Historia~彼女を救う彼女の物語~   作:瞬く陰と陽

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彼女らと彼らのランデブー

『おい!!どうして電気がつかないんだ!!』

 

『今確認している!!あんたはこの部屋を出るんじゃない!!』

 

喚き立てる男に苛立ちを隠さずに

リーダーらしきFOX隊員が命令すると男は更にいきりたつ。

 

『貴様ッ!この私になんて口を!?』

 

もはや男に構っていられない隊員は部下の一人に扉の外の警護を任せると小隊を引き連れて状況の確認に向かってしまった。

 

一人取り残された男は静寂の中に自身に忍び寄る死の気配を感じとり恐怖した。

しかしすぐに一つしかない扉が開き外のFOX隊員がゆっくりと中に入ってきた。怖じ気づいた己に気付かれまいと怒声を浴びせようとしたが、隊員の様子に違和感を感じた。隊員は武装を解き両手をあげてこちらへ歩いてきてそのまま膝をついていった。彼の後ろからは長身の美しい女性が鈍く光る拳銃を構え、その隊員に銃口を突き付けていた。

男の目の前には死、そのものが具現化されていた。

 

『…お、お前は…い、一体…』

 

『お話を聞かせていただけますか?』

 

女のさらに後ろから出てきたのは、東洋系の幼い少女のようだった。

 

『は、話だと?!話すことなど何も…ヒィ?!!』

 

虚勢を張ろうとしたが長身の女が放つ凍りつくような眼差しに腰を抜かしてしまった。

 

『お話を…聞かせていただけますね?』

 

『は、はい…』

 

 

 

『…新型核搭載戦車…メタルギア…』

 

紫苑は思わぬ事件の発端となった兵器、メタルギアの存在に愕然とした。

紫苑は核に対して抱く感情は-畏怖-である。

未来の日本から迷い込んだ紫苑はやはり核の恐ろしさは聞き及んでいる。

そして、ザ・ボスやスネークも被曝している。彼らの背負った苦しみを考えると紫苑には許容できるモノではなかった。そんな核が新型メタルギアによって世界中どの国の領内へも侵入し、単独で敵国を制圧する悪魔の兵器。

 

『…核は…今、どこに?』

 

青ざめてしまった紫苑に代わり、合流したアイリーンが厳しい顔で政府高官を尋問していた。新たに現れた女も恐ろしい気配を放っており怯えながら話し出す。

 

『か、核は半島東南部の弾道ミサイル打ち上げ施設に運び込まれたはずだ。』

 

『ミサイルサイロ…』

 

『…あとは何も知らない…頼む命だけは…』

 

命乞いをする男を冷たく睨むとアイリーンは踵を返し紫苑達の元へ向かう。

ほっと胸をなでおろす男にぼそりと零す。

 

『楽に死ねると思わないことね…』

 

男は今度こそ意識を手放した。

 

 

 

『紫苑…平気かい?』

 

しゃがみ込んでしまった紫苑の背中をトップがさすり落ち着かせようとしている。

だいぶ気分が回復してきたのか紫苑が立ち上がり三人を見る。

 

 

 

‐謎‐は言う

 

『あなたのしたいことはわかってる。共にいきましょう。』

 

‐白馬‐は言う

 

『ようやく奴らの反乱の目的が分かった。絶対に阻止するよ!』

 

‐兜‐は言う

 

『これも誰かさんのお導きかしら?…お姉さんたちに任せなさい。あなたの願いは私たちが叶えてみせる。』

 

 

傅く三人の戦乙女に今、少女は運命を選び取る

 

 

 

黒き甲冑を纏いし戦乙女が運命に戦いを挑むため立ち上がる

 

 

 

 

『…絶対に、…絶対に止めてみせるよ!私に力を貸して!』

 

 

 

真っ直ぐな少女の願いに三人は頷く。また一つ歯車が動き出す。

 

ステージは整い、また一人の主役が到着する。

 

 

 

『…これは…お前たちはいったい何者だ?』

 

『…?!スネークッ!!』

 

『な?!紫苑!!無事だったのか?!』

 

銃を手に管制塔に忍び込んできたスネークが見たのは、見知らぬ女性たちと抱き合う愛しい少女。

自分を見つけて一も二もなく飛び込んできた紫苑を戸惑いながらもしっかりと抱きしめる。

その腕の中から漂う香り、伝わる鼓動、柔らかな感触がその存在を心に刻み込む。

 

『無事でよかった…心配したぞ、紫苑。』

 

『会いたかった…会えてよかったよ、スネーク…』

 

抱き合う二人を何とも言えずに見つめる三人。

その均衡は新たな来客者によって破られる。

 

『スネーク、そろそろ状況を説明してくれ。さっきからロイが無線の向こうでわめいてるぞ。』

 

『…あぁ。そうだな、ジョナサン。紹介しよう、この子が紫苑。俺と同じくFOXに拉致されてここにいる。…お前より腕が立つぞ。』

 

そういって紹介された紫苑の目の前には一人のソ連兵士が立っていた。

見つめあう二人に会話はなくぺこりと少女が頭を下げると男はビクッと体を震わせると遅れて自分も頭を下げた。

 

『それで…そっちの女性たちは?』

 

『私に力を貸してくれる大切な仲間‐家族‐よ。みんなすごいんだから!』

 

飛び跳ねるように喜んで彼女たちを紹介する紫苑を眩しいものでも見るように残された左目を細めるスネーク。

 

『お逢いすることができて大変光栄ですわ、BIGBOSS。私はアイリーン。どうぞよろしく。』

 

『あたしの名はトップ。こっちはパーセフォニーだ。』

 

『…そうか、紫苑に協力してくれているようだな…君たちはここで起きていることをどこまで把握している?』

 

深刻な声で尋ねるスネークにアイリーンが答える。

 

『そこに転がってる政府高官から新型メタルギアと核弾頭について聞いたわ。核は今、ミサイルサイロにあるそうよ。』

 

『…!ミサイルサイロか…紫苑、俺のほうの仲間も紹介したい。一緒に来てくれるか?』

 

紫苑の眼を見つめスネークが問うと紫苑は力強く頷く。

 

『もちろんよ!核を使うなんて絶対に許せない!必ず止めようスネーク。』

 

紫苑の反応にスネークは自分についてくるように全員に言うと管制塔を先行して出て行った。

 

『よかった…やっと合流できた。』

 

安心したように呟く紫苑の姿をアイリーンは複雑な思いで見ていた。

 

『…アイリーン…』

 

『分かってるわ、パーセフォニー。』

 

小さく声をかけてきたパーセフォニーに同意するように応えるアイリーン。

 

『あの男‐BIGBOSS‐私たちを敵視していたわ。』

 

『…それはあたしも感じたが…状況が状況だ。』

 

『…杞憂ならいいんだけれど…』

 

 

『どうしたの?何かあった?』

 

動き出さない三人を不思議そうに紫苑が見ていたが、それを笑顔でアイリーンがかわすと四人は足早に空港を後にした。

 

小さな不安の種をその胸に宿して。

 

 

~~~~~~

 

紫苑達が立ち去った後、放置されていた政府高官は目を覚ました。襲撃からどれ程の時間が経ったのかは分からなかったがどうやら周りには誰もいないようだ。

 

『いったい何者だったんだ、女ばかり…しかも東洋人の子どもだなんて。』

 

己の身に起こった恐ろしい出来事を思い出していると部屋の外から声がした。

 

『お~い!誰かいないか~!』

 

その声は自分をこんなところに置き去りにしたFOX隊員の声だった。

 

『…おぉ…戻ってきたのか。』

 

ようやく安心したのか深く息を吐くと部屋を出ようと入り口に近寄った。

 

『貴様!いったい何をしていたんだ!危うく殺されるところだったんだぞ!』

 

 

 

『安心して。素直に答えれば殺しはしないわ。』

 

男は金の眼と赤い髪、青い肌の美しき死神に、その命を囚われることとなった。

 

 

~~~~~~

 

『へぇ?これが噂のシオンちゃんか~。なかなかキュートだな!』

 

『やめろ、ロイ。手を出したら…殺すぞ。』

 

いつもの癖で紫苑をじろじろと見る軽薄な男にスネークが怒気を強めると両手をあげて男は離れる。

 

『冗談だって。さすがに俺もローティーンに手は出さないよ。』

 

『貴方失礼ね!私は20歳よ!』

 

あまりなロイの言葉に紫苑が憤慨するとみんなが目を丸くした。

 

『マジかよ!!それなら全然アリだn…冗談だって…』

 

『紫苑…成人してたのか…』

 

『若いっていいわね…』

 

 

『…トップ、アイリーン?まさかあなた達も?』

 

じろりと紫苑が二人をねめつけるとサッと目を反らした。

思わず紫苑が口を尖らせているとポンと頭に手が置かれた。

 

『すまない、紫苑。俺たちと比べると東洋人はどうしても幼く見られがちなんだ。許してくれ。』

 

『あ、いや、別にホントに怒ってたわけじゃないので…慣れてますし…』

 

そのソ連軍兵士、ジョナサンは紫苑の反応にクスリと笑うとひらひらと手を振って仲間たちの元へ行ってしまった。

 

『…おい、あいつはいいのか?』

 

『お前と違って下心がないんだ、ロイ。』

 

ヒラヒラと手を振りかえす紫苑を遠くから見つめながらロイとスネークは話している。

 

 

 

『…それでお嬢ちゃんはともかく他の奴らはいいのか?』

 

『紫苑が信頼しているんだ。表立って何かするまでは見張っておくしかないだろう。』

 

『‐何か‐したら?』

 

『……俺が紫苑を守るさ。何をしてもな……』

 

 

 

 

スネークの引き入れた仲間、ロイ・キャンベルたちと合流した紫苑達は次の行動について話し合っていた。

 

『政府高官の言っていた核発射施設には偵察隊を送っている。そろそろ帰ってくるころだが…』

 

『今戻った。おや?そちらの御嬢さん方は…』

 

『…?!あなたはパイソン?!』

 

そこにはFOX隊員、パイソンが幾人かの兵士を引き連れて偵察任務から帰還していた。

 

『知り合いだったのか?』

 

『ちょっと探し物を手伝ってもらったんだ。…やはりスネークの関係者だったのか。』

 

『この人も仲間にしたの?』

 

紫苑がスネークに尋ねると古い知り合いでなと頷いた

 

『そう。よろしくパイソンさん。』

 

笑顔で手を差し出す紫苑にパイソンは驚いた。表情には出さなかったつもりだがスネークが少し笑ったところを見るとどうやら顔にも出ていたらしい。

 

『お前、俺が恐ろしくないのか?』

 

『戦うとなれば恐ろしいけど…スネークの友達なんでしょう?』

 

当然のように言う紫苑に今度はスネークも少し驚いているようだ。

 

『…あれ?違った?』

 

きょろきょろとあたりを見回す紫苑。

 

『そんなことを言われたのは初めてだが……悪くない。』

 

最後のほうはパイソンの心の中に留めておくくらいのボリュームだったが目の前の少女は嬉しそうに笑っている。

 

 

悪くないとパイソンはもう一度思った。




ようやく合流
ミスティークさんも上陸

次回彼らもようやく登場&再登場

そして話が全然進まない件

それでも頑張ろう
ワールドカップも観ずにがんばろう
日本代表と同じくらい応援してね♪



すいません、調子乗りましたorz
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