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「…………」
「…………」
「いや、なにか言えよ……」
「そう言われても……」
さっきまでのピリピリとした空気から一転、そんなやりとりを交わす。
急に敵に自己紹介をされて何を言えというのか。
まぁ……でも、やっとぼやけた頭が晴れてきた。
目の前にいる少年について分かること。
それは、
「長野桜の仲間」
「仲間じゃなくて僕と言ってくれ……」
その辺はどうでもいいけど。
とにかく長野桜の一派で間違いはないようだ。
「というか名前」
「……名前?」
「長野桜なんて名前でボクの主を呼ばないでほしいな」
そういえば、僕は彼女のことを長野桜と呼んでいたが、あくまでもそれは彼女と顔が同じ成領中の生徒の名前だ。
なら、
「彼女の名前は?」
「主は『無常』、と」
『無常』
勿論本名ではないだろうけど。
……というか名前は問題ではない。
最大の問題はひとつ。
「……ねぇ、僕はなんで連れてこられたの」
「『無常』の目的は……なんで僕を狙うんだ?」
僕は『才羽』に問いかける。
彼女の仲間であるというなら、その目的くらいは知ってるだろう。
「主からは何も?」
「まぁ」
「なら、ボクに語る資格はないよ……」
「…………そう」
知らない、ではなく語る資格はないか。
彼も目的は知っているんだろう。
ただ彼の言葉の節々からは、彼女への信仰心にも近いそれを感じている。
彼女が僕に告げていないのならば話すことはできない。
万一それが彼女の意にそぐわないものの可能性があるから。
「その彼女は今どこに?」
「さぁ、ボクは君の監視を仰せつかっただけだから」
監視、ね。
つまり、僕を今すぐどうこうするわけではないということだ。
なら、じっくり待とう。
その間に、やれることをやらなくては。
「…………」
「…………」
さっきちらっと聞いた彼の術式。
確か、不死身に近いものだと言っていた。
……少し探りを入れてみるか。
「『才羽』、だっけ。術式が不死身って言ってたけど」
「ん、そうだよ」
ボクは死なないよ。
身体の中に呪力の糸が張り巡らされている。
首を跳ねても、切り刻んでも再生する。
ただそれだけの術式だ。
そう彼は話した。
術式の開示にはなってはいるが、その術式の性質上開示をしてどうこうなるものではないらしい。
「……弱点は」
「ない。焼死も溺死も自死ですら死ねない。ただ粛々と再生するだけだ」
敵に弱点を聞くなんて大胆な奴だ。
そう言って笑う『才羽』。
まぁ、弱点がないから意味はなかったんだけど。
「そっちは『呪霊操術』だっけ」
「…………」
少し迷って、答える。
「そう、呪霊を使役する術式」
いざというときのための術式開示。
勿論それもあるけど……。
「……あなたの目的はなに?」
彼からは悪意を感じなかった。
「目的……? 言っただろ、監視だって」
「そっちじゃなくて」
「…………」
「なんで『無常』の仲間になってるの」
「…………」
僕が感じ取った、彼の彼女への信仰心のようなもの。
信仰するにはそれ相応の理由があるはずだ。
戦った『膿腕』から感じたそれは、きっと拾い育てられた恩。
じゃあ、彼のそれはなんだろうか。
それが少し気になった。
「…………」
「…………はぁ、なんでこう呪術師っていうのは性質の悪い奴しかいないのかな」
「…………」
「…………昔話をしようか、面白い話じゃないけどさ」
ーーーー独白ーーーー
彼が幼少期の記憶を思い返した時、母親の背中が最初に浮かぶ。
彼の父親は、仕事をせず、昼から酒を飲み、気に入らないことがあれば暴力を振るう。
それが日常で、母親はそれからいつも彼を守ろうとしていた。
自分の代わりに母親が殴られる。
いつしか母親を守りたいと思う気持ちが生まれるのは当然であった。
だが、幼い彼に母親を守るだけの力はない。
だから、彼は父親が泥酔し、動けなくなるタイミングを狙って火をつけた。
その結果、父親は死に、母親と彼は生き残った。
ただし、その後母親は自死を選んだ。
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「母親が愛しているのは、ボクじゃなくて父親だった……」
ボクを守っていたのは、ボクを殺したら父親が刑務所に行ってしまうから。
馬鹿みたいだろ。
彼はそう言って自らを嘲笑した。
「…………」
……母親、ね。
不意に僕は彼女のことを思い出してしまう。
4月に亡くなった僕の母親を。
「…………それを救ってくれたのが主だった」
なるほど。
失意の中、彼女に拾われた。
まぁ、分からなくはないか。
僕もばあちゃんや霞がいなかったら……。
いや……どうだろう。
彼の気持ちは分からなくはないが、それで信仰するほどになるだろうか。
そんな僕の気持ちを察したのか、彼は話を続ける。
「いや、それだけじゃない。ボクは主のおかげで母親を蘇らせることができた」
「ボクのことを守ってくれた最高の母親を」
そう言って彼は笑う。
どこか歪んだ笑顔で。
「……蘇らせた?」
「あぁ、主はある呪具を持っている」
「特級呪具『
「死者を思い通りに生き返らせることができる呪具だ」
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次作でもアンケートとってますが、主要キャラ落書き(デフォルメ絵)してもいいですか? ※未経験者なので雰囲気だけ伝わればよいものとする
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よい・やってみせよ
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完結したんだからNG
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いや、むしろ私が書こう(有能絵師)