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放たれた銃弾が目的に達する前に、私の身体を貫いた。
「なっ!?」
「おいっ!?」
彼の方へ倒れ込む。
衝撃がないということは、彼は私を受け止め、抱きかかえてくれたのだろう。
「か……っ、は……はぁ……」
「なんで……なん、でっ!!」
「ど、せ…………私は、死……」
なんで、と叫ぶ彼に答えを返そうとするも、息がし辛く言葉が中々出ない。
どうやら今回の銃弾は肺を撃ち抜かれたのだろう。
咄嗟のことで呪力による防御が不十分だった。
……いや、今度は呪力を弾丸に纏わせたのだな。
流石は柳沼女史といったところか。
「っ、『毒蟲』ッ!!」
ーーゾゾゾゾッーー
「喰い殺ーー」
「やめっ、ろっ」
蟲を呼び、指令を出そうとしたところを止める。
当然だ。
攻撃しないという『縛り』をつけたのだから、それを破れば何が起こるか分からない。
本当は目的だけ聞いたら、杭葉の『毒蟲』で退散しようとしたんだが失敗だったな。
「だがっ!!」
「いい……もう、たすか……らん……っ」
「~~ッ」
杭葉のそんな表情は初めて見た。
半年というそれなりの付き合いだが、こいつのそんな顔を見れたのだ。
撃たれた甲斐もあったねぇ。
「なん、で……っ」
見れば、彼は泣いていた。
ボロボロと涙を流していた。
なぜ会って数日の人間相手にそれほど泣けるのか分からないが……いや、人のことは言えないか。
「きみ、が…………にて、た……から」
私に。
あの時、彼には偉そうに語ったが、家族を失い、自暴自棄になっていた時期なら私にもあった。
その時期が遅いか早いかというだけだ。
それを支えてくれる人がいたかいなかったかというだけだ。
その支えになろうとしたんだが、どうやらそれは叶わないらしい。
ならば、その代わりにーー
ーープスッーー
懐に忍ばせていた針を、彼の額に刺す。
彼の体が死角になっているようで、柳沼女史は気づかない。
好都合だ。
勿論、針に害意はない。
これは私の術式に必要なもの。
「おい、まさかここで……!」
杭葉の言葉に頷く。
事前に杭葉には話してあったからな。
彼の脳に何らかの『術式』が行使されていたことを。
そのせいで、彼の記憶や感情、思考が制限されていた。
胸糞悪い術式だ。
恐らく彼が何か不都合なことを思い出し、考えないようにしていた。
上層部が考えそうなことだ。
「……なに、を……?」
「うご……な、す……終わ…………」
だから、私がそれを壊してやろう。
彼が自分の生き方を、やりたいことをできるようにしてやろう。
私の『術式』なら、それができるのだから。
痛みのピークは当に超え、もう体に力も入らない。
最期の力を振り絞れ。
彼に声を届けろ。
「さて、はて」
「もう喋らないでっ」
「君は、何をしたいん、だい?」
その答えは悪趣味な『術式』が解けたらでいいさ。
杭葉にでも伝えてやれ。
私は、君がしたいようにできることを願っているよ。
ねぇ。
「ゆうせい、くん……」
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俺は、彼女が死んでいくのを黙って見ているしかなかった。
たかが半年の付き合い。
だが、漣は親友だった。
「…………漣……」
こいつに振り回されながらも、つるんでいたのは楽しかったからだ。
だから、こいつのしたいようにさせた。
それに付き合おうと思った。
……いや、分かってはいたんだろう。
俺が彼女のことを少なからずよく思っていたことは。
だが、踏み出せず、そのまま彼女を失った。
「ッ」
今更歯を喰い縛ったって遅い。
分かっている。
だが、俺はっ!
「俺はァァッ!!」
ーーゾゾゾゾッーー
「! 『縛り』を破るつもりかッ」
構うものか!
ここで漣の仇を討たずにいられる訳がない!
『縛り』を破ってでもーー
「待って」
俺を止めたのは、そいつの声。
漣を抱える針倉の声だった。
……待って、だと?
お前も漣と同じことを言うのか?
俺にこいつを殺すなと?
「そんなことできるわけないだろうッ!!」
『縛り』を破ってでもこいつは殺す。
そうしなければ俺の気が済まない。
「彼女の意思を」
「僕を庇った漣さんの意思を、君を止めた意思を無下にしないでください」
確かに、漣は俺を止めた。
『縛り』を破った時の俺の身を案じて。
そして、針倉を庇った。
自分はもう助からない。
ならば、せめて、と。
「だが、ならッ、俺はーー」
そこまで言って、俺は気づいた。
針倉の様子がさっきまでと違うことに。
「おい、針倉……」
「話は終わったか。順番は変わっちまったが、次は針倉だ。ちゃんと殺してやる。安心しろ」
痺れを切らしたのか、柳沼は針倉に銃口を向けた。
まずい!
呪力の操作を少しは教えたとはいえ、柳沼の練度には到底及ぶはずもない。
このままでは針倉が死ぬ。
「くっ」
ーーゾゾゾゾッーー
『縛り』があっても防御はできる。
彼女が針倉を庇おうとしたなら、この行動は間違いではないはずだ。
俺は『毒蟲』を放とうとして、
ーーパァンッーー
目を疑った。
急に柳沼の銃が暴発したのだ。
いや、違う。
暴発させたのか?
「…………」
針倉はおもむろに立ち上がった。
そして、ゆっくりと柳沼に近づいていく。
「チッ、ガキがっ」
柳沼も次の銃を取り出し、構えて、
ーーパァンッーー
また銃が破裂した。
これは、針倉がやっているのか?
俺の疑問はすぐに解消された。
「…………」
柳沼の前に立つ針倉は、手にした『それ』を彼女に突き刺した。
『針』
漣が術式の発動のために、針倉に刺した針。
それは不意を突かれた柳沼に突き刺さり、
ーーーーパァァァンッーーーー
彼女の身体をただの肉塊へと変えた。
血飛沫が針倉の体を真っ赤に染める。
その中で、彼は静かに微笑んだ。
張り付いたような気味の悪い表情で。
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次作でもアンケートとってますが、主要キャラ落書き(デフォルメ絵)してもいいですか? ※未経験者なので雰囲気だけ伝わればよいものとする
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よい・やってみせよ
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完結したんだからNG
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いや、むしろ私が書こう(有能絵師)