283プロ短編集   作:Garbage

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Happy Birthday!(to Juri)

 

 ピピピ、と枕元でスマホのアラームが鳴る。寝ぼけ眼でアタシはそれを止め、起き上がってはうーんと伸び。いつも当たり前のように繰り返している朝のルーティンだけど、今日に限ってはそれに一つの作業が加わっていた。

 

「うおっ、めっちゃ通知来てるし……」

 

 スマホを開くと、チェインのアイコンに何件かの通知が。283プロのグループチェインだ。

 

『樹里ちゃん、お誕生日おめでとうございます。プレゼント、樹里ちゃんに喜んでもらえるようなものを用意するね』

『樹里、お誕生日おめでとう。樹里の一年が実りあるものになるよう私も祈っています』

『樹里ー! お誕生日おめでとうー!! プレゼント楽しみにしててね!』

 

 イルミネの3人からのチェインはそれぞれの性格がよく出てるものだった。日付が変わった0時0分きっかりに送ってくるあたりも灯織らしい。

 

『お誕生日おめでとう〜、今日は樹里のために喜んで貰えるようなイタズラを考えてあるので期待してね〜』

『じゅりちー、ハッピーバースデー! 歳を一つ重ねた放クラのツッコミ番長の冴えたツッコミを期待してるよ!』

『樹里ちゃん、お誕生日おめでとう。今度樹里ちゃんにお誕生日のお花を贈るね』

 

 アンティーカは寮暮らしじゃない三人からそれぞれお祝いのチェインが来ていた。恋鐘と咲耶からは来ていなかったけど、あの二人のことだからチェインじゃなくて直接祝うことを選ぶのは予想できた。取り敢えずどこから摩美々のイタズラが飛んでくるかがわからないから一応備えておくことにしよう。

 

『西城さん……お誕生日おめでとう。前に西城さんに勧めたゲーム、甜花やめちゃったけど……また遊べるように甜花やり直すから、また遊んでね』

『樹里ちゃんお誕生日おめでとー! 甜花ちゃんと一緒にプレゼント選んだから楽しみにしててね!あ、あと甜花ちゃんのお勧めしたゲーム、甘奈も始めたから一緒にやろうね!』

『樹里ちゃん、お誕生日おめでとう。今日はお仕事で朝早かったから直接言えないからチェインで済ませる形になってごめんなさい。でも、帰りにケーキ買って帰るから楽しみにしててね』

 

 アルストの三人からは全員分のメッセージが届いていた。甜花と一緒にやるためにやってたゲーム、アタシが上手くなる前に甜花が辞めてたのはちょっとショックだったけど、甜花も甜花でアタシのそのリアクション見て感じ取ってくれていたのは素直に嬉しかったな。まあ甜花のことだから甘奈あたりが後押ししてくれたんだろうけど。千雪のケーキは何がいいかな、寮のみんなで食べるならみんなに話を聞いてリクエストをしておこう。

 

『樹里ちゃん今日お誕生日だったんすね!冬優子ちゃんに言われるまで知らなかったっす!』

『あさひちゃん? そう言うことはチェインで書かない方がいいんじゃないかな……?』

『なんでっすか? そういうのは覚えておいた方がいいって言ったのは冬優子ちゃんっす』

『あさひちゃーん……』

『二人とも全体グループチェインでそういうの話すのは時間的に迷惑じゃない? あ、樹里ちゃんおたおめ〜! なんか欲しいものあったら教えてほしいかな、あさひちゃん冬優子ちゃんと買いに行くからさー!」

 

 グループチェインでも普段と変わらないのがストレイの三人。まああさひは自分の誕生日も忘れてるくらいだし、アタシの誕生日を忘れててもしょうがないよな。冬優子と愛依はチェインの上でもあさひの面倒をよく見てて頭が下がるよ。

 

『樹里ちゃんハピバ。めでたいね、アニバーサリー』

『浅倉、それじゃ伝わらない。樹里、誕生日おめでとう。この間の小糸の誕生日の時の礼も兼ねて何か贈るから』

『ま、円香ちゃんそれは関係ないような……こ、この間はありがとうございました! みんなでプレゼント買いに行くから楽しみにしててね!』

『やは〜、おめでとうございます〜 今日も一日しあわせにしましょうね〜』

 

 この間小糸の誕生日を祝ったこともあってかノクチルの四人からもメッセージが来ていたのは正直驚いた。いまいち283プロに溶け込めていないように思えたけど、こういったグループチェインでやりとりしているうちにだいぶ打ち解けたんじゃないか、って思う。ただチェインでも透と雛菜は相変わらず自分の世界を突っ走ってるのを見るとこっちもこっちで円香と小糸の大変さが伝わってくる感じがした。

 

『みんなサンキューな! すっごく嬉しいよ!』

 

 正直言うと全員に礼を言いたいけど、それやってると物凄く時間がかかっちまうから今は取り敢えずこの一言程度で留めておくとしよう。そんな時、アタシの部屋のドアが軽く叩かれる。アタシのどうぞ、という言葉に合わせて入ってきたのは凛世だった。

 

「おはようございます、樹里さん。そして、お誕生日おめでとうございます」

「おはよう、凛世。起こしに来てくれたのか?」

「はい、樹里さんが中々起きていらっしゃらないので……」

「悪い悪い。みんなからのメッセージ見てたらついつい時間かかっちまって」

「ふふ……皆様も樹里さんの誕生日をお祝いしたいのでしょうね」

「なんだかんだ言って幸せ者だよアタシは」

 

 アイドルになる前でも家族や地元の友達は誕生日を祝ってくれていたし、その辺については満足していた。でもやっぱりアイドルになって、放クラの一員として色んなことをしていって有名になって、もっとたくさんの人がアタシのことを知ってくれて、アタシの誕生日を喜んでくれて……その喜びには変えられない。

 

「おはよう、そして誕生日おめでとう樹里。君の誕生日は私たちにとっても大事な記念日だ。心から祝わせてほしいな」

「サンキュー、朝から相変わらずだなアンタ」

 

 出会ったばかりの頃は面食らった咲耶独特の表現だけど、今となっては当たり前になりつつあった。毎日聞いているというのもあるけど、咲耶のこの言葉に嘘偽りがないってのもあるからな。

 

「樹里ー?今日の帰りはいつ頃になるん?」

「んー、状況にもよるけど夕飯ごろには帰れると思うぜ?」

「じゃあそれに合わせてうちがご馳走作るたい! 千雪のケーキとうちの料理で今夜はパーティーを開くばい!みんな寄り道せんとまっすぐ帰ってくるんよ?」

「おっ、そりゃ楽しみだ」

 

 恋鐘の作るご馳走に胸を躍らせながら、アタシはスマホを寝間着代わりのジャージのポケットにしまう。今になってもチェインには凛世以外の放クラメンバーからのメッセージはない。

 もちろん果穂は学校に行く準備があるだろうし、チョコはどうせ朝食の真っ最中、夏葉は朝弱いからまだ夢の中なんじゃないか。でも、それでいい。なんてったって、放クラの仲間たちとは果穂風に言えば「離れていても志は同じ」なのだから。

 

「樹里さん、どうされたのですか?」

「いや、果穂やチョコ、夏葉と会えるのが楽しみだな〜って」

「……はい、凛世も」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




またしても誕生日中に投稿できない悲しみ。
樹里ちゃんおめでとう!
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