あの日から数日間、一誠は彼女ができた事でえらく浮かれ、松田と元浜の覗きの誘いも「俺、彼女いるから」という川越シ〇フも凌駕する程のウザイドヤ顔をかましながら断りをいれる程である。これには親友である松田と元浜もニッコリと笑ってダブルラリアットをイッセーにぶち込んでいく。いいぞもっとやれ
一誠達とは1年の頃に同じクラスになり、一誠達のその気の良い雰囲気が翠光とウマが合い、エロ友にはならなかったが友達となった。2年になっても同じクラスになった。
翠光は松田と元浜が一誠をボコボコにしているのをしばらく傍観していたが、流石にやりすぎだと思ったので止に入っていった。
その日の晩、姫島宅にて。晩ご飯の最中に一誠に彼女ができたと、翠光が話題を出した。
「一誠君って、翠光のお友達よね。良かったわね〜。」
「学園では、あまりいい噂を聞きませんが、やる時はやるのですね。」
朱璃は息子の友達の朗報に素直に祝福し、朱乃はいい噂を一切聞かない一誠に感心した。
「実は、イッセーのかのじょから変な感じがしたんだ。」
「え?」
「ちゃんと顔が笑ってるのに、笑ってない。目が冷たくて、イッセーを見てない。なんだか、不気味だったんだ。」
「…まぁ」
「…一誠君、心を強く持ってください。」
一誠の彼女が一誠と好きで付き合っていないと、翠光の話で察した2人は、そっと一誠の武運を祈った。少し、重たい空気が流れた食卓に翠光は首を傾げたが、続けて2人に質問をした。
「母さん、姉さん。付き合うって何?」
「「…え?」」
「イッセーの感じから凄く嬉しいことだってわかったけど、何が嬉しいのか分からないんだ。」
友達に彼女ができたと、嬉しげに話した翠光の口からまさか彼女とは何かと問われるとは思わなかった2人は少し驚く。
「あらあら、うふふ。そうね、好きな人と気持ちが通じあった状態かしら。」
翠光の質問に朱乃が翠光の隣に身を寄せて肩を密着させながら答える。突然の朱乃の行動に翠光は疑問に思ったが、朱乃の答えに「そーなのかー」と答えて興味を目の前の料理に移して箸を動かすのを再開した。
翠光のつれない行動に少しむくれる朱乃だが、母の咳払いで我に返り朱乃もご飯を食べるのを再開した。
数日後
翠光はいつものように学園に向かっていると、気分が悪そうに腹を抑えながら歩いている一誠を見かけた。
「おはよう、イッセー。大丈夫か、気分が悪そうに見えるが」
「あぁ、翠光か。いや、ちょっと悪い夢を見てな。その、夕麻ちゃんに腹をぶち抜かれる夢なんだ。」
「そ、そうか」
確かに、そんな夢を見たら気分も悪くなるように思えたが、それより別に翠光はイッセーに違和感を感じた。
「イッセー、何か雰囲気が変わったか?」
「え? いや、そんなことはないと思うけど…。」
「…そうか」
翠光は気の所為かと思い、そのまま妙に日差しを避ける一誠と共に学園へと向かった。
学園の昼休みに翠光は教室で一誠達と共に昼食を取っていた。翠光は当然のように重箱五段の弁当。ご飯に2段、おかずに3段使っている。これでも腹八分目もないが、流石にこれ以上だと食費で父の給料が全て吹き飛ぶことになるのでさすがに抑える。
一誠達は1年の頃は翠光のその大食いっぷりに目を向いていたが、流石に毎日のように見ているとなると流石に慣れてしまった。
「実は、昨日夕麻ちゃんとデートしてさ!」
一誠がそう話を切り出してきた。一誠が数日前にデートの約束をしたと自慢して、松田と元浜からの嫉妬のダブルビンタをされていたのを翠光は今でも覚えている。朱乃からデートとは彼女と一緒にお出かけする事と聞いていたのを思い出す。
しかし、松田と元浜から意外な返事が帰ってきた。
「は? 夕麻ちゃんて誰だよ?」
「え?」
「そんな子、聞いたことないぞ。」
なんと、2人は一誠の彼女の事を覚えてないそうだ。流石にこれには翠光も困惑する。ここ数日間、一誠の惚気話を耳にたこができるくらい聞いていた松田と元浜が忘れるはずがないのだ。
「お、お前ら頭でも打ったのか?」
「それはこっちのセリフだよ」
「お前に彼女ができるわけないだろー」
「「HAHAHA!」」と、笑いながら返す2人に、冗談で言ってないことを悟る。
「な、夕麻ちゃんを本当に覚えてないのか!? ほら、この写真の…」
と、一誠は携帯を取り出して何かを探し始める。
「あれ? ない、夕麻ちゃんと撮った写真も、夕麻ちゃんのアドレスも消えてる…。」
震える声でそう口にする一誠。その時、一誠が何かに気づいたように廊下の方に視線を向けると、窓からこちらを覗いている赤髪の美女が目に入る。続いて翠光と松田と元浜が窓の方に向く。
何やら教室の外が騒がしいと思っていたら駒王学園の2代お姉様と人気のリアス・グレモリーが教室之前に立っていたのだ。ちなみにもう1人のお姉様は朱乃である。
「り、リアス先輩だ…。」
「いつ見ても可憐だ…。」
リアスは一誠と翠光と目を合わせると、立ち去ってしまう。立ち去る前に少し微笑んだ気がした。
「やっぱいつ見ても美人だよなぁ〜。」
「うむ、あの近寄り難い気品がいかんともなんとも…」
松田と元浜はリアスを見た感想を口にしながらにやけ始める。それとは別に一誠は顔を赤らめて呆然としている。翠光はとくになんとも思わない、それもそうである。朱乃と友人であるリアスはよく家に遊びに来るので見慣れているのだ。
「…お前、エロい事ばっか考えすぎて頭おかしくなったんじゃないのか?」
「な、お前と一緒にするな! 俺は確かに…」
「まぁまぁ、ここは1つ俺ん家に寄れ。そこで俺の秘蔵コレクションを見せてやる!」
と、松田が名案とでも言うかのように励まそうとそう提案する。しかし、誘いに乗った一誠だが、依然と暗い表情のままだった。
ちなみに、翠光もどうだと誘われたが、丁重にお断りした。
その日の夕暮れごろ、翠光は朱璃に食材の買い出しを頼まれてスーパーまでお使いしに行った。そして、その帰り道に公園を通り過ぎる時
「ん? イッセーの声?」
公園から一誠の声が聞こえたのだ。それも、すごく切羽詰まった声で震えているように聞こえた。何か、嫌な予感がした翠光は荷物をその場において急いで声のした方へ走り出した。公園に入る瞬間に何かにぶつかった気がしたが、気にせず音を置き去りにするほどの速度でその場へと向かう。
「ッ!?」
その場で目にしたのは、帽子を深く被った背中から黒い翼を生やした男に一誠が光る槍で貫ぬかれている姿だった。
前回で書き忘れた一誠達と翠光の友達になった大まかな経歴を書きましたが、かなり無理矢理感がある気がする。
彼女いない歴イコール年齢の私には、彼女伝々の話は厳しいものがあった。
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