ーーーー記録ーーーー
菅谷長月による補助監督の殺害から1ヶ月。
その姿は彼女の地元である石木町のスーパーにて、有島哀と交戦したのを最後に目撃されていない。
また、その際に菅谷長月を庇う少年が確認されており、その少年に匿われているとの話もあるが、真偽は不明である。
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「おい」
声をかけられ、覚醒します。
目の前にいたのは、有島さん。
1ヶ月前からまだ意識混濁の続く針倉さんの代わりとして、呪詛師を殺す任務につくことが多く、自然と私とも組むことが多くなりました。
「有島さん。任務の手続きは終わったんですね」
暑さでやられている私の質問に、涼しい顔で彼は頷く。
「あぁ。ついでに次の任務も受けてきた」
「私はーー」
「無論連れていく」
拒否権はない、ようですね。
「それで、次の任務は何ですか?」
「土地神信仰絡みの案件だ」
「!」
呪詛師関係ではない……。
しかし、土地神信仰ですか。
低く見積もっても一級案件、では?
「だから、準一級の俺と準二級のお前が動くんだろうが」
「…………ただの呪霊狩りじゃないということですか」
「当たり前だ、寝惚けてんのか」
「目撃情報があった。あの呪霊使いのな」
ーーーーF県 H村ーーーー
8月も半ばということもあり、日差しが容赦なく照りつけてきます。
ただ東京とは違い、アスファルトの照り返しがないのは救いです。
「こんな田舎に来る奴の気が知れねぇな」
本来、都会の方が呪いは強くなるというのはありますが、それでもこうした信仰は別。
信仰心は閉じた世界であるほど、強くなる。
「閉鎖的、ですね」
「チッ、ヒソヒソと陰で何か言ってやがる」
他所から来た私たちのことをよくは思ってないのでしょう。
村民の方々は遠巻きにヒソヒソと話しています。
嫌な感じ。
「あ、こっちです! こっち!」
とその雰囲気を壊すような快活な声。
私たちを呼ぶ声の主は、ショートカットの女の子でした。
「うわぁ、黒ずくめ」
私たちの格好を見るなり、挨拶もせずに一言呟く。
まぁ、気持ちは分かりますけど。
「って、すみません! わたし、つい思ったことを口にしちゃって……」
「わたし、浜松ねねっていいます!」
情報通り。
こっちで見つけたという協力者。
『窓』を置くにはあまりにも辺境の地すぎるという理由で、現地の霊感が強いと言われている人物を協力者として要請したらしいです。
それが、この浜松ねねさん。
歳は中学生くらいでしょうか。
快活なスポーツ少女って感じですね。
「……話を聞きたい。早く案内しろ」
「お、おぉ、この人、すごいですね!」
「あぁ!?」
「浜松さん、案内をお願いしてもいいですか?」
まずい。
このままでは有島さんがキレる。
そう感じた私は浜松さんに促し、すぐに案内をしてもらうことになったのでした。
ーーーーH村 影踏峠ーーーー
「ここです!」
連れてこられたのは、影踏峠と呼ばれる小高い峠にある祠だった。
周りには打ち捨てられたようにボロボロのお地蔵様が数尊転がっています。
「ここいらの土地神様と言えば、ここに祀られてる御神体しかないです!」
と言うことらしいんですが、
「土地神……にしては酷い荒れ様ですね」
「祀られている気配は微塵もねぇな」
有島さんとそんなやりとりを交わす。
隣の彼ですら顔をしかめるほど、荒れ放題の場所でした。
祀る、なんて言葉を使ってはいけない。
そんな様子です。
「…………しかし、地蔵さんもこんなんじゃあーー」
「あっ! ダメです!!」
お地蔵様を起こそうとする有島さんを止めようと、声を荒げる浜松さん。
ですが、すでに時遅く有島さんはお地蔵様を起こした後で。
「あ?」
ーーゾワリッーー
呪力、背後の祠から。
振り返ると同時に、手袋を外し、筆を取る。
恐らくこのお地蔵様に触るのが条件なんでしょう。
祠からの呪力は増していきます。
「有島さん!」
「……っ、おい、動けねぇぞ」
「え!?」
見れば、有島さんはお地蔵様に手を触れたままの格好で止まっていました。
「呪霊ーーいえ、この土地神の術式でしょうか」
「考えてる場合か、こいつ壊せッ!」
なんて乱暴な、とは思いますが、やれるとしたらそれしかないですよね。
『呪言』は恐らく通じない。
ならばと呪力を右手に込めます。
そのまま振り抜こうとして、気づいてしまう。
『…………』
「っ、お地蔵様!?」
私のすぐ側に立つその存在に。
さっきまでこんなところにはなかった。
それにこのお地蔵様からも呪力を感じーー
「あ、れ……?」
急に体が止まる。
私はお地蔵様に触れてないのに、動けません。
「おい!? なにしてる!?」
「すみません……私も動けなくて……」
「!」
触れることが発動条件じゃない?
じゃあ、一体?
「どうにかならんのか」
「…………」
『呪言』が使えれば……。
でも、私の『呪言』は手を動かさなければ使えない。
今の私には、なす術がありません。
「…………浜松さん」
「え、あ、はい!」
「逃げてください」
「そ、そんなこと……」
「早くっ!!」
「っ」
私の言葉で彼女は背を向け、走っていきました。
「その『呪言』がこっちにも通用すればなぁ」
「あはは、すみません」
有島さんの皮肉に、乾いた笑いを返す。
覚悟を、決めるしかない。
恐らく私と有島さんはここで殺されます。
少しでもこの土地神の情報を残すために、最後まで目を離さない、そんな覚悟をしましょう。
「…………有島さん、すみませんでした」
「あ?」
「私の不注意からこんなことに」
「……嫌味か?」
「あっ、すみませんっ」
「……別に構わねぇさ。楽も死んで心残りはねぇ。強いて言うなら、あの呪霊使いを殺せなかったことか」
「…………」
長月ちゃん、か。
結局、会えず終いでした。
最後に少しだけ会いたかったな。
せっかく友達になれたのに……。
「長月ちゃん……」
ーーゾゾゾゾゾゾゾッーー
「『毒蟲』」
その声は唐突に。
その姿は真上から。
まるで、私たちを助けるかのように彼女は現れました。
黒い蟲たちは私と有島さんの側のお地蔵様を喰い荒らし、彼女は私たちの前に立つ。
「お前はっ!?」
「っ、長月ちゃんっ!」
「…………」
少し、髪が伸びたでしょうか。
ショートだった白髪は肩にかかるほどになっていて。
それでも彼女だと、長月ちゃんだと分かる。
その眼差しは、
「……紡ちゃん」
私を、鋭く睨み付けていました。
「……え?」
その意味が分からず、間の抜けた反応を返す。
そんな私に、長月ちゃんはこう言いました。
「この人殺し」
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次作でもアンケートとってますが、主要キャラ落書き(デフォルメ絵)してもいいですか? ※未経験者なので雰囲気だけ伝わればよいものとする
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よい・やってみせよ
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完結したんだからNG
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いや、むしろ私が書こう(有能絵師)