Historia~彼女を救う彼女の物語~   作:瞬く陰と陽

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お久しぶりです

今月末のデレマスライブに遠征することが決まった瞬く陰と陽でございます

参戦日時は11/29です

同日参加される方共に最高のライブを楽しみましょう!

またあとがきにて-少しだけ?未来の話-をつけておきますのでどうぞお楽しみに


The People with no name

そこにいたのは紛れもなく鬼だった。

 

 

「ねぇ紫苑。あなたに会うのはいつぶりだったかしら?」

 

「…えっと…一月ぶり位?」

 

「正確には26日と11時間42分ぶりね。」

 

「あ…うん…あのねレイブン?」

 

「いいのよ紫苑。怒ってなんかいないわ。

 

 別にお出迎えがないからって怒ったりしないし、

 

 新しいご友人が血まみれでいたって怒らないわ。」

 

「…いや絶対怒ってるよね…」

 

にっこりとほほ笑む美女の足元に膝をそろえて折りたたんだ屈膝座法、いわゆる正座をして床に座らされているのは彼女、レイブンの主にして―最愛の人-九頭紫苑である。

 

今のところそうは見えないがこれも愛ゆえである。

 

 

「もしも私が怒っているとすれば…それは貴女が独りで危険な輩を追いかけたことよ。」

 

ぐうの音も出ぬ正論に目を逸らすしかない紫苑だがそれを許すレイブンではない。

事態は一時間ほど前までさかのぼる。

 

 

 

流れる汗をタオルでふくとアイリーンはようやく一息つくことができた。

銃撃されたウェインライト博士の治療も終わり容体も安定していた。

 

「博士をベッドに運んで置いたわ。」

 

「ありがとうパス。向こうも片付いた頃でしょう。」

 

バーカウンターに並んで座ったアイリーンとパーセフォニー。

突然の襲撃という不測の事態にも関わらず二人は落ち着きを取り戻していた。

棚に置いてあったワインを開けるとグラスへと注ぎ、どちらからともなく軽くぶつけて口に含んだ。

静かな音楽でも流れそうな雰囲気だがウェインライト博士の来店が開店前だったためにジュークボックスの電源を入れていなかった。

ふと顔をあげたパーセフォニーがつぶやいた。

 

 

「……誰か階段を下りてくる。…これは…女ね。数は1。」

 

「…ひとり…約束の時間よりも大分早いわね。」

 

 

「急に胸騒ぎがしたものだから。私の勘はよく当たるの、特に…紫苑に関してはね。」

 

開いた扉の先にいたのは九頭紫苑によく似た赤い髪の女性。

 

「お帰りミスティーク。ボスはちょっとお出かけ中…フリスビードッグみたいにね。」

 

「フリスビーね…今どきのフリスビーは血を流すのかしら?」

 

「フリスビーは2階に片づけてあるの。犬はトップとウルスラが追っかけてるわ。」

 

ハァとため息をついたミスティークはアイリーンの隣の席に座った。

 

「それで-忘れ物-はどうだったのかしら?」

 

ワインをミスティークへと差し出しながらアイリーンが尋ねると薄く笑ったミスティークが書類を差し出した。

 

「此処にはS.H.I.E.L.D.-戦略国土調停補強配備局-も

 

 ―恵まれし子らの学園-もいないから仕事がやりやすかったわ。」

 

「あら?退屈させちゃったかしら…ラングレー-CIA-もあなたにかかれば赤子同然ね。」

 

「…と言いたいところなのだけれど…これからはそうでもなくなるかもしれないわ。」

 

そういうと書類を指さす。そこにはある機関の設立計画が書かれていた。

 

「…-国家を超えた諜報ネットワーク-…」

 

「そう。あのサンヒエロニモ事件でCIA上層部の大幅な入れ替えがあり、そこで実権を握ったのが…」

 

 

デイビッド・オウ

 

 

「分かったのはその名前と過去にスネークイーター作戦を立案したことぐらい。

 

 それと…あの男の関係者らしいわ。…全く厄介な英雄様ね…」

 

「なるほど…こちらもいろいろと調べてみるわ。それで-本命-の方は如何なの?」

 

 

するとポケットから一枚のメモを取り出してアイリーンへと渡した。

 

「貴女からもらったリストの人物はほとんどはこの世界には存在していなかった。

 

 …そう―ほとんど―はね…そのリストの人物たちは一体なんなの?」

 

リストの人名の中にはミスティークが知る人物の名もあり、そのうえ彼はこの世界に存在していた。幸いにも裏の顔は未だ見せてはいないようだったが。

しかし直感的にそのリストの名は自分が知らないものも含めて超A級の危険な顔ぶれだろう。

それを調べるように依頼してきた事にやはり不審は拭えなかった。

 

「…紫苑は私やパーセフォニーとは違う世界からやってきたと推測される。

 

 つまり、他にも-いる-可能性があるってことよ。貴女のように…

 

 そしてそれらは必ずや世界に何らかの影響を及ぼすはず、それが紫苑のためになればいいけど。」

 

「そうならない可能性もある…」

 

「パーセフォニーの言う通り世界は紫苑のような強大な因子を見逃さないわ。

 

 敵か味方、あるいはそれ以外にしろ必ず紫苑の周囲に引き寄せられる。

 

 その時のために紫苑の為の-宮殿-を創り上げるのが私の仕事よ。」

 

不敵な笑みを浮かべるアイリーンを胡散臭そうに見るミスティーク。

パーセフォニーは3杯目のワインをグラスに注いでいた。

 

「貴女の目的が何であれ…紫苑の為ならば何も言わないわ。

 

 私達の間に-信頼-はいらない。

 

 必要なのはBOSSへの-忠誠-と-意志-よ。」

 

「…ひとつ忠告しておくわミスティーク。

 

 不用意に他人の領域に踏み込まないことね。

 

 ニーチェ曰く、

 

 怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。

 

 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。…ってね。」

 

底冷えのする笑みを浮かべたアイリーンを見て自身の認識を改めるミスティーク。

こいつは人の皮を被った―ナニカ―だ。

 

…だが役に立つ。

私達がいるのは危険な世界だ。

紫苑の味方は多いにこしたことはない。

 

「…そう…憶えておくわ。それにしてもいい言葉ね。

 

 あの子にも-教育-してあげないと。そろそろ戻るわよね?」

 

「そうね。…あんまりいじめないであげてよ?」

 

 

 

 

「その辺にしてやんなよ、ミスティーク。紫苑も十分反省したろ?」

 

見かねたトップが助け舟を出すとキラキラと目を輝かせて頷く紫苑。

じぃっと見つめるミスティークを懇願するように見上げる紫苑はまるで捨て犬の様。

結局折れたのはミスティークだった。ピンと紫苑のおでこを指ではじくとギュッと抱きしめた彼女は優しく言った。

 

「…本当に心配したんだから…お願いだから無茶はしないで…」

 

「…うん。ありがとうレイブン!」

 

 

「…さて…そろそろ本題に入りたいのだけれど…よろしいかしらBOSS?」

 

はーいと気の抜けた返事を二人から異口同音に返されたアイリーンはニコリと笑って椅子に座るよう促した。

その額に浮かぶ青筋にウルスラは気付いてはいたが何も言わなかった。

 

「今回の襲撃、ターゲットはウェインライト博士。

 

 幸い弾は抜けて血も止まってるから命に別状はないわ。

 

 アイリーン達の処置が正確かつ迅速だった事と弾が急所を外れていたからだわ。」

 

「犯人の使ったのは軍用のスナイパーライフル。

 

 特にカスタムがされていない事からおそらく軍の横流し品ってとこか。

 

 これだけの性能と狙撃位置からすると、博士が生きてるのは撃った奴が素人か…殺す気が無かったか…」

 

博士の容態をウルスラがそう診断するとトップは襲撃者の使った武器を分析。

撃退したとはいえ不自然な部分が残る襲撃に首を傾げている。

 

「…殺そうとはした。でもできなかった…」

 

「…殺害の意志が無かったってこと?…-裏切り-に対する-報復-かしら。」

 

パーセフォニーの言葉に頭を振った紫苑。

 

「戦ったから分かる。よく訓練されていたし素人じゃない。

 

 でも-怒り-や-憎しみ-は感じなかった。

 

 まるで躊躇っているみたいだった。」

 

「…新兵によくみられる傾向、訓練と実戦の違いに強いショックを受けたのね。」

 

「うん。なのに作戦失敗時に迷わず命を絶とうとする行動がとれる。

 

 そんな兵士が新兵?…何か変…見えそうで見えない何か…何かを見落としてる。」

 

「…襲撃者を助けた男について何か気付いたことは?」

 

アイリーンの質問に紫苑が頤に人差し指を当てて思いかえす。

 

「…一言でいえば強い。あの速度のウェブを切り落とすなんてフランク並みの反射神経だよ。

 

 それに彼も忍者だね。さすがにアイリーンみたいに流派までは分からないけど。」

 

「彼も?この街にはほかにもNINNJAがいるの?!」

 

紫苑の言葉に目を輝かせたミスティークがアイリーンに尋ねる。

紫苑自身が忍者の末裔であると知ったミスティークはそれ以来日本びいきになっており、特にNINNJAが彼女の琴線に触れたようだった。彼女は日本の裏社会には未だに忍者が暗躍していると本気で信じてもいた。

 

「アメリカの町に二人の忍者、偶々な訳はないだろうし当然彼もパラダイム社の手の者。

 

 …状況を整理しましょう。敵は街を支配している大企業。高度な戦闘訓練を受けた兵士が少なくとも三人。

 

 彼らの狙いは機械工学の権威、Dr.ウェインライトとその孫娘のドロシー。

 

 Drはこちらが、ドロシー嬢は奴らの手の中に、…さてBOSS?これから如何なされます?」

 

 

全員の視線を真っ直ぐに受け止めた紫苑は立ち上がる。

 

 

 

 

「救いを求める手がある限り私はその手を取ってみせる!!

 

 

 おねがい!ドロシーを救うために、みんなの力を貸して!!」

 

 

 

BOSSの号令に皆笑みを浮かべて頷く。

ドロシー・ウェインライト救出作戦の開始だ。

 

 

 

~~~~~~

 

 

「奴らの様子は?」

 

「動き無しよ。…ホントに一人で行く気?」

 

完全に街が寝静まった頃、アマデウスの向かいにあるビルの屋上で一組の男女が声を潜めて話していた。

闇に溶け込むような黒装束に身を包んだ男とは対照的に女の恰好は黒い髪を二つに結び大きな鈴の髪留めをしている。また服は日本で言う所の-巫女服-の裾を短く切り落とし、膝上まであるタイツと赤いスカートの狭間から張りのある白い太腿が覗いている。

 

「…お前の力は目立ちすぎる。俺に任せろ。」

 

言葉少なに男は懐から鍵縄を取り出すとアマデウスの屋上へと放り投げた。

 

「…龍丸、死ぬんじゃないよ。」

 

「…俺は死なん。お前たちも決して死なさん。俺を信じろ神楽。」

 

 

美人だが気の強い神楽はその言葉に眉をしかめ、いつも通りの妹の反応にフッと笑った龍丸は鍵縄を強く手繰り寄せるとあっという間にビルの屋上から消え去っていた。

 

換気のためだろうか、半分ほど開いていた窓を音もなく開けると静かに忍び込んだ龍丸は周囲の気配を探る。

どうやら住民は寝静まっているようだ。これならばターゲットに気取られることもなく接近できるだろう。

足音がしないように屈みながら歩き出した龍丸。

 

しかし彼は気付くべきだった。

昼間に命を狙われた者達が果たしてこれ程無防備でいるだろうか?

 

その違和感。常識的には有り得ない静けさに。

 

それに気付くには彼自身の若さと経験、そして何より…相手が悪かった。

 

 

 

標的のいる部屋に接近した龍丸の背に悪寒が走る。

 

「…ッ!?」

 

反射的に龍丸は腰の直刀を振り向きざまに抜き放ち、背後の気配に切りつけた。

 

「あらあら。そんなに逸っちゃって。」

 

「…女、いつからそこに…」

 

「ずっといたわ。貴方がこの家に入ってきた時からずっと。」

 

退屈そうに髪を掻き上げた女はゆっくりと油断なく刀を構える龍丸へと近づく。

 

 

 

 

「私の名前はパーセフォニー。

 

 一曲踊ってくださるかしら?

 

 名前の無い侵入者さん。」

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?
それでは少しだけ未来の話をお楽しみください



2015年 某日 アメリカ合衆国の芸能プロダクション社長室にて録音


「お呼び立てして申し訳ありません、紫苑先生。」

「先生はよしてよ美城ちゃん。ここじゃあなたが私の上司よ。」

「…やはり変わりませんね。実は折り入ってあなたにお願いがあるんです。

 私はもうすぐ帰国の予定でしたがこちらでの仕事がもう少しかかりそうなのです。

 そこで紫苑さんには先に日本へ帰国していただきたいのです。」

「私だけ?それはどうして?」

「日本につき次第、私は美城の改革を進めるつもりです。

 当然反発する者も出るでしょう。…現状私には信頼できる者が殆どおりません。」

「う~ん、美城ちゃん若いのに頑固だからなぁ。」

「紫苑さんにしか頼めないのです。私を助けてほしい。」


「いい話じゃないか、こちらは私とクワイエットに任せていけばいい。

 …そうだな-あの子たち-の日本でのプロデューサーとして行ってくれ。

 これは社長-BOSS-命令だぞ?」

「むぅ…ここで私のお株を取られるとは…

 どうせクーちゃんといちゃいちゃしたいだけの癖に…」

「それでは行っていただけますか?」



「えぇ。九頭紫苑、美城プロダクションへ出向いたします!」


~~~~~~


現在の作中時間にして40年後の会話です

美城常務のおねがいで紫苑は日本へ向かうことになるわけです
彼女のプロデュースするユニットも当然メタルギアキャラ達で構成されています


ユニット名:OVER HEAVEN―天国の向こう側―

CUTE属性
サニー・ゴルルコビッチ
年齢:9歳

COOL属性
エマ・エメリッヒ・ダンジガ-
年齢:25歳

PASSION属性
キャサリー・ミラー
年齢」:17歳


本格参戦はまだですが彼女たちのお話もいずれまた。

それでは今後ともよろしくお願いいたします
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