(一体何が起きているんだ…⁈)
絹川は先程起きていたことを考えながら廊下を走る。
(大男に黒仮面の男、火の玉…まるで現実に思えない。)
走っていたら絹川は校庭に出た。
「校舎にヒビが⁈轟音の元はアレか?」
驚く絹川を復帰したライダーは発見した。
(一般人…か。神秘の秘匿とやらが重要視されている聖杯戦争だ。マスターから殺せと指示は預かっている。)
ライダーは絹川に対し、低い声で話かける。
「おい、アンタ。不運だったな。こんなもん見ちまって。」
「カウボーイハット?貴方は一体何者だ?」
「アンタが知ることはない。気は引けるがな
せめてもの情けだ。1発で逝かせてやる。」
ライダーが絹川にカチャリと音を立て、コルトM1851ネイビーを向ける。
屋上から六花が悲痛な声で叫んだ。
「逃げて!!先生ッッッ!!!!」
無機質な発砲音が校庭に響いた。
だが、弾丸が絹川に届くことは無かった。
彼の前に少女が立ち、弾丸を切り落としたからである。
彼女は風に纏めた黒髪を靡かせ、和装の甲冑で身体の一部を覆っていた。
「サーヴァント、セイバー!此度の聖杯戦争に推参!!!」
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[ランサー陣営]
「ふはははは!『現実は小説よりも奇なり』とはこのことだ!いや『神のみぞ知る』と言う奴か?」とランサーは興奮気味に笑った。
「笑えるわけないでしょ、ランサー!」
アリシアは手で顔を押さえ、青くしている。
「笑うしかないだろう、アリシアよ。コレが『ドンデン返し』、『ご都合主義』と言う奴なのかもしれんな…“何か”がこの聖杯戦争に関与してるのか…違うかね?」とランサーは口元を吊り上げながら夜空を見上げていた。
[アーチャー陣営]
「ふぅむ…和装のセイバーか、、」ととどめきは興味深そうに観察している。
「サムライ、と言うやつか?HARAKIRIが慣習だったか…」とアーチャーは尋ねた。
「むぅ…間違ってはないが間違っているぞ。実際にしてるがの。忠臣蔵とか。」
「チューシングラ?北斎のFUJIや美術品なら心得ているんだが…」とアーチャーは首を捻った。
「怪盗紳士の名が泣くぞ。まぁ、後で教えよう。」ととどめきは笑いながら言った。
アーチャーは帽子の唾を下げると「ご教授感謝する。」と言ったのであった。
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「嘘…そんな都合がいいことが起きるなんて…」六花は呆然としていた自分の頬を叩き喝を入れた。
(先ず、先生と合流しないと…)
六花は屋上から校庭に飛び降り、絹川の元に向かった。
「大丈夫ですか?マスター。」
「あ、大丈夫です…貴方は?」
「サーヴァント、セイバー。貴方の使い魔です。」
状況が飲み込めない絹川の無事を確認したセイバーはライダーの方に向き直る。
「飛び道具を使うとは卑怯なり!男なら素手か刀で戦え!」とライダーを指差した。
「すまんね、コレが俺の獲物なんだ。」
ライダーはそう言うと絹川に向け、3発程打ち込んだ。
「笑止!」そう言うとセイバーは弾を再度切り落とした。
ライダーはニヤリと笑い、セイバーが刀を振るうであろうタイミングに合わせセイバーに“魔弾”を放った。
音は鳴るが形は有らず、不可視の弾丸がセイバーの心臓を撃ち抜いた。
「ガハッ…」肺から空気を出し、セイバーは膝を地面に着いた。
「コレで終わりだ!」ライダーがセイバーの頭を狙い、引き金を引こうとしたその時ヴィクターの念話が届いた。
《令呪を持って命ずる!ライダーよ、我が元に現れよ!》
突風が吹き、ライダーは校庭より撤退した。
「セイバー…さん?血が!」
「大丈夫です。マスター、なんとか霊核を撃ち抜かれずにすみました。ご無事で何よりです。」
「そうは言ってられねーぜ!お嬢ちゃん!」
アサシンがバーサーカーの相手をしながら話しかけてくる。
「先生…良かった。」六花が絹川の元へと駆け寄ってくる。
「雛月!一体何が起きてるんだ?」
「すみません、話は後です!バーサーカーをあの大男を倒してからです。アサシン!」
「了解だ、お嬢!」
セイバーは腰にかけていた袋から団子を1つ取り出してモグモグと食べていた。食べ終わる頃には血が滴り落ち、穴が空いていた胸は小麦色の肌が覆っており何事もなかったように再生している。
アサシンはニヤリと笑いながらセイバーに愉しげに話かける。
「お嬢ちゃん、セイバーだったか?バーサーカーを退けるぞ!一時共闘といこう!」
「お嬢ちゃん⁈失礼な人ですね!アサシン!
ですが、マスターの安全が第一…いいでしょう。遅れも取らないでくださいね‼︎」
「ハッハー!良い気概だ!さぁ、景気良くぶっ飛ばそうぜ!俺は暴れたりねぇんだ!!」
バーサーカーの遠吠えが夜の学校に響き渡る。夜明けはまだ遠い。