ここは千葉県内の喫茶店…。
「戸塚さん、テニスやってるんですね♪」
「僕のことは『彩加』でいいよ、島村さん」
「私も『卯月』でいいですよ」
「じゃあ、卯月ちゃん♪」
「なんですか彩加くん♪」
なにこれ?私、帰っていい?
「神谷…」
「何?」
「俺の戸塚が…」
「比企谷の戸塚じゃないし。第一、連れて来たのは比企谷だろ?」
「はい、そうです…」
卯月に比企谷を会わせるのに、戸塚君が卯月のファンだということで、戸塚君も一緒に来たんだけど…。
「じゃあ、今度テニス教えてください♪」
「もちろん、いいよ」
すっかり意気投合…、というか付き合い始めたばかりのカップルみたいだよ。比企谷はガッカリしてるし…。
「神谷、俺はどうすればいい?」
「コーヒーでも飲んでれば?」
「そうする…」
「でも、良かったよ」
「ん、何がだ?」
「卯月、少し前まで元気なかったんだよ」
「そうは見えないけどな」
私は正直、卯月と会うのは少し心苦しい。卯月の不調の一端は私にもあったからだ。私達がニュージェネから凛を奪ったカタチになったのだから。
でも、卯月はそうじゃないと許してくれた。そして、私にもニュージェネやシンデレラプロジェクトのメンバーのように接してくれている。
「奈緒ちゃん、どうしました?暗い顔して」
「ん?なんでもないよ」
「ほら、スマイルですよ。ピース♪」
「ぴ、ピース…」
本当に…、卯月は凄いな。
「か、神谷、なんか島村に浄化されそうだ…」
「ほら、彩加くんも比企谷さんも、ピース♪」
「ピース♪」
「ぴ、ピース…」
ぷっ!
「神谷、笑っただろ?」
「だって、比企谷が…ぷっ」
「八幡って、神谷さんと居ると笑顔のことが多いよね」
え?戸塚君、本当?
「そ、そんなことねぇだろ」
比企谷も否定してるし…。
「だって、お昼休み二人を見かける時は大抵笑顔だよ。それに、お弁当も時々受け取ってるよね?」
ば、バレてる…。
「奈緒ちゃん、そうなんですか?」
「え?あ?あの…」
「素敵です♪」
「あ、うん…」
は、恥ずかしいぃぃ!!
恥ずかしいことを暴露されながらも、話は進み帰る時間。
駅で別れる時に、卯月と戸塚君は連絡先を交換していた。
卯月と戸塚君と別れ、比企谷に送ってもらう。
「悪いな、比企谷」
「ん、気にすんな」
「あっちはどうなんだ、『極東魔術昼寝結社の夏』だっけ?」
「奉仕部な。ウチに中二病はいないからな」
「いるじゃん。なんだっけ?ざ、ざ、ざ、ザムザザー君?」
「どこのモビルアーマーだ。材木座な。アイツは部員じゃねぇ」
「そうなんだ。で、どうなんだ?」
「今は生徒会の手伝いで、クリスマスイベントの会議に参加してるんだけどな。…なんか、気持ち悪い…。違うな、くすぐったい感じだ」
「くすぐったい?」
「おう、雪ノ下の罵倒は少ないし、由比ヶ浜もキモイって言わないし…それと…」
「それと?」
「なんか、ボディータッチが増えた…」
二人とも攻めてるな。
「それで、比企谷はデレデレしてると」
「してないからね」
私だって、負けないよ。
自転車を押している比企谷の腕をとる。
「お、おい、マズいだろ」
「大丈夫だよ、暗くて顔なんかわからないから」
「知らねぇぞ」
比企谷も振り払おうとはしない。いいってことだよね。
「ねぇ、比企谷」
「ライブ、楽しみにしててね」
「あぁ」