「ーー嘘ね…」とアリシアは言うとシェイクスピアと名乗ったランサーを睨んだ。
「魔術協会と千年樹による聖杯大戦でシェイクスピアはキャスターとしての現界が確認されているわ。」
ほう、とランサーは呟くとくつくつと笑い始めた。
「何がおかしいの!マスターである私の実力がないからバカにしている訳⁈」とアリシアは激昂した。
その様子見て少々面食らったのかランサーは説明を始めた。
「すまない、マスター。魔術に関しては私はからっきしだ。何、奇妙な縁があるようでね。そうか奴が召喚されていたとはね…」
「そう睨まないでくれ、マスター。君が言う通り“私はシェイクスピアではない”だが『シェイクスピア』だ。現にランサーとして召喚されたのもそれが理由だ。」
「シェイクスピアとランサーであることに何の関連性があるの?」
「ほら、シェイク(振る)スピア(槍)だ。」
「な、そんな言葉遊びで⁈」とアリシアが声を荒げると突然力が抜け、倒れ込んでしまうところを咄嗟にランサーが受け止めた。
「私の召喚による一時的な魔力の不足と言ったところだろうか?見る限り支度の途中と言った所か…兎に角、今は休みたまめ。マスター。」と言うとランサーはアリシアの金色髪を撫でた。
そこでアリシアの意識は途切れた。
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ランサーの召喚を赤神町にて確認。
ーーー真名ウィリアム・シェイクスピア
筋力D 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C
・・・脅威に至らないと判断
不確定要素
抑止力か?
ーー否定。
要観察指定
須らく聖杯戦争を遂行させよ。
我らが使命を果たせ。
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アリシアが目を覚ますとリビングのソファーの上でタオルがかけられた状態であった。
周りを見渡すと小さな人形のような謎の人型の生物が掃除をしており、自分が来た時とは違い綺麗に整頓されている。
「おや、マスター。目が覚めたか。」
声がした方向を向くとランサーは召喚された時とは違い、中折れ帽を被っておらず黄土色のジーンズに黒いジャケットを羽織り、比較的現代風な服装をしていた。
「ランサー!一体どう言うこと?なんなのコイツら!」とアリシアは2つに結った髪を揺らしながら言った。
椅子に座り本を読みながらランサーは「私も驚いた。妖精がこんなにも便利とはね…」と言った。
「え?妖精?コレが?翅とかついてるんじゃないの?」
「妖精劇団員と言うらしい。便利だ。魔力の消費も少量だ。それよりも、だ、マスター」
本から顔を上げ、アリシアの目を見つめ、重々しく声を出した。
「この百科事典。とやらは素晴らしい本だ。多くの物・事象・人物が書いており、その英知を多くの人が手軽に共有出来るのだ…」
アリシアは頭痛を感じながらランサーを睨み
「で、貴方の真名は?」と言った。
ランサーは困り顔を浮かべた。
「教えたいのは山々だが。難しいな。」
「どう言うこと?私が信頼出来ないから?出来損ないだから⁈魔術師に満たない魔術使いだから⁈」と嗚咽を漏らしながらアリシアは放った。
「アリシアよ。そう自分を卑下する必要はない。私は魔術に関してはよく知らないが君を信頼していないからではないんだ。」
「私について調べてみたがやはり『シェイクスピア』としてランサーのクラスを与えられているようだ。故に私の真名は隠さなければならないのだろう。」
「どう言うこと?貴方はシェイクスピアではないのでしょ?」
「アルターエゴ?と言う奴とでも思って置いてくれ。すまない、今は語れない。だが必ず、必ず話す時は来る。その時に話すと約束しよう。」
「・・・わかったわ。貴方が居なければ私は聖杯戦争に勝つことは出来ない。よろしくねランサー。」
「あぁ…よろしく頼むよアリシア。戦闘はーーー善処しよう‼︎」
「何よ今の間は⁈」
「言っただろう?最弱だと‼︎」
「何なのよ!無精髭オヤジ!」
「なっ…全盛期でまだまだ私は若いはずだぞ⁈酷くないかアリシア!」
「と言うか、何しれっとアリシア呼びしてるのよ!主従の関係でしょ!」
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この赤神町に1騎のサーヴァントが召喚された。残るサーヴァントは後6騎。