サマーフェスが終わった。
大変だったよ!超大変だったよ!!加蓮は早々にダウンするし、雨は降るし、美波さんは倒れるし!!
でも、凄かった…。私もあのステージに立ちたいと思った。いつか、比企谷にも見てもらいたいと思った。
そんなことを思いながら花火を見に行ったのが間違いだったのかな。見たくないモノを見てしまった…。
そして今日、比企谷とプールに行く約束をしてた日だ。駅前で待っているんだけど、本当にいいのだろうか。私と二人で、しかもプールとか…。か、か、彼女に…、悪いんじゃ…。
「何、百面相してんだよ。好きなの?百面相するの」
「うわっ!比企谷…」
「すまん、待たせたか?」
「だ、だ、大丈夫でしゅ」
噛んだ…。
「どうした?調子悪いのか?」
比企谷が私の顔を覗きこんでいる。
…、やっぱり良くないよな、彼女がいるのに私と二人で出かけたら。
「比企谷、今日はやめよう…」
「帰っていいなら帰るけど、やっぱり調子悪いのか?」
「比企谷は彼女いるのに、私と出かけたらマズイだろ?前からの約束とはいえ、彼女に誤解とかされたら…」
「お前、何言ってんの?」
比企谷の顔を見ると、唖然としていた。
「俺に彼女とかあり得ないだろ。俺だぞ」
そんなことない。比企谷は優しいし、格好いいし…。
「だって、花火大会の時に、由比ヶ浜さんと…」
「あれか?あれは小町に行けって言われて」
「じゃあ、付き合ってるとかじゃ…」
「ないない」
良かった、違ったんだ。
「その勘違い、二回目だからな」
「そうだっけ?あはは」
「『あはは』じゃねぇよ。そんなこと思うなんて、俺のこと好きなの?」
え?え?
「あ、いや、その…、それは…」
ば、バレた…。
「そんな訳ねぇよな」
そんなこと…あるよ!!
「と、とにかく!プール行こうぜ!」
思わず比企谷の手をとって歩き出してしまった。
「お、おい、神谷!手…」
「なんだよ比企谷、手を繋いでるだけだろ。照れてるのか?お子様だな」
「ち、違ぇし」
勢いで手を繋いでしまったので、照れてるのは私の方だ。
途中、比企谷の『誰かに見られて誤解されたらどうすんだよ』は無視して手は繋いだままでいた。
二人で赤い顔をしたままプールに到着。着替えて入り口で待ち合わせをする。
着替え終わり、比企谷に最初に見て欲しいからパーカーを羽織って待ち合わせ場所に。比企谷はまだ来てないみたいだ。
「ねぇ、君一人なの?」
え?私?これって…、ナンパ?
「いえ、連れを待っているので…」
「えぇ、いいじゃん。友達?それなら一緒に遊ぼうぜ」
しつこい男達だなぁ。
「いや、待ってるの男なんですけど」
これでどこかへ行ってくれるはず…。
「君みたいな可愛い女の子待たせてる男より、俺らと遊ぼうぜ」
そう言って、ナンパ男が私の手を取ろうとした時…。
「奈緒!悪い、飲み物買ってたら遅くなった」
ひ、比企谷が私のこと名前で!!
「は、八幡、この人達が…」
私も名前で呼んじゃった。
…比企谷の目が怖い。
「俺の彼女に何か用ッスか?」
凄いナンパ男を睨んでる。
「なんだよ、彼氏付きかよ」
捨て台詞を吐いてナンパ男は立ち去った。
「悪かったな、待たせた上に名前で呼んじまって」
「だ、大丈夫だよ、八幡」
そう言って、腕にしがみついた。
「え?ちょっと神谷さん?」
「八幡も名前で呼んで。またアイツらに会っても大丈夫なように今日は腕を組ませて」
「い、いや…」
「ダメ?」
「うぐっ!い、いいけど…」
「ありがと…」
怪我の功名というか何というか、比企谷と名前呼び&腕を組むという大胆なことに成功した。
「あの、神谷さん?」
「『奈緒』」
「奈緒さん」
「『奈緒』」
「奈緒、あの…、あたってるんですけど…」
えっと、こういう時は。
「あててんのよ」
「確信犯かよ」
「さっきのお礼だと思って」
「大胆なんだな。その割りには何でパーカー着てるんだ?」
「ひき…、八幡に最初に見てほしくて…」
「そんなこと言われたら、勘違いしちまうだろ。そしてフラれるまである」
「そんなこと…ない…と…思う…」
「え?」
な、何言ってんだ、私!!
こういう時は、話題を変えよう。
「ほ、ほ、ほら、どうかな?水着」
パーカーを脱いでみる。
「…」
あれ?無反応?
「な、何か言ってくれよ…」
「い、いや、すげぇ、可愛い…と思う…」
比企谷の顔が真っ赤だ。
「あ、ありがとう…」
私も真っ赤なんだろうな。
その後もお互い赤い顔をしてプールデート(?)イベントは終わった。