「そうだっ!」
姫菜が声をあげた。
「どうした?」
「比企谷君だけど、隼人君と一緒だったみたいだよ」
「そうなの?」
「隼人~。あーしの男避けにしか役にたたないのに、またヒキオに迷惑かけてるんじゃないだろうね」
優美子、どうしちゃったの?
「とりあえず、私は比企谷を探してみるよ」
「あーしも…」
「優美子、さっきカラオケ予約しちゃったよ」
「そうだったし…」
比企谷よりカラオケが上なのね。順位づけがよくわからない。
「比企谷君のことは奈緒に任せて大丈夫だと思うよ」
「奈緒、ヒキオのことは任せたし!!」
「おうっ!」
優美子と姫菜と別れ、比企谷を探す。
しばらく歩くと、壁に寄りかかりつまらなそうにしている比企谷を見つけた。
そっと近づき隣に立つ。
「よっ!」
「げっ!神谷…」
「何してんだ、こんなところで」
「それはそにょ…」
「アイツだろ?」
視線を 葉山君の方へ向ける。なんか女の子二人と話をしている。女の子は海浜かな?あの制服。
「また葉山君に厄介なこととか言われてない?」
「雪ノ下さんも絡んでるから、面倒臭いことにならなきゃいいけどな」
「雪ノ下さん?」
「あぁ、雪ノ下の姉だ」
「その人が絡むと面倒なのか?」
「なんつうか、あの人は魔王で歪んだシスコンだから、なにするかわからん」
「なにそれ」
「それに、俺や葉山なんかはオモチャにくらいしか思ってないんだろ」
何、そいつ。
「神谷?顔が怖いぞ」
「あ、ごめん」
「まぁ、何かあったら神谷に言うよ」
「そうしてくれ」
あっ、そうだ。
「それと、優美子のパンツ見たの?」
「み、見てないでしゅよ」
明らかに噛んだ。
「それは残念だったね。紫のスケスケだったのに」
「いや、ピンクの…はっ!」
「かかったな」
「うぐっ、誘導尋問だ。でも、あれは事故だぞ」
「知ってるよ」
比企谷と楽しく話をしていると、海浜総合の女の子が話しかけてきた。
「あっ!神谷奈緒じゃん!ウケるwww」
何、この無遠慮な娘。
「何?比企谷と神谷奈緒って知り合いなの?」
「ま、まぁ…」
「あ、私、比企谷と同中の折本かおりで~す」
「ど、どうも…神谷です」
「比企谷、キョドッたりしてキモイでしょ?」
比企谷がキモイだって?
「コイツ、中学の時に私に告白したんだけど、付き合う訳ないのに。チョーウケるでしょ?www」
何言ってるんだ?
「よせ!折本!」
「次の日にはクラスのみんなに知られてさ。みんなでバカにしてたんだよ」
こ、コイツが比企谷のトラウマの原因なのか!
「ちょっとアンタ!」
「え?」
「やめろ、神谷。俺はもう気にしてないから」
比企谷が間にわってはいる。
「でも…」
だって、比企谷がバカにされてたら、私は…。
「お~い!かみや~ん!」
私を呼ぶ声がする方を向いた。
「未央!!」
同じ千葉出身のアイドル・本田未央だ。説明っぽい?気にするな。
「事務所以外で会うなんてレアだねぇ」
「そうだな」
「こちらの男性は?」
比企谷の方を見た。
「あぁ、同じ高校の…」
「比企谷君だねぇ。しぶりんとかれんから聞いてるよ」
アイツら何を言ったんた?
「こ、コンニチハ…」
何故、片言。
「ふむふむ、二人の言ってた通りの好青年だね。私も彼女候補に立候補していい?」
はぁ!!
「み、未央、何を言ってるんだよ!!」
「だって、しぶりんもかれんも彼氏にするなら、比企谷君みたいな男の子がいいって。かみやんは違うの?」
「い、いや、そうじゃなくてだな…」
「ま、冗談なんだけどね」
未央は私の耳元でこう言った。
「応援してるから、頑張ってね」
「お、おう…」
「あと、あんまり怖い顔してると嫌われちゃうよ」
「なっ!!」
未央は一度比企谷の方を見てから離れた。
「友達待たせてるから行くね」
「ま、また事務所でな」
「比企谷君も、今度ゆっくり話しようね」
「お、おう」
未央が友達のもとへ駆けていった。
「私…空気だったんだけど…ウケるwww」
あっ、忘れてた。
「折本さんだっけ?」
「え?あ、うん」
冷静に、冷静に…。
「比企谷のこと、付き合うつもりがなくてフるのは仕方ない。でも、比企谷をバカにするのは違う。告白って凄く勇気がいることなんだよ」
「…」
「それに、中学の時は比企谷はボッチだったかもしれない。でも今は違う。比企谷を慕う仲間や友達が居る。次に比企谷を蔑んだり陥れるようなことをしたり言ったりしたら、私やその仲間は貴女を許さない」
「な、なにそれ。ウケないんですけど…」
「アンタみたいに上部しか見えない人には、あの薄っぺらい笑いしか出来ないあのエセ・イケメンがお似合いだよ」
「それ、葉山君のこと?」
「そうだよ」
近くに来ていた葉山君の方を見ると何とも言えない顔をしていた。
「葉山君、比企谷はもういいよね」
「あ、あぁ…」
「行こう、比企谷」
「お、おう。じゃあな」
少し離れたところに移動する。ああ、またやっちゃった…。
「ごめん、比企谷。また私…」
比企谷のことになると、冷静になれない。
「ありがとな、神谷」
え?
「俺のためにやってくれたんだろ?」
改めて言われると恥ずかしい。
「あ、アンタのためにやったんじゃないんだからね」
「おおう、ツンデレのテンプレだな」
うう、何言ってんだよ私。
「な、なぁ、比企谷。腹減ったからサイゼでも行かないか?」
「そうだな」
比企谷は、少しスッキリした顔をしている気がした。
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更新が遅くなって、すいませんでした。
非常に難産でした。