Historia~彼女を救う彼女の物語~   作:瞬く陰と陽

8 / 44
ちょっとだけ伏線変化


表裏一体

スネークが小屋に戻ると紫苑は大人しく待っていた。

先ほどの涙の理由を紫苑に尋ねようとしたスネーク。

 

 

『シオン…さっk『準備はできてるわ、先を急ぐんだよね?』

 

 

 あ、あぁ…』

 

 

にこりと笑う紫苑に何も言えなくなったスネーク。

紫苑を連れてグロズニィーグラードへ向かう為、地下壕の扉を開けた。

 

 

暗い地下通路を歩きながら紫苑がスネークに問いかける。

 

 

『向こうについたらスネークは…

 

 ライコフ?さんに化けるんだよね?

 

 私はどうしたらいいかな?』

 

 

『確かにそうだな…

 

 何処か安全なところに…

 

 と言いたいところだがなぁ…』

 

 

『だったらさぁ…

 

 さっき着てた白衣を着て変装すれば安全じゃない?

 

 科学者のいるフロアなら平気だよ♪』

 

 

多少不安な表情を見せているスネークを押しきる形で白衣を借りた紫苑は嬉しそうな笑顔を見せている。

 

 

ニコニコしている紫苑に毒気を抜かれたのか、

スネークも笑みを見せたが広い空間にでたとき何者かの気配を感じた。

 

 

『…シオン。俺から離れておけ。』

 

 

 

『…うん…気を付けて、スネーク。』

 

 

 

CLICK CLACK

 

金属のぶつかる音がする。

 

 

ZAAAAAAAK‼

 

 

 

「…?!来る!」

 

 

 

BOOOOOOOM‼

 

 

 

メラメラと燃え上がる炎。

 

 

巨大な炎を使役する耐火服の男。

 

 

 

Booooom! Booooom!

 

 

『グゥウウっ‼』

 

 

 

 

猛烈な炎に思わず顔を覆うスネーク。

 

 

 

 

 

『私はザ・フューリー!

 

 怒りの炎で貴様を焼き殺してやろう!

 

 

 私は宇宙からの帰還者。

 

 

 

 そのとき灼熱の世界を見た。

 

 そこで見出したものは何だと思う。』

 

 

 

BOOOOOOOOOOM!

 

 

 

 

『怒りだ。生きることへの憤怒(フューリー)だ。

 

 

 

 

 

 おまえにもあの灼熱のブラックアウトを、

 

 

 

 

 感じさせてやろう!』

 

 

 

 

憤怒の業火をあやつる宇宙からの帰還者。

 

 

宇宙飛行用の耐火服に身を固め、

 

強力無比な火炎放射器でスネークに迫るザ・フューリーを物陰から覗き見ていた紫苑。

 

一つ息を吐くと小さく呟く。

 

 

 

「準備はいい?」

 

 

 

‐派手に暴れるのか!?‐ 歓喜の声

 

 

「ダメよ。今はダメ。」

 

 

‐GRR…いつならいいんだ!?‐ 懇願の声

 

 

 

「…もうすぐよ…もうすぐ…」

 

 

 

‐わかった…もうすぐだな?‐ 納得の声

 

 

 

 

目をつぶり呼吸を整える。

 

 

 

再び開けられた目は赤く染まっていた。

 

視界は暗闇をものともせずクリアに、

 

感覚が鋭敏に研ぎ澄まされている。

 

 

黒いスーツに身を包みシオンはゆっくりと壁に両手を、

 

次いで両足を張り付けるとひたひたと壁を這う。

 

 

天井の隅から下方を見渡せばスネークはザ・フューリーに攻撃を仕掛けていた。

しかしザ・フューリーの着込んだ分厚い防護服に決定打が与えられず苦戦していた。

 

 

 

フムと一計を案じたシオンはフューリーのヘルメットに向けて(ウェブ)を飛ばした。

 

 

 

『ッ!?何だこれはッ!?』

 

 

 

あわてて糸を剥がそうとするフューリーに向け今度は小太刀を投げ付ける。

木製とはいえ超速度で投擲された小太刀は耐火服に僅かに切れ目を入れた。

 

 

 

『服が破れた!?』

 

『今よスネーク‼』

 

『任せろ!!』

 

 

 

切り裂かれた耐火服の裂け目へと正確に銃撃を撃ち込んだスネーク。

ふら、ふら、とよろめくザ・フューリー。

 

 

 

『ザ・ボス…コブラ部隊もこれで終わり。

 

 あなただけは…生き延びてください。

 

 

 私も―――

 

 

 

 ザ・ソローの下へ行きます。』

 

 

 

KAGOOOOOOOOON!

 

 

 

スネークの放った弾丸が火炎放射器のタンクを貫いたのだろう。

 

巨大な火柱と化したザ・フューリーは膝から崩れ落ち、

 

何を思ったのかヘルメットを外してしまった。

 

 

 

 

憤怒(フューリー)の炎!

 

 

 

 

 地獄の灼熱が私を浄化してくれる!』

 

 

 

轟轟と燃え上がる炎がザ・フューリーに収束し消える。

 

 

 

 

 

『見えた!管制塔聞こえるか!!

 

 

 

 

 還ってきた!!

 

 

 

 

    大地だ…    』

 

 

 

 

大地への帰還を果たしたザ・フューリー。

しかし彼の残した、いやもはや彼自身というべき荒れ狂う業焔がスネークに牙を剥く。

 

 

 

『こっちよスネーク!!』

 

 

 

いつの間にか出口の前にいた紫苑と共に命からがら脱出したスネーク。

 

無事にグロズニィーグラードへ潜入を果たした二人は、

厳重になった警戒を掻い潜りながら兵器廠へとたどり着いた。

 

 

 

『それじゃスネーク。私はトイレにでも隠れてる。…どうか気を付けて…』

 

 

 

スネークにギュッと抱きついた紫苑が溢す。

 

 

 

『わかった。大人しく待っていろよ。』

 

 

 

と頭を撫でながらスネークが安心させる。

 

 

(…と言っておきながら…ごめんねスネーク。)

 

スネークと別れた紫苑はトイレには向かわず静かに外へ抜け出し外壁を登り始めた。どうやら上から侵入するつもりらしい。

しばらく侵入口を探していると換気ダクトを見つけそこから中へと入り込んだ。

 

BAN‼ BAN‼

 

(‼銃声だ‼)

 

すると銃声が聞こえて来たので音のした方へ行ってみる。

 

足から地を流した白衣の男性、軍服を着た二人の男が見えた。

 

見ていると銃を持った大男を目にも止まらぬ早業でもう一方の優男、おそらく変装したスネークが組伏せてしまった。

 

(やった♪さっすがスネーク‼)

 

 

と紫苑が喜んだのもつかの間、部屋へ入ってきた人物により状況は一変した。

 

 

((ザ・ボス‼))

 

 

突如始まった二人の達人による闘いは白い女性に軍配が上がった。

 

‐これがザ・ボス…‐

 

 

『その恰好はなんだ?

 

 長く自分を偽ると浸食される。

 

 

 

 

 常に自分を見失わないことだ。』

 

 

 

ドクン

 

心臓が跳ねた。

 

 

(自分を…見失わない…)

 

まるで自分に言われたように感じた。

 

 

 

『さすがはザ・ボス…

 

 これはジュード―の一種か?』

 

 

 

『いやCQCと呼んでいる

 

 

 …接近戦での基本だ。

 

 

 

 

 私とこの男で編み出した。』

 

 

 

 

『見事なものだ。

 

 

 …あとは私に任せてもらおう。』

 

 

 

 

『殺すのか?』

 

 

 

『当たり前だ。だがその前に…

 

 

 

 

 イワンの苦しみを償ってもらおう。』

 

 

 

しばらく呆然としていたがスネークがあげた苦悶の声に我に返った。

 

眼下では雷の男が岩のような拳でスネークを殴り付けていた。

瞬間、真紅に染まった思考回路はその男への報復を決定した。

 

 

 

「ダメェェェェェエエエエ!!!!!!」

 

 

 

『『何?!』』

 

 

 

天井を突き破り部屋に乱入したシオン。

スネークを甚振っていたヴォルギンに掴みかかると入り口に向けて思い切り投げ飛ばした。

 

自動扉を破壊し廊下に転がりだされたヴォルギン。

 

 

部屋の中には意識なく倒れる二人の男と対峙する白と黒の女。

 

 

 

 

『なんでッ!?なんでスネークを傷つけるの!?』

 

 

 

吼えるシオンだがザ・ボスは答えない。

 

 

 

『彼はあなたを愛しているのに!?

 

 

 あなただって分ってるでしょ!?』 

 

 

シオンの言葉に僅かながら困惑の色を浮かべるザ・ボス。

 

 

 

 

『GRR…どうしてもスネークを傷つけるなら、‐ワタシたち‐が相手になる。』

 

 

 

 

唸りをあげるシオンにザ・ボスが泰然と構える。

 

 

 

 

『お前が誰かは後だ…来いッ!!』

 

 

 

GRRRRRAAAAAAA‼

 

 

野生の獣のように吠え、飛びかかるシオン。

 

ザ・ボスは素早く振り上げられたシオンの右腕の付け根辺りに体ごと飛び込み致命の一撃を潰す。

 

その首筋に腕を巻き付けると体勢を入れ換えるように地面へと叩き付けた。

 

 

 

 

「…ぐぅぅっ!!…くっ…」

 

 

シオンの意識は泥の中へと沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

『…ぐぅぅぅ…いったい何なんだ‼

 

 

 こいつもCIAか?!どうなんだ、ザ・ボス‼』

 

 

 

 

『それには僕がお答えしますよ大佐クン♪』

 

 

 

 

漆黒の欲望がその目を醒ます。

 

~~~~~~

 

雨の音がする。

 

何もない空間で男が二人向き合っている。

 

 

「……感謝する。」

 

 

「…正直驚いたよ。

 

 君は欲望(グリード)とは

 

 …無縁だと思っていた。」

 

 

「…俺達は正反対だった…

 

 …彼女(ボス)とは別の、

 

 …いいコンビだよ。」

 

 

「…正反対の物だからこそ、

 

 紙一重で隣り合わせに存在できる…か…」

 

 

 

「…この世は哀しい。

 

 戦いは死を生み、

 

 死は哀しみを生む。」

 

 

 

「…『胸を張って死ねる』と言うのであれば、

 

 それは自分の中に‐生きた‐という記憶が

 

 歴史に刻んだ筈の自己という錯覚があるからだ。」

 

 

「…悲しむことはない。

 

 

 

 …また…会える…」

 

 

 

立ち去る男の背にぽつりとこぼす。

 

 

 

「…俺は彼女(ザ・ジョイ)のすべてを欲し、

 

 

 お前は彼女(ザ・ボス)に全てを捧げた…

 

 

 

 結局俺達は最後まで正反対だったな…親友(ザ・ソロー)。」

 

 

 

雨は まだ やまない。

 

 

 

~~~~~~

 

紫苑が目覚めるとそこは薄暗い鉄格子の中だった。

 

 

(誰かが話していた気がしたんだけど…)

 

 

と思っていると外から話しかけられた。

 

 

『お、目が覚めたんだな。』

 

 

 

見ると格子の向こうに兵士が立っていた。

 

 

 

『おはようございます…』

 

 

 

『おぅ、しかしまぁあんたみたいな子どもがなんだってこんなところに…』

 

 

(こ…こども…)

 

どうやらこの兵士は随分気さくなようだ。

 

内緒だといってカロリーメ○トを一つ分けてくれたり、

もともとアメリカに住んでいたので英語が話せることや子どもも居ることを教えてくれた。

 

 

 

 

『ねぇ…スネークは無事なの…?』

 

 

 

『ッ!?…知らない方がいい…』

 

 

 

 

そういうと任務に戻ると言って去ってしまった。

 

静かになった独房で座り込んでいると足音がして誰かが近付いてきた。

 

 

 

 

「初めまして♪お嬢さん♪」

 

 

 

愉しげに声をかけてきたのはザ・グリードと呼ばれた男だった。

 

相変わらず寝癖のついた黒髪に眠そうな目、

黒い軍服の上に白衣を着た見るからに怪しい男はひらひらとこちらに手を振っていた。

 

 

「ボクのザ・ジョイに喧嘩を売った(お姫様に噛みついた)って聞いたから

 

 

 どんな命知らずかと思ったら、

 

 

 こんなに愛らしい仔猫ちゃんだなんて~」

 

 

 

 

(こ、仔猫ちゃん…?!)

 

随分と馴れ馴れしい男に不快げに視線をくれていると白衣から何やら機械を取り出した。

 

するとそれをピッピッと操作をして牢屋の扉を開けてしまった。

 

呆気に取られる紫苑を無視して、その身を小脇に抱えるとすたすたと歩き出した。

 

 

 

「な!!ちょっとなにするの!?」

 

 

思わず紫苑が声をあげてじたばたと暴れると、看守の兵士(ジョニー)があわててやって来た。

 

 

 

『ち、ちょっとグリード博士!!

 

 

 勝手に捕虜を連れ出されては困ります!!』

 

 

 

立ち塞がった兵士に不思議そうに見て首を傾ける男。

 

 

 

 

『君…ボクの邪魔…するの?』

 

 

 

信じられないとでも言いたげな表情とは裏腹に、

 

男の放つその異様な雰囲気に飲まれた兵士(ジョニー)は震えて声もでない。

 

 

 

(…な、なんなのこの覇気は?!)

 

ごくりとシオンが息をのんだとき、

 

重苦しい重圧が宙に霧散した。

 

無邪気な笑みをザ・グリードが兵士(ジョニー)に向ける。

 

 

『大丈夫♪ボクが命令したって言っといて♪

 

 

 大佐クンも悪いようにはしないよ♪』

 

 

 

捕虜を抱えたザ・グリードを兵士(ジョニー)は見送ることしか出来なかった。

 

 

 

 




簡易オリキャラ説明


ザ・グリード
コブラ部隊の装備を作った人
フィアーの光学迷彩やフューリーの装備
ザ・ボスのスニーキングスーツも作ってる
当然スリーサイ…うわなにする…やめry


CV 大〇 芳忠
声とセリフから容姿は想像してください

ラスボス?いえ何のことだか(すっとぼけ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。