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意識はある。
けど、体が思うように動かない。
僕は横たわったまま、『才羽』と紡ちゃんをただ見ているしかなかった。
「…………」
さっき彼の憑いた僕を殺したという嘘で、紡ちゃんは一瞬動揺していた。
けれど、今の彼女にその動揺は見られない。
不気味なほどに静かだ。
「ん? 仲間が死んだショックでローになった感じ?」
「…………」
「無視とか……」
「…………」
『才羽』の言葉には一切応じる気配がない。
それが正解のはずなのに。
なんだ、この嫌な予感は……。
「はぁ、呪術師っていう人種は全員、癪に触る奴らばっかりだーー」
「ーーなッ!!!」
ーードスッーー
攻勢に転じる『才羽』。
呪力を足に集め、動き、紡ちゃんの目の前へ。
そして、呪力が腕に移動して紡ちゃんの腹部を殴った。
「…………っ」
紡ちゃんは体を曲げる。
もろに入った攻撃で思わず体を折ったように見えた。
だが、実際は違った。
彼女は攻撃を受けながらも
ーーガシッーー
「こいつ、掴んで!?」
『才羽』の腕を掴んでいた。
そのまま、折れているであろう左腕に呪力を纏わせ、
ーーバキィィィッーー
彼の顔面を殴りつける。
そのまま『才羽』は吹き飛んだ。
広くはないマンションの一室だ。
彼は壁に叩きつけられる。
けれど、紡ちゃんの攻撃はそこで終わらない。
「ぐ、うぅ……」
「…………」
ーードゴォッーー
「が……っ!?」
『才羽』が壁にめり込むほどの無言の一撃。
さらに、もう一回殴る。
普通ならこれで十分倒せているだろう。
普通の人間ならば。
「……こ、の……調子に乗るなぁァァ!!」
『才羽』の呪力が跳ね上がる。
「『糸廻呪法』ッ!」
毛細血管に沿うように無数に張り巡らされた呪力の糸を使う術式。
これが彼の体を廻っている限り、彼は死なない。
どんな殺害方法でも彼は死ぬことはない。
その副産物として、糸の呪力出力を上げることで身体能力を上げることができる。
それが僕に開示した彼の『糸廻呪法』。
追撃をしようとした紡ちゃんの拳を受け止め、それを掴み、引き寄せる。
彼女を壁に叩きつけるつもりだ。
だが、
「…………ッ」
「ボクのこれで動かないだと!?」
「ッ」
紡ちゃんは動かず、掴まれていない右拳でもう一撃を『才羽』に叩き込む。
終始紡ちゃんが優勢だ。
だけど、なんだ……?
あの雰囲気、それに『呪言』も使ってない。
いつもの彼女らしくない。
それに呪力が……上がっていってる……?
「……こい、つ……呪言師じゃなかったのか……」
壁から抜け出ようとする『才羽』。
構わず彼を殴り続ける紡ちゃん。
おかしい。
彼女の様子はどう見ても異常だ。
「……つ、む…………ん」
彼女の名前を呼ぼうとしても声が出ない。
止めなきゃいけない。
そんな焦燥だけが強くなっていく。
……何分が経っただろう。
彼女の拳が赤黒くなる頃には、壁にめり込んだ『才羽』はピクリとも動かなくなっていた。
死なない、と。
そう豪語していた彼の術式の限界、だったのかもしれない。
それが術式である以上、呪力を消費する。
その消費量は少ないとは言っていたが、それは無限ではない。
「………………」
最後、と言わんばかりに彼女は呪力を込めて、彼をもう一度殴った。
そして、
「アハッ、アハハハハハハッ」
笑った。
狂喜に満ちた声。
心からそれを楽しむ笑い方だった。
「たのしいたのしいたのしい」
「たのしいよぉ」
「っ、つむぎ……ちゃん……」
『才羽』のかけた呪術が解けたのだろう。
僕はどうにか起き上がることができた。
立っているのも、声を出すのもやっとの状態だけど。
それでも、そんな僕には気づかず、彼女は踊るように、フラフラと歩き回る。
きっと僕は。
その表情を忘れることはできないだろう。
「アハハハハハハッ」
人を殺めた、その愉悦に浸る表情を。
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次作でもアンケートとってますが、主要キャラ落書き(デフォルメ絵)してもいいですか? ※未経験者なので雰囲気だけ伝わればよいものとする
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よい・やってみせよ
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完結したんだからNG
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いや、むしろ私が書こう(有能絵師)