D.T 童貞はリアルロボゲーの世界に転生しても魔法使い   作:装甲大義相州吾郎入道正宗

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主人公機の音声は、ゆかりさんボイスをご想像下さい。





作戦区域内・某所 地下2500m

ビアガーデン上層

 

幼いキキと刺激的な遊びに興じていた女傑のモーラは、彼女を一人ベッドに残すと部屋を出る。真新しい私服に身を包んでいるが、火照った体からじんわり滲む汗が気になり、思わず匂いを嗅ぐ。

 

「今からサウナに入るのも面倒だね…」

 

魔女達の入浴はもっぱら蒸気を全身に浴びて発汗を促す蒸し風呂であり、シャワーや湯船に浸かる文化は無い。決められた時間に入る必要も無いが普段の時間と被るので少し面倒だと感じている様子だった。

少しだけ考えた後、辺りを見回すと先程の新しい給仕が通路の端で待機しており、ビクリと肩を震わせてから一礼を返す。

 

(ちっ、ヘコヘコしてみっともない奴だね)

 

気怠い気分から口には出さないが不平を漏らすモーラ。手招きすると給士が脇にあった従業員用のワゴンを引いて近寄って来る。

 

「おい、お前。今から言う物をすぐに用意して…」

「は、はい! こちらに香水がございます!」

「……そうかい」

 

紅茶の一件で同僚が殺されたのを目撃した彼は万事に備えて気を張り詰め、女傑がナニを終えた後にどれを求めるのか、必死に考え抜いて物を用意していた。

他の魔女と比べて粗野な性格上、サウナより香水で匂いを上書きするのではないか? あらかじめお気に入りの香りを選び、念の為に別銘柄も揃えて、勿論気まぐれに備えてサウナの温度も上げて通路で待機していたのだ。

案の定、女傑に呼び寄せられた時は焦って香水を差し出してしまい、自らの迂闊を呪ったが、どうやら今回は正解だったらしく素直に受け取って貰えた。しかし、どうにも様子がおかしい。眼帯で表情が読みにくいが僅かに顔を顰めるモーラに伺いを立てる。

 

「あの…ま、間違えてしまったでしょうか?」

「ーーーいいや? でもそれはそれで腹が立つなと、思っただけさね」

「えっ…ぐふっ!」

 

女傑の拳が彼の頬を捉える。

振り抜かれた右フックは強かに肌を打ち据えるが、八つ当たりで転ばせてやろうというモーラの思惑とは異なり、給士が体勢を崩す様子は無い。身長こそ両者は同様だったが、そこにあったのは純粋な性別による身体能力の差だった。

 

「ッ!」

 

苛立って拳を振るったのにこの始末。苛立ちが瞬間的に湧き立ち、魔法を行使しようと術式を描くが、それよりも先に給士が地面に頭を擦り付けて謝罪した。

 

「申し訳ありません!」

 

プライドの何もかもを捨て去った命乞い。旧ニホンで最も屈辱的で、相手への全面的な降伏を示す土下座を目にしたモーラは鬱憤が晴れたのか、術式を突風に変更して彼を吹き飛ばすに留める。一度、発動した魔法を止めるのは幼年の子供でも分かる危険な行為であり、その発散として風を巻き起こしたのだ。

 

「ちっ…ワゴンを置いてサッサと失せな」

「はいっ!」

 

命拾いした給士は、一目散にこの場から離れ去る。通路に残されたのはモーラただ一人。漠然とした空虚感に身を摘まれるが、頭を振って当初の目的である香水を全身に浴びた。

やや濃い目に調整された薔薇のフレグランスは確かにモーラの好みであり、新人の給士が気を利かせて用意するには些か的確すぎる。

 

(そういや東海側の一流ホテルなんかは宿泊客の趣味嗜好を個別に記録して、対応を変えるらしいがこれもその一環…という事かい。腹の内を探られてるようで気に入らないね)

 

魔女文化に重きを置く西海側で生まれた彼女にとって、機械文明に傾倒する東海側の文化は、やや受け入れ難いものであった。

 

ーーー人類が西と東の海で大別されて早200年。

 

既に過去の世界大戦を記憶している者はおらず、ただ文献に記された歴史書の内容しか伝聞されていないにも関わらず、人々は未だ啀み合いながら世界を二等分に別けて運営している。

 

西海勢力。

大西洋に浮かぶ海上都市群の総称であり、旧西欧文化圏やインド文明を色濃く残す派閥の集まりでもある。また、人類にDTの基幹技術である魔法学を齎した魔女達が本拠地を構え、日夜研究に明け暮れているのが特徴だ。

しかし、最も顕著な特徴として挙げられるのは《徹底した女性主義》という点で、ここで製造されるクローン男性は全て去勢済み。生殖行為も市民権も一切認められない。付随してそれらの制度に異を唱える事すら罪であり、精神的男性と見做されたら最後、モンスター蔓延る陸地に追放とする法案が可決済みである。

これは、いわゆる魔女文化に傾倒した国家首脳陣の意向や、女性活動家達の働き掛けによるものだとされ、質素な生活を尊ぶ文化圏でありながら男性クローンの製造数は日々増加の一途を辿り、関連技術も洗練されている。

 

対するのは、東海勢力。

かつて太平洋と呼ばれた海を拠点とした海上都市群は、旧アメリカ大陸から逃れた者や同盟国が集まって構成される派閥だ。

DTの制御及び武装関連に必須とされる科学工学の分野に重きを置き、大戦前以上に先進的な文明を築き上げてきた。その裏にあるのは国よりも富み、民衆によって経営される企業の手によるもので、特に本店と呼ばれる軍事派遣会社が幅を利かせているという。

また、男性の地位が低いのは世界的常識でありこちら側でも変わりないが、資本主義社会が深く根付いた文化である為、有能であれば一代限り人間として認められる恩恵があるので、躍起になって上を目指す男性は後を絶たない。

 

両者とも表面上は人類の危機に立ち向かう為というお題目で共闘関係にあるが、歴史を紐解く者が少しでもいれば解るように水面下では互いに化かし合い、裏を搔こうとしている。

 

それは西海側の管理下にあるビアガーデンでも例に漏れず。東海側が中層を間借りする際、『ささやかなサービス』として送り込まれた給士クローン達の役目が、純粋に魔女達への奉仕だけでは無い事は明白だ。

故に一見、乱暴なモーラの所業も好意的に解釈すれば、自陣営の防諜行為と言い換える事は出来る。…たとえ彼女の本心が単なる憂さ晴らしであっても、男性は次から次へと送り込まれてくる。

 

「……ふんっ、男なんて無駄な物、とっとと絶滅させて適当な人型のクローンでも作ればいいのにさ」

 

薔薇の香りに包まれながら、そんな思いを呟いて通路で涼を取っていると、視界の端にフラリと現れ歩いて来る、自分の姉エリザベートを発見した。

 

(相変わらず見惚れる美人で羨ましいねぇ)

 

完成された美というべきか、無駄のないプロポーションと動きは、ただ歩くという行為だけで道に花咲くような気品が溢れている。

 

「随分と遅かったんじゃないか? プロージットならひとっ飛びだろうに」

 

お陰で随分と楽しめたけどね。

ニヤケながら軽口を叩くモーラだったが、相手の様子が少しおかしい。何事も効率を第一に考えるエリザベートは頭の回転が早く、回答や返事に言い澱むのは滅多に無い。だというのに今日は何処か夢心地のような、足元が浮ついた印象を受ける。

 

「………あぁ、モーラか。ただいま」

「? おかえり。…何かいい事でもあったのかい」

「むっ…そう見えるか」

「そりゃ長年、妹をやってるからね」

 

長姉のエリザベートが白上マコトという外販のホッパーに執心しているのは、血が繋がっていない姉妹でも分かる露骨な事実だった。

今日1日にしても、幾ら予定がないからと言って朝からずっとプロージットに乗って監視しているのは些か以上に興味が強すぎる。

今までは孤高の存在として敬ってきた姉の変貌ぶりにモーラは危うい雰囲気を感じ取っていた。

 

当の本人はそんな心配をよそに「ふむ」と一言呟いてから、じっと見つめて口を開く。

 

「……モーラ。一つ聞きたいのだが」

「最初に質問したのは私なんだけど…何だい姉貴」

「……炎の壁を越えるのは…シグルズでも、グンナルでも構わないと思わないか」

「は?」

「…抽象的すぎたな。では正攻法では勝てない竜がいるとする。奥には期限付きの宝が眠り、それを手にしなければ今までの道のりが、今後の栄光も消えて無くなるとしたら…。最短で正面から挑む蛮勇を選ぶべきか、それとも時間切れまで横道を探して隙間から縫うべきか。お前はどうする?」

「えぇ…」

 

突然すぎる謎かけに戸惑いを隠せないモーラ。要領を得ないのではぐらかそうとも思うが、姉の目は閉じていても彼女を捉えて離さない。

エリザベートの瞳は人の心を先読みするユミルの魔法が秘められており、通常の相手ならば質問を提示して回答を得る必要は無い。

しかしその力、【魔眼】と呼ばれる後天的な

才能を持つのは彼女だけではなく、妹であるモーラ、そしてキキも同様で姉妹間では効力を発揮しない弱点があった。だからこそ話し合っているのだが、エリザベートはその弊害で少しと言うか、かなりコミュケーションや距離の取り方が不器用な面がある。

 

「回答してくれ、モーラ」

「いや意図が分からないからアレなんだけど…まぁ早いに越した事は無いんじゃないの? やってみる前に挑戦すら出来ないのは損した気になるしね」

「なるほど…一理ある」

 

その後、籠の鳥や座敷牢といった謎の質問を繰り返されたがモーラの頭は理解が及ばず、終いには教本でも資料でも参考にしてくれと吐き捨てたら、一人で納得して自室に帰ってしまった。

 

「何だってんだ姉貴の奴…」

 

おかしくなったのは一年前。エリザベートがこのビアガーデンで単独任務を遂行中、偶々居合わせたという白上マコトに興味を持ったのが始まりらしい。詳細は語られていないが行く先々で偶然の出会いを繰り返し、仲を深めたのはモーラも知っている。その度に、無表情だった姉の頬に赤みが差し、時にはほんの小さな笑みを浮かべたまでは良い。相手が外販という貧民の仕事に就いているとはいえ、そこまでなら一時の火遊びで冗談に出来たからだ。

 

だが、最近のエリザベートは己の立場すら忘れているようで…。

 

「……キキも変な影響を受けてるみたいだし、何処かで手を打たないとね」

 

そんな困惑を残したまま何事もなく時は過ぎ。中層の空母が大規模作戦のために飛び立つのを何となく見届け、すっかり夜の時間帯となり、キキと一緒に魔法の鍛錬に身を浸していると、見慣れない覆面姿の魔女が現れ、一通の手紙をモーラに手渡した。

 

「モーラ、だけ? 珍しい」

「本国の総帥からです。お受け取りください」

「…こりゃ本格的に珍事じゃないか」

 

手渡されたのは一通の手紙。無線や電気信号での通信は盗聴の危険があるとして、本当に重要な連絡は昔ながらの紙媒体によってやり取りがなされる。その為、連絡員は精鋭中の精鋭が選ばれるが、邪魔が入るのは日常茶飯事で人員の入れ替わりが激しい。この魔女も顔は知らないが新しく任命されたのだろうと2人は予想した。

そして更に差出人が西海陣営の実質的トップである《魔女会の総帥》からというのは只事ではない。

 

息を飲んでから改めた手紙の内容。そこに記されていたのは、

 

 

 

白上マコトに対する調査指示と、エリザベート造反の可能性についてだった。

 

 

 

 

 

 

西海側ステルス輸送機【ホルテン】

 

当初は静観を決め込んでいた油蝮の掃討作戦に赴いているのは先の指令を受けたモーラである。

金だけ払って保身を第一に考えたビアガーデンの主人に総帥からの意向だと伝えて、数少ない隠密飛行が可能な輸送機で夜の帳が下りた現地へと赴く。

 

魔女全般に言える事だが、彼女達はDTをゴーレムと呼び、一定の忌避感を持っている。

モンスターに対する有用性は重々理解しているようだが、製造に使用される素材の一部がどうしても受け入れられず、ホッパーの道を諦める者もいるぐらいだ。

特に現行の最新型、エール式は陸地を確保出来ない現状から、あらゆる金属資源が希少かつ高騰しており、大部分のパーツが海面栽培に適した品種改良の木々から取れる、植物樹脂や穀物を加工したバイオ資源に置き換わっている。

その原料を育てる《動物性の天然飼料》が受け入れられないと、反対団体は抗議の声を上げ、例年の行事のように尽きない。

ここの主人も、裏側ではその団体に所属しており、潤沢な資源を供出されているだろう。

 

「だからといって、東海側の戦力に依存するのは本末転倒とは思わないのかね」

《魔女は、みんな、利己的。大なり、小なり、ね》

「こりゃ耳が痛い」

 

白上マコトの調査には戦闘データの実録も含まれており、個人的な興味も手伝ってモーラが直接、腕試しに向かっている。オペレーターに志願したのは少し眠そうにしているキキで、その通信に耳を傾けながら到着を待つ。

 

眼下の河川方面では作戦に参加している外販のDTが我先にと功を奪い合いながら、油蝮を追い立てて不粋な狩りに興じている。

 

「火線の光ってのは、どうにも目に悪いね。キキ、画面越しとはいえ直視するんじゃないよ」

《分かって、るよ、モーラ、も、気をつけ、て》

 

魔眼の代償は視力に依存する。

長女のエリザベートは両目を

次女のモーラは片目を。

三女のキキは両目が弱視。

 

それぞれが目に関する障害を抱えている為、こうした強い光や暗闇を嫌う傾向があった。

 

モーラは輸送機に指示を出して高度を更に上げる。3000m付近には空母が待機し、地表では小型艇がひっきりなしに飛び回っているので、万が一の接触を避けるためだ。

今回の調査はあくまで極秘裏の依頼である為、隠密飛行を保ったまま目標と接触しなければならない。

 

そのため普通なら視認すら困難な高さまで飛び上がり、あれほど眩しかった戦場が光点しか見えない位置まで来た所でようやく上昇を止めた。

 

「さて、何処にいるのか…私の瞳からは逃れられないよ…!」

 

眼帯を外した奥には、万華鏡の如く輝く魔眼の真髄。視覚情報を魔力に絞り、万象の動きを把握する【魔相掌握(ヨトゥン)】が視界全てを睥睨する。

今のモーラには、作戦区域内で逃げ回る油蝮の現在地やDTの位置関係を正確に把握出来る。彼女が協力すれば事はスムーズに進んだであろうが、それを指摘出来る者はいない。

そして視えたのは山岳方面にボツンと存在する異様な魔力反応。機体の隙間から溢れ出る魔力が桁違いで、金色の帯を纏っているようだ。

 

「……ラガー式ってのは、オンボロにもほどがあるね」

 

事前情報からチェイサーと呼ばれる機体が経年劣化著しい骨董品というのは聞き及んでいる。だからこそ漏水こそしないものの、魔力水が各所から揮発して輝いているように見えるとモーラは予想した。

 

……ほんの少しだけ、パイロットの魔女が、白上マコトの持つ魔力が、エリザベート並みならば密閉が完璧でも溢れ出るのではないかと考えたが、ありえないと即座に切り捨てる。

 

(過大評価するなんて私らしくもない)

 

眼帯を戻して、気分を落ち着かせたモーラは降下準備に取り掛かった。

 

《モーラ、本当に、一人で、大丈夫?》

「うん? 所詮は旧式、姉貴が気に入ってるにしても私のシュバルツに敵いっこ無いだろうさ」

《でも、相手は、姉様の、お気に入り。本当に、何も、無いとは、思えない》

「そりゃそうだけどね…」

 

所詮は外販。見たところ機体性能も低そうで、苦戦する要素が見当たらないのがモーラの本音だ。油断と言うよりは余裕で相手取る自信がある。

そして、彼女自身、初めての感覚だが白上マコトの魔力を感じていると妙に胸が騒めき、引っ掛かりを覚えている。何故こんなにも苛立つのだろうか。答えが出ぬまま輸送機は本店のレーダー範囲に引っかからないギリギリまで高度を下げて、モーラ専用に誂えたカスタムDT【シュバルツ】を投下した。

 

 

 

 

 

 

 

「こいつ…狂ってるのかい!?」

 

初対面の感想はこうだった。

 

離れた位置に降り立ち、闇に紛れる色の外套を羽織ったシュバルツだったが、白上マコトはあろう事か森に火を放って油蝮を焼き払っていた。

気が触れているような凶行だが、これだけ火の手が上がれば周囲は昼間のように明るく、外套による迷彩効果が殆ど望めないどころか酷く目立つ上、邪魔な油蝮も寄って来ない事にはたと気付く。

 

(まさか…私が来るのを見越して…?)

 

その驚きを肯定するように、二本の大剣が真っ直ぐシュバルツを狙って飛んで来た。

 

「ーーーなるほど。バレちゃあしょうがないね。まさか炙り出す為に森を焼くとは思わなかったけど…流石、姉貴が入れ込む女だ」

 

率直な感想を述べるがチェイサーを駆るマコトから返答は無い。動揺していると思いきや機体は迎撃の構えを見せており、交戦の意思をヒシヒシと感じる。…面白い。

 

「悪いね、ここは運悪く通り魔に襲われたって事で…死んでもらうよ!」

 

モーラは愛用の得物であるハルバードを振り上げて切り掛かる。炎のフィールドに照らされた白銀の刃がチェイサーに迫るが、相手は即座に片手槍を取り出して連結。伸びたリーチを利用して軌道を逸らす。

 

(判断が早い…!)

 

内心で感嘆するモーラ。続く牽制の魔法も投げナイフによって機先を制され、重量級のDTには無害な突風に変換されて、正に風を切る結果に終わった。※『気勢』は削ぐものですが文脈的に『機先』でしょうから『削ぐ』ものではありません

 

その後も何度か斬り合うが、有効打がまるで入らず一進一退の攻防が続くのみ。動きをあらかじめ知っているかのような立ち回りに苦戦するモーラは、自分の戦闘スタイルがエリザベートから漏らされたのでは無いかと疑心を抱きつつも得物を強く握る。そんな心の油断を突かれたのか、致命傷には程遠いが右脚が損傷し、凝固剤による修復が機能した事で彼女は更に警戒心を強めた。

 

[…こちらに…戦闘の意思は…ない]

「はっ、良く言うね。ウチの姉貴を誑かして、いったい何をさせるつもりだい、汚らわしい!」

 

そんな中で、無用な休戦申し入れなど受けられる筈もない。モーラの頭の中では既に調査というお題目は忘れ去られ、ただただ生意気な旧式を破壊する事に注視する。

姉貴に気に入られた運の良い子猫かと思えば、とんだじゃじゃ馬を引いたと落胆半分期待半分の気持ちで、不意にニヤリと笑うモーラ。

 

「まぁでも…あの姉貴が気にいる女だ。顔を隠しているらしいが、さぞ美人なんだろう? ふふっ最後に味見くらいはしておくかね…」

 

叩きのめした後に、尋問という手段を踏めば好き勝手出来る事を知っている彼女はペロリと唇を舐めて自分へのご褒美に期待する。

 

《モーラ……》

 

改めて気合の入った様子で得物を振るうシュバルツと、ここに来て明らかに狼狽するチェイサー。

 

今までの激しい打ち合いが嘘のように辺りは静まり返り、第二ラウンドの開始がジリジリと迫る中で不意を打ったのは第三者の介入だった。

 

「ひっ、た、助けて下さい!!」

「「!?」」

 

燃える木々の隙間を縫って、救助を求めて来たのは1人の男性。使い古された衣服に身を包み、年単位で伸びっぱなしの髪は固くゴワつき毛先を少し焦がしている初老の男だった。

 

モーラとマコトはその貧しい身なりから、ブーアと呼ばれる危険な陸上での生活を余儀なくされる難民だと気が付いた。恐らく普段から山の中で隠れ住むブーアの一人で、DTと出会うのも初めてなのだろう。ホッパーには女性しかいないのに、助けを求めるなど自殺志願者にしか見えない。

 

そこからの反応は完全に逆だった。

 

モーラは普段から男性嫌いを公言する女傑で、それ以上にブーアという存在そのものが許せない理由があり、人間相手にハルバードを振り被る。

 

マコトはそれを防ぐ為、質量で対等に渡り合える唯一の武器である大槌を自ら投げ捨ててまで男性を救った。

 

[…広場に…逃げろ]

 

警告され、ようやく自分の置かれた立場に気が付いた男性はチェイサーの合成音声に従い…一礼だけ返してから比較的火の回りが少ない伐採済みの場所へと走り出した。

そんなマコトにとって当たり前のやり取りは、女性上位の社会で囲われるように育ったモーラの、舗装された人生において唯一の汚点。出生に秘められた逃れられぬトラウマをこれ以上無く刺激する。

 

男性を情で生かす。それはこの世でもっとも醜い偽善行為に過ぎないのだから。

 

「こいつは男だ! なら、それだけで死ぬ必要がある! 男はみんな、乱暴で思慮も欠けて、性的搾取するばかりの不要品だろう!」

 

だからこそ、マコトの続く言葉に二の句も、言い訳も出来ない。

 

[…男が…怖いのか]

「!!」

[…察するに…女に…逃げただけだ]

「な、何を言って…んだい」

[…だから殺す…近づくのも…触れ合うのも…ゴツくて固い…男が…怖いから]

 

(何で…何故それを知っている…! 白上マコト!!)

 

女傑と呼ばれる魔女の中の偉丈夫、モーラの極一部にしか知られていない深い闇の過去を示唆する言葉にフツフツと湧き上がる激情がある。こんな真似が出来るのは……。

 

 

 

ーーーエリザベート・フォーゲルに造反の危険有り。注意せよーーー

 

「ッッッ!!」

 

普段なら例え敬愛する総帥の言葉だろうと、激怒してもおかしくない書面の文字。

姉妹の絆を否定する物言いに、即座に反論したい気持ちを抑えて一応の恭順を示してエリザベートには話を通していない。

相手がモーラを動きを知っているのも、あらかじめ待ち構えていたような動きもーーー 全て偶然の産物なのだから。

 

「ッ! そんなはずは無い……あるはずが無いんだよ!」

 

だからこそ、激情に振り回されながらも考える。こちらの動きを把握し、先制もしくは迎撃を得意とするカラクリ。その謎を解明しようと頭を回し、そして先ほどまで考えていた言葉が脳裏を掠めた時、モーラは一つの可能性に辿り着いた。

 

「ま…さか……ッ!」

 

ハルバードの斧部を振り回す動きから、先端の槍で小さな突きに移行し緩急を付ける。しかしチェイサーは突然切り替わった攻撃を巧みに槍で捌いて直撃だけは許さない。

 

(違う…こいつの動きは上手い早いの問題じゃない。あらかじめ私の攻撃を予測してタイミングを合わせている!)

 

それはまるで、モーラの戦い方全てを把握しているような、見透かしているように。

 

 

ーーー人の心を、先読みしている。

 

《モ、モーラ、あのね、この人、もしか、したら》

「言われなくとも分かってるよ!」

 

距離を離して魔法を放とうにも、すかさず追随して隙を与えてくれない足運び。

 

あぁ、やはりこいつは……。

 

「姉貴と同じ魔眼(ユミル)持ちか!」

 

行動の全てを把握しているかのような動きとカウンター。親しい相手以外は知らない過去の私を晒し出す所業。そしてあの姉貴が誰よりも気にかける特別な相手となれば、もはや心を先読みしてるとしか考えられない。いや、きっとそうに違いない。

 

そうなれば総帥からの手紙にあった事前情報とも一致する。普段から姿を現さないのは盲目を悟られない為。声が不自然なのは視力だけでは代償が足りず、言語機能に支障が出ているのだろう。

そして、その強さをアピールする事なく外販の身に甘んじているのも、魔眼持ちという秘密が知られると、東西関わらず争奪戦になる事を見越しての予防策だ。

 

あり得ないパズルピースが、総帥の指示から得た着想で埋まり、白上マコトという規格外の存在を浮き彫りにした。

 

モーラは考える。

恐らくエリザベートは同族ともいうべき白上マコトに親近感を覚え、愛玩動物のように独り占めにしたいのだろう。しかしそんなワガママは昨今の社会情勢から許されない。

東西の戦いは日々水面下で蠢いており、モンスターに怯えている現状を忘れて人間同士で再び世界規模の大戦を起こす可能性が高まっている。もしそんな事態になれば、現在は壁の役目を果たしている旧ユーラシア大陸やアメリカ大陸を舞台に、モンスター入り混じっての総力戦になるのは目に見えている。

 

そこで重要になるのは従来の戦争のような数に任せた物量作戦ではなく、有象無象を蹴散らし、敵中枢に大打撃を与え得る特記戦力の配備。半端な戦力ではモンスターに食い潰されて意味を成さないからだ。

 

故に鍵となるは、世界に眠る十二機神。

 

魔法学と科学が融合する前の、太古から眠りに就いた神の現し身。東海陣営の一部はソレに寄らない新しいDTの開発に躍起になっているとの噂があるが、所詮は市井の噂に過ぎない。

現実的な話として、機神のミコたるホッパーには莫大な魔力が求められる為、エリザベートに並ぶ実力者は早期に確保するべきだ。

 

モーラの試算では姉の乗るプロージットと、東海陣営で判明している十二機神【チアーズ】とは機体性能が拮抗しており、このままでは相打ちになるだろうと予測している。

 

ーーーもし仮にだが、世界大戦を回避する場合、最低条件として必要なのは最強の機神を単独で撃破し、神代に寄らない力を示すしか無いのだが…それは無理な相談だろう。

 

「白上マコト。貴様を殺すのは無しだ…痛めつけてから拘束させて貰うよーーーヨトゥン!」

 

もはや遠慮は不要。眼帯を外してモーラは全力を出す。相手から漏れ出す魔力のみを光として感知し、その強弱を読み取る事でDTが動く前の魔力水の流動を捉えて、先読みする力。巨人殺しの瞳がチェイサーを捉えた。

 

(案の定、はち切れそうなほど魔力が漏れてるね…上空の時は単なるオンボロだと思ったけど、見間違いじゃなかったって事だ。だがね!)

 

黄金の帯を纏う相手は魔眼が発動してるのを読み取ったらしく、明らかに警戒して動きが鈍る。

 

「姉貴ほどじゃ、無い!」

 

シュバルツの握るハルバードが一閃。今までの様子見とは異なる、全力の振り下ろしがチェイサーを襲う。

今まで通り、槍でいなそうとするが…無理やり力で押し込んで槍どころか、右腕の装甲を巻き込んで切り捨てた。

 

「チッ、浅いか!」

 

切断したのは外装のみ。余力で叩きつけられた地面に亀裂が走り、その力が如何に強靭だったか物語っている。

間髪入れずにハルバードが跳ね上がり逆袈裟の要領で刃が翻ると、やはりそれよりも早く初動を見せるが、機体がその反応に付いていけず、無残にも左腕が宙を舞う結果となった。

 

追撃を掛けようとするモーラだが、切口から止め処なく魔力水が迸るせいで魔眼の視界が一層眩く染まって前が見えない。その隙にバランスを崩しながらタタラを踏んで距離を空けるチェイサー。そして隠し持っていたらしい小型のパックを取り出すと切断面に押し当てながら粉砕。先ほどのシュバルツのように破損箇所を凝固剤で固めて応急処置を施した。

 

ここに来て機体の性能差が如実に現れた事に、マコトは歯噛みしているだろう。

 

「そんなオンボロに乗ってる自分を呪いな!」

 

大槌も槍も無くした相手はもう武器すらが無いのか、両足を踏ん張って片腕を構えるしか無い。

 

そもそも初期のラガー式はエール式に勝る部分が積載量しかない。

駆動トルクも、機動走破性も、全てに差がついている。唯一、内部骨格という重量に耐えやすい基礎構造にこそアドバンテージはあるが、それも金属製の重量級外装で相殺されるので決定的な優位とはなり得ない。

 

(だからこそ、ここで捕獲しなけりゃ…)

 

もし、ここで取り逃がしてエール式に乗り換えられたら、機体性能が互角なら…自分でも対処出来るか分からない。魔女としての勘から、ここで決めねばとハルバードを必殺の構えに持ち替えてフィニッシュに備える。

 

《モ、モーラ、モーラ、私、私ね、ごめん、なさい、って、思って、モーラ、ねぇ、答え、て…》

 

ゾーンに入ったモーラの耳には既に泣きそうになったキキの声は届いていない。チェイサーの一挙手一投足に全身全霊の集中力で挑んでいるからだ。

 

だからこそ、その言葉を理解出来ない。

 

[…RTAの…基本を…知っている…か]

「……気を逸らそうとしても無駄だよ、覚悟を決めな」

 

場違いな、それでいて意味不明な単語を口走る白上マコト。

 

[…まずは…綿密な…チャート…そして…充分な…試走]

「何を訳の分からない…」

[…そして…一番…大事なのは]

 

そこでモーラは気が付いた。己の駆るシュバルツを中心にして、位置を調整するようにチェイサーが動いているのを…。話しながら時間稼ぎを行なっている事を、

そして、腰を落としたその姿勢こそ。旧ニホンにおける最強の国技、相撲の構えに気が付かなかった。

 

「貴様…!」

 

[…マトモに戦わない事だ]

 

その言葉が終わるや否や、愚直な突進で迫り来るチェイサー。今までの相手の動きを読んだカウンターとは全く異なる猪戦法に、モーラは反応出来ない。武器すら持たずに何がしたいのか。その答えはすぐに晒された。DTによるブチかましと鯖折り。片腕の不安定な状態でもシュバルツを抱き締めたまま、開けた広場から燃え盛る山側へと押し出す。

 

「離せぇぇ!!」

 

シュバルツが両腕を振るって抵抗するが、その度に木にぶつかる衝撃で手元が狂ってしまう。しかも得物が大型のハルバードしか無い為、小回りが利かずに碌なダメージが与えられない。それならばと焦る気持ちを押さえ付けて、ヨトゥンを解除。魔法で吹き飛ばそうと判断した時には、もう何もかもが遅かった。

 

[ーーー警告。固定ボルト全開放。外装を強制解除します]

 

流暢すぎる言葉が聞こえたと思った瞬間、ただでさえ光を纏っていたチェイサーが太陽を直視させるような強烈な閃光を放つ。

 

そして、視界を失ったモーラは一瞬の浮遊感を味わった後。

 

 

 

 

チェイサーとシュバルツは、堰き止めていた川へと落下していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦区域内・某所

 

地下 2500m

 

 

ーーー第七魔法学研究所(ビアホール)

 

 

 

「何やら外が騒がしい気がするのぉ…」

 

機械で埋め尽くされた小部屋で一人作業を進める老科学者がポツリと呟く。

その男性は、空調機以外に風も音も届かない監獄のような場所でありながら、何かしらを感じ取ったのか、言葉とは裏腹に確信した様子で手元のキーボードを弾いて操作する。数秒後にサウンドオンリー、声だけの通信で何者かと繋がった。

 

《……トラブル発生か。No.0120・アイザック》

「いや〜そうではないんじゃが…すこぉし報告と知りたい事があってのぉ」

《…業務中の私語は禁則事項に指定しているが?》

「そうじゃったの? なにぶん年寄りなもんで物事を覚えるのが億劫でな」

《ならば懲罰を与え…》

「ほっほっほっ、この老体に文字通り鞭なんぞ打ったらそのまま昇天してしまうぞい? ……そうなって困るのは誰だったか、教えてくれるかの」

《ちっ…これだから男は…要件はなんだ》

 

下手に出ながらも強かに交渉してみせた老科学者のアイザックは蓄えた髭を撫で付けながら、余裕の態度で話を始めた。

 

「まずは普通に業務連絡じゃ。先日、納品された十二機神の【チアーズ】じゃがの。ーーーようやく()()()()()()()()()()()ぞ。今はセラー内で破損していた四肢からバラしておる」

《!! 朗報ではないか》

「ふぅむ…じゃがやはり古代に製造されたランビック式は骨格構造が手強くてなぁ……もうちょっと予算があればスムーズに、そうスムーズかつ的確に進むんじゃが…」

《良いだろう、追加予算の概算を出せ。…常識の範囲内でな》

「よっし!」

 

こいつ本当に80代か…? と通信越しの相手は訝しむが、報告の進捗は喜ぶべき成果だ。秘密裏に男性を使うという、世間の理に反した計画を遂行している身からすれば喉から手が出るほど待ち望んだ情報だ。

 

《それで、聞きたい事とはなんだ》

 

やや上機嫌にアイザックの要望に応える相手。この時点で手玉に取られている事には気付かず、先を促した。

 

「ん〜、ちょいと確認して欲しいんじゃが……兄貴は、今ちゃんと仕事しておるかの?」

《なに?》

 

通信相手は今回の計画において、二人のDT研究者(ブルワー)を誘致…拉致監禁していた。世が世なら有名な博士になったであろう彼らは血を分けた兄弟として生まれ、培養クローンの身でありながら筆頭研究者(ブルーマスター)と呼ばれる天才だった。

 

その両方を獲得し、地下研究所にて結託しないよう別々に監視付きで働かせている現状で、何を言い出すんだと疑問符を浮かべるが、念の為に兄側のカメラに目を向ける。

するとそこには、パッと見では分からないほど精巧な身代わり人形が、仕事をするフリをして設置されているではないか。

 

《な、な、なっ!? …き、貴様らまさか脱走を…!》

 

 

 

「あんのクソ兄貴ィィ!! 自分だけ調べに行きよったなぁぁぁ!!!」

 

《は?》

 

肉体の衰えなど知った事かとばかりに、大声を張り上げるアイザック。相手が呆気に取られる間に、彼は手元を素早く動かしてセラーと呼ばれるDTの格納庫を操作する。

そこは空間内に魔力が満たされて、術式を保持するホッパーが一人いれば複数の機体を自壊させずに保てる研究用の設備だ。

 

《何をしているNo.0120・アイザック! 貴様に研究設備以外の操作は許可していない》

「兄貴を捕まえるんじゃろ! だったら、こんな事もあろうかと!計画の副産物でこっそり作っておいたカスタムDTで召し捕ってやるわい」

《そんなもの私は聞いてないぞ!?》

「ナナキ! 機体に乗って兄貴をころ…捕縛するんじゃ!」

《ーーーりょ》

 

研究所内の離れた位置にあるセラーでは、突如動き出した搬出用ハンガーに驚いて、散り散りに逃げ回る所員達が悲鳴を上げたり落ちたり躓いたりしながら避難していく。そんな中、肌にピッタリと吸い付くボディスーツの少女が、フラフラと渦中の中心へと進む。

 

セラーから現れたのは西海側の主力量産DT【オリオン】。それを巨大な車輪の中に納めた異様な姿をしたカスタム機だ。これは車輪内のステークとして本機を組み込む事で魔法による力場無しでも自立稼働を可能にしたアイザックの意欲作らしい。

 

 

 

その名を、【パンジャンドラム】という。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

騒々しいセラーの奥には、我関せずと鎮座する一機の……否、一柱の機械神が居た。

 

全身を不粋な機械で拘束され、片腕片脚を捥がれた悲惨な姿であって尚、威光を放つその威容。

 

かつては黄金と雲海を統べる尊き御身は長き時を経て、燻んだ輝きしか返さない程の落ちぶれよう。

 

しかし日輪を背負う古き神は、どれだけ汚されようと、未だ朽ちず、死なず、召されない。

 

 

今はただ静かに

 

 

 

 

主を、待つ。




エール式DT

ラガー式の金属劣化問題から、大々的に更新が行われた第2世代ともいうべき機体。
制御系とコクピットが内蔵された胴体部、動力炉の背面部、センサー類を集積した頭部以外は、内部を魔力水で満たす安価な構造となっているので導入コストが低い。
更にラガー式では自重を動かす為にロスとなっていた駆動トルクを純粋な膂力として回す事が出来るので力でも勝り、また魔法適合率が高い天然系資材を多く使用しているので反応速度や速度も従来を大きく上回る。
初期型は、破損に弱いという弱点があったが中期以降は内部に無数のチューブを経由させる事でダメージコントロールを容易にする等、今尚アップデートが続いている。

ただし、ラガー式から続くDT最大の弱点は解消出来ておらず、世界中でその対策が検討されているが、打開案は未だ提示されていない。
そのため、現在も海上警備や湾岸防衛には旧時代の艦船や航空機が現役な地域も多い。

今作でもっと必要な物は何でしょうか。

  • 主人公の明け透けな一人称
  • 第三者からの視点
  • ヤンデレ要素
  • バトル描写
  • 展開をもっとじっくり
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