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僕が次に目を覚ましたのは、東京の呪術高専の医務室のベッドの上であった。
つまり、『紫鏡』の『生得領域』から気を失っている間に抜け出したということ。
何があったかは……分からない。
「入り込まれているかもな」
ベッドから体を起こし、ここに勤める彼女ーー家入さんの話を聞く。
「入り込まれている……ですか」
「詳しくは分からないが、君の体に残穢がかなり濃く残っている。ただの接触じゃこうはならない」
「鏡の呪霊ーーあの『紫鏡』の……。でも、そんなの分かるもんですか」
あの呪霊にあったのは僕だけだ。
なのに、分かるものなのだろうか。
僕の表情を見て察したのか家入さんは、僕の質問に答えてくれる。
「その呪霊に関しては報告は挙がってた。だから、呪力自体はこちらでも分かってはいる」
「だが、君の話にあるそれは、今までの報告とは明らかに違う」
家入さんの話によれば、あくまでも『紫鏡』は人を1人、数分程度鏡に引きずり込める程度の力しかない。
その上、その『生得領域』は数m四方。
……とはいえ、人を引きずり込むような呪霊が祓われずにいたのはどうかと思うが。
「放っておいてもそこまで害はない。そう判断していたんだ」
「けど、僕が遭遇したのは……」
「あぁ、害がない訳はない」
少なくとも十数匹の低級呪霊と3匹の上級呪霊。
そして、あの
針倉術師の言葉を信じるならば、一級の『赤マント』と同等ーーいや、それ以上。
つまり、
「『特級』」
「……だろうな」
思い出しても背筋が凍る。
『特級』……次元が違う。
だけど、あの呪霊は元々はそんなんじゃなかったって……。
「原因は『両面宿儺の指』だ」
「! それって特級呪物の……」
「あぁ、それを取り込んでいたみたいだな。もう回収されたからここにはないが」
そこにあるだけで呪霊を寄せ、呪霊が取り込むことで呪力の格を上げる代物。
「ちなみに君にも『宿儺』の残穢が残ってる。『紫鏡』の残穢よりも濃く」
「…………」
家入さんの言葉を聞き、僕は自分の掌を見つめる。
僕にあいつが入り込んだというなら、掌印を結べば……。
「止めておけ」
「え?」
「回収されたとはいえ特級呪物を取り込んでいた呪霊を使役するのは相当のリスクだ。逆に取り込まれる可能性もある」
「……はい」
暴走。
もし僕が『紫鏡』に取り込まれたとしたら……。
あの背筋が凍る感覚を思い出して、身震いする。
……うん。
これは使わないように、しよう。
「しかし、『呪霊操術』か。話には聞いていたが……」
「どうかしましたか?」
「いや…………少しタバコを吸ってくる」
「あ、はい」
「恐らくもう体は大丈夫だろうから、出ていっても構わないよ」
「ありがとうございます」
仕事だからな。
それだけを告げ、家入さんは医務室から出ていった。
どうしたんだろうか。
僕の顔を、いや、『呪霊操術』に何か……。
ーーガチャーー
「え?」
「長月ちゃんっ!!」
家入さんと入れ違いで医務室に入ってきた人物。
彼女は僕の名前を呼びながら、突撃してーー
ーードスッーー
「おぶっ!?」
ーー僕はベッドに押し倒された。
僕よりも重傷である紡ちゃんに。
ーーーー呪術高専 空き教室ーーーー
「さてさて、二人とも無事復帰したわけだし、話を進めようか」
とある空き教室にて。
机に座る僕と紡ちゃんの前、教壇に立つ針倉術師。
「長月ちゃんの護衛は完遂したし、『両面宿儺の指』の回収はひとまず後回しだ。別の任務が入ったからね」
護衛を完遂…………まぁ、僕が高専にいる時点で解決はしたのか。
当初の目的である呪霊を取り込む任務も、準備にあと数日かかるらしい。
であれば、後は紡ちゃんと針倉術師が遭遇したというーー
「呪詛師・『膿腕』」
「長野桜」
「両名の確保、もしくは排除だ」
肥大した右腕を持つ呪詛師。
そして、その呪詛師に指示を出していたという、もう1人の長野桜。
恐らく僕が遭遇した方の彼女。
「長月ちゃんに賞金をかけたのも彼女だろう。長野桜は君を狙っているという話だったからねぇ」
「僕を?」
「あぁ。もしかしたら件の『紫鏡』をけしかけたのも彼女かもしれないよ」
呪霊に僕を襲わせる。
特定の人物を……襲わせる?
それって、
「『赤マント』の時の呪具……呪霊を誘導する赤い珠。あれももしかして、もう1人の長野桜が用意したもの……?」
「その通り! ま、彼女が何を考えて君を狙っているかは全くの不明だけどね」
それで僕を鏡に引きずり込むように誘導したのか。
「針倉さん」
「ん? なんだい、紡ちゃん」
「被害は……被害者はいたんですか」
ふと隣を見ると、口元を抑えながら紡ちゃんはそう訊ねる。
やや声のトーンを落とし、針倉術師は答える。
偲んでではなく、興味がないんだろうが。
「まぁ、数人ね。水分を抜かれてミイラ状態で死んでたってさ」
「…………惨い」
その死に方、鈴木と二人の補助監督の時と一緒。
なるほど。
やっぱりあの時も長野桜は関係していたわけか。
「まぁ、そんなわけで私達はあいつらを追う、というか誘き寄せる」
「わかっーーん?」
一瞬流しかけたが、今、なにか不穏な言葉を聞いたような……。
「針倉さん、まさか」
怪訝な表情をする紡ちゃん。
彼女の言葉に、針倉術師は笑いながらそれを肯定した。
「その通り!」
「長月ちゃんを囮に奴らを誘き出そうぜ」
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次作でもアンケートとってますが、主要キャラ落書き(デフォルメ絵)してもいいですか? ※未経験者なので雰囲気だけ伝わればよいものとする
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よい・やってみせよ
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完結したんだからNG
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いや、むしろ私が書こう(有能絵師)