ハンスは眞姫那より勧められた地下墓地を拠点とすることに決めた。彼は傭兵であり、聖杯にかける願いはない。金払いがいいというのが理由の3割。残りの7割は興味といったものであった。葉巻を咥えながら床に魔法陣を書いていく。
「遠い東の国にも
数分葉巻を楽しみ短くなった葉巻を足元に落としグリグリと踏んだ。
「ーーー告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
ハンスが言い終わるのと同時に術式が眩く光始め魔力の渦が生まれた。光が収まると中央に1つの人影があった。
白い白衣に黒いズボン、革靴を履いた男だった。身長は165ぐらいだろうか、ボサッとした黒髪を後ろに束ねているだけであり粗雑な印象を受ける。腰には3.4本の紫や緑と言った薬品が入っているのであろう試験管をベルトに付けている。
「ーー召喚に呼ばれ参上した。サーヴァント…キャスターだ。貴方が私を召喚したマスターで相違はないかな?」
「あぁ…そうだ、俺はハンス=フォン=シュミット。魔術師だ。まぁ、色々とあって今回の聖杯戦争に参加した。よろしく頼むよ、キャスター。」とハンスは言い、手を差し出した。
「あぁ、、よろしく頼むハンス氏。」
「さて、アンタがヴィクター・フランケンシュタイン博士か?」
ハンスが言った瞬間、キャスターは笑いだした。余りにも面白いのか目には涙を浮かべている。
「なんだい?何が面白いんだ?」
「あぁ…いや、申し訳ない。僕はヴィクターではない。アイツは人手なしだぜ?怪物が可哀想だ、作るだけ作って突き放しやがって!クソ野郎!」とキャスターは地団駄を踏みながら憤慨している。
ハンスは顎を摩りながら興味深そうに「俺が
キャスターはそれを受け取り、中を見た。
「コレかい?コレは僕の白衣の切れ端だね。誰の触媒だとか色々混同させるだろうし、仕方ないさ。」
「キャスター。結局お前さんの真名はなんだ?」
キャスターはニヤリと笑い
「■■■■・■■■■■。本来は狼王達と共にあるんだが…どうやらココでは別らしい。本来は“英霊になり得ないタダのしがない科学者”だよ。」と言った。
ハンスは頭を掻きながら「すまんな、俺はお前さんの名前は聞いたことがない。それに英霊になり得ないとはどういう事だ?現にお前さんは俺のサーヴァントだ。」
「ふふ…色々と混ざっているみたいだ。恐らく他のサーヴァントも同じだろう。」キャスターは指を鳴らすと虚空から炭のように黒く、紅い目をした3mもある巨大な犬が出現した。
「僕はこの黒妖犬
「で、キャスター。一体どんな影響があるんだ?」
「マスター。僕は本来幻霊としてしかないほど霊基数値は足りないんだ。だが、それは欠点であると同時に『召喚は英霊と比べ容易』という長所でもある。この聖杯戦争に参加するサーヴァントは【全て幻霊以上英霊以下】である可能性が高い。」
「本来ならば魔術師は英霊に勝てない。だが俺でも勝てる奴らに型落ちしていると言うことか?」
「あぁ、その通り。だが、どのような幻霊が融合しているかわからない以上、真名が予想出来たとしても通常の聖杯戦争よりもメリットがある訳ではない。むしろデメリットに転ぶ可能性も高いんだ。」
ハンスは少し思案し、口を開いた。
「そうか…ならマスターを狙うのをメインに立ち回るのが最善手なのか、、俺は武闘派だからな。キャスター、アサシンと同じようにマスター殺しをするのに問題はないか?」
「あぁ…別に教示などある訳じゃないからね。構わんさ。戦闘に関してはマスター、君の方が優れているだろうしね。」
キャスターは腰に付けた薬品を指で指しながら「僕は透明薬を持っている。それに錬金術や魔術に少しばかりだが使うことが出来る。地下墓地を工房として使おう。」と言った。
「透明薬だって?ソイツは便利そうだな、俺にも使えるのか?」
キャスターは目を細めながら少し語調を荒げ
「ーーダメだ。コレは僕が死んだ元凶とも言える物だ。コイツを使えば狂気に陥る。」
ハンスはニヒルな笑みを浮かべた。
「そうかい。なら、使用は出来る限り控えるべきだな。さて、キャスター“戦争”を始めようじゃないか」
ーー残るサーヴァントは後1騎