嵐の夜に飛び立とう   作:月山ぜんまい

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 58、種

   58、種

 

 クロンドル卿一行とやりあった後まっすぐ役所へ行った。窓口でちょっとビビられたが、そのおかげで『ビョドーの頭』は問題なく換金できた。

 

 その日の内にウォルターには少しぼかして賞金首の情報から放火犯を見つけ、首尾良く仕留めた事を伝えた。

 

 「流石ミカゲ殿!」

 

 ウォルターは元軍人だからか、いつの間にか上官に対するような口調で私を立てた話し方をする様になった。ついでに、スラムにも情報の拡散を頼む。

 

 「・・・そうですね、そういうことなら早い方が良いでしょう」

 

 遅れると、関係ない人間が迷惑を被る可能性が高い。

 

 ビョドーの賞金を被害者に配る事も考えたが、余計なトラブルになりそうな気がしたので止めておいた。

 後から金を元手に支援としてウォルターに何かさせよう。

 

 「え?・・・ええっ!・・・すげえ!もう解決しちまったんですか?調べ始めたの今朝じゃないですか!流石ミカゲの旦那!」

 

 ウォルターは「直ぐに報せてきます!」と出ていったが、一緒に話を聞いたベイツは、妙なテンションで喜んでいた。

 

 ミカゲの旦那って何だ?

 

 嫌な予感がしたので、ベイツに変な噂を流さないよう釘を刺し、本館の食堂でピートと共に夕飯を食べて風呂に入り『庵』に戻った。

 

 「ふむっ・・・」

 

 何事もなく深夜になる。

 

 今朝から距離を取って私を窺っていた分身体の見張りも、今はいなくなっている。

 

 ちなみに、戦闘後又アップデートされた≪観測≫の(エネミー)マップには、彼の分身達も新たに表示されるようになった。

 前から素の気配察知と≪把握≫≪覚醒≫で気が付いていたので、余り変わりはない。

 

 「貴種の面子を気にして絶対何かヤると思ったのに、意外と冷静・・・これなら大丈夫そうか・・・」

 

 あの後、時間と共にクロンドル卿の我慢が利かなくなって刺客が放たれ、その対処が必要になるかと思ったが、杞憂だったようだ。

 

 何にしても引いてくれて良かった。

 

 襲われた故でも、リーダーを処してしまったら、残りのメンバーとも険悪になるのは間違いない。嫌われものの犯罪者を始末するのとは訳が違うのだ。

 これで、ハンターチームとの完全敵対路線は一応無くなった。

 

 ハンターチーム抹殺プランは完全に破棄して良さそうだ。

 

 「・・・引き際が鮮やか過ぎて謎だったけど、貴種ってそういうモノなのか?」

 

 現状、チームに混ざっていた犯罪者が現地で騒ぎを起こし、一人死亡。

 

 関わりは出来てしまったが、対『死獣』チーム全員謎の失踪──よりはソフトランディングになっただろう。

 

 「これでハンター協会との摩擦はギリ回避・・・だよな」

 

 後は街ですれ違うくらいだろうなぁ、と思っていたら、翌週バッハとアーシア女史が『緑美楼』裏の私の『庵』を訪ねてきた。

 

 

 「邪魔するぜ」

 

 なんか、妙に気安い感じでバッハが声をかけて入って来る。

 

 「お邪魔します」

 

 アーシア女史も一緒だ。

 

 何で?

 

 特にすることもないマッタリした午後。今日はジジババもいない。

 

 『庵』に近づいて来てたのは、気配でわかっていたので驚きは無い。

 

 

 「まぁいいや、上がるなら靴を脱いでくれ」

 

 まさか、本当に来るとは・・・意外とアグレッシブ。

 

 奥の居住スペースからピートを連れて応対に出た私は、もう敵対する理由も無いので二人を中に誘った。敵意に敏感なピートが気にしてないのも大きい。

 うちは、土禁で玄関口で靴を脱ぎ、入った建坪半分ほどの磨きあげた板張りのフロアは大きめの仕事場(治療所)になっている。スリッパ完備。

 

 『気脈術』を施術する所は片隅に有り、衝立で仕切っている。

 

 靴を脱ぎながら、二人は珍しげに室内を眺めていた。

 

 診療所の広目の()()()は、分厚いラグが敷かれたクッションだらけの寝っ転がれる座居スペース+低いテーブル・・・だったのだが、膝の悪いジジババどもがソファーセットを持ち込み、今はゆったり座れる応接スペースと半々になっている。

 

 「どっちでも・・・」

 

 特に警戒することもなく入ってきた二人にラグで直坐りとソファセットを選ばせようとしたら、アーシア女史がまっすぐラグに向かって突進し、クマさんクッション(泣く子用に私作)を抱えて座り込んだ。座った姿は優雅と言えなくもない・・・。

 

 一つため息をついて、バッハが隣に座る。

 

 どうやら何か、話があるらしい。

 

 「・・・せっかく来てくれたんだ、茶でも出そう」

 

 備え付けの小さな調理ストーブに火を入れ、茶菓子を用意して何時ものミックスハーブティーを準備する。

 

 「え?いや、それはいいから・・・」

 

 何故かバッハは遠慮する。しかし、紳士足るもの来客が在って何もしない訳にはいかない。いや、これは日本人的なものか?

 

 「・・・・・頂きますわ」

 

 アーシア女史は、にっこり笑って礼を言った。でも何か間があったぞ?

 

 客が来るとおやつのおこぼれを貰えると学習しているピートは、お茶を入れ始めるとすぐさまバッハ達の居るラグの上のローテーブルにスタンバイした。

 

 今日の茶菓子はナッツとオレンジピールのクッキーだ。人気があるので定番のバタークッキーも常備している。

 

 「どうぞ」

 

 菓子と三つのカップを出して二人に選ばせ、三つ目を私が先に飲む。形ばかりの毒味。

 

 ハーブティーを選ぶと二人は似たような仕種で警戒しながら匂いを嗅ぎ、ちょっと口に含んで目を開き、そしておもむろに肩の力を抜きゆったりと旨そうにそのミックスハーブティーを飲み始めた。

 

 どうやら毒ではなく、ここらでよく出されるあのお茶と称する苦味と独特の臭みのある煎じ薬を警戒していたらしい。

 

 私は、ピートに一枚クッキーをやりながら笑いを堪えた。

 

 

 外からは鳥の囀りがかしましく聞こえ、その向こうに娘達がダンスを踊る伴奏の音楽が微かに聞こえる。

 

 

 今日は裏庭でジャズダンス教室が行われる日だ。

 

 急いで話を聞き出す必要も無いし、予期せぬ客とマッタリ過ごすのも悪くない。

 

 

 「・・・音楽が聴こえるなぁ」

 

 バッハがポツリと言った。

 

 「元々この『庵』は『緑美楼(母屋)』の敷地に有る離れだからな。裏手側は『緑美楼』からも裏庭になるんだ、今日はそこで娼妓の娘達がダンスのレッスンをしている・・・覗くなよ」

 

 男子禁制(私以外)だと、バッハには見学出来ないことを通告する。

 

『御影庵』の診療所玄関は『緑美楼』から見て裏通り沿いにあり、居住スペースの玄関は『緑美楼』側にある。こっちもスリッパ完備。私はいつもはそこにいて、出入りも此方からだ。

 

 「しねえよ!」

 

 すぐさまバッハの突っこみ。でも興味は有りそうだ。ちょっと目が泳いでいる。

 

 「・・・ここの店の娘は、元気が良すぎる。もう懲りたよ」

 

 肩をすくめて変なことを言っている。

 

 「・・・あなた、ここの店で何かやったのね?」

 

 ピートと、手のひらに隠したクッキーを当てっこするゲームをして遊んでいたアーシア女史が、バッハの口ごもった理由に勘付いた。

 

 この『庵』が診療所だと知らない二人の言う『ここの店』とは、母屋の『緑美楼』を指している。看板無いしね。

 

 アーシアによって渋々白状させられたバッハのやらかしとは、先日の初見の夜の『酔蜜館』までの呼び出しに関わっていた。

 

 私は、てっきり硬派ぶって娼館に来るのを嫌がったのだと思っていたが、実際は一度『緑美楼』に来ていたらしい。

 

 ただ、私を呼び出そうとした上から目線の()()()()口上が娘達の逆鱗に触れ、警備の黒服が来る前に娼妓達に店から追い出されたそうだ。良い服着てても彼女等は人を見抜くからね。

 

 「女子供を殴るわけにはいかんしな、往生したぜ」

 

 キリッとハードボイルドぶっても、情けなさが際立つ。

 

 「はぁ・・・」

 

 アーシアがため息を付いた。

 

 私も何か気が抜けて、いつの間にか彼らの敬称を心の中で外していた。

 

 「・・・何か用が有って来たんじゃないのか?」

 

 すっかりリラックスしてピートと遊んでいる二人に、一応聞いてみる。

 

 二人は一度目を合わせ、アーシアが頷いてバッハが話をし始めた。

 

 「・・・実は、前に言った俺らが追ってる事件について、あんたにも話を通しておいた方が良いって事になってなぁ」

 

 顎を掻きながらそっぽを向き、ばつが悪そうに言う。

 

 「ほう」

 

 うわっ、そっちか。

 

 「・・・簡単に言うと、私達は一匹で街を滅ぼすような化け物がこの付近に発生したと情報を得て、それを駆除に来ているのよ」

 

 さぐりさぐり話すバッハの慎重さが鼻に付いたのか、アーシアがぶっちゃけた。

 

 「おい!」

 

 バッハが拙速を咎める。にわかには信じがたい話だから、彼の躊躇(ためら)いもわかないではない。

 

 「・・・化け物、ですか」

 

 私は、既に退治済みであることを言ったもんかどうか、ちょっと悩んでいた。

 

 アーシアは、私から目をそらさない。彼女は色素の薄いブロンドのストレートヘアーで・・・

 

 ・・・突然気がついた。

 

 彼女はあのゴリラ似の魔獣ゴリムが持っていた綿帽子のかけら。巨大なタンポポの種の念能力の借り主の一人ではなく、その能力の保有者当人なのではないだろうか。

 

 この前の闘いで最後に綿毛を飛ばしながら現れたとき、いつの間にか頭に真っ白なキャスケットのような帽子を被っていた。記憶の中のあれが、飛ばしていた巨大なタンポポの種と同じ色だったことをふと思い出す。

 

 あれは、彼女の念能力。文字通りの『綿帽子』だったのではないだろうか。

 

 つまり、帽子の正体は具現化されたタンポポの種の集合体。飛行散布型の種子様に出来た情報系の"発"の塊。

 

 名称不明だが、言わば発動準備段階の"発"の具現化直後の姿。

 

 これが即ち、タンポポの綿帽子のかぶり物であり、遠目にキャスケットに見えた物の正体じゃなかろうか。色々あって、ちょっと注意力散漫だった。

 

 そういやキャスケットは、ベレー帽から発展してずっと先の未来に造られた筈。この時代には未だ無いはずの物だ。よく似た別品か?

 私は変装用に似たようなのをオーダーして使っているが、それは転生生産系チートってことで。

 

 

 ・・・だとすると。

 

 『早出し(ファストムーブ)』の『隠者は隠れ影も無し(ディープ・ロスト・バイブレーション)』によって私が死獣『ヌエ』を倒したことは見通せないだろうけど、同時にこの能力のせいで私の情報を抜くことが出来ないことはバレてる可能性がある。

 

 そこまで解っていたからこそ、二人は疑いを持ってここに来たし、死獣探しの件を打ち明けることにも繋がっているのではないだろうか。バッハは解ってないみたいだけど。

 

 

 「・・・この辺りの伝承に、死獣『ヌエ』と言うとある怪物がいることはご存じで?」

 

 私は、これ以上能力の詮索を避けるため、秘匿している情報を開示することに決めた。

 

 能力のことを漏らすのは論外だが、遺跡の件をバラす事によって一定の信用を得て、私に対する彼らの脅威度を下げるのだ。

 

 「五百年前に古代王国を滅ぼしたと伝えられている不死身の化け物ね。

 たしか、実在が疑わしいと言う話の」

 

 どうやら、現地の基礎情報も調べては居るらしい。

 

 「私それ、三ヶ月ちょい前に退治してるんですよ」

 

 お茶を勧めるように、さらりと打ち明ける。

 

 「ピートと一緒に」

 

 ぎょっとして動きの止まった二人の側からピートを呼び、掲げるように抱き上げた。

 

 「キィ!」

 

 ピートはドヤ顔で右手を挙げた。

 

 残念ながら食べかけのクッキーをしっかり掴んだままだったので、あまり締まらなかった。

 

 「なっ!」

 

 「・・・どういう事?」

 

 口をパクパク開けて、しかし何を言ったら良いのか分からないバッハと、いち早く冷静さを取り戻して事情を聞いてくるアーシア。

 

 「・・・話は当時ピートに付きまとわれて、ほとほと困っていたゴリムという遺跡ガイドと出会った処から始まります」

 

 一応確認のために名前を出してみる。

 

 「ゴリム?・・・どこかで・・・ああ、サルの念獣に付きまとわれていた・・・・って、ええっ?」

 

 アーシアが、驚いてピートを二度見した。

 

 やっぱり知っていたか。

 

 「知っているのか?」

 

 驚くアーシアに、バッハが尋ねた。

 

 「ええ、まあ、でも先に『ヌエ』を退治した話を聞きましょう」

 

 チラチラピートに目をやるアーシア。

 

 私は、教えてもらった未探索の遺跡で盗掘している悪徳商人を発見したこと。

 止めようと追いかけて入った内部でミイラ化した巨大な古代の怪物を見つけたこと。

 その後で、気持ちの悪い芋虫に寄生されて姿が変わってしまった盗掘犯に襲われたこと。

 全部退治して盗掘犯の空けた穴から出ようとしたら、小ザル擬きに変異した別の個体と私を追いかけてきたピートが戦っていて、邪魔せず観ていたらピートが勝ったこと。外に出て隠れて見ていたら、最後の一匹がネズミの姿で出てきたので倒したこと。

 

 

 「その後、ピートを仲間にして、盗掘犯が空けた穴は岩で塞いで戻って来たんだ」

 

 併せてピートは特殊な念獣だと説明して、一応は闘う力も持っている事を匂わせる。

 

 「本当だ、このサル念獣だわ」

 

 すかさずバッハが"凝"を使ってピートを確認する。

 

 「お前、念能力の容量(キャパ)がおかしくねえか?一体幾つ"発"を持ってんだよ!」

 

 バッハが胡散臭そうに細目で私を薮睨みする。

 

 「それは違うわよバッハ、ピートさんはミカゲ殿のこしらえた"発"じゃないわ。

 あれは、世にも珍しい継承型の契約念獣なのよ」

 

 アーシアがピートの正体を明らかにした。

 どうやらゴリムから色々聞いているらしい。助かる。

 

 「契約念獣?」

 

 混乱するバッハとアーシアの間で、ゴリムとピートの不思議な関係が説明された。

 

 その過程で、アーシアは単に人を介して困っていたゴリムを紹介されただけであること。ゴリムの仕事や魔獣である正体は知らないこと。が、うっすら判明した。

 

 「そういうことか・・・いや、そうじゃねえよ!それより死獣をもう退治したってどういう事だよ!それってつまり、もう街を襲う化け物はいねえって事じゃねえのか!?」

 

 バッハがキレ気味に話を本筋に戻した。

 

 「街を襲う化け物ってのが『ヌエ』なら多分そうなるね、遺跡の中は伝承の通りになってたから」

 

 私は、肩をすくめて見せた。最早、どうしようもない。

 

 「・・・三ヶ月もかけてやって来たのに、化け物は既に退治済みかよ」

 

 バッハがテーブルに突っ伏した。

 

 「・・・・」

 

 私とピートが先に倒した事で襲われるはずの街が救われたのだから、私達は悪くない。よね?

 

 タイミングよく、落ち込むバッハを気にしたピートが頭をポンポンしに行った。可愛い。

 

 「今の話が本命なのかどうか、どのみち確認は必要ね・・・」

 

 アーシアが、新たな情報から行動指針を選定し予定を立ててゆく。

 

 「・・・何か情報のお礼をしたいんだけと、お金でいいのかしら?」

 

 話す必要の無い重要な情報を私が漏らしてくれた事に気づき、アーシアが尋ねてきた。

 

 「・・・そうだな、出来ればゴリムに渡したように、私にもあの何でも探せるタンポポの種を分けてくれないか?」

 

 『クルタの子』の復讐関係で人探しの必要が有る。あれば便利だ。

 

 「勿論構わないわ」

 

 アーシアは慣れているのか、にっこり笑って直ぐに了承した。

 

 

 「『失せ物探しの綿帽子(ダンデライオン・ヒーローズ)』!」

 

 

 アーシアは能力名を高らかに唱え、同時に頭に真っ白なキャスケットを被ったような綿帽子を具現化した。

 

 ビックリした。

 

 予想通りの姿だがビックリした。

 

 思ったよりでかい。

 

 彼女はそのまま手を頭に遣り、巨大なタンポポの種のような具現化物質を三本抜き取り、ポケットから取り出した封筒に入れて渡してきた。明らかに手慣れている。

 

 三本で、一回分なのだそうだ。そう言えばゴリムも三本使っていた。

 

 封筒が用意してあったことに驚いていると、よく有ることなのだと笑っていた。簡単に使い方を教わり、最後に注意事項を告げた。

 

 「私の『失せ物探しの綿帽子(ダンデライオン・ヒーローズ)』は、落としたコインから戦争の勝ち筋まで何でも探せるけれど、使用したその時点で存在、若しくは存在が予測されているモノしか探せません。そして、条件に合致していれば指し示す先はより近いものになります、複数のモノは示せません。最後に、私以外の人は一生に一度しか使用することが出来ません。ご注意を」

 

 残念。便利な能力には、制限が付き物か。

 

 「持ってたり使用すると貴方に情報が?」

 

 懸念を告げると、使用回数が元に戻るので渡した内の誰かが『種』を使用したことが解るだけだと、またも笑われた。

 

 嘘では無かった(確認)。

 

 解るのは基本的に時と場所。だが、理解力があれば其の情報から大抵の事は読み取れる。

 彼女の解説によって、クロンドル卿が言った「使ったのか?」の意味も、急に意識を切り替えた訳も判明した。

 どうやら彼女の能力による『検索』は、外れないらしい。無いものは無いと出る。

 

 やっかい過ぎる。なるべく敵対しないよう気をつけよう。

 

 

 「既に報告済みだと言っていたから、遺跡の場所は役所に詳しい記録が有るはずだ。中に入るなら蟲の生き残りが居るかも知れないので気をつけて」

 

 慌ただしく帰ろうとする二人に、一応忠告をしておく。

 

 「あと、これは土産だ」

 

 別れの挨拶を交わした後、玄関口でミックスハーブティーを一袋渡してやった。

 

 アーシアよりもバッハが喜んでいた。

 

 ・・・『ヌエ』について打ち明けたのは、さっさと調査を終わらせて帰って欲しいという意思表示なんだけど、いつ気づくかなぁ。

 

 

 

 




 誰かに使用を許可すると、自分の使用可能回数を全回復させる謎のフラワーポイントが貯まるらしい。
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