※百合苦手な方、悪ふざけが苦手な方は見ないことを推奨します。
ここは東京都立呪術高等専門学校。
国内で二校しかない呪術を学ぶための学校で、僕たちはここの学生でありながら、呪霊と戦う『呪術師』だ。
そんな学校に通う僕は、2年生の菅谷長月。
一人称は僕だけど、歴とした女の子だ。
そんな僕にはーー
「おい、長月」
思考に沈む前に、同級生の禪院真希さんから声をかけられる。
その側にいる狗巻棘くんとパンダくんも、ニヤニヤとしながら教室の入口を指差している。
何かと思い、そちらを確認すると、
「長月ちゃ~~ん」
僕の名前を呼ぶ、少し間延びしたような声。
その声の主は教室の中にまで入ってきて、僕の机の前に陣取る。
「紡先輩」
その人は、いつも僕を可愛がってくれている狗巻紡先輩だった。
とろんとしたタレ目にも関わらずどこか品のある整った顔立ち。
腰まで伸びる艶やかな黒髪。
僕よりも圧倒的に胸も大きい。
恐らく普通の学校にいれば、男子の視線はあの凶器に釘付けになるだろう。
僕だって見ちゃうし。
それに、
「長月ちゃん!」
「は、はい……なんでしょう」
「私のことはなんて呼ぶんでしたっけ?」
「…………紡、ちゃん」
「はい、おーけーです」
このフレンドリーさだ。
まさにメインヒロインと呼ぶに相応しい人物である。
それに加えて、
「紡ちゃん」
「? なんですか、明ちゃん?」
「菅谷ちゃん困ってるし」
紡先輩……紡ちゃんの隣で、スマホをいじりながら話す人物。
黒野堀明先輩。
褐色の肌に金髪という、ギャル風な見た目。
その割に、ダウナーでいつもスマホとにらめっこしている姿が印象的な人物。
「困ってませんよ。ね、長月ちゃん」
「…………」
「な・が・つ・き・ちゃん♪」
「…………はい」
「はぁ、ま、イイケド……」
紡ちゃんの圧に押されて、放課後に出掛けることになった僕を見て、気だるげにため息を吐く黒野堀先輩。
結局、3人で渋谷まで遊びに出るのだった。
ーーーーーーーー
「菅谷ちゃんはさ、なんで呪術師なんてしてるわけ?」
「え?」
タピオカミルクティー専門店にて。
紡ちゃんがテラス席の場所取りをしてくれている間に、僕と黒野堀先輩で行列に並んでいる時のことだった。
黒野堀先輩は唐突にそう聞いてきた。
「菅谷ちゃん家、呪術師の家系じゃないんでしょ?」
「……まぁ、成り行きで」
「フーン」
スマホをいじりながら、先輩は興味なさそうな様子だった。
って、先輩から聞いてきたのに……。
「じゃあ、先輩はなんで呪術師やってるんですか?」
「………………」
「先輩?」
いつもの先輩と少し違う感情が見えるその横顔が僕は無性に気になった。
黒野堀先輩は感情をあまり表に出さない。
短い付き合いの中でもそれは分かった。
だからこそ、漏れ出たその感情はなんだろう?
「あ」
「え?」
「ウチらの番っぽい」
そう言った先輩は、もう元の先輩だった。
一体、なんだったんだろう?
ーーーーーーーー
用があるという2人と一旦別れ、1人での呪術高専寮への帰り道。
電車の中で、僕は呪霊に遭遇した。
『生得領域』に閉じ込められるタイプの呪霊だったが、
「いや、サイナンだったね」
「まぁ」
一級呪術師・シャーロットさんの助けにより、僕は窮地を脱していた。
僕一人じゃ死んでいたからありがたいんだけど。
「お礼にナガツキ、キミの体で支払ーー」
「ーーお断りします」
いつものやりとりを済ませる。
まったく、この人は……。
「ちぇ~」
さて、掴み所のないこの女性、なんと僕の保護者代わりである。
勿論、実の親という訳ではない。
高専に編入する時に必要だからと強引に保護者に立候補した変わり者。
白髪の僕とは似ても似つかないブロンドの綺麗な髪。
モデル顔負けのスタイルは、仕事着である真っ黒なスーツの上からでも分かる。
高身長でハーフということもあり、その界隈では非常におモテになるらしい。
しかし、
「あ~、カワイイ子とふれあいたい……」
「…………」
かなりの遊び人らしく、いまいち信用できない。
本当にこの人に霞を預けていていいものか。
「ま、ジョーダンはさておき」
ふと声色を変え、彼女は僕の頭を撫でる。
「夜も遅いし、寮まで送ってく」
「……大丈夫ですよ。子供じゃあるまいし」
「ジューブン子供だよ」
「………」
「ね?」
「………………分かりました」
この人のこういうところはキライだ。
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シャーロットさんに無事
女子寮の共有スペースに彼女はいた。
「遅かったのぅ、長月。夜遊びか?」
ソファーに座り、紅茶を嗜む幼女に声をかけられた。
一瞬、誰か分からなかった。
だが、その喋り方で理解する。
それにしても、絵になるな。
中身が婆さんーーもといお年寄りだとしても。
「何か、失礼なことを考えとるのぅ」
「いや、別に」
彼女の名前は、無常。
勿論、本名ではない。
自分の容姿すら術式でコロコロと変える彼女曰く、名前は自分の姿と共に捨てた、という。
無常という名前は、この寮の管理人をする際、便宜上つけた名前らしい。
ちなみに、今日は緑がかった髪をした幼女の姿になっている。
その姿で時代がかった喋り方をするのだから、違和感がすごい。
「それで夜遊びか? 流石はあの遊び人を保護者にもつ娘は違うの」
「違うって」
僕をあの人と一緒にしないでほしい。
「いやはや、2人揃ってじゃからなぁ……」
「は?」
無常に聞き返す。
2人って、まさか……。
「お姉ちゃ~~~んっ!!」
「!?」
僕の胸に小さな体が飛び込んできた。
聞き馴染みがある声。
その華奢な体の持ち主はもちろんーー
「霞」
「うん! きちゃった!」
僕の妹・霞である。
幼さが残りながらも整った顔立ち。
ショートの僕とは対照的な腰まで伸びたウェーブのかかった白髪。
黒が基本となる呪術師と違い、パステルカラーのワンピースが目に眩しい。
甘えたい盛りなようで、僕にスリスリとしてくる。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん♪」
くすぐったいけど、もちろん嫌じゃない。
大切な妹だからな。
「霞、また抜け出してきたのか」
「うん。シャーロットさんもいなかったし」
まぁ、さっきまで一緒にいたからね。
霞がこうして来るのは珍しいことではない。
だから、無常もそれに慣れており、寮に戻ってくると一緒にお茶会をしていたり、勝手に僕の部屋に通されていたりする。
仕方がない。
もう夜も遅いし、シャーロットさんには僕から連絡をしておくとして。
「無常。他の部屋は空いてる?」
「呪術師なんて年中人手不足じゃから、空いておるが」
そこまで言って、霞の方を見る無常。
僕の腕の中にいる霞は、
「イヤ!」
「だそうじゃが」
「……そうなるよな」
結局、霞は僕の部屋に来ることになった。
まぁ、いつも通りだ。
そう。
いつも通りの夜が過ぎていった。
ーーーーーーーー
夜。
微睡みの中で、僕は誰かと会話をしていた。
靄が濃くかかっていて、それが誰かは分からない。
「君は誰を選ぶんだい」
……誰だ?
「私は私さ。まぁ、君には関係のないことさ」
関係のないこと。
そうか、そうだな。
「君は誰を選ぶんだい」
待て。
一体なんのことだ。
「君は誰を選び、どの結末を選ぶのか見届けさせてもらおう」
ーーーーーーーー
「長月ちゃん!」
「っ!」
僕の名前を呼ぶ声で飛び起きた。
僕を起こしたのは、
「つむぎ、ちゃん……?」
紡ちゃん。
寝ぼけた頭で彼女の名前を口にする。
「はい!」
「……なんで部屋に?」
「長月ちゃんが中々起きないからですよ。無常さんや霞さんも困っていましたよ?」
ずいぶん眠りが深かったみたいだ。
僕にしては珍しい。
疲れが溜まっていたんだろう。
「それよりも早く起きてください。今日はお出掛けをする約束ですよ」
そう言って、紡ちゃんは部屋のカーテンを開けた。
朝日が射し込んでくる。
笑顔の紡ちゃんを見ながら、僕はひとつ伸びをした。
また、1日が始まる。
なんか百合ゲーよりもギャルゲーの共有√寄りになりましたが……。
紡√は裏人格紡との和解
霞√はある呪霊との決着
明√は上層部からの解放
シャーロット√は実力を認められる
True√はヒロインずと協力して黒幕倒す
それぞれの√の結末はきっとこんな感じです。
悪ふざけ失礼しました。
本編ももう少しで完結になります。
お付き合いください。
次作でもアンケートとってますが、主要キャラ落書き(デフォルメ絵)してもいいですか? ※未経験者なので雰囲気だけ伝わればよいものとする
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よい・やってみせよ
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完結したんだからNG
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いや、むしろ私が書こう(有能絵師)