神谷奈緒は総武高生   作:おたふみ

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17話

「よし、今日はここまで」

 

「ありがとうございました」

「ありがとうございました」

「ありがとうございました」

 

「神谷!」

 

「はい」

 

「かなり良くなってきるな。この調子だぞ」

 

「はい、ありがとうございます」

 

オータムライブ直前。比企谷に見てもらうと思うと練習にも気合いが入る。

 

「奈緒~、今日は調子良さそうだったね」

 

「まあな」

 

「何か良いことあったの?」

 

「べ、別に…」

 

比企谷に『楽しみにしてる』って言われたら、がんばるでしょ。

 

「たぶん、比企谷君に何か良いこと言われたんだよ」

 

うっ!凛のヤツ、鋭い。

 

「三人で写真撮って、比企谷君に送ろう」

 

「凛、ナイスアイデア」

 

「加蓮も凛もやめてくれよ~」

 

「ええ~、いいじゃん」

 

「だって、汗かいてるし、トレーニングウェアだから可愛くないし…」

 

「もお、そういう奈緒も可愛い」

 

「離れろ加蓮」

 

「私も」

 

「凛も来るな~」

 

結局、写真を撮られ比企谷に送った。

 

【三人は仲が良いんだな。ますます楽しみになってきた】

 

比企谷からの返信を三人で確認して、改めて気合いが入った。

 

 

ライブ当日。

 

うぅ~、緊張するよ~。

 

「シューコちゃん、フレちゃんと遊んで~」

 

「こういう時は、ありすちゃんをからかうと面白いよ」

 

「た、橘です!」

 

「ほら、二人ともダメよ」

 

「奏ちゃん、こわ~い」

「堪忍な」

 

ダメだ、あの二人は自由人だ。逆に奏は落ち着いてるなぁ。文香さんもありすちゃんも顔が硬い。

 

「奈緒ちゃん、大丈夫?キャンディーあるけど食べる?」

 

「あ、ありがと」

 

唯も緊張しないのか?

 

「奈緒、加蓮はどうしたの?」

 

「外の空気吸ってくるって」

 

凛も落ち着いてるなぁ。

 

「ただいま」

 

「加蓮、大丈夫?」

 

「うん、なんとか」

 

「奈緒、顔が硬いよ」

 

「そ、そうか?」

 

凛が私に耳打ちをする。

 

「そんな顔じゃ、比企谷君がガッカリしちゃうよ」

 

「なっ!なななな何を!」

 

「うん、大丈夫そう」

 

あ、少し緊張がほぐれた。

 

「何?奈緒に何を言ったの?」

 

「奈緒が元気になる魔法の言葉」

 

「あぁ、なるほど」

 

加蓮も納得するな。

 

「行こう!Triad Primusのデビューだ!」

 

凛、格好いい!

 

「私達の全部、見せるよ」

 

加蓮も気合い入ってるな。

 

「よっしゃ!!」

 

 

 

 

 

…これが、アイドルのステージ。ファンの顔って、こんなに見えるんだ。

 

…私、ちゃんと歌えてる?振り付け間違えてない?ヤバイ!訳がわからなくなりそう。

 

 

 

…あ、比企谷。目があった気がする。そうだ、比企谷が見てくれてるんだ。私を見てくれてるんだ。やってやる!!比企谷にアイドル・神谷奈緒を見せてやれ!!

 

 

 

………。

 

 

私の初ステージが終わった。

 

「奈緒、加蓮、お疲れ様。凄く良かったよ」

 

「凛~、奈緒~、緊張したよ~」

 

「…私、ちゃんと出来てたかな?」

 

「奈緒?」

 

「私、緊張で訳がわからなくなりそうだったから…」

 

「そう?」

 

加蓮は気がついてなかったのか。

 

「でも、途中からスイッチ入ったというか…」

 

凛は気がついたのか。

 

「あ、わかった」

 

…加蓮?言わなくていいからな。

 

「客席に比企谷君、居たよね?」

 

「うん、居た。ずっと奈緒の方を見てた」

 

それ以上言うな。

 

「途中で比企谷君を見つけたからだ!」

 

「たぶんそうだね」

 

バレたぁ!!

 

 

 

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