神谷奈緒は総武高生   作:おたふみ

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30話

「そうだっ!」

 

姫菜が声をあげた。

 

「どうした?」

 

「比企谷君だけど、隼人君と一緒だったみたいだよ」

 

「そうなの?」

 

「隼人~。あーしの男避けにしか役にたたないのに、またヒキオに迷惑かけてるんじゃないだろうね」

 

優美子、どうしちゃったの?

 

「とりあえず、私は比企谷を探してみるよ」

 

「あーしも…」

 

「優美子、さっきカラオケ予約しちゃったよ」

 

「そうだったし…」

 

比企谷よりカラオケが上なのね。順位づけがよくわからない。

 

「比企谷君のことは奈緒に任せて大丈夫だと思うよ」

 

「奈緒、ヒキオのことは任せたし!!」

 

「おうっ!」

 

優美子と姫菜と別れ、比企谷を探す。

しばらく歩くと、壁に寄りかかりつまらなそうにしている比企谷を見つけた。

そっと近づき隣に立つ。

 

「よっ!」

 

「げっ!神谷…」

 

「何してんだ、こんなところで」

 

「それはそにょ…」

 

「アイツだろ?」

 

視線を 葉山君の方へ向ける。なんか女の子二人と話をしている。女の子は海浜かな?あの制服。

 

「また葉山君に厄介なこととか言われてない?」

 

「雪ノ下さんも絡んでるから、面倒臭いことにならなきゃいいけどな」

 

「雪ノ下さん?」

 

「あぁ、雪ノ下の姉だ」

 

「その人が絡むと面倒なのか?」

 

「なんつうか、あの人は魔王で歪んだシスコンだから、なにするかわからん」

 

「なにそれ」

 

「それに、俺や葉山なんかはオモチャにくらいしか思ってないんだろ」

 

何、そいつ。

 

「神谷?顔が怖いぞ」

 

「あ、ごめん」

 

「まぁ、何かあったら神谷に言うよ」

 

「そうしてくれ」

 

あっ、そうだ。

 

「それと、優美子のパンツ見たの?」

 

「み、見てないでしゅよ」

 

明らかに噛んだ。

 

「それは残念だったね。紫のスケスケだったのに」

 

「いや、ピンクの…はっ!」

 

「かかったな」

 

「うぐっ、誘導尋問だ。でも、あれは事故だぞ」

 

「知ってるよ」

 

比企谷と楽しく話をしていると、海浜総合の女の子が話しかけてきた。

 

「あっ!神谷奈緒じゃん!ウケるwww」

 

何、この無遠慮な娘。

 

「何?比企谷と神谷奈緒って知り合いなの?」

 

「ま、まぁ…」

 

「あ、私、比企谷と同中の折本かおりで~す」

 

「ど、どうも…神谷です」

 

「比企谷、キョドッたりしてキモイでしょ?」

 

比企谷がキモイだって?

 

「コイツ、中学の時に私に告白したんだけど、付き合う訳ないのに。チョーウケるでしょ?www」

 

何言ってるんだ?

 

「よせ!折本!」

 

「次の日にはクラスのみんなに知られてさ。みんなでバカにしてたんだよ」

 

こ、コイツが比企谷のトラウマの原因なのか!

 

「ちょっとアンタ!」

 

「え?」

 

「やめろ、神谷。俺はもう気にしてないから」

 

比企谷が間にわってはいる。

 

「でも…」

 

だって、比企谷がバカにされてたら、私は…。

 

「お~い!かみや~ん!」

 

私を呼ぶ声がする方を向いた。

 

「未央!!」

 

同じ千葉出身のアイドル・本田未央だ。説明っぽい?気にするな。

 

「事務所以外で会うなんてレアだねぇ」

 

「そうだな」

 

「こちらの男性は?」

 

比企谷の方を見た。

 

「あぁ、同じ高校の…」

 

「比企谷君だねぇ。しぶりんとかれんから聞いてるよ」

 

アイツら何を言ったんた?

 

「こ、コンニチハ…」

 

何故、片言。

 

「ふむふむ、二人の言ってた通りの好青年だね。私も彼女候補に立候補していい?」

 

はぁ!!

 

「み、未央、何を言ってるんだよ!!」

 

「だって、しぶりんもかれんも彼氏にするなら、比企谷君みたいな男の子がいいって。かみやんは違うの?」

 

「い、いや、そうじゃなくてだな…」

 

「ま、冗談なんだけどね」

 

未央は私の耳元でこう言った。

 

「応援してるから、頑張ってね」

 

「お、おう…」

 

「あと、あんまり怖い顔してると嫌われちゃうよ」

 

「なっ!!」

 

未央は一度比企谷の方を見てから離れた。

 

「友達待たせてるから行くね」

 

「ま、また事務所でな」

 

「比企谷君も、今度ゆっくり話しようね」

 

「お、おう」

 

未央が友達のもとへ駆けていった。

 

「私…空気だったんだけど…ウケるwww」

 

あっ、忘れてた。

 

「折本さんだっけ?」

 

「え?あ、うん」

 

冷静に、冷静に…。

 

「比企谷のこと、付き合うつもりがなくてフるのは仕方ない。でも、比企谷をバカにするのは違う。告白って凄く勇気がいることなんだよ」

 

「…」

 

「それに、中学の時は比企谷はボッチだったかもしれない。でも今は違う。比企谷を慕う仲間や友達が居る。次に比企谷を蔑んだり陥れるようなことをしたり言ったりしたら、私やその仲間は貴女を許さない」

 

「な、なにそれ。ウケないんですけど…」

 

「アンタみたいに上部しか見えない人には、あの薄っぺらい笑いしか出来ないあのエセ・イケメンがお似合いだよ」

 

「それ、葉山君のこと?」

 

「そうだよ」

 

近くに来ていた葉山君の方を見ると何とも言えない顔をしていた。

 

「葉山君、比企谷はもういいよね」

 

「あ、あぁ…」

 

「行こう、比企谷」

 

「お、おう。じゃあな」

 

少し離れたところに移動する。ああ、またやっちゃった…。

 

「ごめん、比企谷。また私…」

 

比企谷のことになると、冷静になれない。

 

「ありがとな、神谷」

 

え?

 

「俺のためにやってくれたんだろ?」

 

改めて言われると恥ずかしい。

 

「あ、アンタのためにやったんじゃないんだからね」

 

「おおう、ツンデレのテンプレだな」

 

うう、何言ってんだよ私。

 

「な、なぁ、比企谷。腹減ったからサイゼでも行かないか?」

 

「そうだな」

 

比企谷は、少しスッキリした顔をしている気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








~~~~~~~~~

更新が遅くなって、すいませんでした。
非常に難産でした。
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