ーーーー同時刻 長月視点ーーーー
数日間、霞の情報を探し続けた。
だが、見つからない。
それどころか、
「無常も……どこに行ったんだ……」
霞を探すと決めた翌日から、無常は姿を消した。
正直、彼女の術式は人の情報を探るのに便利だった。
だから、今、いなくなられるのは困る。
「……まさか、呪詛師がいなくなって困る……そう思うなんてね」
笑ってしまう。
皮肉なものだ。
「…………」
なにもすることがない。
だからだろうか。
少しだけ思い出してしまった。
『彼女』との日常を。
殺すべき『あの娘』との思い出を。
「…………止めろ」
思い出すな。
今は事実が分からない。
本当に『彼女』がばあちゃんを殺していた時に判断が鈍らないように、思い出すのを止めろ。
今は静かに待つんだ。
無常を待ち、霞を探し出す。
その時まで。
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「流石は一級だ。まさか3分間きっちり『領域』内で戦われるとは思わなかったよ」
針倉はそう言って笑う。
『無常』からは、彼が上機嫌そうに見えた。
だが、信用ならないという取引前の評価は今でも変わっていない。
「しかし、君も酷いねぇ。あれだけ長月ちゃんの面倒を見ていたというのに、こうもあっさりと裏切るなんてさ」
「儂は目的のために、長月と組んでいたにすぎん」
その目的のためならば、あの娘を切ることなど何とも思わん。
『無常』はそう言って、針倉にあるものを要求した。
特級呪物『ロッポウ』。
またの名を『子取り箱』。
子孫を絶やすために作られた忌まわしき呪物。
「早く渡せ。それがこの取引の条件じゃ」
「いやいや、条件は『他人の姿で何人か殺してもらう』のはずだぜ」
「…………もう十分じゃろうて」
菅谷長月と狗巻紡を殺し合わせる。
それが針倉の計画だと、彼女は聞いていた。
それならばこれで十分だろうと。
「もうひとつやってもらいたいんだよ」
「…………」
「君の目的……息子を完全な状態で生き返らすためには『ロッポウ』は不可欠なんだろう?」
特級呪物『降霊杖』。
彼女が所有するそれに刻まれた術式はシンプルなもの。
『死者の完全な蘇生』。
所有する術師に関しては膨大な呪力のみで蘇生が可能である。
だが、それ以外の人間を蘇らせるためにはそれに加えて、それに関わる忌み物・呪物が必要であった。
『無常』は菅谷長月の呪霊を使い、膨大な呪力という条件をクリアしようとしていた。
だが、針倉という呪力をストックできる術式に加えて、『ロッポウ』という特級呪物の存在。
子孫を絶やすための呪物で自らの息子を蘇らせる。
これ以上の呪物はあり得ない。
だから、『無常』は協力した。
信用できない相手ではあったが、現物も見せられた上では乗るしかなかった。
「…………何をすればいい?」
「ありがとう。話が早くて助かるよ」
そう言うと、針倉はあるものを取り出した。
血の滴る肉塊。
「これは?」
「この人間に成り代わって人を殺してほしい。殺す人物と時間は私が合図するさ」
「…………」
無言で『無常』はそれを飲み込んだ。
鉄の、血の味。
決して美味とは言い難い。
だが、もう慣れた。
無念の内に死んでいった息子を蘇らせるためならば。
「……また可愛らしい姿になったじゃないか」
「戯け」
差し出された鏡で、成り代わったその姿を確認する。
幼い子供だった。
長野桜と変わらない中学生くらいの女児。
腰の辺りまで伸びた白髪は、あの娘を思い出させる。
「これは、誰じゃ?」
「菅谷霞。長月ちゃんの妹だよ」
ーーーー記録ーーーー
2018年9月30日。
菅谷家跡地にて。
呪詛師・菅谷長月と準二級呪術師・狗巻紡の戦闘があり、内1名が死亡した。
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次作でもアンケートとってますが、主要キャラ落書き(デフォルメ絵)してもいいですか? ※未経験者なので雰囲気だけ伝わればよいものとする
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よい・やってみせよ
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完結したんだからNG
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いや、むしろ私が書こう(有能絵師)