ソードアート・オンライン フェイタルバレットー切札の弾丸ー   作:トライダー

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 指導

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「これが……わたし?」

 

 今わたしの目の前には茶髪のショートカットの少女が映っていた。

 あの後5つほどのVRゲームを試し結果は全て失敗、しかし最後の一つ《ガンゲイル・オンライン》を試してみると先程まで見下ろしていた視界が一気に低くなった。

 違和感を感じ、慌てて近くのガラスに自分の姿を映し出して見ると、わたしの背丈は元のわたしの胸の下ぐらいまで下がっていたのだ。

 

「ついに見つけたっ、やっと出会えた! ようこそちっちゃくて可愛いわたし!」

 

 小さいだけでなくまるで小動物のように愛らしい姿。

 その理想の姿にわたしは口の中に溜まった感動と喜びを体全体で吐き出して喜びを叫んだ。

 

「あいて!」

 

「あ……」

 

 しかし後ろに両腕を突き出した事で後ろにいた人に拳がぶつかってしまった。

 慌てて後ろを振り向くと、

 

「おいコラ、危ねぇだろうが」

 

「あ、あわわわ!……」

 

 わたしの拳が当たったのは顔に大きなキズを付けた、厳つい顔の男の人だった。

 その人は不機嫌そうな顔と声でより迫力を増していく。

 

「うん? その格好、もしかしてニュー……」

 

「す、すみませんでしたーーー!!!」

 

 男性を見上げる事の少ないわたしは、初めて味わう迫力に怯えてしまいその場から逃げ出した。

 

「ひぇーーー!!」

 

「うひゃあっ!?」

 

「ごめんなさいーー!!!」

 

 それから数分、逃げ出したはいいものの何処に行っても怖い人だらけ、焦ったわたしは街中を走りに走り、そして何かにぶつかった所で意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

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「ご、ごめんなさい!」

 

 騒ぎになって来た為リョウ達は噴水広場から少し離れた路地に移動し、やっと冷静さを取り戻したレンが彼等に謝罪をする。

 

「いや、こっちもいきなり前に出て悪かったな」

 

 レンと同じく軽く頭をかきながら謝罪をする。

 アイが来たのだと勘違いしたとは言え目の前に出て来たリョウにも非がある。

 

「紹介が遅れたな。俺はリョウ、こっちがデイジーでこっちのちんまいのがアイだ」

 

「ちんまくないです! 大人のレディなのです!」

 

 リョウの雑な紹介に腹を立てたアイが両手を振り回しながら抗議を見せる、しかし言葉とは裏腹にその行動は愛らしい小動物のようだった。

 

「わー!ちっちゃい! 二人ともすっごい可愛いアバターだね!」

 

「ちっちゃく無いのです!!」

 

 可愛いのが大好きなレンは、GGOには不釣り合いなぐらい愛らしい姿の二人にテンションが上がりつい言ってしまう。

 レンとしては褒めたつもりだったがアイは声を大きくして否定する。

 

「それにマスターは兎も角、わたし達はプレイヤーでは無いのです」

 

「え? でも……」

 

「わたし達はアファシスですよ」

 

「アファシス?」

 

 レンは初めて聞く《アファシス》と言う単語に首を傾げる、そんな彼女を見たデイジーが捕捉をする。

 

「アファシスと言うのはプレイヤーの体調管理から戦闘やクエストのお手伝いなどをする、GGOの最新サポートAIです」

 

「え、AI!? 貴女達が?!」

 

 二人の佇まいや会話、それらは普通の少女と何ら変わらない。

 寧ろ可愛らしい服装に身を包んだ二人の姿は、今の自分以上に女子力が高くすら見える。

 そんな二人が人間では無く人工知能だと知らされたレンは驚きの声をあげた。

 

「しっかし今どきアファシスを知らないところを見ると、やっぱりニュービーか?」

 

「は、はい。実は今さっき始めたばかりでテンパってしまって……」

 

 レンはリョウにぶつかるまでの経緯を話した。

 色々なゲームを試していたらGGOにたどり着き、この世界の雰囲気に驚き恐縮してしまった事、アイとデイジーは深く同情した。

 

「それは大変でしたね。マスター、この子を助けてあげましょう!」

 

「え、俺が?」

 

「レイちゃんの意見に賛成です。リョウさんももう立派なGGOプレイヤーです、そろそろ新規のプレイヤーを導くのもベテランプレイヤーの勤です?」

 

「いやでも、お守りなんて……」

 

「と、言う事です。貴女もそれでよろしいでしょうか?」

 

「う、うん! わたしも全然分からないから誰かに教えてもらえると助かるな」

 

 周りを見てみるとやはり怖い雰囲気のプレイヤーが多い、ここから一人で回ってもまた同じようにテンパって走り回ることになるだろう。

 それなら同じ女の子達と一緒に行動する方が何倍も良いと考えた。

 

「ふふん!それならわたしのマスターにお任せなのです。何てったってマスターはGGOでも有名な探偵で、最強で最高のプレイヤーなのです!」

 

「おい二人とも勝手に……」

 

「マスター、プレイヤー同士は助け合いなのです。マスターだってクレハやツェリスカに色々教えて貰ったのです。今度はマスターがニュービーを助ける番なのです!」

 

 アイに言われてリョウは初めてクレハにGGOに連れて来てもらった日のことを思い出す。

 アイの言う通り何も知らなかったリョウは、クレハやツェリスカにイツキやジョーなど様々なプレイヤーに助けられて来た。

 しかし彼女にはその相手すら居ないのだ。

 

「……それもそうだな。よし、お前さえ良ければ俺が案内してやるよ、どうする?」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

「あいよ、それじゃ行くかおチビちゃん」

 

「もうマスター、失礼ですよ。そんな事を言ったらレンだって怒って……」

 

 リョウの小馬鹿にするような言い方に注意しようとするアイ。

 しかし、

 

「チビ……チビ……えへへ〜」

 

「れ、レンさん?」

 

「はっ! な、何でも無いよ!」

 

「お、おう」

 

 アイの心配とは裏腹に『チビ』と言う単語に酔いしれるように口を緩ませるレン。

 デイジーの心配そうな声で意識を取り戻したレンは両手を振って誤魔化す。

 からかおうとしたリョウもレンの奇行に少し引いていた。

 

「しっかし、何から手をつければ良いんだ?」

 

「そんなに深く考えなくても、リョウさんがGGOに来て最初にした事から考えていけば良いんですよ」

 

「俺が来て最初にした事かぁ……………あっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あの、リョウさん?」

 

「んー? どうしたデイジーちゃん?」

 

「何故わたし達は『服屋』に居るのでしょうか?」

 

 四人がやってきたのはらGGOでは珍しいミリタリー系以外も取り扱っているリョウのお気に入りの服屋。

 

「何でって、俺がGGOに来て最初に買ったのが服だから」

 

 呆れた様子で尋ねるデイジーにしれっと答えるリョウ。

 

「リョウさんGGOに来て初めに服を買ったんですか?」

 

「おうよ! 身だしなみは大事だしな。まぁそれでクレハに怒られちまったけど……」

 

「それはそうですよ。普通まずは初期のお金で銃を買いますから、服なんて後ででも良いのでは?」

 

「まぁそう言うなよ、本人は楽しんでるみたいだし」

 

「これなんてどうですか?」

 

「えー!どれどれ〜?」

 

 リョウが指を刺した方に居るのはアイと一緒に楽しそうに服を見ているレンの姿。

 元々背が高いせいで中々好みの服が買えず悶々としており、大して銃や戦場に興味の無いレンはさっそくのオシャレのチャンスにウキウキしていた。

 

「……まぁレンさんが良いのなら構いませんけど」

 

 色々言いたいことはあるが、当の本人が喜んでいるのなら何も言うまいとデイジーは思った。

 

「う〜ん……あんまり良いのが無いな。レイちゃんやデイジーちゃんみたいな可愛いのが良いのに」

 

「わたし達の服はモンスターの素材を集めて作った物ですから、現在では難しいと思うのです」

 

「そっか、残念だな」

 

 自分にあった服を探すレン、しかしGGOの世界観の為か服装はどれもミリタリー系のものやSF系の物ばかり。

 とても女の子らしい服装では無くレンは残念そうにする。

 

「そんな事ないぜ、今ある材料でも可愛くすることは出来るって」

 

「え? どうやってですか?」

 

「まずはそうだな……デイジーちゃん、この中で安くてそこそこ性能の高い服を選んでくれ。あ、オプションの事も考えてくれよ」

 

「はい、それなら右端の2段目の服など如何でしょう? 防弾防刃に優れていてお手頃だと思います」

 

「え、これ?でもこれ可愛くは……」

 

 デイジーに言われてリョウが持って来たのは、灰色のコンバットシャツとカーゴパンツ風のズボン。

 今あるお金で買える程安いがお世辞にも可愛いとは言えず、寧ろ今着ている服装よりも地味に見える。

 

「いいからいいから、ほら早く着替える」

 

「あ、ちょっと!」

 

 リョウはごねるレンの後ろ襟を掴むとを半端無理矢理試着室に放り込む。

 不満に思いながらもレンはメニューを操作して服装を変えた。

 

「着替えましたけど……うーん、やっぱり地味かな?」

 

 少しして新しい服に着替えたレンが不服そうな表情で扉を開ける。

 やはり服装は地味めで先程よりも軍人らしくはなったが、とても花の女子大生のする格好では無い。

 

「慌てない慌てない、ちなみにピンク色は好きか?」

 

「え? はい、一番好きな色ですけど……」

 

「なら良かっ、た!」

 

 リョウが試着室の端に付けられたボタンを押すと、突然試着室の扉が『バンッ』と勢いよく閉まり鍵が閉められる。

 

「え、ちょっと!何!? リョウさん?!何したの!?」

 

 慌ててドアノブに手を掛けるが鍵は開かない。

 レンが焦っていると試着室の壁や天井からスプレーガンのような物が現れてレンへと照準を付ける。

 

「きゃあああああああああっ!?」

 

 プシューッとスプレーの出る音にレンの悲鳴が掻き消される。

 それから10秒程経ち、スプレーの音が消えると試着室の鍵の開く音がし扉が開く。

 

「けほっ!けほっ! もうリョウさん、いきなり何するんですか! ビックリしたじゃ無いですか!」

 

「あっはははっ!悪い悪い。でもほら鏡を見てみな」

 

 別に煙たくは無かったが、いきなりなことに驚き現代のリアクションをとりながら怒りを見せるレン。

 誤魔化すように後ろの鏡を指さすリョウに、むくれながらも後ろを振り向く。

 

 するとレンの服装が先程までの無骨な迷彩服とは打って変わり、ピンク一色の愛らしい服装へと変わっていた。

 

「きゃぁー!可愛いっ!」

 

 鏡の前で一回転し全身を見てみる。

 頭以外がピンク一色に染まり背丈のこともあってかマスコットのように見える。

 

「成る程、ピンク迷彩ですか」

 

「ピンク迷彩?」

 

「ああ、実際の軍人も使ってる迷彩でな。主に砂漠や荒野に溶け込みやすい、しかもGGOは設定上空気汚染が進んでるから、より効果が高いんだ」

 

「へぇ〜」

 

 生まれ変わった自分の服装を気に入ったレンは、リョウとデイジーの説明を聞き流しながら様々なポーズを取っている。

 

「でも色を変えただけでこんなに可愛くなるなんて」

 

「だろ? ちょっとした変化で見た目ってのは大きく変わるもんさ。あと、こいつはプレゼントだ」

 

「わわっ!」

 

 そう言ってリョウがレンの頭に被せたのは、まるでウサギを彷彿とさせる耳垂れがついたピンクのニットキャップだった。

 服の色と相まって、その姿はまるで小さなウサギのようだった。

 

「わ、凄い可愛い! 良いんですか?」

 

「ああ、大事にしてくれよ」

 

「はい!」

 

 帽子を被った事でより一層マスコット感が強くなり、理想とする愛くるしい自分へと変わる。

 リョウの言う通り少し色を変えたり小物を足すだけで大きく変わる、レンは今の格好がかなり気に入った。

 

「うし、じゃあ次はフィールドに出てみるか、せっかくのピンク迷彩だしやっぱ砂漠や荒野かな?」

 

「そうですね。グロッケンを出て直ぐの初心者用のステージが適任だと思われます。でも武器やアイテムの購入もしてないのに大丈夫でしょうか? それに戦闘チュートリアルもしませんと」

 

「んなもん実戦で覚えていけば良いさ、チュートリアルなんて俺たちがいない時でも一人で出来るしな。それに俺たちもサポートするから大丈夫だよ」

 

「デイジーも行きましょう! 初心者レベルの敵ですし、何かあったらわたし達が守るのです!」

 

「……そうですね、わたしも同行します。レンさんもそれで良いですか?」

 

 本来戦闘技能が全くと無いデイジーが外に出ることは無いが、レンの事が心配になりリョウ達と一緒に行くことにした。

 デイジーの心配とは裏腹にレンは元気に胸を張る、服装を一新したレンは初心者とは思えない程に気合が入っていた。

 

「うん勿論、寧ろどんとこいって感じ! 今なら何が来たって負ける気がしないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「きゃあああああっ!!! 助けて〜〜〜!」

 

 先程の威勢とは裏腹に、レンは悲鳴を上げながら荒野の中を走り回っていた。

 そんな彼女の様子をリョウ達は少し離れた岩場の上に胡座をかきながら見守っている。

 

「リョウさ〜ん!助けてくださいよ〜!!」

 

「それぐらい自分でやれ」

 

 彼女は今一匹のモンスターから逃げ回っていた、彼女が戦っているのは《アジテーティングビー》と呼ばれる初心者用のレベル1のモンスターだ。

 初心者用と言うこともあって誰でも簡単に倒せるほどに弱いモンスターである。

 しかしその見た目は巨大なスズメバチである、そこまで虫が苦手という訳では無いレンでもその姿は恐ろしく逃げ回っているだ。

 

「そんな〜!サポートしてくれるって言ったじゃ無いですか!」

 

「だから他の奴は倒しただろうが、そいつぐらい倒せないといつまで経ってもレベルアップしないぞ!」

 

「はいリョウさん。お茶ですよ」

 

「ありがとうデイジーちゃん」

 

「飲んでる場合かーーー!!!」

 

 実際リョウは元々9匹居た内8匹を倒している。

 その為経験値の殆どはリョウのものとなっており、これ以上甘やかしてはいつまで経ってもレベルが上がる事はない。

 そう思ったリョウはレンのSOSを無視してアイ達とお菓子を食べながら見守ることにしたのだ。

 

「ひいぃぃぃぃっ!!」

 

「目を閉じるな、ちゃんと相手を見ろ!」

 

 なんとか振り向きプロキオンSLの引き金を引く、しかし目を瞑って放たれたエネルギー弾はモンスターに当たる事なく逸れる。

 勿論動くモンスターである以上反撃もして来る、モンスターのお尻の針が光り吹矢のように針を飛ばす。

 

「きゃあっ!? ううう撃ってきましたよ!!」

 

「落ち着け、冷静になってバレットラインを見極めろ。攻撃は単発だし弾速も遅い、よく見れば簡単に避けられる」

 

 リョウの言う通りこのモンスターは元々群れで動き、一斉に弾幕をはってプレイヤーを倒すタイプの敵だ。

 しかし殆どをリョウが倒している為、針の数は少ない上に弾速が遅く、標準もブレブレでよっぽど下手な動きさえしなければ当たることは無い。

 

「照準が苦手なら距離を詰めろ。近づけば嫌でも当たる」

 

「は、はいっ!」

 

 攻撃が当たらないと分かれば恐怖は薄れる。

 レンはリョウの指示通りモンスターに近づきながらプロキオンSLを連射する。

 先程よりマシになったが無茶苦茶に放たれたエネルギー弾はやはり外れる、しかし距離が近づいたことでモンスターも弾を避けきれなくなる。

 

「良いぞ、当たらなくても弾幕は牽制や威嚇になる。そのまま突っ込め!」

 

「はいっ!」

 

 反撃に針が飛んで来るがバレットラインに入りさえしなければ怖くない、向かって来るラインから体を逸らし連射を続ける。

 やがてプロキオンの弾はモンスターの羽を擦り、そこから腹や胸頭部を捉えモンスターを撃破した。

 

「ぷはぁっ! はぁ〜怖かった〜」

 

 初めての戦闘が終わり座り込みながら思いっきり息を吐く、最後の連射はかなり集中していたせいか呼吸を忘れたいたようだ。

 

「お疲れさんバニーちゃん。どうだ、初めてモンスターと戦った感想は?」

 

「もうすっごい怖かったですよ!何で助けてくれないんですか?!」

 

「仕方ないだろ? レベルが上がらないと先に進めないんだからよ」

 

「それはそうですけど……もしかしてGGOってさっきみたいなモンスターばかりなんですか?」

 

「安心しろ、GGOのエネミーは殆どロボットみたいな敵ばっかだ。怖いのは最初だけだよ」

 

「できればそう言うのと戦いたいんですけど……」

 

「やめとけ、今のお前じゃ瞬殺されるぞ? それに一匹倒したら自信もつくもんだ。次からはもっと上手くやれるよ、がんばれ」

 

「は〜い……」

 

 リョウの言う通り本人は気が付いていないが、レンの中には既にモンスターへの恐怖は薄れつつあった。

 

「そう言えばレベル上がりましたけどステータスってどう振ったら良いのかな?」

 

「そうだな、さっきのお前の戦い方を見るにやっぱりAGIの方に……」

 

 それから1時間、リョウ達によるレンの指導は続いた。

 初めてのことだらけにレンはかなり疲れたが、リョウの指導もあって一度も倒される事なく、みるみるレベルと経験を上げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「はぁ、疲れた〜」

 

 ログアウトしたわたしは外したアミュズフィアをベッドの上に放り投げ、そのまま大の字で寝転がる。

 

「VRゲームは疲れるって聞いてたけど、ここまでとはね〜」

 

 初めての感覚に疲労感を覚える、しかし心中は自然と晴れやかだった。

 

「でも良い友達ができて良かった。レイちゃんはちっちゃくて可愛いし、デイジーちゃんもしっかりしてて良い子だし」

 

 理由は出会った二人のアファシス。

 最高のアバターを手に入れたが良いが、GGOの恐ろしい雰囲気にな飲まれそうになっていたわたしにとって二人の存在はまさに救いだった。

 

「リョウさんは……いい加減だし、悪戯好きだし、女好きだし……」

 

 対してリョウさんは、サポートすると言いながら殆ど放ったらかしだったり、試着室での塗装で驚かしたり、その後店員や女性プレイヤーを口説いたりと、いい加減な人だ。

 と初めて出来た男の知り合いへの評価はあまり高く無い。

 

「まぁでも悪い人では無い……よね?」

 

 とは言え本当に危なくなった時は助けてくれたり、わたしが困っていれば色々と教えてくれた。

 そのおかげか今日はノーデスでレベルをかなり上げる事ができた。

 レイちゃんとデイジーちゃんが慕っている姿から見ても悪い人間では無いように思えた。

 

「う〜ん、早く明日にならないかな〜! 早くレンになりたーい!」

 

 まだ一人でログインするのが怖い香蓮は、明日も一緒にプレイする事を約束している。

 正直リョウさんの事は苦手だけどあの二人とまた遊べる事が楽しみだった。

 

 この街に引っ越してきてからは明日になるのが怖く眠るのが不安になっていたが、今日はよく眠れそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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第四部 誰のサイドケースから見たい?

  • キリト
  • アスナ
  • クライン
  • エギル
  • シリカ
  • リズ
  • リーファ
  • シノン
  • ユウキ
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