神谷奈緒は総武高生   作:おたふみ

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25話

とりあえず、スッキリした。

 

三浦さんが何かを思い出した。

 

「そういえば、結衣。雪ノ下さんのトコ行かなくていいの?」

 

「あわわわわ!行ってくる!!」

 

慌ただしい娘だなぁ。

 

さてと。

 

「比企谷、ご飯食べようぜ」

 

「お、おう」

 

「どうかしたか?」

 

「お前、すげぇな。ってか、後で面倒臭いことになりそうだがな」

 

「放課後にクラスメイトに囲まれてくれ」

 

「ひとごとだと思いやがって…」

 

お弁当を二人で食べはじめる。

 

「お弁当の味はどう?」

 

「…旨い…です」

 

「だろ?へへへ」

 

喧騒の中、昼休みがまもなく終わる時間。

 

「じゃあな、比企谷」

 

「次があったら、もっと静かに頼む」

 

「善処するよ」

 

自分の教室に戻る前に…。

 

「海老名さんだっけ?放課後、時間作ってもらえる?」

 

「わかった。いいよ」

 

海老名さんの顔は、悲しいとも苦しいとも、怒りとも違う形容しがたい表情だ。

 

「じゃあ、自動販売機の前で」

 

「わかった」

 

放課後、自動販売機の前で海老名さんを待つ。手にはMAXコーヒーが2本。

 

小走りで海老名さんが来た。

 

「ごめんね、待たせて」

 

「大丈夫。ほい、飲み物」

 

MAXコーヒーを渡す。

 

「これって…」

 

「比企谷曰く、千葉のソウルドリンクだってさ。場所変えようか」

 

「うん」

 

人気のないベンチに移動する。

 

「海老名さんは、私がなんで呼び出したかわかるよね?」

 

「わかるよ。これから私はどうすればいいの?大事にならないで、グループでいられそうだったのに」

 

「比企谷の犠牲の上で?」

 

「そ、それは…」

 

下向いちゃった。

 

「私…腐ってるから…」

 

「はい?」

 

ヤバい、ビックリして某警部殿みたいな返事しちゃった。

 

「優美子や結衣や隼人君達がいる、陽が当たるグループで楽しくやれてたのに…」

 

何言ってるの?

 

「そんなグループだったから、壊したくなかった…。隼人君にお願いしてもダメだったから、比企谷君にお願いしたのに…」

 

あの、エセ・イケメンは何も出来ないんだな。

 

「また、一人ボッチに戻っちゃう…」

 

「どうしてだ?」

 

「だって、私腐ってるんだよ」

 

「だから?」

 

「そんな人と友達になってくれる人なんて…」

 

「何言ってるんだ?私は腐ってはいないけど、オタクだぜ」

 

「え?」

 

「ウチの事務所なんか、オタクに同人作家、『攻め』とか『受け』って言葉に反応する腐ってるアイドルもいるぜ」

 

「ほ、本当に?」

 

「あぁ。ソイツらとも仲はいいぜ」

 

「それに、あの三浦さんがそんなことで友達やめるとは思えない。ちゃんと話せば親身になってくれるよ。なんか姉御肌っぽいしな」

 

姉御肌というより、オカンかな?

 

「そう…かな…」

 

「私だってオタクだから、友達が出来ない時期もあったから、不安な気持ちはわかるよ。だからこそ、ちゃんと話さなきゃね」

 

「そうなのかな…」

 

「それで離れてくなら、それまでだよ。凛や加蓮は離れなかったけどな。趣味のことを免罪符にしたらダメだよ」

 

「わかった、優美子や結衣と話をしてみるよ」

 

「それがいいと思う。不安なら一緒行こうか?」

 

「大丈夫」

 

「そっか」

 

「それとは別で、私と友達になってくれないかな?」

 

「おう、いいぜ」

 

「神谷さんにも、布教してあげるよ、愚腐腐」

 

「ま、間に合ってます」

 

「冗談だよ。アニメやラノベの話もしたいから」

 

「じゃあ、その時は比企谷も呼ぶか?」

 

「比企谷君で思い出した。教室でのことは本当?」

 

「半分は本当だよ。比企谷は私のファン第一号だからな」

 

 

「神谷さんは、比企谷君のことどう思ってるの?好きなの?」

 

「な、ななななな何を!!」

 

「あ~、もう言わなくても大丈夫」

 

うぅ、顔が暑い。

 

「告白はしたの?」

 

「…うん。嘘告白のあとの比企谷に会って、話を聞いてたら、勢い余って…」

 

「で、返事は?」

 

「待ってくれって…」

 

「比企谷君は果報者だなぁ」

 

「たぶんだけど、由比ヶ浜さんと雪ノ下さんもだよね?」

 

「たぶんね。でも、あの二人は告白しないんじゃないかな?」

 

「どうして?」

 

「なんとなく…かな」

 

「じゃあ、私が一歩リードだ」

 

「そうだね。私は神谷さんを応援するよ」

 

「どうして?由比ヶ浜さんと友達じゃないの?」

 

「結衣はここまで話してくれないから」

 

「私は友達になったばっかりの人に話しすぎかな?」

 

「そうかもね」

 

「ガツンと言ってやるつもりが、その相手と友達になっちゃったよ」

 

「神谷さんは優しいんだよ。比企谷君と一緒で」

 

「そうかな?」

 

「きっとそうだよ。二人に助けられた私が言うんだから、間違いないよ」

 

「そっか」

 

 

 

 

 

 








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