魔眼持ちの方舟生活   作:タキオンのモルモット

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傷口に塩を塗りたくれ!!

あと今回割かし独自解釈が挟まってる⋯⋯というかそもそも原作でそんな描写も無かったので仕様とかマジでわからないんですよ。直死の魔眼対策ってこんな感じでいいんですかね。まあ距離とかの概念は殺せても『そこに無いもの』を殺すなんて流石に出来ないでしょ⋯⋯?出来ないよね?

まあもし可能ならこれが多分最善の直死の魔眼対策だし不可能でもシキ君が未熟ということでどうか宜しくお願いします。


第十一話:『親子喧嘩』

俺の両親について話をしよう。

 

父親は軍人、最前線で戦い、ついた渾名は『史上最強の軍人』。そう呼ばれるほど苛烈で、しかし優しい人だった。母親は科学者にして技術者。色々な兵器を開発していた天才だった。

 

父親は俺の戦闘センスをいち早く見出し、俺を最大限鍛えてくれた。まあ九歳の時に軍の一個小隊をボコボコにした時は「うそやん⋯⋯」と驚いていたが。そんな父親は俺が軍隊に入って一年後、部下を庇って呆気なく戦死した。

 

思えば、その時に気づくべきだったのかもしれない。が、その時は母さんが一番悲しんでいるけど、俺の前では気丈に振舞っているだけ、と思って、特に疑問に思わなかった。

 

────母さんが、一度も泣かず、どこか怖い顔をしていた事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十一話:『親子喧嘩』

 

 

 

 

 

 

「────シキ、大丈夫かい?」

 

ハッ、と面を上げるとラッピーの顔がガチ恋距離に迫っていた。

 

「⋯⋯⋯⋯可愛いなあラッピー」

 

「あ、ダメだ。頭おかしくなってる」

 

「失礼な、ちょっと考え事をしていただけだしお前のことは初めて会った時からずっと可愛いと思ってるよ」

 

「⋯⋯⋯⋯君って本当にそういうところ⋯⋯いや、なんでもない」

 

まあそれは置いておいてだ。

 

「とりあえずこの件は俺に任せてください。どうにかしておきます⋯⋯多分部下さんとかはどっかに拉致監禁されてると思いますから⋯⋯そっちはラッピーに任せてもいい?」

 

「⋯⋯後で殺し愛ね」

 

「おっけおっけ、そういう訳なんで後は任せてくださいな」

 

「あ、ああ⋯⋯⋯⋯」

 

そう伝え、俺は廃墟を後にする。さて────

 

 

「久々に完全武装でいかないとな」

 

 

 

 

 

 

 

一度、ロドスに戻って完全武装────なんて言っても何時もの刀以外にもう一本剣を持っていくだけなのだけれども。

 

まあ、あるに越したことは無いだろう。一応メインウェポンだし。

 

さて、とりあえず母さんの居る場所についてはもう目星がついているので、まあ問題は無いのだが。

 

「はー⋯⋯ふっつーに気が滅入るなぁ⋯⋯」

 

何が悲しくて息子のポルノばら撒くような奴と会わなきゃいけないんだか。しかも推しのライブを見終わったあとに。地獄か?

 

とかなんとか思いながらも足を進めると、目の前にモスティマとエクシア、Wが居た。

 

「⋯⋯どーしたの三人揃って。なんか用事?悪いけど明日にしてくれると────」

 

「シキ、おばさんのところに行くんだって?」

 

「⋯⋯⋯⋯どうしてそれを⋯⋯ってラッピーだろうな」

 

「ああ、親切にも教えてくれたよ。⋯⋯後でそのラッピー呼びについても聞かせてもらうけどね?」

 

うーん、その件についてはとりあえず言い訳を考えておこう。

 

「んで?一応聞こうか。用件は?」

 

「「私達も連れて行って」」

 

「⋯⋯⋯⋯お前らならそう言うと思ってたから言わずに出ていこうとしてたんだけどなぁ⋯⋯」

 

「あ、私は貴方の部下だから何も言わずについて行くわ」

 

「さいですか」

 

まあWは置いておくとして。

 

「着いてくるのは構わないけど、手は出すなよ」

 

────だって、これは所謂、「親子喧嘩」なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍門の一番高い建物の屋上。そこに彼女はただ立っていた。

 

「やっぱりここに居たか。お前みたいなゴミ屑が考えそうな場所だ」

 

「⋯⋯おや、久しぶりだなぁ、親不孝息子とその幼馴染達⋯⋯⋯⋯⋯⋯ごめん一人誰?」

 

「あ、初めましてお義母さん将来の嫁です」

 

「「「ナチュラルに嘘をつくな!!」」」

 

「はっはっは!!相変わらずお前は変な女に好かれるな!!全く誰に似たんだか!!」

 

そう、高笑いする母さんは何も変わってなかった。腹ただしい程に高い身長(170cm)、俺とよく似た顔立ち、髪の色。光輪と翼。そして、酷く醜い視線。

 

「⋯⋯相変わらずだなお前」

 

「おいおい、母親に向かってなんだその口のきき方は」

 

「はっ、お前なんざあの日以来母親だなんて思ってないさ⋯⋯むしろあんな事をしておいて良くもまあ母親を名乗れるもんだ」

 

「?なんの事だ?」

 

「「な⋯⋯⋯⋯」」

 

あまりにも悪びれることなく、そう返した彼女に驚きを隠せない二人⋯⋯だが、

 

「落ち着け二人とも⋯⋯元からこういう奴だぞこいつは」

 

そう、こいつは元からそういう奴だ。この二人は優しい外面しか知らないからな。

 

「⋯⋯⋯⋯どうして、こんな事を?」

 

「あ?なんだ、シキから聞いてないのかい?⋯⋯ってそうかそうか、あの日シキが滅茶苦茶やるせいでとっとと撤退したからシキですら理由を知らないのか」

 

「ま、大体の理由は察しがついてるけどな⋯⋯」

 

「はっ、んなもん金に決まってんだろ」

 

────いや、本当にそんな事だろうな、とは思っていたんだけれども。本当にそうだと聞くと嫌になってくるな。

 

「そもそも親父と結婚したのも金目当てだろ?」

 

「⋯⋯ほう、そこまで解っていたのか?」

 

「まあな、知ったのはあの日以降に父さんの日記見たからなんだが」

 

父さんは前述の通り、かなりの立場に居た軍人だった。母さんと結婚した時にはもう高給取りも高給取り。更に母さん自身も名高い兵器開発の一任者だったので我が家は裕福だった。

 

「そうだよ、全く金に困らない生活⋯⋯どころか使えない程の金があった⋯⋯あの頃は本当に良かった⋯⋯だけどなぁ!!シキ!!お前がその生活を終わらせたんだ!!」

 

「お前が魔眼なんてモノに目覚めて、戦争で活躍するから!!ラテラーノに戦争を吹っかけてくる国家が少なくなった!!そのせいで私はほぼ職を失ったのと同義!!戦争という金の成る木を!!お前が無くしやがったんだ!!生活に困ることは無かったけど前よりも贅沢が出来なくなったんだ!!お前のせいで!!お前のせいで!!」

 

「しかもお前がそのまま教皇に選ばれた時どうしたよお前!!たんまり給料もらってたくせに他人の為に寄付なんざしやがって!!こっちには最低限の金しか寄越さなかったじゃねえか!!だからお前がその分稼ぐべきだろうがよ!!」

 

「⋯⋯⋯⋯それで当時の国家元首と手を組んだって訳か」

 

「ああ、あいつも個人的に金に困ってたからな。まあ小遣い稼ぎにはなるだろうと思ってお前のポルノを売り始めたって訳だ⋯⋯結果は予想以上だった!!世の中には変態って多いんだなぁ!!特に貴族!!お前の隠し撮りポルノは思った以上の売上をたたき出してくれたよ!!」

 

まあ、なんと言うか。うん⋯⋯⋯⋯⋯⋯

 

「ここまでテンプレのクソ小物だとは思わなかった」

 

「そうね、想像以上だったわ⋯⋯⋯⋯」

 

もっとなんかこう、捻った理由でもあると思ってた。

 

「「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」」

 

二人は絶句している。無理もないだろう。外面しか知らなかった二人からすればこれは大分豹変した方なのだから。

 

「ああ、そうそう。そこの赤いのの姉は傑作だったよ!!最初は嫌々だった癖に途中から性癖開花させてノリノリになってやがったの!!あの時は流石に自分の息子の女運の悪さに大爆笑したぜ!!」

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯嘘ぉ⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

 

エクシアがガチのショックを受けている。安心しろ、俺も最初それ聞いた時同じリアクションしたから。

 

「はぁ⋯⋯まあいいや、その辺はともかく、お前がゴミ屑ってのはよーくわかった。ここから生きて帰れると思うな、よ!!」

 

そう言って抜刀する、完全な不意打ち。超速で容赦なく、直死の魔眼まで発動させた、殺す為の一撃。

 

実の親に容赦なく放たれた一撃は────

 

 

 

 

謎のシールドによって阻まれた。

 

「⋯⋯⋯⋯っ!!」

 

「ははっ、これでもお前の実の親だぞ?その魔眼の弱点くらいわかるさ!!お前のその直死の魔眼。死を捉えて線をなぞっただけで全てを殺す⋯⋯成程、確かに必殺の能力と言えよう!!しかぁし!!裏を返せば、死を捉えられねば殺せない、という事だ!!つまり!!攻撃が飛んできた瞬間、目に捉えられないほどの速さで発動するバリアを貼ればいい!!」

 

なるほど、理屈は通っている。

 

直死の魔眼を発動させると、人体やら、建物やら、色んな所になぞれば殺せる『死の線』や『死の点』が見えるようになる。当然アーツや、アーツで作ったバリア何かにもそれは有効だ。その気になれば概念すら殺せる。

 

が、それは殺す対象がそこに存在すれば、の話だ。攻撃が届きそうになるまでそこにないバリアの『死』は捉えられない。『その場に存在しないもの』に『死』の概念もクソもあったもんじゃない。

 

「息子をメタる為だけに作ったこの装置!!中々便利だろう?いやはや、作るの大変だったんだよねぇ」

 

「てめえ、まさかだとは思うがこの装置の開発資金回収のために⋯⋯!!」

 

「あ、バレた?」

 

「⋯⋯⋯⋯ッ!!実の子供をなんだと思って⋯⋯⋯⋯!!」

 

 

 

そんなモスティマの絞り出した声に、彼女は悪びれる様子もなく、さも当たり前のように、こう答えた。

 

「あ?金になる道具」

 

 

 

 

 

 

 

────わかっていた事だった。この母親は根っこからそういう人間だ、と。どうしようもない金の亡者だと。金の為ならなんだってやる糞野郎だと。息子の事すら金としか見てない真性のクズだと。

 

そうだと思っていながらも、どこか外面に本心が、ほんのちょっとでも残っているんじゃないかって、期待してたんだ。

 

「⋯⋯⋯⋯そう、かよ⋯⋯⋯⋯」

 

「あ?他に何があるっていうんだ?」

 

「じゃあ⋯⋯⋯⋯全部嘘だったんだな。誕生日に変身ベルト買ってくれたり、何かある度に心配してくれたり、あの当たり前の日々は、全部⋯⋯⋯⋯演技だったんだな⋯⋯⋯⋯」

 

「は?何言ってんだお前。ちゃんと心の底から祝ってたさ。だって────

 

 

 

 

 

 

 

誕生日を迎えれば、金を稼いでくれるようになる日がどんどん近くなるって事だし、死んだりしたら僅かな金にしかならないじゃないか。そりゃ心配したりするさ」

 

 

 

「⋯⋯⋯⋯ッ!!貴女は────!!」

 

「いやー、本っ当に大変だったんだぞー?ポルノ売る前からずーっと、なんでか分からないが男女問わずレイプされかけるのは本当に謎だったよ。そんな形で傷物になったら、最終手段の人身売買ですら本当に金にならなくなっちゃうしな」

 

さも当たり前のようにそういう目の前の女に、とうとう三人の堪忍袋の緒が、音を立ててちぎれ飛んだ。

 

先ず、モスティマのアーツが彼女の動きを封殺した、その瞬間、銃の一斉掃射、それに加え大量の手榴弾。

 

躱すすべなど無い────ハズだった。

 

否、確かに躱すすべなど何処にもありはしなかった。それは防がれたのだ。

 

「────メフィストの兵士!?」

 

肉壁。正気を失ったメフィストの兵士が、三人の攻撃を受け止めていた。

 

「全く、困るよ。なんで契約早々死にそうになってるのさ」

 

「はっ、まだバリアがあったから一応死にはしなかったさ。とはいえ礼は言っておくよ。流石に今のをくらったらタダでは済まなかったからね」

 

「おばさん⋯⋯!!貴女まさか────!!」

 

「ん?ご覧の通りさ。言ったろう?戦争は金になる⋯⋯⋯⋯レユニオンの武装は私に一任されたのさ、金の力でね」

 

そう答える彼女は、何処までも醜悪な笑みを浮かべていた。

 

 

「────母さん⋯⋯⋯⋯いや、もう母さんと呼ぶのはやめだ。⋯⋯リオ、お前は俺がぶち殺す」

 

「シキ⋯⋯⋯⋯」

 

「はっ、とうとう親を呼び捨てときたか!!まあいい、今日のところは引くとしよう⋯⋯流石に四対二は分が悪い」

 

「⋯⋯⋯⋯逃がすと思ってんのか?」

 

「ああ、逃げるとも」

 

そう言って彼女はポイ、とこちらに向かって何かを投げてきた。あれは────フラッシュバン。

 

「皆、目と耳を塞ぎなさい!!」

 

 

 

 

 

閃光。轟音。

 

視界も潰れ、何も見えなくなる。

 

────後には何も残っていなかった。まるで最初からそこには何も無かったかのように。

 

 

 

 

「────に、がすかぁ!!」

 

 

 

その日、龍門は混乱に陥った。まあそりゃあそうだろう。龍門の空に、巨大な光輪と羽根が現れたのだから。

 

 

 

千里眼と透視能力を全力で駆使する。久方振りに出た羽と光輪が悲鳴をあげるが知ったことではない。もっと、もっともっともっともっと遠くまで見通して、絶対に見つけて殺す。殺す殺すコロスコロスコロスコロスコロス────ミツケタ。

 

 

「凶れええええええええええええ!!」

 

 

その日、龍門から凡そ100メートル離れた地点の荒野に、直径300m程の大穴が空いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ラップランド:可愛いと言われて満更でもない。

エクシア:ある意味最悪の真実を知ってしまった。

モスティマ&W:流石にキレた。

リオ:シキの母親。天才的な技術者で兵器を作るのが得意。金の亡者。

やっぱり『シキ』と敵対する人だから名前をこうするしか無かった。反省はしている。

次回は今回の騒動のエピローグです。

正直今回のじゃまだ生ぬるかった?

  • もっと傷口に塩塗っていい。
  • 丁度いい
  • もっと優しくしてあげて
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