ソードアート・オンライン フェイタルバレットー切札の弾丸ー   作:トライダー

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 光の刃

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 鍔と柄の両方から伸びる光の刃。一見使いづらそうに見えるこの武器だが、この剣に必要なのは力では無く技だ。

 

「来な!」

 

 ヒューマノイド達が縦一列になり突っ込んでくる、青い光剣を持ったAGI型が前衛、赤いSTR型がその後ろにくっ付いている。

 手前のヒューマノイドが体を伸ばし槍のように剣を突き刺しに来る、リョウは両光剣を両手で構え左側の刃で剣を弾き逸らす。

 もう一体が時間差で剣を振り下ろすのを右側の剣で受け止める、片手で受ける時は腕が痺れたが両手で剣を持つことで負担が減っている。

 STR型の攻撃を受け止めているとその背後からAGI型が剣を突き刺しにくる。

 リョウはテコの原理でSTR型の剣を支点にして体を回し左側の刃で剣を防ぐ。

 STR型は鍔迫り合いを止め叩きつけるように光剣を振り回し、AGI型は自慢のスピードで小刻みに回転の速い連撃を振るう。

 上下左右の変則的な連続攻撃、しかしリョウは冷静に対処する。

 最小限の動きで両光剣を回し、STR型の攻撃はいなしAGI型の攻撃は力強く弾く。

 攻めあぐねたのかSTR型が距離を取り戦法を変える。

 円を描くように横回転、その勢いのまま飛び上がり全体重を叩きつけるように振り下ろす。

 それはリョウが先程吹き飛ばされた大技だった。

 

「おりゃっ!」

 

 だが一度貰った技を何度も貰いはしない、AGI型の攻撃を片手受け止め空いた右拳で殴り飛ばすと両光剣を地面へ突き刺し、それを体の支えにして飛びながら回し蹴りをお見舞いする。

 振り下ろす瞬間のガラ空きの胴体にカウンターを貰い大きく吹き飛ぶSTR型。

 着地すると殴り飛ばされたAGI型が体勢を立て直し向かって来る、そして加速のついた渾身の一撃を振り下ろそうとする。

 

「うぉらぁっ!」

 

 だがその攻撃をリョウは見切り、振り下ろされる剣へ向かって両光剣を振り上げる。

 《カウンター》の要領でパリィをくらい打ち上げられたAGI型は大きく体勢を崩す。

 

「せやぁっ!」

 

 その隙を見逃さず、横に回転し円を描きながら両光剣を大きく振いAGI型の胴体を切断する。

 立ち上がったSTR型は光剣を両手で持ち上段から力任せに叩きつけに来る。

 ステータスによるゴリ押し、しかしそれに対する対処はリョウにとって得意分野であった。

 頭部狙いの攻撃を左右の刃で捌きながら相手の動きを見極める。

 力任せの鍔迫り合い持ち込もうとして来るがそうは行かない、鍔迫り合いになる直前に脱力し後ろへ下がる。

 体の支えが無くなったことで前のめりに倒れそうになるのを足で踏ん張るSTR型の胴体へと両光剣の柄をぶつけて後退させる。

 

「うぉらぁっ!」

 

 地面に円を描くように回転しその勢いのまま飛び上がり全体重を叩きつけるように振り下ろす。

 二度STR型が繰り出してきた技を今度はリョウが繰り出した。

 赤と赤の刃がぶつかり合い激しい閃光と共に熱い火花が飛び交う。

 リョウの渾身の一撃を膝を突きながらも踏ん張りながらも力を込め押し返そうとする。

 

「はぁっ!」

 

 だがリョウは右手に力を入れたまま左手で両光剣を外し、青い光剣を逆手に持つとアッパーカットのように振り上げる。

 リョウが振り上げた光剣はSTR型の右腕を光剣ごと斬り飛ばす。

 

「うぉらぁっ!!」

 

 無防備になったSTR型へと腕をXに組むと四つに斬り裂いた。

 バラバラになったヒューマノイド達は光の粒子へと変わり消滅する。

 

「ふぃ……」

 

 ヒューマノイドを退け一息つく、しかし安心は出来ない。

 

「マスター!エネミーが来ます警戒してください!」

 

「分かった、アイはシールドを張ってその場所から攻撃しろ。入り口を狙え、取り零しは俺に任せろ」

 

「わかりました、マスターこれをどうぞ!」

 

 アイが投げ渡してくるUFGを受け取りしまう。

 まだボス部屋への転移装置は遠い、このままでは移動中に背中から撃たれる。

 ならばエネミーが一箇所から向かってきている以上、撃退する方が安全に進めると考えた。

 

 アイがメニューを操作するとホログラム状の小さな壁が出現する、その後ろに膝を立て座り全身を隠す。

 準備を終えた頃エネミー達の姿が見えてくる。

 リョウは目を閉じ静かに深呼吸をする。

 危険が迫るのに反応して心臓が強く跳ねるのを落ち着かせる。

 

(落ち着け……さっきのヒューマノイドがやっていた事を思い出すんだ。あいつらが使っていた光剣は俺の物と大して変わらない、つまり光剣は銃弾を弾く、いや『弾き返せる』)

 

 全神経を研ぎ澄まし己の感覚をフル活動させる。

 

 盾も張らず、部屋のど真ん中で目を閉じ突っ立っているリョウは格好の的である。

 そんな獲物をエネミー達が見逃すはずが無くライフルを構える。

 引き金に指を掛けようと指をかけバレットラインが照らされる、だが放たれるよりも早くリョウは行動を起こしていた。

 両光剣のスイッチを入れるとバレットラインへと沿うように光剣を置く。

 その瞬間に弾丸は放たれる、真っ直ぐ向かって来た鋭い弾丸は二つに切り裂かれる。

 相手がプレイヤーなら驚いたかもしれないが相手はエネミーだ、一発防がれただけでは何とも思わない。

 怯まず引き金を引き連射する、その後ろから現れたエネミー達も同じように攻撃を開始する。

 

(違う……こうじゃ無い、もっと…………)

 

 両光剣を高速で風車のように回転させ銃弾を防ぐ、しかし切ることは出来ても弾くことが出来ない、どうやら少しコツがいるようだ。

 

「援護します!」

 

 入り口から入って来ようとするエネミーをアイがランチャーで吹き飛ばす。

 彼女の攻撃のお陰で弾幕が薄くなる、するとリョウは無闇に回すのを止め、より感覚を研ぎ澄まし自分が狙われている場所を先読みする。

 己の感覚に逆らわず頭で考えるよりも速く両光剣を振るう。

 すると放たれた弾丸の内一発が切れる事なく別の方角へ弾かれる。

 

(ただ振り回すだけじゃ駄目か……もっと角度と勢いを………)

 

 全く別の場所だったがコツを掴む事は出来た、角度と勢いを調整していく。

 すると少しずつだが弾かれた弾丸がエネミー達のボディを捉え始めた。

 

(よし!この感覚だ!)

 

 一度覚えた感覚を忘れないように何度も何度も繰り返す。

 そうしている内にエネミー達はどんどん数を減らしていく。

 

「マスター突破されました!」

 

「任せろ!」

 

 再び高速で回し銃弾の雨を防ぐ、埒があかないと考えたのかエネミーは弾をばら撒きながら距離を詰めて来る。

 

「はあっ!」

 

 体制を低くし銃弾を躱しながらアンダースローの要領で両光剣を放り投げる。

 投げられた両光剣は赤と青の光の円を描き銃弾を弾きながら真っ直ぐ飛んで向かって来るエネミー達の胴体を纏めて斬り裂き壁へと突き刺さった。

 

 素早く空いた両手でコルト・パイソンとUFGを持つと残ったエネミーやドローンの弱点部分を撃ち抜いていく。

 

「マスター!スナイパーです!」

 

 残り最後のエネミーがスナイパーライフを構えるのを確認するとコルト・パイソンをしまい、UFGをワイヤーに変えて突き刺さった両光剣のグリップへと括り付け手元へと引き寄せる。

 回収した両光剣を使い銃弾を弾き返し最後のエネミーを撃退した。

 

「流石マスター!凄いのです!」

 

「ありがとな。けど褒め言葉は後で貰う、今は二人が心配だ行くぞ!」

 

「はいなのです!」

 

 降りて来たアイを抱えUFGの高速移動を使いボス部屋への転移装置を目指す。

 

 

 

 

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「くっ……もう弾が………」

 

「スティムもこれで最後ね……」

 

 そう言い最後の回復薬を自分の首へ撃ち込む、クレハも恨めしそうに最後のマガジンを装填する。

 

「しまっ……」

 

 移動しようとしたクレハの足がヒューマノイドのショットガンによって吹き飛ばされる。

 バランスを失ったクレハは勢いよく地面へと倒れる。

 

「クレハちゃん!」

 

 助け起すため飛び出そうとするツェリスカを別のヒューマノイドのマシンガンによるバレットラインが照らす。

 

「く……」

 

 すぐさま身を隠し射撃を回避する。しかし弾幕が激しくクレハの救援に行けない。

 足をやられ立ち上がれないクレハへと、ショットガンを持った三体のヒューマノイドが確実にトドメを刺す為距離を詰める。

 クレハも負けじとUZIを構えるが残りの弾で全てを倒すのは不可能、けれどせめて一体だけでもと覚悟を決めて引き金に指をかける。

 広範囲に広がるバレットラインが彼女を包み込む。

 

「うぉらぁっ!」

 

 しかしクレハが撃ち抜かれるよりも早く上空より飛来した二色の光の刃がヒューマノイドの体を縦に斬り裂く。

 

「はあっ! 大丈夫か二人共?」

 

「「リョウ!」」

 

 二人の身を案じながらも返す刀で残りの二体の頭部を斬り飛ばす。

 待ち望んだ援軍に喜びの声をあげるクレハ達。

 

「アイ、クレハを助けろ! 俺とツェリスカで二人のサポートだ」

 

「了解です!」

 

「わかったわ」

 

 アイはホログラム状の盾を展開してクレハと自分の身を射線から防ぐと回復を始める、リョウも盾の後ろに隠れながらツェリスカと共にヒューマノイドを攻撃する。

 衛生兵スキルの高いアイの治療はすぐに終わる。

 

「あ、ありがとう助かったわ……」

 

「水臭い事言うなよ、俺たちの仲だろ? 困った時や悲しい時は何時でも助ける……だから一人で思い詰めるなよ……な?」

 

「………うん!」

 

 リョウの言葉には今日のこと全ての意味が含まれていた。

 それを感じたクレハは頷く、その表情は先程とは違い明るい表情であった。

 普段の彼女と同じ表情を見てリョウも笑みをこぼす。

 

「よし! クレハはアイから予備の弾を貰ったら別の地点に移動してくれ、アイもクレハに弾を渡した後はツェリスカの側で彼女のサポートを頼む。一箇所に固まらず三方向から仕掛けるぞ!」

 

「了解!」

 

「わかりました!」

 

 アファシスの倉庫機能を使って予備の装備を補充したクレハは、全速力で盾から飛び出し右側にある障害物へと移動する。

 プレイヤーが増えた事でヒューマノイドのヘイトが分散し弾幕が弱まる。

 アイは左側で奮戦しているツェリスカのもとへ移動すると彼女のサポートにまわる。

 

「ボスは奥にいるデカいので良いのか?」

 

「ええ、でも気をつけてヒューマノイドが残っている間は攻撃が通用しないわ。それに……」

 

 ツェリスカがボスの特徴を話そうとしたが、それを知らないリョウはその前に謝ってヒューマノイドを倒しきってしまう。

 するとベネトレート・アイズの赤い目が激しく輝き大きなバレットラインがリョウへと向かう。

 攻撃が来ると察したリョウは盾の後ろに身を隠すが……

 

「駄目よリョウ!走って!!」

 

「!!」

 

 クレハの声と共に心臓が強く跳ねる、リョウの危険信号が強く反応している。

 その感覚と彼女の声を信じ彼女の元へ駆け出す。

 リョウが駆け出すと同時に青い光線が放たれ、ホログラムの盾を一瞬にして貫いた。

 もし移動していなければ間違いなくで消滅していただろう。

 

「何だよ今の一撃!?」

 

「あれがあのボスの唯一で最強の攻撃、直撃すればVIT極振りプレイヤーでも耐えられないわ」

 

「つまり奴にダメージを与えるにはあの一撃を躱しながら攻撃を仕掛ける必要があるのか……」

 

「そう言う事。しかもボスに攻撃が可能な時間はビームを合わせて三十秒間だけ、本来なら大人数で時間をかけて倒すボスなんだけど……」

 

 既に時間をかけ過ぎて装備が心許ない。アイのお陰で補充は出来たがヒューマノイドを相手しながらボスの残りの体力を削り切るのは難しいだろう。

 

「三十秒か……よしアイ、ツェリスカ!俺に考えがある、俺が突っ込むからクレハと一緒に援護を頼む!」

 

 片耳に付けた通信機を使い離れている二人へ作戦を伝える。

 

「でもそんな事をしたらボスの攻撃を喰らうわよ?」

 

「大丈夫だ『切り札』がある」

 

 そう言い心配そうに見つめるクレハに、懐から取り出した電球のような形をした機械を見せつける。

 

「分かったわ、あんたを信じる。任せたわよ!」

 

「おう、終わった後の褒め言葉期待してるぜ!」

 

 それが何なのか彼女には分からなかったが彼の自信を信じる事にし強く頷いた。

 アイとツェリスカからもOKが出た事を確認すると飛び出しヒューマノイド達へと向かって行く。

 単身で突っ込んでくるリョウへとヒューマノイド達のバレットラインが集中する。

 リョウは両光剣のスイッチを入れると高速で回し銃弾を防ぐ。

 攻撃がリョウに集中している隙を見逃さずクレハ達の二方向からの射撃がヒューマノイド達を一掃する。

 

 しかしその弾幕を弾きながら一体のヒューマノイドがリョウへと向かって来る。

 

「またコイツかっ!」

 

 それは先程リョウが戦ったヒューマノイド・ヘビーであった。

 先程よりも体格が大きい、恐らく先程戦った個体よりもSTRとVITが高い個体のようだ。

 銃弾を弾きながら振り下ろされる赤い光剣を赤い刃で受け止める。

 

「ぐっ……」

 

「マスター!」

 

 先程よりも重い一撃を両脚に力を入れて踏ん張る、アイ達も援護しようとするがそれよりも早く増援のヒューマノイドが現れその対処を優先する。

 

(予定よりも早いが……仕方ない!)

 

 リョウは両光剣の青い刃のスイッチを切る、そしてもう一度赤い刃のスイッチを押す。

 すると両光剣の赤い刃が強い光を放つ。

 

「はぁっ!」

 

 そのままリョウが少し力を入れるとヒューマノイドの巨体が大きく弾かれた。

 ヒューマノイドを弾き飛ばしたリョウの持つ光剣の色が『紫色』に変化する。

 

「せいやっ!」

 

 すぐさま体制を立て直し向かって来るヒューマノイドへと紫に変化した光剣を振り下ろす。

 ヒューマノイドもまた迎え撃つように体ごと大きく振るう。

 

 赤と紫の刃がぶつかり合う。

 

 しかしそれは一瞬、全く拮抗する事無く紫の刃はヒューマノイドの光剣ごと彼の肩から腰を斜めに斬り裂いてしまう。

 それもその筈この紫の光剣は両光剣の二本分のエネルギーを一つに掛け合わせ射出した物であり、一本の光剣で受け止めきれる筈が無い。

 リョウがヒューマノイド・ヘビーを倒すと同時にツェリスカ達が全てのヒューマノイドを倒しきる。

 

「これで全部よ!ボスの攻撃が来るわよ!」

 

 ベネトレート・アイズの目が光り、リョウの体の半分を覆うぐらいの大きなバレットラインが彼を照らす。

 しかしリョウはラインから逃げず寧ろ突っ込む。

 一秒とたたず放たれる青い光線、それを紫の光剣で正面から受け止めた。

 

「う……ぐぐぐぐ……」

 

 赤と青二本分のエネルギーを掛け合わせた紫の光剣、しかしそれでもボスの攻撃の方が威力が高いのか地面を削りながら押される。

 しかし止める事には成功したリョウは光線を受け止めながら先程クレハに見せた小型の機械を取り出し光剣の空いたもう一つの射出口に差し込んだ。

 すると、光剣がより強く輝き光を放つ。

 

 それはまるで太陽の如く。

 

「おおおおおおおおぉっ!!!ぜりゃあっ!!!」

 

 光剣を両手で力一杯握りしめ気合と共に大きく振り払う、宇宙船の装甲すら貫くと言われた凄まじい光線を斬り払ってしまう。

 

「これで決まりだっ!」

 

 光線を斬り払うと飛び上がりベネトレート・アイズとの距離を詰める。

 そしてその勢いのまま弱点である赤い目へと光剣を突き刺した。

 

「づぁっ!」

 

 両手で握りしめて光剣を根元まで深く差し込む。

 ベネトレート・アイズは悲鳴のようなノイズを響かせ、赤い火花を血液のように散らし体力を凄まじい速度で減らしていく。

 

 

 

 ジャスト三十秒、ボスの弱点である赤い目が閉じる、それと同時に光剣のエネルギーが切れ光を失う。

 再召喚されたヒューマノイド達が背中を向けるリョウへと照準を向ける。

 しかし引き金を引く前にヒューマノイド達の体が光に包まれ消滅する、それはボスの体力が途絶えた証拠であった。

 

 

 

 

 

      ⭐︎

 

 

 

 

 

 ボスエネミーを倒した事で最後の奥の扉が開く、クレハとアイが捜索にいって俺とツェリスカは一息つく。

 

「ふぃ、今日はやばかったな……」

 

 ダンジョンの深さにギミック、エネミーの数にレベルの高さ、今まで俺達が攻略して来たダンジョンと比べても頭ひとつ抜けた難易度であった。

 

「ええ本当に大変だったわ〜貴重なアイテムもだいぶ使っちゃったし」

 

「だな、でもその分このダンジョンの情報は高く売れるんじゃね? そうやって考えるとプラスマイナスややプラスって感じだな」

 

 出費は確かに痛いがこの情報をアルゴに売れば十分に元が取れる筈だ。

 

「クレハを助けてくれてサンキューな……」

 

「あら〜わたしは時間を稼いだだけよ、それに貴方だって凄かったじゃない」

 

「まぁな、ぶっつけ本番だったが上手くいって良かったよ」

 

 先程使った小型の機械《アダプター》を片手で遊ぶ。

 特殊弾であるエネルギー増幅弾を解析してより強力にした物で光剣と組み合わせる事でそのエネルギーを三倍にまで引き上げる事が出来るアイテムだ。

 光剣の接続と掛け合わせは実験通りだったが、コイツだけは実験が出来ていなかった。

 その為ぶっつけ本番で使ったが運が良かった、失敗していればエネルギーが逆流して自爆する羽目になってただろう。

 今回は上手くいったが次使う時はもう少しちゃんと調整してからだな。

 

「でも俺が言いたいのは戦闘の事だけじゃねぇよ」

 

「それこそお礼を言われる事じゃないわ。わたしは少しストレスになってる部分を取り除いただけ、後は貴方がしてあげることよ」

 

「分かってるよ、女の子のメンタルケアも男の仕事さ」

 

「なら良いわ〜ふふっ」

 

 笑いながらクレハ方を見る、今彼女はアイと一緒にパーツを探している、その表情は柔らかくいつもの彼女のものであった。

 ツェリスカと何か話したのだろう内容は分からないがそのお陰で彼女の心の重みが少し取り除かれたみたいだ。

 

「ふふふっ♪」

 

「どうした?」

 

 ふとツェリスカが俺の持つ両光剣を嬉しそうに見つめている。

 

「その光剣大事にしてくれてるのね〜」

 

「まぁな、今日はコイツらが無ければ勝てなかったし、どっちも俺にとって大事な存在さ」

 

「あらあら〜。なら『両方』大事にしてね?」

 

「ん? ああ勿論」

 

 一瞬彼女の言葉に意味深なものを感じたが気のせいだろうか、まぁ喜んでるし別に良いか。

 そうしてる内に二人が戻って来る、表情を見るに収穫はあったようだ。

 

「マスター!見つかりました!」

 

「お!本当か?そいつは良かった」

 

 ここまで来て実はパーツは別のダンジョンと言われたらどうしようかと思っていたが杞憂に終わってくれて良かった。

 アルゴには感謝しないとな。

 

「ツェリスカさんの分も見つけましたよ、はいどうぞ!」

 

「あらあら〜ありがとうクレハちゃん」

 

「いえ、ツェリスカさんには色んな意味でお世話になりましたから……」

 

「そう? なら彼に言うべき事があるんじゃないの?」

 

「は、はいっ!」

 

 緊張したおもむきで此方へと向き直るクレハ、どうやらツェリスカと話した内容が関係しているみたいだが

 

「あ、あのね………」

 

「お、おう……」

 

 こちらを真っ直ぐ見据え、時折り照れたように顔を赤くし下を向いてモジモジしている。

 なんだろう、正直メッチャ可愛い……

 彼女の姿に頬が緩みそうになるが真剣な彼女の為必死に抑える。

 

「今度の土曜リアルで会えない?」

 

 それは俺にとってこれ以上無い嬉しい提案であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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両光剣

二つの光剣を改造し接続させた大きな光剣。
防御に長けており、高速で回せば銃弾の雨すら防ぐ。
接続させた事で出力も僅かに上がっているが取り回しが難しく自爆する可能性も高い。
取り付けは簡単なのでいつでも外せる。

極光剣

両光剣の二つのエネルギーを一つの射出口から放つことでより強力な光剣を作り出す。
赤と青の光剣が混ざり合った事で紫色に輝き、威力は通常の光剣の数倍であり通常の光剣では防げない。
しかしその分エネルギーの消費と光剣自体への負担が大きく、細かい整備をしないと壊れる。

強化アダプター

小さい電球のような形の機械。
エネルギー増幅弾をより強力にした物で取り付ける事で出力を更に数倍引き上げる。
強力なアイテムだが危険性も高く細かい調整も必要で多用はできない
常にエネルギーを放出しているので三十秒でガス欠になる上に無理矢理の強化なので光剣の負担が大きい。
また使い捨てなのでコストも高い。


カバー・ヴィジョン

ホログラム状の小さいな壁を作り出す。
サポートターであるアイの身を守らせるためにリョウが持たせた。
耐久力が高くミニガンの斉射でも三分は耐えるが質量の大きな武器や一発の威力の高い攻撃には破られてしまう。

第四部 誰のサイドケースから見たい?

  • キリト
  • アスナ
  • クライン
  • エギル
  • シリカ
  • リズ
  • リーファ
  • シノン
  • ユウキ
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