなぁ…ちょくら行ってくるぜ!」とアサシンは六花にウインクをすると屋上から飛び降りた。
(アサシン…お願い…)
サーヴァント同士での戦いに介入出来るほど六花は強くない、アサシンが間に合うことを願うしかなかった。
[教員室 宿直室付近]
突如、鳴り響いた轟音に絹川は目を覚ました。
「一体何が起きている?確認しなければ…」そう言うと、彼は布団から飛び起き音が鳴り響いた元へと歩み始めた。
音の先にはテレビでしか見たことのないような巨漢の男が立っていた。バーサーカーである。
バーサーカーは事前にマグナスから魂喰らいの命令は受けており、一般人の殺害も一切の抵抗無く行う。
傷が付いた自分の目の前に現れた人間。コレを喰らう他ないだろう。
バーサーカーの豪腕が目にも止まらぬ速さで絹川へと遅いかかり、廊下は鮮血で彩られるはずだった。
アサシンが腰に差した2本の長刀を使い、バーサーカーの拳を受け止めた。
アサシンは絹川の方を向き怒号を飛ばした。
「腑抜けてるんじゃねぇ!死にたくねぇなら逃げろ!兄ちゃん!」
アサシンの言葉に漸く現実だと気付いたのか銃弾の如き速さで逆方向へと走った。
アサシンは絹川を目で見送るとニヤリと笑いながらバーサーカーへと向き直った。
「さぁ!狂戦士!こんぐらいで倒れてくれるなよ?」
そう言うと2本の長刀を振るい、バーサーカーは再度校庭へ吹き飛ばされるのであった。
《バーサーカー!幻霊を使え!》
マグナスがそう言った瞬間、バーサーカーから白い煙が吹き出すのであった。