正月の中野・新宿デート(?)も成功し、三学期が始まった。
三学期始まったら、すぐに2月…。2月っていったら…、なぁ、あれだよな、バレンタイン…。
今、『ボビー』って言ったヤツは千葉愛があるな。
で、私は比企谷にあげたい訳なんだが、どうしたものか…。
手作りとかガチ過ぎて引かれそうだし、既製品も味気無いしなぁ…。
「また、百面相してんな」
「うわっ!」
「そんなに驚くなよ」
「ちょっと考え事をしてたから」
「ほ~ん」
お弁当食べながら、ボーっとしてしまった。
思いきって聞いてみるとか…。
「なぁ、比企谷って甘いモノって好き?」
「まあ好きだな」
「ち、チョコとかは?」
「好きだぞ」
よ、よし、第一関門突破だ。
「もうすぐバレンタインだよな」
「また監督やるのか?」
「違う!それはボビーの方!」
比企谷の千葉愛はわかった。
「あれだろ、煮干しの日とかぶってる日だろ?」
「煮干しの日?」
「気にするな。お菓子業界の陰謀の日だろ。俺には関係ない」
「そ、そうなのか?」
「妹と母ちゃんに貰うだけだからな」
そうなんだ。
「じゃ、じゃあ、今年は私もあげるよ」
「本当か?」
「ああ、いいぜ」
「いやぁ、義理でも嬉しいな。あ、後で『お前にあげる訳ないだろwww』とかやめてくれよな」
「しないよ!」
義理じゃないし…。
「300倍返しとかも無理だぞ」
「そんな悪徳商法みたいなことしないよ!」
まったく、私を何だと思ってるんだ…。
「ま、神谷はそんなことしないよな」
わかってるならいいけど。
バレンタイン当日、比企谷の云う『ベストプレイス』でお昼休み。
「ひ、ひきぎゃや!」
噛んだ!うぅ…。
「ん?」
「こ、これ…。約束しただろ?」
「俺にか?」
「他に誰が居るんだよ」
「あ、あの、…、いいのか?」
「いいに決まってるだろ」
「食ってもいいか?」
「もちろんだよ」
手作りはまだ早いと思ったから、ちょっと高めのチョコだぞ。
「うん、旨い」
「べ、別にアンタの為に都内まで行った訳じゃないんだからね」
「何そのツンデレのテンプレは。都内まで行ったのか?」
「と、友達の付き合いでな」
「ありがとな、神谷」
うぅ、その笑顔はズルい。
あと、これを都内に買いに行った時にあったこと…。比企谷はどう思うだろうか…。
「それでさ、比企谷に聞きたいことがあるんだけど…」
「ん?なんだ?」
「私…、アイドルになれると思うか?」
「は?どうしたんだ、急に」
「いや…、スカウト…された」
「そりゃ、神谷ぐらい可愛いかったらな」
か、可愛いなんて…。
「んで、どう思う?」
「まぁ、本人の気持ちと努力次第だろ。それと、本当にアイドル事務所だったのか?」
「本当だった。346プロって知ってるか?」
「すげぇ、超大手じゃねぇか」
「で、どう思う?」
「さっきも言ったけど、神谷のやる気と努力だと思うぞ」
「そっか…」
「ちなみに、親御さんには?」
「勉強と両立出来るならいいってさ」
「理解があるんだな」
ここからが重要だ。
「比企谷はさ、私がアイドルになったら、ファンになってくれるか?」
「当たり前だろ。デパートの屋上だろうと、武道館だろうと行くよ」
「それと、アイドルになっても友達でいてくれるか?」
「先のことはわからん。だが、俺から友達やめるつもりはねぇよ」
「そっか。ありがとな、比企谷。決心がついたよ」
私はアイドルになった。