新たなる赤き獅子 ウルトラマンライガ~休止中~ 作:新米くん
前回、地球に現れた双子怪獣のブラックギラスとレッドギラス。その二匹をMACは対処に当たるが無念にも返り討ちにされてしまい、戦闘が継続不能となる。
っが、MACの隊長であり地球を守る為に派遣されたウルトラマンレオこと、おおとりゲンはレオに変身して双子怪獣と戦い、これに苦戦することなく勝利した。
しかし直後に現れたマグマ星人の呼び掛けに呼応した双子怪獣の亡骸が合体してキングギラスという新たな怪獣となって、形成は逆転してしまう。
キングギラスにあらゆる攻撃が通用せず、危機に陥るレオ。だがそこへ、空から現れた新しいウルトラマンによって救われることとなる。
物語はそこから始まる。
赤きウルトラマンは黙り込んだままマグマ星人に目を向けると彼の拳に力が入る、それはまるで激しい怒りが込められているかのようだ。
そんなことなど気づかずマグマ星人は赤きウルトラマンに問いただす。
「貴様ぁ!!!一体何者だぁ!!!」
すると赤きウルトラマンは、とうとうその声を発す....。
「...俺の名は、ウルトラマン。ウルトラマン...ライガだぁ!!!」
力強く叫ぶライガの名をレオは呟く。
「ウルトラマン...ライガ...」
彼の登場にはレオやマグマ星人だけでなく、それを陸から眺めていたMACの面々も新たなウルトラマンの登場には驚きを隠せない。
「新しいウルトラマン!?」
「私のデータにはないウルトラマンです!」
「僕の方でも記録されていない個体です!!」
「一体どうなってんの!?」
「彼は...レオを助けた?」
彼らがそのような反応をしている中、マグマ星人がサーベルをライガに向けてキングギラスに指図する。
「ええい!!どちらにしてもウルトラマンならば此処で殺すまでだぁ!!キングギラスぅ!!奴を殺せぇ!!」
キングギラスは咆哮を上げ、ライガに向けて突進する。ライガも格闘家や拳法家が取るような構え方でキングギラスを迎え撃つ。
キングギラスが右手を振りかざしてその手先の鋭利な爪でライガを切り裂こうと襲う。っが、ライガは一糸乱れぬことなく流れるような動きで、キングギラスの引っ搔き攻撃を躱しながら鋭い正拳突きを叩き込む。
「デェアッ!!!」
思わない反撃とレオとは比較にならない程の重すぎる一撃に二三歩後退しながら撃ち込まれた腹を両手で庇うように悶絶する。
そこへライガが追撃をかける。二発目の正拳突きを叩き込みながらそこからキングギラスの太股にローキックを命中させる。
「デイヤぁッ!!」
ローキックを受けて新たな痛みに苦しみながら、頭をライガの腹の位置まで下げてしまう。そこへライガがキングギラスの顎に膝蹴りを打ち込んだ。
「エイヤッ!!」
撃ち込まれた衝撃で牙の一本が折れてしまう。そんな自分の怪獣が苦戦する無様な姿にマグマ星人が激昂する。
「キングギラスっ!!そんな新参者相手に何を手こずっている!!しっかりしろ!!」
マグマ星人の 責によって目をぎらつかせ、気合いの咆哮を上げてそこから反撃の破壊光線を角から発射。
これにレオは思わず叫ぶ。
「っ!?危ない!!」
「...ドゥアッ!!」
だがそんなレオの助言など聞き流して、ライガは高いジャンプ力でこれを回避し放物線を描きながらキングギラスの背後を取る形で着地しそのまま背中に蹴りを入れ、キングギラスは前のめりで海面に倒れてしまう。
倒されたキングギラスは怒り、海面から起き上がり様に破壊光線や青色ショック光線でライガを仕留めようとする。
だがそんな反撃にライガは冷静にウルトラバリアでこれらを防ぎ、バリアをキングギラス目掛けて飛ばして命中し爆発してキングギラスは堪らずひるんでしまった。
ライガの余りの身体能力と戦闘能力、反射神経、これらにレオは驚きの余り言葉を無くしてしまう。
「.....」
これ程に高い戦闘力にレオは内心思う。
「(なんて言う実力だっ!?しかも相手の動きを決して見逃さない洞察力、しかもそれらに反応し対応する。彼の実力はゼロと同等、いや!それ以上かもしれん!!)」
そんな中ライガの戦いぶりとキングギラスの不甲斐なさにマグマ星人は苛立ちを隠せなかった。
「なぁにをやっている!!こうなったら!!」
マグマ星人は突如姿を消してしまう。それを見たレオは不味いと感じる。
「マグマ星人が消えた!!不味い!!」
そしてその不安は的中する。マグマ星人はライガの背後から姿を見せてサーベルからビームを発射する。
それを見逃す訳にはいかんとレオは残った体力を振り絞り、ジャンプしてライガとマグマ星人の間に着地して大きく両手を広げてライガを庇い、そのままサーベルビームを諸に受けて倒れる。
「ぐああっ!!」
「シュッ!?」
ライガが振り向くとそこには自身を庇ってマグマ星人の攻撃を受けたレオの姿があった。彼は倒されてしまい、マグマ星人は思わぬ邪魔によって地団駄を踏む。
「くそぉ!!!邪魔をしおってぇ!!!」
「貴様ぁ!!!!デェアアアッ!!!!」
「へっ!?ぶべれぇーーっ!!!」
回し蹴りでマグマ星人の頭に叩き込んで吹き飛ばすのだった。そして自分を庇ったレオに駆け寄ろうとしたが、キングギラスが近づいてきた為にそれに対処する。
「デアッ!!」
ライガはバク転しながらキングギラスの懐に近づき、素早い動きでハイキックをお見舞いして次にかかと落としを奴の脳天に叩き込む。
脳震盪を起こし完全に意識を失いかけるキングギラス、そしてウルトラマンライガは止めの必殺技の構えを取る。
両腕を腹の位置でクロスさせ、右腕の手甲にエネルギーを大きく貯める。そして両腕を大きく広げて手甲をはめてる腕を前に突き出しそこから破壊力抜群の必殺光線を発射した。
「ボルカリューム...バスターッ!!!!」
この光線を真っ正面から受けてしまったキングギラスは爆発、木端微塵となってしまう。吹き飛ばされてマグマ星人もこの光景を目の当たりにし啞然としてしまう、まさか自分の切り札であるキングギラスがこうもあっさりと負けてしまった事にショック受ける。
だがハッと意識をしっかりしたマグマ星人は更なる怒りを募らせてライガに不意打ちを仕掛けようとサーベルを振りかざす。
だがそんなのお見通しと、ライガは頭部に付けられている三本のブーメラン武器トライドスラッガーを三つ全てマグマ星人に飛ばして応戦する。
「ドゥアッ!!」
「な、なに!?」
三本のブーメランは縦横無尽にマグマ星人の周りを飛びながら翻弄、マグマ星人もサーベルでこれを振り払おうとするが全くダメであり、遂には三本の内の一本がサーベルを装備している右腕を切り落とした。
「ぎゃあああああああああああああーーーっ!!!」
切り落とされた箇所から夥しい出血を流して悲鳴を上げる。
キングギラスだけでなく、マグマ星人すらも圧倒するライガにレオは改めて彼の戦闘力に驚嘆する。
「なんて、強さだ....」
そんなライガにマグマ星人は恨みが籠った目で睨みながら口を開いた。
「ゆ、許さんぞ!!いつか必ず貴様を殺してやるぅ!!覚えているがいぃ!!!」
マグマ星人は姿を消してしまった。敵を退けたライガは無言でレオに近寄り、彼の肩を貸して飛んでいった。一部始終を見たMACの面々も啞然としていた。
「すげぇな...」
「レオが苦戦した敵を、あんな簡単に...」
「レオと一緒に飛んで行きましたよ....」
「あ!そう言えば隊長は!?」
「「「っ!?」」」
芹沢隊員の言葉に皆ゲンの安否が分からないと気付く。そこへ東雲副隊長がゲンの捜索をすることを命じる。
「急ぎ隊長の捜索するわよ!!」
「「「「了解!!」」」」
▼
誰も居ない浜辺でレオは光に包まれておおとりゲンの姿に戻り、彼は自身を助けたウルトラマンライガを見上げる。するとライガも光に包まれて1人の人間が現れた、それはあの大神ジンの姿であった。
ゲンは自分を助けてくれたジンに問いかける。
「君は...一体」
「ウルトラマンライガ...人間の姿では大神ジンと名乗っています」
「そうか....」
ゲンは彼に“とある事”を尋ねる。
「君はまさか....L77星の出身者か?」
「.....」
「そうか...」
ゲンの問いにジンは黙る、だが沈黙は肯定である。そのジンの反応にゲンはやはりと言った顔をし、まさか自分と今は離れている自分の実の弟アストラ以外にL77星雲のウルトラマンが生きているとは思わなかった。
何せL77星雲の住民は全て故郷と共に滅んだとばかり思っていたのだから...。
そんなゲンにジンは口を開いた。
「自分はあの日...L77星雲が滅ぼされたあの日...」
「ん?」
ジンは思い思いに語り始めた。彼はまだその時まだ幼い小さな子供だった、その日は父と母と共にいつものように買い物に出かけていた。
何の変哲もない一つの家族の幸せな光景、それがウルトラ族であっても愛おしい家族の姿があるのは当然のこと。
しかしその幸せの一時を悪魔たちがやって来たのだ、そうあのマグマ星人と双子怪獣たちだったのだ。
奴らは有無も言わさず容赦なく街を壊し、人々を慈悲なく命を奪っていった。
そんな中、ジンいやライガの両親は幼い彼だけでも逃がすべく囮となってマグマ星人と双子怪獣たちに果敢に戦う。
だがライガは途中引き返して二人と一緒に居たいと戻る。
『父さん!!母さん!!』
『ライガ!?何故戻って来たんだ!?』
『ライガ!!来てはダメ!!』
『嫌だ!!父さん母さんを置いて行くなんて嫌だ!!』
幼いライガは両親の元へ駆け寄ろうと走るが、そこへマグマ星人が下衆な笑みを浮かべてライガ目掛けてサーベルビームを放つ。
子供の彼に咄嗟に反応など出来ず、迫りくる死にどうすることも出来ず怯えてしまう。
だが我が子を守らんとライガの両親は己の命を顧みず進んで盾となり、愛おしい息子を庇うのだった。
『父さん!?母さん!?』
『に、逃げるんだ...ら、ライガ....』
『逃げるのよ....生きて.....ライガ......』
『父さん....母さん....うわあああああああああああぁぁぁぁぁぁーっ!!!!』
彼は一心不乱にL77星から逃げ出したのだった。
「そして長い流浪の旅の末、この地球にたどり着きました」
「そうだったのか....」
「貴方のことは知っています。ウルトラマンレオ...L77星の王・アルスの息子で、この地球でマグマ星人やババルウ星人を倒し、ブラックスターの円盤生物とも戦い奴らと奴らの星を壊滅させたと...」
「昔のことだ」
自分の伝説を聞かされ、少し恥ずかしいのかそっぽを向いてしまう。だが直ぐに気を取り直してゲンはジンに話す。
「ジン、君はどうして今回戦ったんだ?」
「どうして?」
「ああ。君はマグマ星人に激しい怒りを抱いている、その為に戦った。違うか?」
「.....」
再びの沈黙、そんなジンにゲンは諭す。
「ジン、私も同じ故郷を失っている。だから君の怒りは分かっている、だがそれは自分の心を壊しかねない。憎しみは憎しみしか生まない虚しいものだ」
「....はい」
「今すぐ怒りを捨てろとは言わない。だが戦いとはそんなことよりも大事な物があるんだ」
「大事な、物....」
ゲンの言葉に何かを感じるがそれを素直に受け止めることに躊躇いを覚える。そんなジンにゲンはあることを口にする。
「ジン...君にMACに入隊して、共に地球を守って欲しい」
「自分が?」
「ああ。愛するこの地球を、君自身の手で守るんだ」
突然のこの話にジンは動揺してしまう。何故ゲンはそんな話をするのか?だがゲンは話し続ける。
「君はMACに入隊するんだ」
だがジンはこれに異を唱える。既にこの地球にはウルトラマンレオが居るではないかと、彼がまだ健在なら自分がこれ以上邪魔をしてはならないと考える。
今回は仇と言えるマグマ星人が居たから戦ったまでだ。だがゲンの表情が重く物々しい雰囲気を漂わせ始める。
そんなゲンにジンは言う。
「しかしおおとりさん、地球には貴方が居るじゃないですか」
その言葉にゲンは厳しい顔で返した。
「私には君が必要だ。しかも!君には私が必要だ!!」
「しかし!ウルトラマンレオが居るではありませんか!」
その発言にゲンは彼の眼を見て、とんでもない発言をする。
「....レオはもう居ない」
「っ!?何を言ってるんだ!!?現に貴方は此処にいるでしょ!!」
「よく見ているんだ」
するとゲンは自分が変身に使うためのレオリングをはめた手を空手の正拳突きに近いポーズを取って「レオー!」っと叫ぶが、だがリングが突如ヒビが割れてしまう。
それを見たジンは驚きを見せる。
「そ、それは!?」
「恐らくマグマ星人のサーベルビームを諸に受けたのが原因かもしれん」
「そ、そんな....じゃあ俺の....」
自分のせいでゲンはウルトラマンレオとして変身能力を失ったと、だがそんな罪悪感を抱くジンに喝を入れる。
「自惚れるなっ!!!」
「っ!?」
「私は自分が取った行動に後悔はしていない。君は私に代わってこの地球の新たな希望だ、その希望の為に起きた代償ならば安いものんだ」
ゲンの一切迷いや後悔がない姿と言動に、ジンは胸を打たれる思いを抱く。
「ジン、君はこの地球にとって新たな希望だ。またマグマ星人がやって来るかもしれん。それに他の侵略者たちも必ずこの美しい星に魔の手を伸ばしてくる。
その時必ず君が必要なんだ」
「.....」
「共に、この地球を守ってくれ、頼む!」
ゲンは頭を下げて頼みこむ。自分に頭を下げるゲンにジンは返事をした。
「おおとりさん、自分も一緒に戦わせてください」
「ジン!」
「自分にとってもこの地球は、第二の故郷です。ならばこの命に替えても守ります」
「そうか!共に戦おう!!」
「はい!」
こうして、二人の宇宙人が命を賭けてこの青く美しい星に再び迫って脅威に立ち向かうと誓ったのだった。そしてこれから始まるウルトラマンライガの険しい戦いの物語が....続く。
次回、ウルトラマンライガ。
その夜、東京では夜毎人が斬り殺される怪奇な事件が発生していた。
その被害者の中にジンの知り合い兄妹の父も含まれていた。
恐るべき手刀を持ったツルク星人を倒す為、我らがヒーロー・ウルトラマンライガが立ち上がった!
さぁ!皆で見よう!!